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映画『レイトオータム』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『レイトオータム』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『レイトオータム』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『レイトオータム』の結末までのストーリー
  • 『レイトオータム』を見た感想・レビュー
  • 『レイトオータム』を見た人におすすめの映画5選

映画『レイトオータム』の作品情報

レイトオータム

製作年:2010年
上映時間:113分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:キム・テヨン
キャスト:ヒョンビン、タン・ウェイ、キム・ジュンソン、キム・ソラ etc

映画『レイトオータム』の登場人物(キャスト)

アンナ(タン・ウェイ)
夫の暴力に耐えかね、殺害してしまったため服役していた女性。一時外出中にフンと出会い少しずつ閉じこもった殻から抜け出し始める。
フン(ヒョンビン)
「エスコート・サービス」という女性をもてなす仕事をしている。上顧客の夫に不倫と疑われ逃げている最中にアンナと出会う。心を開かないアンナに興味を持ち、客ではなく人として接していく。

映画『レイトオータム』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『レイトオータム』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『レイトオータム』のあらすじ【起】

くたびれた表情で人気のない住宅街を走り出す女性。彼女の名前はアンナ。顔には複数のあざがある。思い立ったように来た道を戻ったアンナは、自宅へ向かった。そこには大の字に倒れる男性がいた。アンナは夫の暴力に耐えかね、殺害してしまったのだった。

7年の月日が経ち、アンナは服役中に母の死を知らされた。葬儀に出るため、72時間という限られた時間だけ、定期的に電話に対応するという条件で外出の許可を得たアンナ。シアトル行のバスに乗っていると、一人の男性が駆け込み乗車してきた。そして唯一アジア人であったアンナに、バス代を貸して欲しいと話しかけてきたのである。仕方なくお金を貸したアンナに、その男性は「大切なものなんだ」と良いお金を借りた保証として時計を渡してきた。男性の名前はフン。フランクなフンの振る舞いをアンナは少し疎ましく思っていた。

長いバス旅の道中、フンは何度か電話で誰かに“状況”を確認していた。誰かに探されている様子である。ようやくシアトルにある母の家に着いたアンナ。数年振りに再会した家族たちは仰々しく、居心地は良いものではなかった。早々に母の家を売るという話を受け、いざこざに巻き込まれる。気分転換に家を出たアンナは、幼馴染のワンと再会する。同情したようなワンの態度にアンナは虚しさに苛まれるのだった。

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映画『レイトオータム』のあらすじ【承】

その頃、フンは仕事をしていた。それはあらゆる女性からの依頼に対応する「エスコート・サービス」である。

気分転換にアンナは街へ買い物に出た。服役中に閉じ切ったピアスの穴を久々に使い、着飾ったことで満足した矢先に刑務所から所在確認の電話が来る。どういった立場に置かれているのか痛感したアンナはトボトボと駅のトイレへ向かい、元の服装に着替え直すのであった。仕事を終えたフンは、街中で一人ぼーっと座り込むアンナを見かけた。借りたお金を返そうとしてもアンナは返事をしない。そして、「私と寝たい?」と言い出すのだった。

フンはアンナを泊まっているホテルへ迎え入れた。手慣れた様子でアンナに触れるフンだったが、咄嗟に拒まれ突き飛ばされてしまう。ずっと暗い表情のアンナに、フンは一緒に外出しようと誘う。食事をしながら初めてお互いの名前を伝え、面と向かって会話をした二人。フンはシアトルを案内すると提案し、水上バスのツアーにアンナを連れ出した。

ツアーの団体と離れた二人。フンは遊園地を目指した。あいにく休園日であったが、こっそり忍び込み二人はメリーゴーランドに乗る。この頃にはもう、アンナは強張った表情は見せなかった。少しずつ打ち解け始めた二人。アンナは初めて自分のことを話し始めた。72時間という制限の中で、シアトルにいること。そして服役中の身であることも。

映画『レイトオータム』のあらすじ【転】

実はアンナは幼馴染のワンと付き合っていた。しかしワンはアンナではない女性と結婚。アンナも諦めて別の男性と結婚したが、ワンが再び目の前に現れたことで人生が変わり始める。過去の関係に踏ん切りがついていなかったワンは、復縁を求め「駆け落ちしよう」と提案してきたのである。計画はすぐに夫に知られ、アンナを暴力でねじ伏せようとしていた。耐えきれなくなったアンナは、夫を殺害。刑に服しているという。

辺りが明るくなり始める時間帯まで二人は一緒にいた。フンに上顧客から連絡が来る。状況を察したアンナは別れを伝え、料金を払おうとする。貸していた30ドルを相殺して、手元にある10ドルを手渡すが、フンは「30分だけ待っていて欲しい」と伝えその場を去った。

フンは上顧客が待つホテルのラウンジに向かった。実は、この上顧客の夫に不倫相手だと勘違いされ追われていたのだった。女は「自分と一緒に居たらいい」と大金を手渡すが、フンはホテルの部屋まで送り届け上顧客の元を去るのだった。

アンナは、フンを待ちながら悩んでいた。刑に服している身分であるからだ。アンナは部屋にフンの腕時計を残し、母の葬儀場へと向かう。そして、ぎすぎすとした関係の兄弟に見られず、たった一人で母と最期の会話をした。

映画『レイトオータム』の結末・ラスト(ネタバレ)

葬儀にはワンも参列していた。表向きは幼馴染であることから、平然としていたがアンナの気持ちは複雑だった。そんな時、フンが葬儀に来たのである。葬儀後の食事は母の経営していたレストランで行われる。一人座るフンと同席したアンナ。深くは聞かないフンにアンナはほっとする。しかし、そこへワンの妻が声をかけてきた。ワンも同席し、気まずい時間が流れるが、フンが見事な話術でワンの妻をだました。

その様子が気にくわなかったワンはフンにケンカを仕掛けてくる。取っ組み合いになる二人を仲裁したアンナに対して、フンは「人のフォークを使った」と理由を告げる。それは妻がいながらアンナに駆け落ちを持ちかけたワンへの皮肉である。それを読み取ったアンナは泣き崩れながら、ワンにこれまでの怒りをぶつけた。ようやくこれまで抑えていた感情をぶつけることができたアンナ。刑務所に戻るためバスに乗り込むと、フンは隣に座った。初めて会った時のように並んで座った二人は、互いのことを話し始めた。

バスが濃霧のため休憩に入った時、フンの電話が鳴る。突如頭に袋をかぶせられたフン。目の前には複数のガタイの良い男と、上顧客の夫が立っていた。そして上顧客は殺されたと聞かされる。じきに警察が自分を探しに来ることを知り、フンはアンナの元へ戻った。そしてキスを交わすのであった。ようやくフンを受け入れたアンナ。そうしてフンとアンナは約束する。「またここで会おう」と。心配されぬよう、バスに戻りアンナが眠っている隙にフンは姿を消した。

2年後、出所したアンナはフンと約束した場所に向かう。来る確信もないままに。

映画『レイトオータム』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

とてもグレーな状況下で少しずつ愛を育む二人を繊細に描き切った一作であった。決して笑顔を見せないヒロインと、女性をもてなすプロの男。交わることがなさそうな二人が共に過ごしたのは、時間にするとたった72時間。物語として派手やかなものではないが、余韻が深く記憶に残るものである。見る年代により受け取り方は異なるであろうが、「大人」と呼ばれる人たちには見てほしい作品である。(MIHOシネマ編集部)


何気ない会話や沈黙の中に感情が溶け込んでいて、全体を通してとても静かなのに心がざわつく映画でした。アンナの過去とフンの現在、互いに傷ついた者同士が一瞬だけ心を通わせる儚い関係がとても美しかった。最後の手紙のシーン、彼の文字を追いながら泣くアンナの表情に胸が締めつけられました。こういう余韻が深い映画、大好きです。(30代 女性)


これまで観たラブストーリーの中でも、こんなに「語らないこと」で語る作品は初めてでした。ほとんどが静かな空気感で構成されていて、セリフも最小限。それでもアンナとフンの間に流れる時間が、どれだけ特別だったかが痛いほど伝わってくる。二人が結ばれないというラストがまたリアルで、逆に記憶に残るんですよね。(40代 男性)


ヒョンビン目当てで観たんですが、完全にやられました。静かで、切なくて、でもすごく優しい映画。殺人で服役中のアンナと、逃亡者のフンという決して交わるはずのない2人が惹かれ合う過程が美しくて、涙が止まりませんでした。観終わった後もずっと物語が頭に残っていて、また観たくなる。これは“体験する映画”です。(20代 女性)


重たいテーマながら、映像や演出がとても繊細で、美しさすら感じました。アンナが仮釈放で向かう先々で、無意識に心を閉ざしている姿が痛々しくて、でもフンといるうちに少しずつ変わっていくのがよく分かります。ラスト、彼の手紙を読みながら涙を流すアンナに、これまで抑えてきた感情が爆発したように感じて胸が熱くなりました。(50代 女性)


テンポの速い映画に慣れている自分には、最初はちょっと退屈かも…と思ったけど、気づけば引き込まれてました。セリフは少ないけど、表情や空気感で伝わる感情がすごい。特にフンが彼女にコートを渡すシーン、あれだけでどれだけ彼女を大事に思ってたかが分かる。語らずして想いが溢れる、まさに映画の醍醐味だと思う。(20代 男性)


韓国映画はアクションや復讐劇のイメージが強かったけど、これはまったく別物。静かに流れる時間の中で、心を通わせる二人の姿がとても美しかったです。彼らが抱えていた過去や罪、それでも惹かれ合った気持ちに、人間の複雑さと優しさを感じました。結末は切ないけど、それがまた現実味があって、胸に沁みました。(40代 女性)


人物の背景をすべて説明しないところが逆に良かった。観る側が想像して感情を補完する余白が多くて、それが逆にリアルに感じました。フンが去った後のアンナの表情には、本当にいろんな意味がこもっていて、演技力にも圧倒されました。派手さはないけれど、だからこそ忘れられない映画。静かな傑作だと思います。(30代 男性)


アジア映画らしい、余韻のあるラブストーリーでした。仮釈放中の短い自由の中で、過去を抱えた男女が心を通わせる――そんな儚い関係だからこそ、見ているこちらも切なくなりました。フンが最後に残した「遅くなってごめんね」という手紙の言葉がすごく印象に残っています。あの一言にすべてが込められていた気がします。(50代 男性)


観るたびに新しい解釈が生まれる、そんな映画だと思います。初見では切ない恋愛として、2回目以降は「人と人が心を開く難しさ」を描いたヒューマンドラマとして観られる。アンナの静かな怒り、フンの優しさ、そして過去に向き合う勇気。すべてが優しく、でも力強く描かれていました。映画好きにこそ薦めたい一作です。(60代 女性)


恋愛映画というより、孤独な二人が一時的に寄り添うことで自分自身を取り戻していく過程を描いた作品。特にアンナが少しずつ笑顔を見せていくのが、観ていて嬉しくもあり、切なくもある。現実的には到底結ばれない運命なのに、最後の“再会しない”という選択がまた深い。ラブストーリーの枠に収まらない秀作です。(30代 男性)

映画『レイトオータム』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『レイトオータム』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

誰も知らない

この映画を一言で表すと?

「静けさの中に潜む痛みと希望を描いた、日本映画の傑作」

どんな話?

母親に置き去りにされた4人の子どもたちが、大人の目を逃れながら東京の片隅で必死に生きる姿を描いた実話ベースの作品。長男・明の静かなたたずまいが、無力さと優しさを同時に抱えて胸に迫ってきます。

ここがおすすめ!

『レイトオータム』と同様、感情をセリフではなく“間”や“沈黙”で表現する作品。観る人によって感じ方が変わる繊細な演出が光ります。社会の片隅に置かれた者たちの、淡くて深い物語をじっくり味わってください。

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離

この映画を一言で表すと?

「一夜限りの出会いが生んだ、忘れられない時間の奇跡」

どんな話?

ウィーンで出会ったアメリカ人青年とフランス人女性が、たった一晩だけ一緒に街を歩きながら語り合い、心を通わせていくラブストーリー。二人の会話だけで世界が広がっていくような、詩的で美しい作品です。

ここがおすすめ!

『レイトオータム』のような“すれ違いの美学”や“一期一会のロマンス”に惹かれた方にぴったり。セリフの一つひとつが心に残り、人生観や恋愛観を優しく揺さぶってくれます。シリーズで観るとさらに深みが増します。

マイ・ブルーベリー・ナイツ

この映画を一言で表すと?

「孤独な心を旅するように描いた、甘く切ない映像詩」

どんな話?

失恋した女性が、自分を見つめ直す旅に出る中で、さまざまな人と出会いながら癒しと再生を見つけていく物語。カフェの店主との何気ない会話や、夜の静けさが印象的に描かれています。

ここがおすすめ!

映像の美しさと静謐なテンポ感が『レイトオータム』と共通。何気ないしぐさや空気の流れに感情が溶け込んでいて、観ているだけで癒される。セリフが少なくても、心の機微が痛いほど伝わる作品です。

アデル、ブルーは熱い色

この映画を一言で表すと?

「出会いと別れ、愛の痛みを赤裸々に描いた青春の記録」

どんな話?

平凡な女子高生アデルが、青髪のエマに出会い、強烈な恋に落ちる。二人の関係の濃密さ、喜び、そして別れの苦しみが、3時間をかけてじっくり描かれるラブストーリー。

ここがおすすめ!

『レイトオータム』のように、恋愛の甘さと苦さが繊細に表現された作品。演技はリアルそのもので、まるで恋愛の記憶そのものを覗いているよう。時間を忘れて見入ってしまう、強烈な体験ができます。

海街diary

この映画を一言で表すと?

「静かな日常の中に、愛と喪失の余韻が優しく滲む」

どんな話?

父の死をきっかけに出会った異母妹を、三姉妹が鎌倉の家で迎え入れることから始まる物語。四人の女性たちの季節の移ろいと、家族としての関係の深まりが、穏やかに描かれていきます。

ここがおすすめ!

『レイトオータム』のように、セリフよりも空気感や表情で感情を伝える作品。日常の中に流れる繊細な感情の機微が見事に描かれており、静けさの中に温かさが染み渡るような一本です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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