映画『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』の概要:1940年4月、ナチスドイツはデンマークに侵攻を始めた。デンマーク軍の自転車部隊は、装甲車を相手に戦わなければならない。圧倒的な戦力の差で絶望的になりながらも、若い兵士たちは意地を見せて戦った。
映画『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:アクション、戦争
監督:ロニ・エズラ
キャスト:ピルー・アスベック、ラース・ミケルセン、グスタフ・ダイキアー・ギーズ、マルティン・グライズ etc
映画『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』の登場人物(キャスト)
- サン少尉(ピルー・アスベック)
- デンマーク軍の自転車部隊を率いる少尉。ナチスドイツの強さを十分承知しており、これ以上犠牲者を出したくないと願う。
- 中佐(ラース・ミケルセン)
- サン少佐の上官。本部からの指示を受けて、自転車・バイク部隊の出撃を命じる。
- 中尉(グスタフ・ダイキアー・ギーズ)
- サンと共に自転車部隊を率いる中尉。装甲車を攻撃した際に、激しい反撃を受ける。
映画『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』のあらすじ【起】
1940年4月8日、デンマークの若い兵士たちは、国境付近の丘で射撃訓練をしていた。上官たちは、ナチスはノルウェーに行くだろうと、コーヒーを飲みながら呑気に構えていた。
「次は自転車訓練を行う!」の掛け声で、兵士たちは前輪と後輪を交換する作業を、2分以内で行った。2分の次は1分半で交換した。
「いかれてるぜ」と兵士たちが文句を言いながら作業していると、本部から連絡が入った。急いで兵舎に戻り待機せよとの指令。兵士たちはそれぞれの自転車にまたがり、兵舎へと戻った。
ナチスがデンマークの国境付近に接近中との連絡が、本部から入った。兵士には一人当たり40発の弾が支給された。いつでも出撃できるように、軍服を着たままで眠った。
夜中になると、国境警備隊から緊迫した様子で連絡が入る。ナチスが今まさに、国境を突破しているのだと言う。
サンの上官である中佐は、デンマークの戦力ではナチスに敵わないことも知っていたが、本部の命令に従って、国境付近への出撃を命じた。
映画『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』のあらすじ【承】
国境が突破され、デンマークとナチスの戦争が始まった。警報が鳴り、兵士たちは整列した。バイク部隊を先頭に、自転車部隊の約20名が軽機関銃を背負って出発する。
真夜中の丘の道を、自転車を漕ぐ音だけが響いた。彼らに与えられた指令は、味方の援軍が集結するまで、敵を足止めにすること。
夜が明け、自転車部隊の元に先を行ったはずのバイク部隊が戻って来た。ボンゴー軍曹はサン少尉に、「無理です。戦力が違い過ぎます」と言い残して去って行った。
自転車部隊は3班に分かれて、敵を迎え撃つことにした。サン少尉らは、軽機関銃兵を援護するため、木陰に隠れた。
丘の向こうから、装甲車が姿を現した。しかも圧倒的な数。先頭こそ攻撃できたが、その後は続かなかった。すぐに猛烈な反撃を受け、サン少尉は一旦退却を指示。自転車を担いで森へ逃げ込んだ。軽機関銃班がどうなったかは分からないまま。
サン少尉らは森の民家に駆け込み、傷の手当てを受けると再び自転車で移動した。
映画『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』のあらすじ【転】
自転車部隊は他の部隊と合流して、共同で防衛線を張ることに。自転車を漕いで森を抜けると、小さな町が見えてきた。
戦争が始まったことを知らない市民たちが、興味深げに様子を見ていた。道の途中には、ガラクタを積み上げただけのバリケードがあった。彼らはドイツが本当に攻めてくるとは思っておらず、人混みの中では少年が野次馬を相手に牛乳を売っていた。
上空からナチスの小型機がビラを散布した。「抵抗するな」と書いてあり、市民はざわつき始める。その時、森からナチスの装甲車が現れた。バリケードをあっさり突破し、攻撃をしながら接近。牛乳売りの少年は銃に撃たれて死んでしまった。
圧倒的な戦力の違いを目の当たりにし、サン少尉たちはなす術もなかった。部隊は自転車をトラックに乗せ、その場を退却。次の町へ先回りし、攻撃態勢を整えることにした。
上空を見上げると、数えきれないほどのナチスの戦闘機が、街の中心部に向かって飛んでいた。
映画『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』の結末・ラスト(ネタバレ)
自転車部隊はハザスリフという街に着いた。複数の部隊がすでに到着し、攻撃に備えていた。サン少尉はこれまでの経緯を大佐に報告。その後、街の北側を守衛するよう命じられた。
サン少尉らは路地の物陰に隠れ、敵が来るのを待った。そこに装甲車が現れたため攻撃をした。しかしすぐに反撃を受け、部下のユステスンが撃たれて死んでしまう。
これ以上抵抗しても無駄だと感じた少尉は、部下に両手を上げるよう指示。「降伏します」と言いながら、ドイツ兵の前へ歩み出た。
ドイツ軍のベッカー中尉はサン少尉に、「君たちはなぜ戦い続けたのか?」と尋ねた。サンはどういう意味かと聞き返すと、「デンマーク政府は2時間前に降伏したのだ。知らなかったのか?」と言われて愕然とした。
サンは悔やんだ。降伏を知っていたら、ユステスンは死なずに済んだはずだ。その後、捕虜として車に乗せられるサンだったが、もう部下が戦死することはないと思うと、少しほっとするのだった。
映画『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』の感想・評価・レビュー
圧倒的な軍事力を誇るナチスに対し、自転車部隊で戦わなければならないという、若いデンマーク兵士の懸命に戦う姿が描かれている。ナチスの装甲車に軽機関銃で攻撃をしても、あっという間に反撃されるという戦力の弱さ。移動をする際、一列に並んでギコギコと漕ぐ自転車の音が、空しく響いている。開戦からたった数時間で、デンマーク政府があっさりと降伏したことを知らされず、命令に従って戦い続けたというのも悲劇だった。(MIHOシネマ編集部)
序盤から今まで見てきた戦争ものとは違った雰囲気を感じます。「自転車」をバラして、手入れをして組み立て、その自転車で移動し「自転車訓練」も行います。戦争に自転車?と違和感を感じましたが、デンマーク軍は至って真面目にこの訓練をしていて、実際の戦地でもこの自転車を使った「銀輪部隊」が敵に向かって行きました。
敵のドイツ軍が「装甲車」で向かってくる中「自転車」で応戦するデンマーク軍。なんとも切なく悲しい気持ちになりました。(女性 30代)
知名度は低いかもしれませんが、質が良く名作です。割と静かな戦争映画ですからとても見やすいし、沢山学べます。自転車部隊に唖然としました。すぐパンクするし、隙だらけです。どう考えても負けに行くようなものですが、国のために頑張らねばならなかったのでしょう。エンディングの元軍人のインタビューを見て、デンマーク軍に勝ち目が無いことを皆気付いていたように思いました。映画のタイトルは原題のまま『APRIL 9TH』の方が素敵ではないでしょうか。(女性 30代)
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