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映画『パラサイト 半地下の家族』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パラサイト 半地下の家族』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『パラサイト 半地下の家族』の結末までのストーリー
  • 『パラサイト 半地下の家族』を見た感想・レビュー
  • 『パラサイト 半地下の家族』を見た人におすすめの映画5選

映画『パラサイト 半地下の家族』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2019年
上映時間 132分
ジャンル サスペンス
ホラー
コメディ
監督 ポン・ジュノ
キャスト ソン・ガンホ
イ・ソンギュン
チョ・ヨジョン
チェ・ウシク
製作国 韓国

映画『パラサイト 半地下の家族』の登場人物(キャスト)

キム・ギテク(ソン・ガンホ)
貧乏家族の父親であり、大黒柱。失業中で金もないが楽天的な性格で、何とかなると考えている。ギジョンの紹介により、パク一家の運転手として雇われることになる。
キム・ギウ(チェ・ウシク)
キム家の長男。大学受験に失敗してから浪人生として勉強しているが、未だ大学には合格できずにいる。学歴はないが、受験経験は豊富なため教えるのは上手く、家庭教師としてパク一家に気に入られる。
キム・ギジョン(パク・ソダム)
ギウの妹。美大を目指しているため絵が上手いが、予備校に通うお金がないため美大に合格することができない。絵が上手いことからパク家の息子の絵の家庭教師となる。
キム・チュンスク(チャン・ヘジン)
キム一家の母親。楽観的で甲斐性のない夫ギテクに喝を入れる。家政婦としてパク家に侵入することとなる。
パク・ドンイク(イ・ソンギュン)
富豪のパク一家の大黒柱。IT企業の社長であり、誰もが尊敬するようなエリート。
パク・ヨンギョ(チョ・ヨジョン)
若く美しいパクの妻。能天気な性格で人を疑うことを知らないため、キム一家を次々と家に入れてしまう。
ムングァン(イ・ジョンウン)
パク一家の家政婦。パク一家が入居する前から豪邸の家政婦をしており、家のことを知り尽くしている。

映画『パラサイト 半地下の家族』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『パラサイト 半地下の家族』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ【起】

キム一家は貧困に苦しめられていた。父親のギテクと母親のチュンスクは失業中であり、ピザの箱を組み立てる内職でなんとか食いつないでいた。家は道路から半分地下に入っているような作りになっており、道路の消毒液や酔っ払いがした尿などが家の中に入ってきてしまう始末であった。またトイレは水圧の関係で家の中で1番高い位置にあり、ひどい有様だった。

そんな貧困のせいで、息子のギウは受験のテクニックなどを学ぶことができず、浪人生として大学を目指していた。そんなある日、ギウは友人に家庭教師をやらないかと誘われる。その友人が留学に行っている間だけ、友人の代わりとして家庭教師をやるよう勧められるギウであったが、まだ大学生ではない自分では役不足であると迷っていた。

しかしながら、報酬が良いこともあり、ギウは友人の代わりに家庭教師をやることを引き受ける。ギウが家庭教師として勤務する家は、IT企業の社長の家で、豪邸であった。大学生ではないギウは、美大を目指している妹ギジョンに大学の証明書を偽造してもらい、なんとか家庭教師として働き始める。

映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ【承】

ギウが家庭教師として勤務しているパク一家は、4人家族で娘と息子が1人ずついた。ギウは女子高生である娘に英語を教えており、パク夫人は家庭教師として誠実に娘に教えるギウを気に入っていた。そんなある日、パク家の息子が絵を習いたがっていることを知ったギウは、パク夫人に絵の家庭教師を紹介できると言った。

ギウのことを信頼していたパク夫人は、早速ギウに紹介してもらうことにする。そして、ギウはパク一家に妹のギジョンを紹介し、パク夫人は妹ギジョンのこともすぐに気に入った。ギウとギジョンは、互いに家族であるということを知られないように家庭教師として働いた。

そんなある日、ギジョンがパク家の運転手に家に送ってもらうことになる。その車の中で、ギジョンは自分の下着を脱ぎ、車の中に隠した。翌日、車の中で下着を発見したパク氏は、運転手が車の中で如何わしいことをしたと考え、運転手を解雇してしまう。新しい運転手が必要になったパク氏に、今度はギジョンが父親のギテクを紹介する。

映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ【転】

パク一家の信頼を勝ち取り、徐々に内部に入り込んでいったキム一家は、最後に母親のチュンスクも内部に入れようと考えた。しかしながら、パク一家には長年家政婦として働いているムングァンがおり、その女性がいる限り、チュンスクを雇ってもらうのは難しそうであった。

そこでギテク達は、ある作戦を決行する。ムングァンは桃アレルギーであったので、桃の粉末をふりかけ、結核を発症しているように仕立て上げたのである。それにより、ムングァンが結核であると思い込んだパク氏は、ムングァンをクビにしてしまう。その後、ギテクは家政婦を紹介するていで、母親のチュンスクを雇わせることに成功する。

そんなある日、パク一家が家政婦のチュンスクに家を預け、旅行に出かけることになる。パク一家がいなくなった家で、富豪生活を満喫していたキム一家は、幸せな時間をおくっていた。するとそこに、前の家政婦のムングァンがやって来る。チュンスク以外の家族は隠れ、ムングァンを迎え入れた。彼女は地下室に忘れ物をしたと言い、その秘密の地下室に行くと、ムングァンの夫がいた。彼はパク一家に隠れて地下室に住んでいたのである。

映画『パラサイト 半地下の家族』の結末・ラスト(ネタバレ)

ムングァンは、隠れて夫を地下室に住まわせていたことを秘密にしておいて欲しいと懇願する。すると、その時隠れていたギテク達が見つかってしまい、ギテク達4人が家族であることをムングァンに知られてしまう。それにより、ムングァンは自分が貶められていたことに気づき、パク一家に暴露すると脅し始める。

そこに、パク夫人から家に帰ると連絡が来る。ギテク達は、ムングァン夫妻を地下室に押し込み、急いで部屋の片付けをした。なんとかパク一家が帰って来るまでに片付けることができたが、パク一家が帰って来てしまう。チュンスク以外のギテク達3人は、パク一家に見つからないように家に隠れてやり過ごした。

翌日、パク一家は息子の誕生日パーティーを開くことにし、その準備にギテク、ギウ、ギジョンの3人も参加する。地下室に閉じ込めたムングァン夫妻のことが気になったギウが、地下室の様子を見に行くと、待ち伏せしていたムングァン夫妻に殴られ、気を失ってしまう。

そして地下室から出たムングァンの夫は、包丁を奪いギジョンを刺す。それを見たチュンスクはムングァンの夫を、串で刺し殺す。パニック状態に陥ってしまった豪邸で、ギテクはパク氏に貧乏人であると蔑まれたと感じ、衝動的にパク氏を殺してしまう。

この事件により、ギウとチュンスクは執行猶予付きの判決を下され、ギジョンは死に、ギテクは豪邸の地下室に身を潜めたのであった。ギウは、いつか金持ちになって、父が隠れている豪邸を買うことを誓った。

映画『パラサイト 半地下の家族』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

「格差社会」をここまで鮮やかに、そして暴力的に描いた映画は他にない。貧しいキム一家が裕福なパク家に“寄生”していく様子はユーモラスでありながらも、不穏さを常に孕んでいた。地下室に潜んでいた元家政婦の夫の存在、そしてそれが引き起こす暴力的な結末には息を呑んだ。笑っていたはずが、終盤では静かに震えていた。(20代 男性)


あまりにも完成された映画。コメディからサスペンス、そしてホラーに至るジャンルの“スライド”がとにかく自然で、観客を見事に誘導する演出が秀逸。豪邸の構造を使ったカメラワークも印象的で、家そのものが階級を象徴しているように感じた。あの雨の夜の地獄のようなパーティーシーンは、今でも夢に出てきそうな衝撃だった。(30代 女性)


社会的メッセージが強い作品だが、それ以上にエンタメとしての完成度が素晴らしい。貧困家庭の必死さとしたたかさ、それに対する富裕層の無自覚な“無関心”が、静かに、でも確実に衝突していくのが見事。父が最後に社長を刺す理由も、直接的な憎しみというより、積もりに積もった“見下し”への爆発だったと思う。(40代 男性)


貧困層が悪、富裕層が善、という単純な構図ではないのがこの映画のすごさ。登場人物すべてにある種の“生存本能”があり、それがぶつかり合うことで破滅が生まれる構造にゾッとした。特に父親が“臭い”を侮辱された瞬間の表情が忘れられない。言葉にしなくても伝わる差別の残酷さがあそこには詰まっていた。(50代 女性)


「雨」は映画の中でこれほどまでに不平等な存在になれるのか、と衝撃を受けた。パク一家にとっての“恵みの雨”が、キム一家にとっては家を失う災害であるという構図が強烈すぎる。ユーモアと風刺のバランスが見事で、映画としてのエンタメ性と社会性を両立させた傑作。アカデミー賞も納得。(10代 男性)


正直、最初は話題性に惹かれて観たが、想像以上に深く、苦しく、でも面白かった。タイトルの“パラサイト”が誰を指すのか、最後まで問いかけ続けてくる作りに感心した。地下室の男が出てきた瞬間、ジャンルが一気に変わるのもすごい。家とは何か、家族とは何か、そして“他人の目”とは何かを考えさせられる作品。(60代 男性)


この作品はただの格差ドラマじゃない。韓国という社会の中で“下の存在”として描かれる人々が、上に這い上がろうとするもがきの物語だった。そしてそれは多くの国で共有される構造だと思う。特に父が地下に潜ってしまうラストは、物理的にも象徴的にも“社会の底”を描いていて、あまりに苦しい。圧巻の脚本力。(30代 男性)


キャラクターの描き方がうまくて、キム家の人々に最初は同情していたが、途中から“これは正義なのか?”と思い始めた。善悪が明確に分かれていないところが、この作品の恐ろしさ。観客の感情を巧みにコントロールしている。それにしても地下室の存在には本当にゾッとしたし、映画全体が何かの“暗喩”に感じられた。(40代 女性)


劇中、誰もが何かを“演じている”という構造が面白い。キム一家は職業を偽り、パク夫人は“良妻賢母”を装い、地下の男はただ“生き延びるための顔”をしている。誰が本物で、誰が偽物なのか分からなくなる中で、“生きる”という行為だけが浮かび上がる。この映画を観ると、道徳や正義とは何かを改めて考えさせられる。(50代 男性)


貧富の格差をテーマにしながら、あれほどスリリングで引き込まれる映画に仕上げたポン・ジュノ監督に脱帽。ジャンルが目まぐるしく変わるのに、一本の芯がしっかり通っているのがすごい。個人的には、キム家の娘ギジョンが浴室でタバコを吸うシーンが象徴的で好き。彼女の誇りと虚しさが静かににじんでいた。(20代 女性)

映画『パラサイト 半地下の家族』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パラサイト 半地下の家族』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

万引き家族

この映画を一言で表すと?

“血縁ではない家族”が描く、現代社会のひずみとつながりの物語。

どんな話?

貧困にあえぐ一家が万引きで生計を立てながら、ある少女を保護し家族として迎え入れる。しかし、その生活の裏には様々な秘密と社会との摩擦が潜んでいた──真の“家族”とは何かを問い直す人間ドラマ。

ここがおすすめ!

『パラサイト』と同様に、社会の下層で生きる人々の現実と葛藤を静かに描写。是枝裕和監督の繊細な演出で、家族の形と貧困の問題を考えさせられる深い映画です。さりげない日常の中に潜む緊張感も秀逸です。

スノーピアサー

この映画を一言で表すと?

閉ざされた列車内で繰り広げられる、未来版“格差社会”革命劇。

どんな話?

地球が氷河期に覆われた未来、生き残った人類は一両の列車で暮らしていた。先頭車両=支配層、最後尾=労働者という明確な階級社会の中、下層の住民が反乱を起こし、前方を目指して進んでいく。

ここがおすすめ!

ポン・ジュノ監督のもう一つの社会派作品。『パラサイト』同様、物理的な“上下構造”で階級を描き、視覚的にもメッセージ的にも鋭い演出が光ります。SFでありながらリアルに感じる社会批評が魅力。

ドッグトゥース

この映画を一言で表すと?

家の中という“社会”に閉じ込められた子供たちの、異様な成長記録。

どんな話?

両親により徹底的に外界と隔離された家で育った兄妹たちは、常識も言葉も親の都合でゆがめられた世界で生きていた。だが、外の世界への“裂け目”が現れた時、事態は思わぬ方向へ──。

ここがおすすめ!

『パラサイト』のように、家という空間の中で構築された“異常な秩序”を描いています。ヨルゴス・ランティモス監督による不穏で独特な空気感と、暴力性を孕んだ寓話のような世界観に圧倒されるはずです。

鑑定士と顔のない依頼人

この映画を一言で表すと?

孤独な男が愛を知ったとき、すべてが欺瞞へと変わる衝撃ミステリー。

どんな話?

高名な美術品鑑定士が、姿を見せない若き女性の依頼を受け、彼女との距離を縮めていく。しかし、少しずつ明らかになる“違和感”がやがてすべてを覆す驚愕の真相に繋がっていく──。

ここがおすすめ!

『パラサイト』と同じく、人間関係に潜む“嘘”と“演技”を描いた物語。高級な美術の世界と、騙し合いの心理戦が織りなす繊細なサスペンスが魅力で、ラストの切なさと美しさに心を奪われるはずです。

母なる証明

この映画を一言で表すと?

息子を守るために、母が踏み越える“正義”と“狂気”の境界線。

どんな話?

知的障害のある息子が殺人事件の容疑者にされたことをきっかけに、母親が事件の真相を独自に追い始める。やがて明らかになる驚きの事実と、母の取った行動に息を呑むことになる。

ここがおすすめ!

こちらもポン・ジュノ監督作品で、『パラサイト』と同様に“家族のために”という想いが常識を逸脱していく過程が描かれます。圧倒的な母の存在感と衝撃の結末が観る者の倫理観を揺さぶる傑作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. hina より:

    カンヌ映画祭でパルム・ドール賞を初めて韓国人映画監督が受賞し、アカデミー作品賞も受賞した作品。
    韓国の半地下で生活する家族が富裕層の家庭教師、運転手、家政婦と家族ぐるみで仕事をするようになります。しかし、地下で生活した人々に染みついた富裕層にはない独特の特徴が原因で大きな事件に発展していきます。
    実際に、こんな生活を送っている人々がいるという現実社会の違いを見せつけられる気がしました。人間心理が深く関係し恐怖を感じる作品です。