映画『戦火の勇気』の概要:湾岸戦争で戦死した女性大尉について、名誉勲章にふさわしいかを調査することになったサーリング中佐。戦死に居合わせた兵士に聴取すると、証言が少しずつ食い違っていた。果たして彼女は、勲章にふさわしい死を遂げたのか。
映画『戦火の勇気』の作品情報
上映時間:116分
ジャンル:サスペンス、戦争
監督:エドワード・ズウィック
キャスト:デンゼル・ワシントン、メグ・ライアン、ルー・ダイアモンド・フィリップス、マイケル・モリアーティ etc
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映画『戦火の勇気』の登場人物(キャスト)
- ナサニエル・“ナット”・サーリング中佐(デンゼル・ワシントン)
- 戦死した女性大尉の死について、調査をすることになった中佐。自身もミスで味方の戦車に誤射し、部下を死なせた過去がある。
- カレン・ウォールデン大尉(メグ・ライアン)
- 湾岸戦争で戦死したことで、女性初の名誉勲章候補に挙がるが、その死の真相は隠されていた。
- モンフリーズ軍曹(ルー・ダイアモンド・フィリップス)
- 大尉の死の真相を知る兵士。サーリングの聞き取り調査で嘘の証言をする。
- イラリオ特技兵(マット・デイモン)
- 戦死の現場にいた元衛生兵。真相を隠すことに苦しみ、失踪してしまう。
映画『戦火の勇気』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『戦火の勇気』のあらすじ【起】
湾岸戦争で戦車部隊を指揮するサーリング中佐は、激しい撃ち合いで視界が不良になった際、誤って味方の戦車に砲撃をしてしまう。仲間を殺してしまったことを悔やむと同時に、イラクの攻撃で死んだことにする上層部に対しても、不信感を抱いていた。
彼の上官は事故のことを忘れさせるため、ある調査を命じた。それは、同じ湾岸戦争で戦死した女性大尉ウォールデンが、名誉勲章を受けるにふさわしい軍人かどうかを調べるというもの。軍としては女性初の名誉勲章となるため、世間に向けて格好の宣伝になると考えていた。
中佐は命じられるままに調査を始めた。その日、イラクの砂漠地帯で1台の戦闘ヘリが、攻撃を受けて墜落した。ウォールデンが率いる救助ヘリが、現地へ飛んだ。しかし救助ヘリもまた、攻撃を受けて墜落。目撃証言によると、救助ヘリは見えない場所に墜落したので、その先は確認できなかったということだった。
家に帰るとサーリングは、自分が起こした事故のことが頭から離れず、苛立ちを家族にぶつけそうになった。彼は家族の元を離れ、ホテル暮らしで調査に専念することにした。
映画『戦火の勇気』のあらすじ【承】
サーリング中佐は救助ヘリのクルーから聞き取りをすることに。1人目はパイロットのレイディー。操縦中に攻撃を受け負傷し、目覚めたのは3日後なので、大尉の最期は見ていないと答えた。
2人目は衛生兵のイラリオの元へ。彼は落ち着きのない様子で、墜落後の出来事を語り始めた。敵の攻撃は墜落直後から夜まで、断続的に続いた。大尉は負傷しながらも、毅然とした態度で状況を判断していた、と振り返った。
朝になり、弾切れとなった時に、救援ヘリが到着。しかし彼女は、救助直前に被弾し死亡した、と答えた。救援ヘリが到着した際、誰かが自動操縦M-16を使ったかとイラリオに尋ねると、急に記憶が曖昧になった。
夜明けには弾切れとなったはずのM-16の音を、救援ヘリは聞いていたのだ。それなのに、その場にいたイラリオは、覚えていないという。何かを隠している、とサーリングは直感した。
サーリングは中間報告をしに上官の元へ。上官は早く仕上げろと急かすが、中佐は疑問点があるからまだ続けると答えた。
映画『戦火の勇気』のあらすじ【転】
次に向かったのは、モンフリーズ軍曹。彼は誰もM-16を撃っていないと答えた。さらに、ウォールデンは臆病者だ、とも。夜中、救援隊を待つことばかり考えて泣いたという。救援ヘリが到着した時も、攻撃中を走るのは怖いとその場に留まり、爆撃を受けて死んだ、と話した。
その話が事実とすると、彼女は勲章にふさわしくない。誰が嘘をついているのか。そこへ、イラリオが行方不明になったという知らせが届いた。
残る隊員、アルタマイヤーを調査した。彼はガンが見つかり入院中で、痛み止めの投与で意識が朦朧としていた。「俺は怖かった」と言い、それ以上の詳しい話はできなかった。
サーリング中佐は再度、モンフリーズ軍曹のところへ赴いた。彼が嘘をついていると踏んだからだ。軍曹は諦めた様子で、車中で話すから、と車に乗った。
すると軍曹は、突然ピストルを中佐に向けた。そして線路の上に停車し、中佐だけを降ろした。真実を語らず、自殺しようとしたのだ。中佐は「真実を話せ!」と説得するが、軍曹は走ってくる列車に車ごと突進。炎上し、軍曹は死んでしまった。
映画『戦火の勇気』の結末・ラスト(ネタバレ)
イラリオは軍に無断で実家にいた。中佐が訪れると、彼はやつれ切った表情で、真実を語り始めた。
あの夜、敵に包囲される中で、モンフリーズ軍曹は逃げることを提案した。上官であるウォールデンは、負傷兵を残しては逃げるわけにいかないと却下。すると軍曹はM-16を彼女に向けた。
彼女は、「反乱とみなし、軍法会議にかける」と言い、軍曹のM-16を奪った。
朝になり、敵が襲撃を再開。救援ヘリが到着すると、彼女は負傷しながらも、「援護するから先に逃げなさい!」と言い、M-16を敵に乱射。その間、隊員たちは全員ヘリに乗った。
ヘリが飛び、救援隊員が「大尉はどこだ?」と尋ねると、モンフリーズははっきり答えた。「大尉は死んだ」と。彼の発言にイラリオたちは凍りつく。まもなくヘリから地上に向けて、ナパーム弾を発射。大尉を残したまま、地上は火の海となった。
彼女の死は、名誉勲章にふさわしいものだった。サーリングは報告書を提出する際に、真実を明らかにしないと兵士は報われない、と上官に言った。
勲章授与式の日、名誉勲章がウォールデンの娘に渡された。サーリングは自分が死なせた部下の遺族を訪れ、真実を語った。心の重荷がようやく取れた彼は、久しぶりに帰宅した。
映画『戦火の勇気』の感想・評価・レビュー
ウォールデンが残った地上に向けて、ナパーム弾が発射されるシーンが衝撃的だった。あっという間に炎に包まれ、彼女がどう死んだのか分からないほどの破壊力だった。アメリカ軍は実際に、湾岸戦争でナパーム弾を用いたが、大量殺戮が非人道的だと非難され、その後は廃止となったそうだ。メグ・ライアンが大尉役というのは意外なキャスティングだったが、これまでのイメージを覆す毅然とした態度で、勇気のある軍人を演じ切っていた。(MIHOシネマ編集部)
メグ・ライアンと言えば、天真爛漫で可愛らしくて、男女関係なく好かれるキュートなキャラクターを演じることが多いイメージだったので大尉と言う役どころにはとても驚きました。イメージ的にあまりハマらないのではないかなと思いましたが、実際に鑑賞してみると、女性だからなんて思わせることの無い「芯の強さ」や「行動力」をしっかり演じきっていて素晴らしかったです。
偉い人たちは自分に都合の悪いことをすぐに隠したがります。しかし、それは自分自身はもちろん、関係の無い人まで傷つけることになるのだと気付いて欲しいなと感じました。(女性 30代)
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