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映画『子どもが教えてくれたこと』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『子どもが教えてくれたこと』の概要:それぞれに違う難病を抱えた5人子供達。治療と病の辛さに向かい合いながら、家族と友人と一緒に毎日を楽しむ姿を追ったドキュメンタリー。自身の子供を病気で亡くした経験のある監督が手がけた一作。

映画『子どもが教えてくれたこと』の作品情報

子どもが教えてくれたこと

製作年:2016年
上映時間:80分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ドキュメンタリー
監督:アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン

映画『子どもが教えてくれたこと』の登場人物(キャスト)

アンブル
肺高血圧症を患う9歳の女の子。姉と妹、両親と一緒に暮らし緩和ケアをしながら学校に通っている。思うように走ることはできないが、バドミントンと演劇が大好き。
シャルル
表皮水泡症を患う8歳の男の子。読書と親友のジェソン、家族が大好き。週末の自宅療養をとても楽しみにしながら、辛い治療も乗り越えている。
イマド
腎不全を患う7歳の男の子。透析を受ける都合で幼稚園にあまり通えず、小学校への進級が2年保留になってしまっている。仲間と「日常」を分かち合いながら日々治療と向き合う。
カミーユ
神経芽腫を患う5歳の男の子。車が大好きで、母親との通院時間がとても好き。兄とはよくケンカもするが、サッカーと同じくらい家族が好き。
デュデュアル
神経腫瘍を患う8歳の男の子。学校に通いたい一心で治療に励んでいる。好きなことを我慢せず、家族の支えの元毎日を楽しんでいる。

映画『子どもが教えてくれたこと』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『子どもが教えてくれたこと』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『子どもが教えてくれたこと』のあらすじ【起】

「卓球をする」と笑顔で報告する9歳のアンブル。外出許可をもらい、ナースに書類を書いてもらっていた。笑顔の絶えないアンブルだが、PAH(肺動脈性肺高血圧症)という病を抱え同年代の子供と同じように走り回ることには向いていなかった。同じ病院にはたくさんの子供たちが入院している。病状はそれぞれで「学校に行きたい」と目標を持ち、やりたいことへの衝動に正直に生きる8歳のデュデュアルもその一人である。

読書が得意な8歳のシャルルは生まれながら表皮水泡症を患っている。肌が弱く、暑さや少しの刺激でも皮膚が破けてしまうのである。もちろん誰かに抱いてもらう時も、気を付けてもらわないとならない。いつも中庭のサッカーやブランコで遊ぶ時でも、サングラスは欠かせない。週末に家に帰れることを楽しみに、勉強にも勤しむのだった。

そんなシャルルはジェソンと仲がいい。生まれてからずっと入院しているジェソンは、病院を知り尽くし全部の部屋の秘密を知っているからだ。勉強が苦手なジェソンのために、本を読み聞かせてあげようと、院内を探し回るシャルル。ジェソンと言葉遊びをしながら昼食を共にし、結局ナースに隠れて暗くした病室で踊って遊ぶのだった。ナースに見つかり、絵本の読み聞かせをしてもらうが、ジェソンは居眠りをしてしまう。シャルルはそんなジェソンを見つめながら一緒に居眠りするのだった。

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映画『子どもが教えてくれたこと』のあらすじ【承】

7歳のイマドにはアデン・スリマン・ナセルという幼い時から一緒の仲間がいる。喧嘩もするが仲がいい3人は、互いの「日常」を良く話すという。それは病院や病気についてだ。初めて病院に行った日のことを鮮明に覚えているイマド。腎不全を患うイマドは、「自分の意志でおしっこをしたのは2年前が最後だ」、とインタビュアーに語る。初めて飛行機に乗れることを喜んだジェソンだったが、それは遠く離れたフランスの専門病院に移るためであった。それ以来、透析を受け続けながら休み休み幼稚園に通っている。残念ながら出席日数が足りず小学校への進級はできないジェソンだが、美人なウアイバ先生が担任になり、「悪くない」と話すのだった。

坊主頭のカミーユは神経芽腫を患いずっと通院している。車が大好きな5歳のカミーユにとって通院は好きな時間である。日課となった朝晩のモルヒネ投与や、担当医と話をしながら進められる検査。「シンチグラフィー検査はいつ?」と母親に聞くほど、闘病生活に前向きに取り組んでいる。体が小さいため、大好きなサッカーではなかなか活躍できないが、ゴールの瞬間を仲間と分かち合うのだった。

演劇を初めて2年になったアンブルは、少し自信がついたと話す。アンブルには年の近い姉・リリがいる。スポーツ万能なリリはアンブルの気持ちを想像し、全て理解してあげることはできないと言う。しかし、アンブルが常に背負っているリュックにポンプが入っていることなど、病気についてはアンブルの気持ちに委ねながら人に話すようにしていた。

映画『子どもが教えてくれたこと』のあらすじ【転】

シャルルが楽しみにしていた、自宅療養日がやって来た。家族と食卓を囲み、のびのびと過ごせる時間である。包帯の巻き方一つで肌の感覚が変わってしまうシャルルにとって、着替えは大変なことである。辛い時間を超えたシャルルは、家族と一緒に大好きな貨物上の見学に行くのだった。治療のことを理解しているシャルルは、「死」は悲しいことだとも理解している。しかし、「死」のすべてが不幸なのではなく自分次第で幸せにも繋がると信じていた。

イマドもまた大好きなものを見に行っていた。消防士に憧れるイマドは、実際に消防車に乗り、消化体験をした話を思う存分母親に話す。しかし楽しい時間だけではない。透析が始まり翌日幼稚園に行けない寂しさや痛みに耐えきれず泣き出してしまった。

イマドの移植手術が決まった。プールにも行けて、水も飲める。そして父親が通院に付き添わなくてよくなると喜ぶのだった。念願の小学校への進学を控えたイマド。不安がる同級生の手を取り、少し先の未来に胸を躍らせるのだった。

映画『子どもが教えてくれたこと』の結末・ラスト(ネタバレ)

アンブルが練習していた演劇が本番を迎える。心地よい緊張を仲間と共有するアンブル。見事にやり遂げ、会場には大きな拍手が鳴り響いた。しかし後日、薬の種類が変わったことで体調が優れずに学校を休む日々が続いた。自宅での緩和ケアに限界を感じた両親は移植も視野に入れ始めていた。リリもまた、妹を支える両親の姿を見て、特別に縛り付けず命を信じる素晴らしさを見出すのだった。

兄とプラモデルの作り方でケンカしてしまったカミーユ。母親のお腹に居たときから病気だったと話すカミーユは、自分の置かれた状況を良く理解している。そして「死」に対しての意識も強く、生きていることに意味を見出したていた。

神経腫瘍を患うテュデュアルは化学療法よりもモルヒネ投与を好んだ。吐き気やめまいを伴うが、身体を強くするために必要だと知っているからだ。そして化学療法に伴う吐き気は耐えがたく、少しくすぐったい違和感の方が好きだからだ。絵を描くことや、ピアノを弾くのが好きなテュデュアル。好きなことを我慢しないと決め、その日も家族と一緒に手を取り、大好きな海を見に行くのだった。

映画『子どもが教えてくれたこと』の感想・評価・レビュー

実に刺さる言葉で溢れた時間であった。懸命にその日を生きる子供達の目線や言葉、表情は何の陰りも偽りもない。「フランスで23万人の動員を記録したドキュメンタリー。」という売り文句は裏切らなかった。

かけがえのない時間をともにする家族の表情も実に印象的。作中の言葉にもあったが、子供を縛ることなく可能性を信じてのびのびと生活させているのだ。愉しみを見つける天才である好奇心旺盛な子供たちの姿勢に、気付かされることで溢れている有意義な作品である。(MIHOシネマ編集部)


病気と闘う子供に対して、可哀想だとか辛いだろうなんて同情することほど失礼なことはないと感じました。
ドキュメンタリー作品なので、子供たちの見せる姿があまりにも自然体でありのまますぎて、ふとした瞬間に涙が溢れ出てきてしまいます。
しかし、子供たちは病気に対してとても前向きで、家族と過ごしたいから、幼稚園に行きたいから、と明確な目標を持って、ただ前を向いていました。
そんな彼らに可哀想だなんて思うのは本当に失礼なことだったと、自分の未熟さを感じました。(女性 30代)

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