映画『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』の概要:精神科医のフレイルは、教会で起きた首吊り事件の死体を検視する。連続殺人の可能性があるとして調査すると、被害者の一人が、彼の息子の行方不明事件を執拗に調べていたことが分かった。
映画『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:オスカル・ソール・アクセルソン
キャスト:ヨハネス・ヘイクル・ヨハネソン、アンナ・グンディス・グームンドスドッティル、オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティル、ソール・クリスチャンソン etc
映画『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』の登場人物(キャスト)
- フレイル(ヨハネス・ハウクル・ヨハンソン)
- 精神科医。教会で首つり自殺をした女性の検視を行う。彼の息子ベンニは、3年前に行方不明になっていて、今も行方を捜している。
- カトリーン(アンナ・グンディス・グームンドスドッティル)
- 夫のガルザーとリーフの3人で、民宿を経営するために離島の小屋に住み始める。過去に死産を経験し、精神が不安定気味。
- リーフ(オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティル)
- 夫婦の民宿経営を手伝うため、一緒に来た女友達。カトリーンには言えない秘密がある。
- ガルザー(トール・クリスティアンソン)
- カトリーンの夫。精神不安定の妻に気分転換をさせるため、離島に来ることを決めた。
- ダグニー(サラ・ドック・アースゲールスドッティル)
- 教会の首つり事件を捜査する刑事。行方不明になったフレイルの息子の捜索に協力する。
映画『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』のあらすじ【起】
精神科医のフレイルは、教会で発見された首つりの女性の検視に駆り出された。現場の壁には「不潔」という殴り書きがあるなど、異様な雰囲気に包まれていた。
フレイルの彼の息子は3年前、ガソリンスタンドでかくれんぼをしている途中で行方不明になっていた。彼はそのことが常に頭から離れなかった。夜、仕事をしていると停電になり、息子に似た少年を見た気がした。追いかけるうちに遺体安置室の前に着いた。首つり女性の遺体を確認すると、背中に無数の十字型の傷があることに気づいた。
刑事のダグニーは、1956年に教会が荒らされた事件の写真を見せた。そこにも今回と同じ、「不潔」という文字が書かれていた。
一方離島では、ガルザー夫婦と女友達のリーフが引っ越してきた。長年誰も住んでいない小屋を改装して、民宿を開くためだ。携帯の電波はほとんど届かない。水道もなく、自前の浄化槽を用意した。妻のカトリーンは散歩中に墓地を見つけたが、ママという声が聞こえ、慌てて小屋に戻った。
映画『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』のあらすじ【承】
刑事ダグニーの調べで、1956年に教会を荒らしたのはベルノーデュスという少年で、その5日後に行方不明になったことが分かった。過去の資料を詳しく調べると、ベルノーデュスは父から虐待を受け、背中に複数の十字型の傷があった。そのためシャワーを浴びず、子供たちから不潔だといじめられていたという。
8人の子供が並んだ写真が見つかり、そのうち6人が、この数年で相次いで死亡したことが判明。残る2人のうち1人は、偶然にもフレイルの現患者だった。もし、ベルノーデュスが生きていて復讐をしているとしても、70歳を超えた殺人鬼はあり得ないと考えた。
一方離島では、カトリーンが小屋の外で十字架を見つけた。夜中に目が覚めると、人影を感じ、階段を転げ落ちてしまった。翌日、彼女は一人で留守番をしていると、小さい足跡を見つけた。跡を辿ると地下室につながり、そこには子供の干からびた死体があった。その手には、不潔というメモ書きと女の写真が。とその時、地下室のドアが閉まった。
映画『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』のあらすじ【転】
閉じ込められたカトリーンは、自分と似た女性の写真を発見。亡霊を見て気を失った。夫とリーフが帰宅し、彼女を救出。3人は近所の空き別荘に移動した。
一方、フレイルとダグニーが生き残りの老人を訪ねると、室内で死んでいた。その家の書斎で、彼は息を呑んだ。彼の息子ベンニの記事が壁一面に張られていたからだ。
彼は事件の最後の生き残りであり、自分の患者であるウルスラを訪問した。彼女は「ベンニは底にいる」と繰り返した。なぜ息子の名前を知っているのか、と彼は驚いた。
フレイルは別れた妻を訪れ、当時、オーリという自閉症の少年が、「ベンニは緑の潜水艦に隠れた」と語ったことを知った。妻は彼に、霊感の強い男を紹介した。その男は、ベンニは生と死の間にいる、早く遺体を見つけるようにと言った。
一方、カトリーンは、ガイザーとリーフが不倫関係にあることに気づいた。夫はリーフと一緒になるつもりでいた。その時、見知らぬ少年が別荘のガラスを割って走り去った。
映画『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』の結末・ラスト(ネタバレ)
少年を追いかけると廃墟に着いた。すると、煙突が突然崩れ落ち、ガイザーは下敷きに、リーフも重傷を負った。カトリーンは救助を呼ぶため、リーフの携帯を手に取ると、彼女が夫の子を妊娠していることを知った。
カトリーンは救助を呼ばず、小屋の地下で子供の死体の側に横たわった。ベルノーデュスの亡霊が起き上がり、彼女の頭を撫でた。
フレイルは監視カメラの映像を再検証する。ベンニがいなくなったガソリンスタンドで、同時刻にガイザーらが車を停めていたことに気づいた。当時の新聞記事には、彼らは離島の廃墟で事故死し、カトリーンの死体は不明だと書かれていた。小屋の写真を見ると、隣に緑色の浄化槽が写っていた。それはオーリが語った潜水艦にそっくりだった。
3年前、ベンニはかくれんぼをしていて、たまたま停車していたガイザーの車の荷台にあった浄化槽に隠れたのだと確信した。フレイルは離島に行き、緑の浄化槽を開け、ベンニの死体を見つけた。ようやく息子を発見し、父は安堵した。その様子を、カトリーンとベルノーデュスの霊がじっと見ていた。
映画『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』の感想・評価・レビュー
アイスランド発ホラー映画。雪解け後の寒々しい離島の風景が、映画全体の雰囲気にとても合っている。2つのストーリーが交互に描かれていて、1つ目は現在のフレイルの物語。2つ目は、3年前のカトリーンの物語だ。それぞれ全く違う話で始まるが、少しずつ接点が見え始め、最後には1つの驚きの結末に結び付いていく。時間軸をずらす演出がうまくできていて、混乱することもなく、最後はなるほどと感心した。(MIHOシネマ編集部)
精神科医の話と、古屋に暮らす夫婦の話が同時進行で進みます。時系列が複雑で非常に分かりづらいですが、ラストでふんわりと話が繋がります。パッケージから感じられる霊的なホラー要素は薄いです。どちらかと言えばサスペンスでした。アイスランドが舞台で、作中ではところどころ大自然が映し出されます。美しい自然と鬱々とした物語が絶妙に混ざり合って寒気を感じ、ラストの切なさに拍車を掛けます。余計に感じる演出を除けば、もう少し分かりやすかったかもしれません。(男性 20代)
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