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映画『お引越し』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『お引越し』の概要:小学6年生の少女が、離婚を前提に別居を始めた両親に翻弄されながら過ごしたひと夏を描く。1993年公開の作品で、原作はひこ・田中の同名小説。女優・田畑智子のデビュー作品でもある。

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映画『お引越し』の作品情報

お引越し

製作年:1993年
上映時間:124分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:相米慎二
キャスト:中井貴一、桜田淳子、田畑智子、須藤真理子 etc

映画『お引越し』の登場人物(キャスト)

レンコ(田畑智子)
京都に住む小学6年生。両親の別居は受け入れたものの、離婚には納得できずにいる。まっすぐに疑問をぶつけるが、変わらない両親の関係に翻弄されながら成長していく。
ケンイチ(中井貴一)
レンコの父親。亭主関白で家事に無関心なことから、妻・ナズナの不満を溜め込ませてしまった。別居して初めて家族の大切さに気付き、寂しさと闘いながら復縁に希望を抱いている。
ナズナ(桜田淳子)
レンコの母親。気が強く、ケンイチよりも稼ぐキャリアウーマン。離婚への決意が強く、レンコに何を言われても揺らぐことはない。ケンイチへの不満が突如爆発してしまう。

映画『お引越し』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『お引越し』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『お引越し』のあらすじ【起】

父・ケンイチがしばらく一人で暮らすと知り、身体を気遣う11歳のレンコ。離婚への意志が固い母・ナズナの気持ちを理解できないレンコは昼休みに学校を抜け出し、ナズナに内緒でケンイチの引っ越しについて行った。レンコはこの時間を「家族の団らん」と呼ぶのだった。

ナズナは二人きりで過ごす初日を「門出」と言い、珍しく外食に連れ出してくれた。食事中にこれからは旧姓を名乗るように伝えたナズナ。レンコは両親の離婚を受け入れられず、「家が二つ」ではいけないのかと少しだけ反抗した。酔っぱらったナズナは、レンコの前で離婚届を見せつけ、ケンイチが判を押すのを待っていると全てを話してしまう。その夜、レンコは離婚届をこっそり隠すのだった。

新生活に浮かれるナズナは、合気道を習い始めたという。さらに「2のための契約書」と称した家事の分担表や約束を用意し、レンコに声を出して読み上げさせた。一方的な決めごとに納得できないレンコは、「言われなくてもわかってる」と反抗して見せるのだった。

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映画『お引越し』のあらすじ【承】

寂しくなったケンイチは、レンコが幼い頃にプレゼントとしたキリンの人形を貸して欲しいと電話してきた。ナズナの決めた約束で、許可なくケンイチに会いに行ってはいけないと決められたが、やはり納得できずにいた。しかし、同級生のミノルにだけは本音を打ち明けたレンコは少しだけすっきりするのだった。

帰り道に夕食の買い出しをしていたレンコは偶然、同級生のサリーとスーパーで遭遇する。サリーは両親の離婚を機に、関東から京都に引っ越してきている。母親に内緒で、再婚した父親に会いに行ったことがあるというサリー。まだ離婚はしていないと強がるレンコだったが、サリーの話を聞いたことで両親の身勝手さを分かち合うようになった。その夜、契約違反を繰り返すナズナに奮起したレンコは、契約書をビリビリ破り捨ててしまう。

実はクラスで浮いた存在だったサリー。気付かぬうちにサリーと距離を縮めているレンコに、同級生たちが文句をつけてきた。大人数でかかってこようとする同級生に対抗するため、レンコはアルコールランプを手に取りボヤ騒ぎを起こしてしまう。学校に呼び出されたナズナを振り切って、レンコは一人バスに乗り込みケンイチの会社に向かうのだった。

「どうして離れ離れなのか?」とケンイチを問い詰めるレンコ。その夜帰宅すると、ミノルがレンコの帰りを待っていた。否定することなく、レンコを諭すミノル。夏休みに入ったらケンイチの家に立て籠もってみはどうかと計画を持ち掛けるのだった。

早速ミノルの計画を実行に移すレンコ。しかし一つ屋根の下での準備は難しく、すぐにナズナに見つかってしまう。急遽予定を返上し、お風呂場に立て籠もったレンコ。ケンイチも駆けつけ、説得しようとするのだった。

映画『お引越し』のあらすじ【転】

必死になるケンイチに対して、ナズナは昔の不満をぶつけ始めた。予想よりも夫婦の確執は深く、大喧嘩が始まってしまった。さらに「なんで産んだん?」とレンコが問い掛けたことにより、ナズナは傷つき暴れるのだった。

3人が久しぶりに揃った家に嫌な沈黙が続いていた。両親を責めてしまったレンコは一人ベッドに座り込んで夜を明かそうとする。ケンイチが帰り際に声をかけると、レンコはそっとキリンの人形を手渡すのだった。

週に一回の食事会。その度に喧嘩する両親の姿を見たくないレンコは、月に一回でもいいと妥協案を出した。ナズナは自分だけ月に一回にして欲しいと提案に乗ってしまう。その日ケンイチのバイクに乗せてもらい帰宅したレンコ。来年は3人で大文字を見ようと言うレンコの言葉に、ケンイチは何も返せないままであった。

夏休みの作戦は失敗したが、レンコは毎年恒例であった琵琶湖旅行を計画する。自分名義の口座から資金を調達し、電車や旅館の予約をするのだった。ケンイチがいることを知らないナズナは、ついて早々に復縁を迫られ気分を害してしまう。ケンイチがどんなに言葉をかけようと、ナズナは全て否定し過去の苦しさしか言葉にすることはなかった。

弱気なケンイチに腹を立てるレンコは、一人ただひたすらに遠くを目指して歩き出す。偶然出会った老夫婦の家で少し休ませてもらったレンコ。その家のおじいさんから「昔の思い出は片手で数えられるくらいで十分だ」と教わるのだった。

映画『お引越し』の結末・ラスト(ネタバレ)

おじいさんと一緒に花火を見に行ったレンコ。必死に探していたナズナは人波に逆走しながらレンコに声をかける。ようやくレンコの気持ちを汲み取ったナズナは、謝り懸命に気持ちを伝えたのだった。「早く大きくなるから」と精一杯の返事をしたレンコはおじいさんと来年も会う約束をして別れ、再び一人で歩き出した。

人波に身を委ね祭りの名物を見続けたレンコ。何気なく過ごしていた3人の時間を思い返し、再び暗い森の中を一人で歩き始めた。知らぬ間に休んでしまったレンコが目を覚ますと、湖にカラフルな山車が浮かんでいた。その周りには昔のように笑い合う両親と自分の姿があった。しかし、山車は燃え盛り、両親は自分を置いて湖に沈んでいってしまう。孤独に怯える自分の姿を見て「おめでとうございます」と繰り返すレンコ。ナズナの言う「門出」に立った自分を抱きしめ、過去に大きく手を振る。夜明けを迎え、ナズナがレンコを見つけ出した。帰り道、ずっと隠していた離婚届をナズナに返したレンコ。ナズナは来年もまた祭りに来る約束をするのだった。

夏休みに起こった家族の大きな事件を作文にしたレンコ。ナズナと一晩中考え新たに契約書も交わしていた。

映画『お引越し』の感想・評価・レビュー

食卓を囲む度、気にかかることがある度に出るレンコの大人びた言葉を浴びる「大人たち」。淀んだ大人の関係を無垢な子供がリフレッシュする物語は多いが、今作は一味違う。ざわついた心のままに出る言葉は見る者をハッとさせるだろう。無理に他者を巻き込まず、家族という最小単位の中で葛藤がぶつかり合う2時間。対象を介して反復するメタファー的表現も見どころであり、無駄のない展開にうっとりするほどだった。音や映像の精度に頼った作品に疲れたときには、この作品に戻りたいと思える一作であった。(MIHOシネマ編集部)


こんなにも大人でこんなにも行動力のあるレンコはどうして両親の離婚に納得できなかったのか。それはまだまだ小学六年生の子供だったからでしょう。いくら大人びていても、発する言葉が生意気でも、自分勝手な行動をしていても心の中は子供なのです。だからこそ父親と離れ、母親と二人で暮らしていくことに対する不安や不満が拭いきれなかったのだと思います。
大人になると、両親の不仲も自然と理解出来てしまい、離婚すると言われても彼らの人生だからと良い意味で「どうでもよく」なってしまうでしょう。両親はずっと仲良く一緒にいるべきだと思っているレンコの純粋さと子供らしさに、家族を思いやる心を教えて貰った気がします。(女性 30代)

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