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映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』の概要:第二次世界大戦の初期、フィンランドは「冬戦争」でソ連から侵攻を受け、広大な領土を奪われていた。領土を奪還するため、フィンランドはドイツと同盟を締結。ソ連に対して3年に及ぶ「継続戦争」を仕掛けることとなった。

映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』の作品情報

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場

製作年:2017年
上映時間:132分
ジャンル:アクション、戦争
監督:アク・ロウヒミエス
キャスト:エーロ・アホ、ヨハンネス・ホロパイネン、アク・ヒルヴィニエミ、ユッシ・ヴァタネン etc

映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』の登場人物(キャスト)

ロッカ(エーロ・アホ)
冬戦争と継続戦争の両方で召集された熟練兵。ソ連に奪われた土地を取り戻し、家族と平和に暮らすことを願っている。
カリルオト(ヨハンネス・ホロパイネン)
ロッカが配属された機関銃中隊を指揮する若手将校。ヘルシンキに残した恋人と戦時中に挙式を行うが、すぐに戦地に戻った。
コスケラ(ジュシ・ヴァタネン)
機関銃中隊長。戦況が悪化する中、上官の命令に背いて機関銃を湖に沈め、後退を決めた。
ヒエタネン(アク・ヒルヴィニエミ)
ロッカと同じ部隊に配属された若手の兵士。戦車に近づき地雷を放り投げ、爆破させるという活躍をする。

映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』のあらすじ【起】

1941年。ソ連に広大な土地を奪われたフィンランドは、ナチスドイツと同盟を交わし、ソ連に戦争を仕掛けた。国境付近では歩兵隊が自動小銃を手にし、原生林の中を侵攻していった。

農業を営むロッカの元に、召集令状が届いた。冬戦争でソ連に土地を奪われていた彼は、今回も機関銃中隊の補充隊員として、最前線へと送られた。

部隊はボートで川を超え、手投げ弾と機関銃で敵と戦う。ロッカは少尉に向かって、「死にたくないから、敵を殺しているだけだ」という不満をもらした。部隊は雨の日も休む間もなく、侵攻を続けた。

旧カレリア地方の原生林。ソ連の戦車隊が、大砲を撃ちながら攻め込んできた。歩兵隊員のヒエタネンは戦車の側に接近。車輪の下に地雷を放り投げて、戦車を爆破させた。上官は彼の勇気を労った。

1941年10月、フィンランド軍はソ連領ペトロザヴォーツクを制圧。軍はレーニン像のある広場で勝利の行進をした。その町に兵舎が設営され、部隊は束の間の休息を取った。

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映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』のあらすじ【承】

ロッカはヒエタネンを連れて、現地の女性宅を訪問。ヒエタネンが町の子供にパンを与えたという話を聞くと、彼女は彼にキスをした。彼は一目ぼれをした。夜中に兵舎を抜け出し、彼女と一夜を過ごした。

1942年1月。歩兵隊は雪原を歩み進んでいた。ロッカは夜中に、ソ連兵の小隊を待ち伏せする。自動小銃を乱射して、敵を全滅させた。彼には褒美として、特別休暇が与えられた。数日かけて自宅へ帰宅し、薪を割り、子どもと遊び、妻と愛し合った後、再び戦地に戻った。

フィンランドの兵士たちに、同盟国のヒトラーから酒が振る舞われた。兵士は酔いつぶれ、中隊長のコスケラは飲み過ぎて上官に絡んだ。7月になると、最前線の塹壕に補充兵が派遣された。ロッカは19歳の新兵を、塹壕の監視所に連れて行く。頭を出すなと忠告したが、新兵は頭を狙撃されて死んでしまった。

その年のクリスマス。兵士たちはわずかなキャンドルを灯して聖夜を祝った。故郷の家族たちは、父のいない食卓で賛美歌を歌った。

映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』のあらすじ【転】

ロッカは兵士としては優秀だが、士官を敬わない態度を何度も注意されていた。罰を与えられた彼は腹いせに、命令もないのに塹壕で発砲。ソ連兵がなだれ込んだところを、ロッカは立ち向かい、1人の捕虜を捕まえた。その男は大尉だった。

軍律を無視したものの、敵の大尉を捕えたことで、ロッカには再び休暇が与えられた。1週間わが家に帰り、家族との時間を過ごした。

1944年6月。フィンランド軍の戦況は悪化し始めた。上空からは戦闘機に追撃され、後退するしかなかった。カレリア地方は再び、ソ連領となった。

カリルオト将校はわずかな休暇を取り、結婚式を挙げた。祖国のために戦うと妻に言い残すと、すぐに前線に戻った。

中隊長のコスケラは、これ以上の戦いは無駄だと感じていた。兵士たちが身を隠すための穴を掘っている所に、爆弾が投下。ヒエタネンは少年兵を守ろうとして失明し、乗せられた救護車が攻撃を受け、死んでしまった。ソ連は準備万端で、着々と総攻撃に備えていた。

映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』の結末・ラスト(ネタバレ)

コスケラは無線で退却を訴えたが、司令官の中佐から留まるよう命じられた。勇敢な兵士たちは、前進するしかないと突撃。岩陰に隠れながら敵に向かうが、攻撃は激しくなる一方で進めなかった。

激しい銃撃戦で多くの兵士が死んだ。新婚のカリルオト将校も、銃弾に倒れた。将校を失ったコスケラは、今度こそ後退を決意。兵士に機関銃を湖に沈めさせ、代わりに負傷兵を運ばせた。

後退する部隊を見つけた中佐は、留まって防衛線を張るように命じた。しかし、敵の大砲が轟く中で、戦力には明らかな差があった。兵が再び後退すると、中佐は「反逆者は処刑だ!」と叫んで銃を向けた。兵士たちは無視して森に隠れた。その直後、中佐は戦車に引かれて死んだ。

1944年7月。本隊からようやく退却の伝令が届く。ロッカたちは敵に取り囲まれていたが、若い兵士を先に逃がし、重傷を負った。

9月4日、ついに休戦協定が結ばれた。ロッカは家族の元に帰った。フィンランドはこの後、旧同盟国のドイツと戦うことになる。

映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』の感想・評価・レビュー

第二次世界大戦の初期に、小国のフィンランドは冬戦争で奪われた領土を取り戻すため、3年に渡ってソ連と戦った。この「継続戦争」とは何かを、4人の名もなき兵士の目線で描いている。映画の大半が戦闘シーンだ。戦車を備えたソ連に対し、機関銃隊のフィンランド軍は粘り強く戦っている。独特の兵士目線のカメラワークと、銃声や砲弾などの音の迫力が凄まじい。まるでその場に居合わせているような、臨場感のある作品だった。(MIHOシネマ編集部)


「戦争は誰も幸せにしない」まさにその言葉通りの作品でした。ドイツナチと同盟を組み、ソ連と戦争をした「フィンランド」の兵士たちの目線で描かれたこの作品。こういう戦争ものを見ると、本当に自分の無知さが嫌になります。このソ連とフィンランドの戦争自体も初めて知りました。
フィンランドの人口は少ないながらも、かなり多くの兵士が戦争に向かいました。「愛国心」だけを持ち戦いますが、次々と死んでいく仲間たちを見ながらも敵に向かって行き、殺さなければいけない苦しみが痛いほど伝わってきました。
戦いが終わっても「幸せ」はひとつも感じられませんでした。(女性 30代)

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