映画『2人のローマ教皇』の概要:ベネディクト16 世が退位し、フランシスコが新ローマ教皇に選任されるまでの過程を2人の語り合いを通して描いた作品。フランシスコが教皇になるまでに歩んできた道のりや人柄を知ることができる。
映画『2人のローマ教皇』の作品情報
上映時間:125分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:フェルナンド・メイレレス
キャスト:アンソニー・ホプキンス、ジョナサン・プライス、フアン・ミヌヒン、ルイス・ニェッコ etc
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映画『2人のローマ教皇』の登場人物(キャスト)
- フランシスコ(ジョナサン・プライス)
- アルゼンチン人で、本名はホルヘ・ベルゴリオ。教会と信者との間に壁ができており、改革が必要性だと感じている。タンゴとサッカーをこよなく愛している。
- ベネディクト16世(アンソニー・ホプキンス)
- ドイツ人で、本名はヨーゼフ・ラッツィンガー。保守的で教義を厳格に守ることを重要視している。ベルゴリオとは考え方が相容れないところがある。
映画『2人のローマ教皇』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『2人のローマ教皇』のあらすじ【起】
ブエノスアイレスの貧民街で礼拝を行っていたベルゴリオの元にヨハネ・パウロ2世が亡くなったとの連絡が入る。新しい教皇を選ぶためのコンクラーベが開かれることになり、世界各地から枢機卿が集まる。度重なる投票の結果、ラッツィンガーが新教皇に選ばれ、ベネディクト16世として即位する。一方、教会の改革が遅れることに不満なベルゴリオは辞任を考える。
ベネディクト16世からベルゴリオにローマに来てほしいとの手紙が届く。ベルゴリオはその前にローマ行きの航空券を買ったばかりだった。ベルゴリオは別荘にやって来て、ベネディクト16世と対面する。2人は庭園を散歩しながら意見を交わす。ベネディクト16世はベルゴリオの辞任に反対し、既婚の司祭や同性愛に対して寛容なベルゴリオを非難する。一方、ベルゴリオは教会が世間とのつながりを失っていると感じており、聖職者による性的児童虐待の問題に対する教会の対応を批判する。そして2人の議論は平行線のまま終わる。
映画『2人のローマ教皇』のあらすじ【承】
ベルゴリオは別荘に泊まることになり、ベネディクト16世と同じ食事を別々に取る。その後リビングに案内される。ベルゴリオがテレビでサッカー観戦をしていたところにベネディクト16世が現れる。再びベルゴリオは辞職の話を持ち出すが、ベネディクト16世は静かに夜を過ごしたいと言って遮る。ベルゴリオはずっと憧れていた司祭への道を諦めて婚約した直後に神のお告げを受け、聖職者としての勉強を始めた経緯を話す。ベネディクト16世はピアノの演奏を披露し、2人の時間を楽しむ。
翌朝、ベネディクト16世は急用でローマに戻ることになり、ベルゴリオもヘリコプターに同乗させられる。機内でベルゴリオは再三辞職を認めるように迫るが、ベネディクト16世はそれを無視する。ローマに着いたベルゴリオは市内を観光し、ピザを味わう。一方、ニュースでは機密文書の漏洩で教会の権威が揺らいでいることが報じられていた。バーでサッカー観戦を楽しんでいたベルゴリオは、ベネディクト16世が市民から愛されていないことを感じる。
映画『2人のローマ教皇』のあらすじ【転】
次の日の朝、ベルゴリオは礼拝堂でベネディクト16世と会う。ベネディクト16世は教皇になったら何をするかと聞き、ベルゴリオは食事を皆で食べると答える。ベネディクト16世は実は退位を考えていることを打ち明ける。ベルゴリオはショックを受け、何と教皇として留まるように説得を試みる。しかし、ベネディクト16世は病弱だし、統治に失敗したとして退位を固持する。ベネディクト16世は後任にベルゴリオを望むが、ベルゴリオは過去の出来事を理由に不適任だと説明する。
1976年にアルゼンチンは軍事独裁政権に支配された。独裁政権におり多くの人民が殺されたため、当時アルゼンチン管区長だったベルゴリオは司祭を守るために独裁政権と協力する。しかし、一部の司祭がそれに反対したため、ベルゴリオは彼らを破門してしまう。その結果、破門された司祭たちは拘束され、拷問されてしまう。1983年に軍事政権が倒れ、ベルゴリオは役職を解かれて海外に送られる。そこでベルゴリオは一から自分を見つめ直していく。
映画『2人のローマ教皇』の結末・ラスト(ネタバレ)
ベルゴリオは貧困を撲滅する道を人々説いて罪を償おうとしてきたが、心の奥底では自らの高慢さにより司祭たちを救えなかったことを今も悔い続けていた。ベネディクト16世はベルゴリオに赦しを施す。礼拝所が一般公開される時間になり、2人は奥の間に移動する。そこでネディクト16世が告解を始める。その中には聖職者による児童虐待に関する問題も含まれていた。今後はベルゴリオが赦しを施す。2人が奥の間を出ると、観光客が待ち構えていた。観光客がベネディクト16世の周囲に集まり、ベネディクト16世は嬉しそうな表情を見せる。そして、2人は抱擁を交わし、別れを告げる。
2013年になり、ベネディクト16世は退位を表明する。再びコンクラーベが開かれ、ベルゴリオが選出される。ベルゴリオは新ローマ教皇フランシスコとしてサン・ピエトロ広場に集まった信者に挨拶し、共にベネディクト16世のために祈る。フランシスコ世界中を巡るようになる。そしてベネディクト16世とも時々会い、一緒にサッカーを観戦する。
映画『2人のローマ教皇』の感想・評価・レビュー
重厚そうな作品との先入観があり身構えていたが、構成が巧みな上、コミニカルな雰囲気があり、一瞬で引き込まれてしまった。事実に着想を得た作品ということで、どこまでが本当に起こったことなのか気になってしまう。当時の教会の問題を知っていると深みが増すが、知識がなくとも十分に楽しめる。また、キリスト教をテーマとしながらも説教臭くなく、誰もが人としてのあり方を考えさせる内容に仕上がっている。(MIHOシネマ編集部)
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