映画『トレマーズ』の概要:『トレマーズ』(原題:Tremors)は、1990年のアメリカ映画。トレマーズの制作総指揮は「ターミネーター」シリーズ、「ウォーキング・デッド」の制作を手掛けたゲイル・アン・ハード。監督は「愛が微笑むとき」のロン・アンダーウッド。主演はケビン・ベーコン、フレッド・ウォード。
映画『トレマーズ』 作品情報
- 製作年:1989年
- 上映時間:96分
- ジャンル:SF、コメディ、ホラー
- 監督:ロン・アンダーウッド
- キャスト:ケヴィン・ベーコン、フレッド・ウォード、フィン・カーター、マイケル・グロス etc
映画『トレマーズ』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『トレマーズ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『トレマーズ』のあらすじを紹介します。
小さな田舎町の便利屋、バレンタイン・ミッキー通称バル(ケビン・ベーコン)とアール・バセット(フレッドウォード)は変わらない日常を送っていた。
若いバルは退屈な毎日に飽きていて、いつか町を出ていこうと思っている。
年配者のアールはそんなバルを見守りつつ、人生の教訓を説いては疎ましがられていた。
ある日、大学生のロンダ・ルベック(フィン・カーター)が地震の研究のため、町のあちこちに振動器を設置していた。ロンダは数値の異常さから、通りかかった二人に町で何か工事をしていないかなど聞く。
バルとアールは仕事の失敗をお互いのせいにして、大喧嘩。町を出ていこうとする。
道中、電気工事士のエドガーが高圧線の上で死んでいるところを発見する。
さらに家畜の大量虐殺や異常な死に方をしたフレッドを見た二人。
町のはずれでは、何かをドリルで掘り当てた道路工事の作業員が何かにひきずられていく。
殺人だと思ったバルとアールは町の雑貨屋で警察を呼ぼうとすると、電話がつながらない。
仕方なく車で隣町の警察を呼びに車を走らせるバルとアール。
ところが道路はがれきの山。さらに作業員のヘルメットが血に染まっていた。
二人は車を走らせるが、何かひっかかる。強引にエンジンを加速させて雑貨屋に戻ると、車に得体の知れないモンスターがかみついていた。
モンスターはすでに死亡していたが、町のはずれでは犠牲者が次々と発生していた。
雑貨屋では町の住民とモンスターを避けて、どのように助けを呼ぶか相談していた。
住民の意見で、バルとアールが選ばれた。馬に乗り、道中で医師夫妻の犠牲を知る二人。
急いで馬を走らせるものの、途中で馬が襲われてしまう。
逃げる二人を追いかけてきたモンスターは途中でコンクリートにぶつかり死んでしまう。
偶然ロンダも加わり、ロンダの分析によりモンスターが地中生物であることと、震動を計算すると、後3匹はいるという。
途中でさらに襲われ、岩の上に逃げるが、モンスターは3人に襲いかかる。
足音などの震動によって、モンスターは動きを察知していたのだ。何とか逃げだした3人は町に戻る。
雑貨屋には町の人間でどうモンスターから身を守るか相談していた。逃げる相談をしようとした矢先、雑貨屋にも現れてしまう。
何人か犠牲になってしまうものの、現れた3匹のモンスターになす術もない。
ガンマニアでサイバリストのガンマー夫妻も自宅で襲われたが、1匹退治する。
ブルドーザーのキャットにトラックをつなげ、何とか乗り込んで、岩山に逃げる一行。
しかし、知能の高いモンスターはさらに襲い掛かってくる。
映画『トレマーズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『トレマーズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
愛すべきB級映画
今作品は日本では『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』と同時上映で公開され、B級ムービーとしては一部で絶大な人気を得たらしい。
90年代に作られた作品だが、25年経った今でも楽しさは健在である。ロン・アンダーウッドの監督作品は90年代が主で多くないものの、「シティ・スリッカーズ」や「愛が微笑むとき」など、どの作品も色褪せない作品ばかりである。
雑貨屋のウォルターによって名付けられたモンスター「グラボイス」が魅力的なのだ。
“陸のジョーズ”とい言われるほど、ジョーズのプロットを使っているが非常によくできている。
地中生物という設定によって、口部分だけのシーンなど全容がなかなかあきらかにならない。
ストーリーはお決まりのパターンだが、それでも飽きさせないほどの仕掛けがあちこちに散りばめられている。
グラボイスは目が見えず、震動によって、獲物を感知する生き物である。
土煙をあげたり、かき分ける地中を映して、襲いかかる時には身体の部分だけ姿を見せることにより、不気味さが増すのである。
パニック映画だが、残虐なシーンはあまり登場しない。
血のりを多用しなくても、地中から襲いかかるその姿に、その恐ろしさを十分に感じることができる。
定番だが、魅力的な登場人物
いまや名優のケビン・ベーコンが、アメリカの若者を魅力的に演じている。彼が演じると、よくいるお決まりの人物像も輝いて見えるのだ。今作品以降の活躍も素晴らしい作品が多い役者である。現在57歳のケビン・ベーコン。今後の活躍も是非期待している。
相棒が人生経験の先輩と勇気と知力のあるヒロイン。彼らもまた典型的なキャラクターを生き生きと演じている。
脇を固める住民も個性的で、マイケル・グロス演じるバート・ガンマーはトレマーズ全作品に出演しただけでなく、3作目では主役にまでなっている。
ファミリー・タイズで見た父役とは違うコミカルさで画面いっぱいに暴れまわってくれる。
他にも雑貨屋のウォルターや、無邪気な行動でハラハラさせてくれるミンディ、いたずら好きなティーンエイジのメルビンなど、それぞれのキャラクターが楽しませてくれる。
映画『トレマーズ』 まとめ
何といっても、シンプルなストーリーでモンスターを十分楽しめることができる。
特撮シーンはいまのようなCGなどでは無いが、うごめく蛇のような怪物に不気味さを感じ、次々倒れる柵や、引きずり込まれていく車などにドキドキすることができる。
地中シーンもモンスターのスピードを感じることができ、地上を逃げ回る登場人物にいつ襲いかかるのかハラハラできるのだ。
知らない間に足元にいるかもしれない得体の知れなさが嫌でも観ている私たちの心拍数を上げてくれ、何かが引きずり込まれていく度に恐怖を感じることができる。
全身が完全にうつるのは、最後の最後まで取っておいてあるのだが、これまた不気味なのだ。
地中を縦横無尽にうごめくモンスターの魅力が最大限に活かされている。
典型的なキャラクターも安心感があり、年配と若者のコンビにクスッと笑わせてくれたり、息の合った活躍で楽しませてもらうことができる。
ヒロインも知的で勇気があり、怪物に一緒に立ち向かっている姿にこちらも熱くなってくる。また、変人の夫婦が思わない活躍を見せてくれて、こちらも大爆笑させてもらえる。
全体のバランスが非常によくまとまっていて、続編がその後3作品も製作されるほど熱狂的なファンがいることも納得できる。
何年経っても、何回でも楽しめる作品であるといえる。
関連作品
次作 トレマーズ2
みんなの感想・レビュー
いやいや
本当に面白い
今回見たのが4度目です(笑