映画『グレイハウンド』の概要:アフガニスタンの奥地で、負傷したアメリカ兵を救助しようとした国際治安支援部隊のヘリが、着陸に失敗し横転する。武装集団に囲まれる中で、兵士の救出とヘリの回収を、同時に行うことになった。果たして成功するのか。
映画『グレイハウンド』の作品情報
上映時間:94分
ジャンル:アクション、戦争
監督:アドルフォ・マルティネス
キャスト:アリアドナ・ヒル、ラウール・メリダ、ロベルト・アラモ、アントニオ・ガリード etc
映画『グレイハウンド』の登場人物(キャスト)
- バレラ大尉(アリアドナ・ヒル)
- スペイン国際治安支援部隊のレスキュー隊員。長年にわたってアフガニスタンで支援活動に従事する。
- トレス大尉(ロベルト・アラモ)
- バレラの同僚。レスキューヘリのベテランパイロット。バレラとは長きにわたって戦況を渡り合ってきた仲間。
- コンテ中尉(ラウール・メリダ)
- グレイハウンドの中尉。隊員が負傷後、現場に残って部隊の指揮を執る。
映画『グレイハウンド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『グレイハウンド』のあらすじ【起】
2012年。グレイハウンド(スペイン・アメリカ共同部隊)の長い車列がアフガニスタンの奥地を走行中に地雷を踏み、車が爆破され、アメリカ兵2名が負傷する。被害のない車両は移動を続行。コンテ中尉ら27名の兵士は救助を待つために、その場に残った。
国際治安支援部隊のバレラ大尉らは、救助するためにヘリに搭乗する。無線で応急処置の指示をしながら、現地へと向かった。
現地に着陸しようとするが足場が悪く、ヘリが傾き、大きな音を立てて倒れてしまう。中にいたバレラたちはヘリから出て、すぐに負傷兵の手当てにあたった。
ヘリの横転を聞き、軍事基地では作戦が練られた。ヘリをその場で爆破するか、持ち帰るか。機体を少しでも残してしまうと、反乱軍が写真に収め、勝利のアピールに利用されるかもしれない。それを回避するために、大型機で吊り上げて回収することが決まった。
負傷兵の治療にあたったベレラは、ひと晩なら大丈夫と診断。ヘリの回収と兵士の救助は、1日以内に行うことが決まった。
映画『グレイハウンド』のあらすじ【承】
グレイハウンドとレスキュー隊員は、山の下にテントを張った。バレラは負傷兵の手当てを行う。周辺を警備する兵士たちに、あまり緊張感はない。少し離れた丘に人影が現れた。ターバンを巻いた少年が、じっとこちらを見つめていた。
狙撃兵が狙おうとするが、子どもだから大丈夫だと、そのまま帰すことにした。しかし、少年はテントから見えないところまで離れると、置いていたバイクにまたがって去っていった。偵察兵だったのだ。
兵士たちは崖山の上に狙撃兵を増員し、警戒を強める。一方トレスは、ヘリを引き上げる際に少しでも軽くするため、解体作業を行っていた。ヘリを横転させた責任も感じていた。
ついに夜を迎えた。静かな暗闇の中から、バイクが近づく音がする。上空の偵察機からの報告で、車とバイクと50人近くの人影が、テントに接近中との連絡が入った。
真夜中にも関わらず、ヤギの群れが近づいてきた。反乱軍がヤギの後ろに背を低くして隠れている。次の瞬間、敵が一気に攻撃を仕掛けてきた。
映画『グレイハウンド』のあらすじ【転】
反乱軍のバイク隊も近づき、襲撃を開始した。現場は戦闘状態になった。山の上や岩の影など、四方から現れて攻撃を始める。
しかし、武器はグレイハウンドの方が最新だった。圧倒的な攻撃力で優位に立ち、旧式の武器で歯が立たない反乱軍は、その場から退却していった。
一旦は退却したものの、反乱軍は兵士を200名以上に増員し、次の攻撃に備えていた。コンテ中尉は次の攻撃を心配していた。実は弾切れの状態だったのだ。そのことがバレないように確実に狙い、反乱軍を退却させねばならなかった。
暗闇が徐々に明るくなってきた。バレラと負傷兵たちは身を潜める。朝を迎え、反乱軍が動き始めた。山の尾根を埋め尽くすほどの数で、テントの周りを取り囲んだ。反乱兵たちがじりじりと近づいてくる。
「アッラーは偉大なり!」との掛け声で、ついに攻撃が再開した。一度目よりも激しい銃撃戦となった。グレイハウンド側の弾が減っていくが、敵の数は全く減らない。絶体絶命のピンチを迎えた。
映画『グレイハウンド』の結末・ラスト(ネタバレ)
万事休すと思われたその時、本部からの救助ヘリが到着した。敵の上空を低空飛行で旋回する。銃を乱射すると、反乱軍は瞬く間に散っていった。
引き続き、大型輸送ヘリ・チヌークが到着した。横転した医療ヘリを引き上げるためだ。上空からケーブルを下ろし、医療ヘリに繋げる作業を始めた。しかし、乾いた大地の土ぼこりは想像以上に大きく舞い上がった。近づけば近づくほど視界不良となり、それ以上動けなくなってしまった。引き上げ作業は全く進まなかった。
引き上げを断念し、爆破しようとしたが、二度目の挑戦をした。そこへ、再編成した反乱軍が攻撃を再開した。緊張の中、ケーブルは落とされた。今度はトレスが必死でケーブルを掴んだ。
ようやく、医療ヘリを引き上げる作業が始まった。機体を持ち上がるまではうまくいったが、バランスが悪く、今にも落ちそうに大きく揺れ始めた。
揺れ動くチヌークを、敵がバズーカ砲で狙っていた。それを見たバレラは、銃を手にして射殺した。チヌークの揺れは収まり、飛行は安定した。
バレラは戦闘で負傷したトレスの手当てをし、負傷兵とともに救助ヘリに乗り込んだ。そこへ、銃弾をたっぷり備えた味方の戦闘機が到着した。反乱軍は退散し、隊員たちはようやく安堵した。
映画『グレイハウンド』の感想・評価・レビュー
スペイン陸軍での実際の話をベースに作られた映画だそうだ。撮影にはスペイン陸軍の協力を得て、本物のヘリなどが使われているため、とてもリアルに描かれている。チヌークがヘリを吊り上げるシーンは、今にも落ちそうで、見ていて思わず息が止まりそうになる。数が増えていく反乱軍の姿も真に迫っていて、緊張感が伝わってくる。スペインの俳優は知らない人ばかりだが、先入観なく見ることができたおかげで、新鮮に感じた。(MIHOシネマ編集部)
負傷兵を救出するだけでも一つの作品になると言うのに、横転したヘリまで引き上げなければいけないなんて、なんて過酷なミッションなんだと思いながら鑑賞しました。
出てくるヘリや武器がかなりリアルで間近でそれを映すので物凄い迫力でした。ラストは何とか上手くいきましたが、起伏の激しいストーリーでかなりハラハラさせられました。スペインの作品ということもあり、キャストは知らない役者が多いですがそれがまたリアルさを引き出していて最後まで楽しんで見られました。(女性 30代)
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