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映画『10デイズ 愛おしき日々』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『10デイズ 愛おしき日々』の概要:HIVの感染から22年間、毎月多額の薬を服用し続けてきたダン。誕生日祝いとして母親から受け取った小切手を貯金したことで、活用していた支援プランの対象から外れてしまう。

映画『10デイズ 愛おしき日々』の作品情報

10デイズ 愛おしき日々

製作年:2016年
上映時間:110分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:トム・E・ブラウン
キャスト:ジェームズ・ロデイ、ロビン・ワイガート、ダニー・グローヴァー、カンディ・アレクサンダー etc

映画『10デイズ 愛おしき日々』の登場人物(キャスト)

ダン・シャボル(ジェームズ・ロデイ)
エイズを患っているが、避けられることや迷惑をかけないように、人に明かさないで生活し続けている。医療保険制度が急に使えなくなり、高額な薬を自費で負担する状況に見舞われる。
ボブ(ダニー・グローヴァー)
ダンの勤めるクラブのオーナー。長年連れ添った妻・ドットと小さなことで大喧嘩をしてしまい、家を追い出される。胆石などの持病を抱えながら、ダンのことも心配している。
ポーラ(ロビン・ワイガート)
ダンの元恋人・ケヴィンの妹。ケヴィンが亡くなったのちも、ダンと一緒に住みながら恋人探しに熱を入れている。余計なことは言わずにダンを見守る存在。
ドット(カンディ・アレクサンダー)
ボブの妻。ダン、ポーラとも仲が良く一緒に過ごすことが多い。ポーラが営むマッサージサロンに通っては、日常の小言を聞いてもらっている。

映画『10デイズ 愛おしき日々』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『10デイズ 愛おしき日々』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『10デイズ 愛おしき日々』のあらすじ【起】

エイズを患って長いダンは、オープンにはしていないものの保険を使って多額の薬代を賄っていた。母親から誕生日祝いに100ドルの小切手を受け取ったダン。すぐに貯金したが、その日からなぜか保険が利かなくなってしまう。命綱となる薬を買えない状況にダンは頭を抱えるのだった。そんな胸中でも、友人のボブが妻・ドットと大喧嘩し、家を追い出されてしまったと聞くと、ダンはポーラと住む自宅に泊めてあげるのだった。

ケヴィンの夢を見たとポーラに話すダン。ケヴィンはポーラの兄であり、ダンの恋人だった。ダンの病気についての唯一の理解者であるポーラ。薬が買えない状況を告白すると、もっと頼る方法を探すためにもオープンにするべきだと的確なアドバイスをくれた。

少し拗ねたダンは、頼んだワッフルにもコーヒーにも文句をつける。その矢先、腰に鈍痛が走った。嫌な予感が二人を襲うが、ダンはボブを待たせているため一人で帰宅するのだった。ボブの大好きなリアリティーショーを一緒に見て夜を明かす。翌朝、ボブは妻との今後が決まるまでは店に寝泊まりすると家を出ていってしまった。

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映画『10デイズ 愛おしき日々』のあらすじ【承】

保険の相談をしにケースワーカーを訪ねたダン。保険が利かなくなった理由は、母親からの小切手を振り込んだ分で、低所得者プランの規定額を超えてしまっているというものだった。しばらくは半額自己負担で薬を買わなければならない状況に追い込まれたダン。この窮地に立たされてもなお、ケースワーカーにすら病気のことを告白できずにいた。

公園でひとりベンチに座り時間を潰すボブ。店に戻ると大量の薬を並べ順に飲み始めた。ちょうど居合わせたダンも隣で薬を並べ飲み干し、互いの健康状態を笑い合うのだった。その頃、ドットはポーラのマッサージサロンを訪れていた。ボブの体調を心配するドットは、自分ばかり愛しているとぼやいていた。

薬を買えないことから、断薬を試みようとするシャボル。しかし不安には勝てず、預金証明を誤魔化せないか奮闘するがそう簡単ではない。2か月に一度の定期検診では、特に触れられることもなく体調を聞かれ終わる。診てもらった気がしないダン。しかし、以前から気になっていた相手と偶然遭遇し、ちょっとしたプレゼントを渡して珍しくアピールしたのだった。

映画『10デイズ 愛おしき日々』のあらすじ【転】

夜道を歩いていると、ダンは暴漢に襲われお金を取られてしまった。しまいに殴られ額に大きな傷を追ってしまう。痛みを感じないため不安な日々を過ごすが、ある夜気になる相手から声をかけられた。画家をしているというマイクもまた、同じエイズ感染者であった。家の方向が同じだと分かり、一緒に帰宅すると偶然にも二人の家は目の前であった。積極的なマイクは翌晩食事をしようとダンを誘ってくれた。もちろんダンは二つ返事で応えるのだった。

マイクの家に出向いたダン。ダンの財布に入っていた亡くなったケヴィン写真を機に、過去のことや感染して22年になることなどを正直に話した。さらにニューヨークのクラブで感染者のサインがあることを知ったトラウマについても打ち明けた。これまで自分のことを隠してきた分を取り返すかのように、たくさん話したダン。気付けば彼は隣で眠り込んでしまっていた。

ボブとドットの間を取り持とうとするダン。スーツを着させ、大きな花束を持たせドットと話すようにセッティングしたのである。しかしボブは怖気づいて、ドットは居なかったと嘘をついて逃げ出してしまった。

映画『10デイズ 愛おしき日々』の結末・ラスト(ネタバレ)

マイクとの関係に浮かれていたダンだったが、想像通りにはいかずマイクからフラれてしまう。落ち込んで引きこもるダンの様子を心配したポーラは、ダンの母親に相談をしていた。母親からの電話で少しだけ元気を取り戻すのだった。しかし、その夜、寝ぼけながらに薬を服用したダンは、時計が壊れていることに気付かず同じ薬を2度服用してしまった。過剰摂取で命を落とすのではないかとダンは不安に襲われながら夜を明かすのだった。

翌朝、酷い腰痛に襲われたダンは、ポーラに助けを求めた。心配をかけまいと、ダンはエイズのことは言わずに結石があると嘘をつく。ダンの無事を確認したボブは、安心して涙を流した。その姿を見たドットは「繊細な人だ」と惚れ直し、皮肉にもダンの希望は叶うのである。退院後、ダンは転んでいるリサという人物に声をかけた。女装した男性であるリサは、「HIVに感染しているから触るな」というが、ダンは気にせず助けるのだった。

ポーラが買ってくれた新しい時計のおかげで、薬を飲むアラームに怯えなくなったダン。さらに、諦め半分で薬を買いに行くとなんと保険のIDが更新されていた。実は、助けた女装の男性はケースワーカーだったのである。助けたお礼として薬が買えるようになったダン。様々なハプニングを超えて、ダンは真っ向からエイズという病と向き合う決心をするのだった。

映画『10デイズ 愛おしき日々』の感想・評価・レビュー

月額3000ドルを22年間。死と隣り合わせにありながら、死なずにいる男のピンチを題材にしているが、実にコミカルな一作。

愛せずにはいられないキャラクターが勢ぞろいした今作。中心となるダンはもちろんのことルームメイトのポーラは独身女性の心に刺さるのではないだろうか。活用場所の見えない習い事に、パートナーへの理想と現実、逃避した先に待つ孤独。白い猿を愛でる姿は秀逸であった。こういった愛嬌が散りばめられているため、重苦しくならず人間の繊細な部分を垣間見える仕上がりになっている秀作であった。(MIHOシネマ編集部)

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