映画『話があるんだ。』の概要:互いに考えていることがわかるような新婚時代もあったが、10年経った頃には夫婦間のコミュニケーションは欠落していた。一組の夫婦を中心に、家族となった男女の関係について描く一作。
映画『話があるんだ。』の作品情報
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:リウ・ユーリン
キャスト:マオ・ハイ、リー・チェン、リウ・ベイ、リー・ヌオヌオ etc
映画『話があるんだ。』をフルで無料視聴できる動画配信一覧
U-NEXT | × |
---|---|
Hulu | × |
Amazonビデオ | × |
dTV | × |
TELASA | × |
TSUTAYA DISCAS | × |
ビデオマーケット | × |
Netflix | ◯ |
※動画の配信情報は2022年5月時点のものです。配信状況により無料ではない場合があります。最新の配信状況は各動画配信サービス(VOD)の公式サイトでご確認ください。
映画『話があるんだ。』の登場人物(キャスト)
- ニイ・アイグォ(リー・チェン)
- 軍への入隊前にリナと結婚し、一人娘のバイフェイを授かった。歳月と共に夫婦間の会話が減り、リナが笑顔を見せてくれないことに不安を募らせていた。
- ニイ・リナ(マオ・ハイ)
- アイグォの妻。夫と一人娘との生活は経済的にも余裕が無く、会話のない時間に不満を募らせていた。ある男性との不倫関係が露呈しアイグォを裏切ってしまう。
映画『話があるんだ。』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『話があるんだ。』のあらすじ【起】
婚姻届を出す者もいれば離婚届を出す者もいる。離婚の理由が「会話」にあるように、互いの考えていることがわかるという理由で、リナとアイグォは結婚を決めた。10年後、幼い娘・バイフェイは、破れた婚姻証明書を丁寧につなぎ合わせ、父親の写真と一緒に並べるのだった。
バイフェイの遠足用にパンを買いに行くアイグォ。そこは婚活に勤しむ姉の働くパン屋だった。無邪気に高価なリンゴや車のおもちゃを欲しがるバイフェイ。同級生のシャオバオが持っているという理由である。しかし、アイグォには買い与える余裕はないのである。
リナを迎えに行ったアイグォだったが、同僚の誕生日会があると素っ気なく突き返されてしまった。誰と行くのかはわからないが、深くは聞き出せない。親戚の集まりで豪華な料理に圧倒され黙り込んでしまったアイグォは見栄っ張りなリナから殴られたことがあるからだ。姉から結婚写真家のジャンと浮気しているという噂があると知らされたが、信じることができずにいた。
バイフェイと姉がでかけ、一人になったアイグォは居ても立っても居られなくなってしまった。リナの赤いマフラーを持って、思い当たる店を回ってみる。最後に寄った店で、しばらく見ていない笑顔のリナとジャンを見つけてしまうのだった。
映画『話があるんだ。』のあらすじ【承】
リナを許せないアイグォは殺意を抑えるために、軍時代の友人・ドゥに会いに行った。浮気の証明をするためにベッドシーンを写真に収めるか、まずは会話をするように助言を受ける。もしリナが元に戻ったら、このことは水に流すよう諭された。
結婚記念日にサプライズを企画していたアイグォ。バイフェイを姉に預け、シェフの友人であるソンに手料理を習い振る舞った。最初は笑顔を見せてくれたリナだったが、アイグォが将来について夢を語り始めるとその表情は一変する。それは結婚当初から夢や目標を語るアイグォだったが、一度も叶ったことがないからだ。リナの態度に腹を立てたアイグォはジャンとの関係を終わらせるようにお願いするが、リナは関係を否定した。しかしアイグォには連れていくことのできない高級店での食事は認めるのだった。
翌日、姉はリナの職場を訪ねた。話し相手になってくれる存在に心を痛めたが、リナの気持ちはそう簡単には変わらない。ただ、嘘をつくことに疲れジャンに別れを切り出すのだった。ジャンは別れるならばけじめをつけて欲しい、と最後の旅行を提案する。未練を断ち切るためにも翌日から5泊、ジャンと過ごすことにしたリナ。アイグォはベッドの上のリナの携帯を見てしまい、ジャンとの旅行であることも待ち合わせ場所も知ってしまった。
バイフェイを姉に預け、アイグォは二人を追った。待ち合わせ場所は高級ホテルである。泊まることができないアイグォは、ホテルの前で一晩過ごし、翌朝仲睦まじい二人の姿を写真に収めた。殺意を抑えきれず包丁を買ったが行動には移せないアイグォ。地元に戻りジャンの妻に写真を見せ協力を仰ぐのだった。
映画『話があるんだ。』のあらすじ【転】
ジャンの妻は浮気を知り、殺虫剤を飲み自殺を図った。ジャンは大いに反省するが、妻は抜け出しアイグォに二人の殺害を依頼するのだった。一方でアイグォは離婚する気はないとリナに伝えた。しかしバイフェイには一切会わせず、全ての選択をジャンに委ねると厳しい制裁を下したのである。
バイフェイに贅沢をさせ、リナがいない寂しさを埋めようとするアイグォ。一方で姉はソンと結婚することになった。浮かない表情である姉は、両親のいない姉弟である以上、アイグォが一人になるのではないかと心配で仕方ないのである。姉とソンの結婚式。リナに伝言を頼まれた親戚に、離婚してあげるべきだと声をかけられた。納得がいかないアイグォは「妻の元に戻ったジャンに頼め」と反発した。
隠れてバイフェイの姿を覗きに行っているリナ。町一番のシェフだったソンは姉の露店を手伝いよく買い出しを頼まれている。その日もスーパーに行ったソンに声をかけたリナ。バイフェイのために買ったおもちゃをこっそり渡して欲しいと頼むのだった。
映画『話があるんだ。』の結末・ラスト(ネタバレ)
おもちゃの存在に気付いたアイグォは、すぐにリナの仕業だと勘づく。母親が戻ってくるのではないかと期待するバイフェイを怒鳴りつけおもちゃを壊してしまったアイグォ。バイフェイが寝ている間に新しいものを枕元に置いておいたが、翌朝沸騰した鍋の中に入れられており、落胆するのだった。
ソンと結婚した姉はあまり上手くいっていなかった。相談を聞いているアイグォの元にジャンの妻が酷い形相で駆け寄った。リナとジャンが一緒に行方をくらましたのである。世間体を気にしたアイグォは、故郷へ戻ることにする。残されたバイフェイは姉夫婦が振る舞った大好きなエビ料理を前にしても笑顔を見せなくなってしまった。
リナを探している途中、同級生のチュンと再会したアイグォ。離婚を経験したチュンは、アイグォの境遇を理解ししっかりと話を聞いてくれた。心が少し穏やかになったアイグォだったが、バイフェイが倒れたと連絡がありすぐに戻った。3日間、昏睡状態だったバイフェイは急性脳炎を患っていたのだった。目を覚ましたバイフェイのために好きなものを買い出しに行ったアイグォ。偶然にも同じ市場に居合わせたリナは、大きなお腹を抱えジャンの隣で笑っていた。包丁を手に取ったアイグォだったが、バイフェイから電話があり思いとどまるのだった。
アイグォの存在に気付いたリナは「死んだと思って」と告げ、バイフェイのために編んでいたセーターを姉に任せたいと頼んだ。実はアイグォのセーターも編もうと思っていたことも明かすが、もう無理な話である。ようやく離婚を切り出したアイグォ。結婚生活中、未来の話ばかりしていたアイグォが、ようやく「今」を見ていることにリナはほっと胸を撫で下ろすのであった。
映画『話があるんだ。』の感想・評価・レビュー
鬱々とした時間であった。アジア映画独特の湿度というよりは、夫婦間の確執が生んだ歪みに呑まれるのである。10年という月日のスタート地点では、互いに目を見合っていた二人。言葉を放つにも譲り合うほどだったはず。中国で最も権威ある文学賞を受賞している作品を原作にしているだけあり、共感する人が多い展開である。原作は70年の歳月を紡ぐ大河ドラマであるため、現代に落とし込んだ演出はとても興味深い描き方であった。(MIHOシネマ編集部)
みんなの感想・レビュー