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映画『サクラダリセット 前篇』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『サクラダリセット 前篇』の概要:河野裕が手掛けたミステリー小説を原作に、実写化された2部作の前篇。特殊な能力を持つ住民が多く住む咲良田市を舞台に、ケイを中心とした高校生たちが何かを守るため奮闘する様を描く。

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映画『サクラダリセット 前篇』の作品情報

サクラダリセット 前篇

製作年:2017年
上映時間:103分
ジャンル:ファンタジー、ミステリー、青春
監督:深川栄洋
キャスト:野村周平、黒島結菜、平祐奈、健太郎 etc

映画『サクラダリセット 前篇』の登場人物(キャスト)

浅井ケイ(野村周平)
「記憶保持」の能力の持ち主。冷静で正義感が強い男子高校生。内に秘めた計画を遂行すべく、「奉仕クラブ」の一員として様々な問題に向かい合っていた。
春埼美空(黒島結菜)
「リセット」と「セーブ」の能力を持つ女子高校生。ケイと共に行動し支えているが、実はケイに対して恋愛感情を抱いている。
相麻菫(平祐奈)
ケイと春埼を繋いだ人物であり、2人のトラウマの元でもある存在。死の謎を残しながらも、記憶に強く印象を残しているため、ケイがある思惑を遂行するエネルギー源となる。
中野智樹(健太郎)
「自由自在に声を届ける」を持つケイの同級生。何か頼まれてもすぐに状況を把握し、余計な詮索をせずにケイや春埼に手を貸してくれる存在。
村瀬陽香(玉城ティナ)
最強と言われる「対象を消す」能力を持ちながら、ケイや春埼と同じ高校に通う少女。実の兄を亡くしたことを機に、管理局に恨みを持っている。
魔女(加賀まりこ)
ケイをこの世界に連れ込んだ当事者。管理局に監禁され、町の統制に利用されている。未來視ができるので、先を見据え動いている。

映画『サクラダリセット 前篇』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『サクラダリセット 前篇』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『サクラダリセット 前篇』のあらすじ【起】

9月17日の登校時間に高校生がトラックとぶつかる交通事故が起こる。同じ高校に通う浅井ケイと春埼美空は、その事故を前に「リセットしよう」とコソコソ話し合った。ケイが「リセット」と唱え、春埼が目を閉じる。すると世界は前回セーブした2日前に戻るのであった。一見普通の少年であるケイが持つ「記憶保持」という特殊能力、そして春埼が持つ「リセット」という能力は共に発動することで意味を成すのだ。リセットすることで、ケイを除くすべての人間の記憶は消える、能力を実行した春埼自身の記憶も同様に。

咲良田というとある都市に住む人間たちの半数は、特殊能力を持っている。能力者たちは
管理局に監視され、咲良田を出ると能力の存在を忘れてしまうのである。ケイは管理局の下部組織である、「奉仕クラブ」に所属していた。「もう誰も失いたくない。」とつぶやくケイは、事故や災難を未然に防ぎ、春埼にセーブさせることで過去を書き換えているのである。奉仕クラブの活動は、顧問の津島先生が受けてきた依頼から始まる。その日の依頼は“佐々野”という男性が失った能力を取り戻すこと。佐々野は「10分間だけ写真の中に入れる」というものだったが、赤いコンタクトをした少女と目を合わせたことをきっかけに能力が使えなくなってしまったのである。ケイは手掛かりとなる1枚の写真を見て、それは2年前の10月2日の夕方であると確信するのであった。

その夜、津島先生からとある人物がケイと春埼に会いたがっているという連絡が入った。翌日、ケイと春埼は指定された大きな建物に向かう。詳細を教えてもらえないまま、ケイだけが奥の一室に案内された。たくさんの本に囲まれた無機質な空間に、「魔女」と名乗る女性が一人たたずんでいた。初めて会ったはずのケイと魔女だが、咲良田にケイがやって来たのは魔女の手ほどきの元であった。「未来を読む、未来視」の能力を持つ魔女は、自分が10日後に死ぬこと、「終わりが幸福なものであること」を願うよう伝え、ケイを部屋から解放した。

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映画『サクラダリセット 前篇』のあらすじ【承】

別室で待っていた春埼は魔女と初めて対面する。そして「ケイを好きか、たとえ石だとしても好きか」と尋ねられ、素直に「好きです」と答えるのであった。その頃、ケイは建物の外で春埼を待っていた。そこへ「先輩」と話しかけてきたのは赤いコンタクトの少女・岡絵里。かつてはケイを慕っていた絵里だったが、いつからか敵視し春埼の能力を奪うと宣言するのである。ちょうど建物から出てきた春埼を見つけ、危険を回避しようとしたケイ。しかし、絵里には「対象を消す」能力を持つ村瀬陽香が仲間についており、ケイは捉えられてしまう。その隙に、春埼の能力を奪った絵里。春埼の能力を返す条件として、魔女のいる建物の見取り図を描くことを要求し去っていくのだった。

春埼の能力を復活させようとしたケイは、同級生の坂上に助けを求めた。坂上は「能力をコピーする」能力の持ち主である。ケイの記憶から春埼の能力をコピーし、使い方を思い出させようとしたのだが、失敗に終わる。落ち込んだ春埼は、ケイと別れ際「能力がなくなったら、私たちの関係は変わりますか?」と問うが、ケイははっきりとした返答をせず春埼を見送るのであった。

ケイと春埼は出会って2年になる。きっかけはケイと春埼の能力の相性を見込んだ相麻菫という同級生の紹介であった。初めて会った日、ケイは春埼に「どんな時に能力を使う?」と尋ねた。春埼は「泣いている人がいれば、私はその人の悲しみを消すために能力を使います」と迷わず答えた。その日から春埼を信じ共に行動するようになったのだ。

映画『サクラダリセット 前篇』のあらすじ【転】

春埼の能力を復活させられなかったケイは、津島先生に陽香のことを訪ねに行った。陽香は実の兄を交通事故で亡くしていた。兄を生き返らせようと、管理局に反抗し能力者を探している陽香。実はケイも大事な存在を失ったとき、管理局に反抗したことがあったが失敗に終わり、考えを変えるようになったのだった。

絵里と陽香の指示通り、魔女のいる建物の見取り図を描き始めたケイ。数日間であったことを思い返すうちに、佐々野の能力は実は消えていないのではないかと疑いを持った。ケイの予想は的中。佐々野はあらかじめ絵里から襲撃を受けることを知っていた。能力を奪われたふりをして、ケイをおびき寄せたのである。能力を持ったままの佐々野は、写真を使って恋人と会っていた。その恋人とは魔女なのである。かつて咲良田で管理局に反抗し、名前を奪われてしまった魔女は、「名前のないシステム」として咲良田の能力者の管理に利用されているのである。事の真相を知ったケイは、佐々野から3枚の写真を受け取る。その1枚には海辺に佇む若い頃の魔女の姿が映っていた。ケイは春埼を連れて写真に写る海岸へ向かった。そして、写真を使い若い頃の魔女と対面。過去にあった悲劇について知らされるのであった。

そのままケイは春埼と一緒に絵里と陽香の元を訪ねた。魔女がいる建物の見取り図を渡すが、交換条件であった春埼の能力は返してもらえなかった。前回リセットしてから3日が経過するまでは返さないと陽香は言うのである。さらにケイに対して手を組もうと提案する陽香。明確な返答をしないケイであったが、目指すのは「ハッピーエンド」だった。

ケイは佐々野と中野を引き連れて建物に向かった。ケイの指示で人物が映り込まないように撮影しながら魔女のいる部屋を目指す佐々野。絵里と陽香が見取り図通りに奥の部屋に着いた時には、魔女の姿はなかった。実は佐々野の写真を使い、魔女はすでに脱出していたのである。邪魔が入り焦りを隠せない陽香を煽り立てるように、ケイは勝負を仕掛けた。陽香の能力は人に使ってしまうと、相手は命を落とす。死ぬ覚悟のケイは智樹に「3分後」とだけ伝え、自ら陽香の手を引き寄せ命を絶つのである。初めて人を殺めてしまった陽香は狂い、春埼にリセットを依頼するも、「一人では使えない」と春埼は呟くのである。実は春埼の能力はケイの合図が無くとも発動できたが、菫が亡くなって以来、春埼は判断を全てケイに委ねるようになったのである。陽香は何とかケイを生き返らせようと、春埼に能力を戻すよう、能力をちらつかせ絵里を脅した。リセットを取り戻した春埼の元に、ケイの合図が届く。

映画『サクラダリセット 前篇』の結末・ラスト(ネタバレ)

時はリセットされ、ケイと春埼は学校の屋上にいた。辛い表情をしたケイは一連の出来事を春埼に伝える。もちろん春埼の能力が奪われることも伝えた。春埼は「もしも私の能力が奪われたとして、ケイと私との関係は変わってしまいますか?」と尋ねる。ケイは以前とは違い、「変わらない。もし奪われることがあっても、必ず僕が、君の能力を取り戻す」と断言するのである。佐々野に会うように依頼を受けたケイ。魔女のいる建物の前には陽香が待っている。リセット前に撮りためた写真を持っていた陽香。「私の負け」とうつむく陽香に、
「手を組もう」と前向きな提案をしたケイ。「そんなふうに、できたらいいな」とつぶやき陽香は立ち去った。魔女と会ったケイは、佐々野がリセット前に撮った写真を渡すことができた。

不意にケイは過去のトラウマを思い返す。実は菫と春埼、両方に惹かれていたケイ。雨の日の帰り道、春埼に告白されたケイはキスをする。しかしそのキスをなかったことにしたいケイはリセットをした。その自分のために使ったリセットがきっかけで菫は死んでしまったのである。それ以来、菫を生き返らせることに執着するケイ。魔女と佐々野が共に咲良田を出ることができたなら、ケイの仮説は実証される。その夜、無事に魔女は佐々野と咲良田を出る。見送るケイに、魔女は「自分の後継者が必ず現れる」と告げた。

翌朝、ケイは春埼にセーブさせる。もうそれ以前へは遡ることはできない。そして、ケイは初めて春埼に計画を告げた。坂上と陽香を集い、写真を使ってケイ達は過去に戻る。そこには生きている菫の姿が。陽香の能力を坂上にコピーさせ、菫に写してもらう。ケイの思惑通り菫は現実世界に生き返った。2年の空白を埋めるように、事実を菫に尋ねた。すると菫は「すべて必要なことだった」と多くの秘密を残し、ただ一つ、自分が2代目の魔女であることを告げ、ケイに笑いかけるのであった。

映画『サクラダリセット 前篇』の感想・評価・レビュー

予想外に地味な仕上がりの作品であった。原作を知らない場合、物語の温度感がわからず困惑する部分が多いので残念である。「特殊能力」という非現実的な設定から想像がつかないロートーンで静かな展開。登場人物も大変シンプルで分かりやすいはずなのだが、イマイチ上がり切らないテンションに出鼻をくじかれたような喪失感や違和感がスッキリできない後味を生み出したと思われる。終始、敬語でケイに接する春埼(黒崎結菜)のあどけなさが救いの一作。(MIHOシネマ編集部)


特殊能力を使えることが普通な世界。そこで起こる出来事が、物凄くあっさりと淡々と描かれているので大きな盛り上がりも無く終わってしまいましたが、その静かで大袈裟にしない描き方が今作の良さなのかも知れません。
原作を全く知らずに鑑賞したため、野村周平や伊藤健太郎がどの程度原作のキャラクターに忠実なのかは分かりませんが、若い男女の初々しい感じや、自分なりの正義感を持った様子がとてもリアルで楽しめました。
死んだ菫が2代目の魔女として登場したので後編も鑑賞しようと思います。(女性 30代)


もともとTVアニメを視聴していたので、それの実写ということで興味を持って鑑賞。前後編という事で、前半はどうしても情報やキャラクター紹介、伏線といういわゆる前振り部分なので多少の退屈感を感じるのは致し方ない。

だが、アニメで違和感を感じた場面もうまく実写映像に落とし込んでおり、監督、脚本家の手腕を感じた。

この作品の魅力の一つは、特殊能力を安易にバトルに使っていないこと。特殊能力をいかに使って問題を解決していくのかという謎解き要素が面白い。人間ドラマにフォーカスしているので静かに鑑賞するのに向いている。(男性 30代)

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次作 サクラダリセット 後篇

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