映画『ぼくらと、ぼくらの闇』の概要:親友だったはずの2人の少年が、不遇にも起こしてしまった一件の事件。少年たちの葛藤や淡い恋心を複雑に絡ませながら、歪んだ依存の行く末を追った物語。ケヴィン・フィリップス監督の長編デビュー作。
映画『ぼくらと、ぼくらの闇』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、青春
監督:ケヴィン・フィリップス
キャスト:オーウェン・キャンベル、チャーリー・ターハン、エリザベス・カプチーノ、エイミー・ハーグリーヴス etc
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映画『ぼくらと、ぼくらの闇』の登場人物(キャスト)
- ザック(オーウェン・キャンベル)
- 物語の主人公。親友のザックといつも一緒にいる。母子家庭で育ち、愛情をしっかり受けて育ったが、一つの事故を機に精神的に追い込まれ始める。
- ジョッシュ(チャーリー・ターハン)
- ザックの親友。アリソンに好意を寄せているが、神経質でキツイ言葉使いが多くあまり興味は持たれていない。海兵隊に入った兄を誇りに思っている。
- アリソン(エリザベス・カプチーノ)
- ザックとジョシュの同級生。可愛らしい見た目とフランクな対応から好意を寄せる男子生徒は多い。ザックとジョシュも好意を持っている。
- ダリル(マックス・タリスマン)
- 2年生まではジャックとジョシュと仲の良かった同級生。元々意地悪な性格だったが、3年生になり家庭の事情で貧乏になると多くの生徒から距離を取られてしまった。不慮の事故に巻き込まれる最初の被害者。
- チャーリー(ソーヤー・バース)
- ザックたちとは隣の学校に通う、ダリルの友人。初めて会った日からザックと意気投合し、4人で行動し始めるが、ダリルの事件以降、関係を拒絶してしまう。
- ジョン(イーサン・ボットウィック)
- ザック達の街で有名な不良グループの一人。ジョシュとジョシュの兄をいじめていた存在。事件に巻き込まれ、不幸な結末を迎えてしまう。
映画『ぼくらと、ぼくらの闇』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ぼくらと、ぼくらの闇』のあらすじ【起】
静まり返った教室の真ん中に放置された一体の鹿の死骸。現場を見た警察も早くその場を離れたいと思うような辛辣な状況であった。偶然通りかかったアリソンは、その現場を目撃してしまっていた。
アルバムを見ながら好みのタイプについて話し合うザックとジョシュ。アリソンを選んだジョシュだったが、偶然にもザックは以前からアリソンと交流を持っていた。気まずくなった二人は、外に遊びに行く。ダリルとチャーリーと会った二人は合流し、封鎖された橋を目指すのだった。
人気の無い橋の上を渡りながら、ダリルの下品な話に付き合う3人。ジョシュは橋の鉄橋を登り、高いところから見下ろすのだった。実はダリルと2年まではつるんでいたジョシュとザック。ダリルは悪い奴だと言うジョシュに対して、ザックも否定はしきれなかった。
帰宅する前、アリソンの家をジョシュに教えたザック。ジョシュのアリソンへの気持ちを聞き、少し複雑な気持ちになるのだった。帰宅すると母親が少し浮かれている。「女の子から電話があった」というのだ。それはアリソンだった。
すぐに折り返したザック。要件は誕生日会に来て欲しいということだったが、嬉しいザックは二つ返事で参加すると答えるのだった。
映画『ぼくらと、ぼくらの闇』のあらすじ【承】
翌日、ダリルに捕まってしまったジョシュとザックは放課後一緒に過ごすことになってしまった。ダリルの兄・ダニーの部屋を見てみたいというダリルのわがままで部屋に入り込んだ3人。偶然にもダリルは大麻を見つけてしまった。吸ってみたいと興奮するダリルの気を紛らわすため、ジョシュは日本刀を取り出した。
チャーリーも合流し森で日本刀の切れ味を試してみようとする4人。実はダニーの大麻を盗んでいたダリルは、ジョシュの怒りをかってしまい大喧嘩になる前に4人は解散しようとした。しかし去り際に襲いかかったダリル。咄嗟に日本刀を手に取ったジョシュは、誤ってダリルの首を刺してしまった。混乱したザックは日本刀をダリルの首から抜き取ってしまい事態は急変する。
ダリルの遺体と狂気となった日本刀を森の奥に隠した3人。ダリルの自転車はチャーリーが処分することになり、3人は各々家路に就いた。一人になったザックは混乱を鎮めるために大木に八つ当たりをした。無意識に手を痛めつけてしまったザックは自転車で転んだことにするのだった。
帰宅すると、なんと家にはアリソンが居た。偶然通りかかったというアリソンは、ザックの傷を心配し消毒をしてくれた。小刻みに震えるザックに肩を貸してくれたアリソン。ザックはキスしようとするがジョシュのことが頭によぎり、我に返るのだった。アリソンを見送ったザックに、母親は「すごく可愛い子だ」と嬉しそうに話しかけるのだった。
翌日、ジョシュは学校に来なかった。焦ったザックはチャーリーに話を合わせようと相談しに行くが、突き放されてしまった。ザックはジョシュの家を訪ねたものの、当然出てこなかった。帰宅したザックは、母親にダリルについて聞かれる。ダリルはジョシュの家に行くと言い残し、命を落としていたのだ。ダリルはジョシュの家には来ていないと嘘をついてしまった。
映画『ぼくらと、ぼくらの闇』のあらすじ【転】
罪悪感からか、ダリルに襲われる夢を見たザック。食事もろくにのどを通らず精神的にも追い込まれ始めていた。学校でも噂は広まり始め、警察と協力して捜査を始めるという校長の言葉に居ても立っても居られなくなっていた。
放課後にジョシュの家を訪ねたザックは、ダリルの死体を埋めた場所を見に行こうと提案した。しかしジョシュは同行しようとはしない。アリソンの誕生日パーティーがあることだけを伝え、ダリルに関することは独断で行動しないように注意するのだった。
ゆっくり眠ることができていないザックは、授業中にも悪夢に襲われていた。一人になろうと図書館に行くと、ダリルが見つからないと外出禁止になる噂話を聞いてしまった。さらに、久々に登校したジョシュが先生に暴言を吐き、悪目立ちしていることも知るのだった。
アリソンの誕生日会にはジョシュもやってきた。プレゼントとして兄の大麻を持ってきて。苦手なジョン達も居たうえにジョシュの奇行を理解できないザックは、早々にパーティーから抜け出す。追ってきたアリソンは好意を行動に起こすが、ザックは応えきれずにただ謝るのだった。
ジョシュと距離を取っていたザックは、ジョンが転落事故で亡くなったことを噂で聞いてしまった。死ぬ直前に大麻のやり取りをすると言っていたことを知り、ジョシュの仕業ではないかと疑い始めるザック。帰り道アリソンを送り届ける中、抱え込んだ不安をこぼしてしまったザック。アリソンはジョシュと気まずいのは自分のせいだと勘違いしているので、好意を伝え自宅で一緒に過ごそうとする。しかしザックはアリソンの気持ちに応えられずにいた。
映画『ぼくらと、ぼくらの闇』の結末・ラスト(ネタバレ)
母親の帰宅が遅くなると知ったザックは、衝動的にダリルの殺害現場に向かった。ダリルの死体は様子が少し違い、日本刀が無くなっていることに気付くのだった。急いでチャーリーに事情を話すが、取り合ってはもらえずもう電話をするなと拒絶されてしまった。八方塞がりとなったザック。帰宅した母親はなんとジョシュを連れて来た。疑いの目を向けるザックに逆上するジョシュ。二人は大喧嘩して別れるのだった。
翌日、もう一度話そうとジョシュの家を訪ねたザックは、誰もいない家の中で日本刀を探した。何も見つからず、電話の履歴を見るとなんとアリソンに電話していることに気付く。急いでアリソンの家に向かうが、メーガンの家に行っていると聞かされ急ぐのだった。その頃、ジョシュはすでにメーガンの家に上がり込んでいた。大麻をネタに二人に歩み寄ったジョシュ。さらにジョシュはサプライズとして日本刀を持ってきていた。
メーガンの家の前に着き悲鳴を聞いたザックは、急いで声のする方に向かうがジョシュに邪魔をされてしまう。外にあった車を使って窓から入ったザックは、返り血を浴びたジョシュを見て事態を把握する。ジョシュが逃げ出した隙に負傷したアリソンを助け、声をかけた。ジョシュを追ったザックだったが、頭と背中を切りつけられ大きな傷を追ってしまった。それでも親友を見放せないザックは、外までジョシュを追いかけ続けた。血まみれのザックを襲うジョシュを見かけた近所の人の通報により命を落とすことはなかったが、アリソンは救急車で運ばれ重傷を負っていた。
復学したアリソンは平穏な日常を取り戻した。首にできた日本刀の傷跡だけが残り、残虐な事件の記録となってしまったのである。
映画『ぼくらと、ぼくらの闇』の感想・評価・レビュー
辛辣な記憶に支配され、濁ってしまった少年たちの青春時代。明るい要素はほぼない。アリソンの真っすぐな恋心が唯一希望と心の安らぎだった。母親の愛情も、少年の心の歪みには良薬ではないのだろう。
事件は早々に起き、罪悪感と更なる悲劇は手に取るように加速する。それは一度「死」を目の当たりにしてしまった者の宿命のようにも感じられた。実は冒頭に動物の「死」を目撃しているアリソン。彼女だけが変わらず翻弄されていなかったのである。少年たちのその後は想像の範疇でしかないが、まぶたの裏に焼き付いた悪夢から解放されていることだけを願う展開であった。(MIHOシネマ編集部)
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