映画『ひとまず走れ!』の概要:いつも一緒のチグハグな男子高校生3人組。夜な夜な金持ちのソンファンの車で出歩いていたが、ある日偶然手にした大金がきっかけで一大事件に巻き込まれてしまう。チョ・ウィソク監督が手がけた一作。
映画『ひとまず走れ!』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:アクション、コメディ、青春
監督:チョ・ウィソク
キャスト:クォン・サンウ、ソン・スンホン、キム・ヨンジュン、イ・ボムス etc
映画『ひとまず走れ!』の登場人物(キャスト)
- ソンファン(ソン・スンホン)
- 調子のいい嘘つき。頭に血が上るのが早く、売られた喧嘩は100%買ってしまう。実家がおお金持ちで不自由なく暮らしているのに、金に汚く貪欲。
- ウソブ(クォン・サンウ)
- 冷静な出張ホスト。ナルシストで女好き。ソンファンの資金を盾に、遊び惚けている。ジノンをバカにしつつ、大事にしている仲間想いの存在。
- ジノン(キム・ヨンジュン)
- マイペースな性格で、パソコンをいじるのが好きな特徴がない男。小心者だが、仲間を裏切れない勇気の持ち主でもある。
- ジヒョン(イ・ボムス)
- 現場主義の刑事。電気を止められてしまうようなだらしない生活を送っており、大きな事件で手柄を上げたいと思っている。
映画『ひとまず走れ!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ひとまず走れ!』のあらすじ【起】
金持ちの大ホラ吹き、2年留年しているため高校5年生のソンファン。銃撃戦の後、心臓が10分間止まった経験があるというソンファンの話に、ケチをつけるウソブは出張ホストのバイトで荒稼ぎをしていた。そんな二人といつも一緒に居るマイペースなジノン。趣味はホームページの運営で、閲覧者は少ないが解説100日記念にライブを配信するなど熱心であった。
ドライブ中に見知らぬ車に煽られると我慢ならないソンファンと、自分の安売りはしないというウソブは、上級生から目を付けられる存在であった。
電気代の未納が溜まっているほどだらしない生活の刑事・ジヒョン。朝から上司に麻薬取引の大本を早く取り締まるように迫られていた。似顔絵を基にクォンを確保するも、金をネタに買収されそうになるのだった。
家族団らんの時間を抜け出してウソブ・ジノンと合流したソンファン。夜な夜な車を走らせ、遊びに向かうのだった。ソンファンの嘘を厳しく指摘するウソブ。運転しながら、ソンファンが助手席のウソブを睨んだ矢先、車に何かがぶつかった。ウソブが降りて確認すると、ぶつかったのはカバンだった。さらに一人の男がどこからか落下し、車に直撃するのだった。
映画『ひとまず走れ!』のあらすじ【承】
ひとまず、男を警察に預けようとするが、息をしていないことに気付く。一緒に落ちてきたカバンを覗くと、中には数十億円の金が入っていた。一気に使ってしまおうと提案するウソブ。意見がまとまらないまま、3人は再び走り出すのだった。
一息ついて作戦を立てようとした3人。不意にジノンが後部座席を確認すると、男は姿を消していた。警察を頼ろうとするジノンを引き留める二人。詳細不明な男が残した大金に翻弄されるのだった。
ひき逃げ事件があったと要請がかかったジヒョンは、番犬の居る高利貸しの家を後にして現場へ向かった。被害者は犬に噛まれていた跡があり、重症ながらも一命は取り留めたという。身分証明書もなく詳細がわからない事件に疑問ばかり募るのだった。
ジノンは二人に隠れて大金を警察に届けようとしていた。父親の15年分の給料に値する大金を前に躊躇したジノンは、道端で居眠りをしてしまう。その一瞬の隙に、ごみ収集車が誤って大金が入った袋を回収してしまった。ジノンと連絡がつかないことに二人は苛立つのだった。
落下した男は意識と記憶を取り戻していた。ボムスが見舞いに来ると再び寝たふりをする落下した男。狸寝入りを見抜いたボムスは、聞こえるように掴んでいる情報を呟き、自白を誘おうとしていていた。
何とかお金を取り戻したジノンは、二人の元に戻った。ゴミの臭いが気になるソンファンは、ジノンにお金を洗わせ、一部を浴室の天井裏に隠すのだった。一方で本格的な調査を始めたボムス。逃走したソンファンの車の目撃者を当たり、情報を仕入れていた。
映画『ひとまず走れ!』のあらすじ【転】
病院から抜け出した落下した男は泥棒仲間と落ち合っていた。落下した男は仲間が持っていたボムスの名刺を見て、共通の知り合いであることに驚くのである。
事件が表立っていないことから、安心して遊ぼうとするソンファンとウソブ。心配性のジノンは、唯一のホームページファンの女性に「道で大金を拾ったらどうする?」と相談を持ち掛けるのだった。しかし翌日、新車を派手にウソブとジノンを迎えに来たソンファン。偶然その様子を見かけたボムスは、刑事の勘を働かせ3人を付け始める。その時横には、盗撮をする不思議な少女もいることには気付かずに。
拾った金で豪遊する3人。一緒にアメリカへ留学しようというソンファン。ジノンは酔った勢いで、金銭感覚が違いすぎるソンファンに不満をぶつけ喧嘩してしまった。その頃、ジヒョンは上司に呼ばれ署に戻ると、この事件の捜査は止めるようにくぎを刺されてしまう。納得いかないボムスは隠れて捜査を継続することにした。
帰宅したジノンは、「私なら国外逃亡する」というファンからの返信を見て驚愕する。「あなたたち、変な男につけられていた」と書いてあったからである。昼間に盗撮していたのは、ファンの女の子だったのだ。ジヒョンの写真を添付してあったメールのことを2人に話し、翌日直接ファンの子と会うことにするのだった。学校から帰宅した3人は、ジヒョンと泥棒達に尾行されていた。ジヒョンはソンファンのマンションから入れ違いで出てきた怪しい男を目撃していた。
映画『ひとまず走れ!』の結末・ラスト(ネタバレ)
ファンとの待ち合わせ場所に向かう途中、ジノンは写真で見たジヒョンの姿を見つけ「逃げろ」と言い走り出した。訳もわからないまま走り出したソンファンは泥棒達の車に轢かれ連れ去られてしまう。ソンファンに気を取られたウソブはジヒョンに捕まり、3人はバラバラになってしまった。その頃、3人を付けていた男はどう処分するか話をしていた。実は高利貸しに雇われた殺し屋だったのである。
ソンファンの身を案じて電話したジノンは、泥棒達たちと話をすることになってしまった。金とソンファンを交換するという条件で受け渡しに応じるのだった。しかし、浴室の天井裏にあったはずの金が無くなっている。焦るジノンだったが、自分の取り分を預金からおろしカバンに詰めて受け渡し場所に向かうのだった。
遅れてソンファンの家に到着したジヒョンとウソブは、ジノンが残したビデオメッセージを見て事態を把握する。その頃、ガソリンをまいて防御策を用意していたジノンは血まみれのソンファンを連れた殺し屋と対峙していた。実は殺し屋は先に泥棒達を処分しに家に押し入っていた。焦って落下した男が放った銃弾は、ガラスを大破し破片がソンファンの喉を切り裂いたのである。殺し屋が金を確認したタイミングで到着したジヒョンとウソブ。殺し屋と銃撃戦となったジヒョンは、足を使って追い詰め事件は無事に一件落着となった。
大怪我を追ったソンファンは、生死の境をさまようが一命を取り留める。この時幽体離脱をして、生霊となったことはソンファンの本当の自慢となった。そんなソンファンに新車がレッカー移動されたことを話すジノン。実は浴室の天井裏にから勝手に車に大金を移していたソンファンは、青ざめた顔で走り出した。その様子から大金のありかを察した2人。再び3人は走り出すのであった。
映画『ひとまず走れ!』の感想・評価・レビュー
よく走る名優たち。日本でも名の知れたクォン・サンウとソン・スンホンの25歳当時の作品である。キャッチーな邦題とキャストに惹かれる方には勧めやすい一作であった。
物語の内容としては韓国作品の重厚さを求めると物足りないかもしれない。映像もスピード感と言うよりは、抜けた高校生の奮闘を見守るにはちょうどいい程度。韓国映画をあまり見慣れていない方には見やすい展開ではあるので、ライトな作品として記憶しておきたい。(MIHOシネマ編集部)
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