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映画『その住人たちは』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『その住人たちは』の概要:仕事でのキャリアも家庭環境も充実していたはずの男性。職を失い、家を失い…プライドを打ち砕かれた先である計画を目論み、家族に隠れて遂行していく様を追う。日本では劇場未公開の一作。

映画『その住人たちは』の作品情報

その住人たちは

製作年:2020年
上映時間:103分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、ミステリー
監督:アレックス・パストール、ダビ・パストール
キャスト:ハビエル・グティエレス、マリオ・カサス、ブルーナ・クシ、ルト・ディアス etc

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映画『その住人たちは』の登場人物(キャスト)

ハビエル(ハビエル・グティエレス)
重役を務めた会社をクビになり、家庭での尊厳も危うい状態の中年男性。大事な家を手放すこととなり、新たな入居者となった夫婦に近寄ろうと試みる。
トマス(マリオ・カサス)
ハビエルが手放した家の新たな住人。妻の父親が営む家業を継ぐ予定で、プレッシャーに押しつぶされそうになっている。アルコール依存症で断酒をしようと奮闘しているところでハビエルと出会う。
ララ(ブルーナ・クッシ)
トマスの妻。社長令嬢で、夫の悩みを共感できずにいた。アルコール依存症となった夫に暴力を振るわれた過去があり、再発を心配している。
マルガ(ルス・ディアス)
ハビエルの妻。プライドが高いハビエルをなだめ、パートをしながら支えようとするが上手くいかずに困惑する。ハビエルの行動を理解しようとする唯一存在。

映画『その住人たちは』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『その住人たちは』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『その住人たちは』のあらすじ【起】

「あなたにふさわしい暮らしを」というキャッチコピーでCMを企画したハビエル。それは傑作とされたが15年も前ものである。1年前に退職したハビエルは、新しい職場探しに様々な会社の面接を受けているものの、中々上手くはいかなかった。その日も過去に手がけた作品を見せたが「若さと冒険心がない」とその場で不採用とされてしまった。

妻・マルガには「好感触だった」と見栄を張るが、悩みは尽きない。経済的にも苦しくなるが、車を代償にしてもステータスである家を手放したくないハビエル。しかし状況は変わらず、家を手放そうというマルガの提案を呑むしかなかった。威厳のある父親でいたいハビエル。しかし、状況を理解している息子・ダニは、私立の学校ではなくともいいと気を遣うのだった。

家政婦とも気まずい別れをしたハビエル。マルガは働き始め、ハビエルは様々なセミナーにも懸命に通った。昔のツテでようやく決まりそうになった職場では、インターン同様の条件を提示され「格安」だと罵られた。さらにお気に入りだった以前の家に入居した夫婦の、幸せそうな姿を見たハビエルは、精神的に追い込まれていくのだった。

映画『その住人たちは』のあらすじ【承】

偶然にも鍵は変わっていなかった。家政婦が返してくれたスペアキーを使って、以前の家に潜り込んだハビエル。少しだけ気分が変わり、帰宅してからダニをランニングに誘いだす。しかし、太っているダニは少し動くだけでも具合が悪くなってしまうのだった。

ダニが太っていることで、学校でからかわれているのをマルガは知っていた。自分だけが蚊帳の外だったと気づいたハビエルは、夜な夜な以前の家を監視する。そして、外出している時間を狙い、家を漁りに入り込むのだった。

ハビエルはパソコンに保存された写真やスケジュールを覗き見た。住人はその日、教会に足を運ぶと知ったハビエルは自ら同じ場所に向かった。そこではアルコール依存症の患者たちが集い、心の内や状況を報告し合っていた。忍び込んだ時に得た情報を使い、住人であるトマスに近づいたハビエ。断酒会と呼ばれる会合での保証人となってもらう約束をして、その日は別れるのだった。

翌日もトマスの家に忍び込んだハビエル。トマスのカレンダーを自分の携帯に同期し、スケジュールを盗んだ。予定がわからなくなり、妻・ララと大雨の中喧嘩するトマスの姿を見守るのだった。

映画『その住人たちは』のあらすじ【転】

トマスは断酒会でララとケンカした日に、酒の誘惑に負けそうになったことを報告する。その話を聞いたハビエルは、「遠慮せず、自分の人生を掴み取る」と遠回しに宣戦布告をした。

トマスは少しずつハビエルに心を開き始めていた。妻や娘の写真を見せ、食事をしようと自宅に招待する。翌日、花を持ってマンションに出向いたハビエルに、庭師のダミアンが気付き声をかけてきた。トマスに話しているところを見られずに済んだハビエルは、安堵してエントランスへ向かうのだった。

街を一望できる部屋からの眺めは、トマスの決め手になったという。それはハビエルにとって、積み上げたキャリアのステータスでもあった。妻とは別れ14歳の娘がいると偽ったハビエルは、ララとも親交を深めていく。しかし翌日、何も知らないダミアンはトマスに「前の住人はどうでした?」と訪ねてしまった。ハビエルから何も聞かされていないトマスは、当然何も答えない。その様子を見て、ダミアンは何か察するのだった。

ハビエルは何よりも大事にしていた車を自ら破壊した。事故に見せかけ、トマスに助けを求めたのである。ハビエルはトマスの成功に嫉妬したフリをして弱みを見せた。しかし、トマスもまた、ララの父親の会社で副社長を務めるプレッシャーと闘っているのだった。

マルガには車が売れたことにして、話を誤魔化そうとした。問い詰められそうになった矢先、ハビエルの携帯にダミアンから連絡があった。それはトマスの家を訪ねたときに持って行った花が捨てられているという報告と、翌朝話がしたいという内容であった。

映画『その住人たちは』の結末・ラスト(ネタバレ)

ダミアンの要望はトマスの娘の洗濯前の下着であった。早速盗みに入ったハビエルは、偶然帰宅したララと遭遇しそうになるも回避した。その日、ララに呼び出されたハビエルは、トマスに会わないように申し出られる。しかし、あらかじめトマスの携帯で仕込んでおいたメールを証拠に、都合のいいように話を偽るのだった。

マルガの疑念も上手く誤魔化したハビエル。しかし、ダミアンの要求は止まらなかった。耐えかねたハビエルは、ダミアンの商売道具に加工し殺害を目論んだ。さらには、トマスを追い込み、暴力沙汰を起こすように仕向けたのである。お酒の影響でララに暴力を振るった過去があると知っていたハビエルは、そこに付け込もうとしていたのだった。

荷物をまとめ、家を出たハビエル。娘の喜ぶことをしてあげることで、ララの警戒心を解き関係を築き上げ始めた。一方で家庭を壊された苛立ちを抑えられないトマスは、ララに話し合いを求める。しかし、トマスの暴力性に恐怖心を抱いているララは、ハビエルにもらった護身用スプレーで抵抗した。するとトマスは倒れ、呼吸が止まってしまった。

ハビエルに助けを求めたララは、言われるとおりに動く。見事に計画を遂行したハビエルは、ララのおかげで地位も家も取り戻した。しかしマルガは全て気付いてしまった。ダニという人質があるハビエルは、強気にマルガを突き放し「自分の道」を歩み続けるのだった。

映画『その住人たちは』の感想・評価・レビュー

なぜハビエルは人生の分岐点に立たされたのだろう。それが何より最初に浮かんだ疑問であった。ファーストシーンの面接で表情を曇らせ始めたのは、「前職」について聞かれてからだった。妻・マルガの様子を見ている限りでは自己都合ではなさそうであったが、それは予測に過ぎない。“男の勲章”とばかりに家や車を重視するハビエル。彼のスイッチを入れたのは紛れもなく「プライド」であるが、ガソリンとなって加速させたのは何だったのだろう。この作品を通じて、相容れない男の怪奇的な自己実現を見た。(MIHOシネマ編集部)


プライドが高すぎる男のやばい行動の数々に序盤はおかしな人だと思って鑑賞していましたが、段々とその用意周到さや意外と上手くいってしまう展開が面白くなってきて、どんどんハビエルの魅力に引き込まれてしまいました。
冷静に考えたら、他人の家に忍び込むだけで犯罪なのですが、今まで思うようにいかなかった鬱憤を晴らすかのように、ハビエルのヤバすぎる計画が上手く進んでいってしまうのがこれでいいの?と思いつつも爽快でした。
しかし、いつかボロが出てハビエルは破滅の道を進んでいくんだろうなと嫌な期待をしてしまいました。(女性 30代)

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