映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』の概要:孤立気味の優等生が、レポートの代わりに頼まれたのはラブレターの代筆だった。さらに相手は自分が想いを寄せる相手である。掛け違いながらも共に成長する3人の学生を追う一作。
映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、青春
監督:アリス・ウー
キャスト:リーア・ルイス、ダニエル・ディーマー、アレクシス・ルミール、ウォルフガング・ノヴォグラッツ etc
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映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』の登場人物(キャスト)
- エリー・チュウ(リア・ルイス)
- 中国系アメリカ人の優等生。人種の違いに劣等感を持ち、アスターへの恋心を抑えながら生活している。父親を心配し、いつも寄り添っている。
- ポール・マンスキー(ダニエル・ディーマー)
- アメフト部2軍の男子生徒。アスターに好意を寄せていて、エリーにラブレターの代筆を依頼した。博識なエリーとアスターのやり取りに追いつこうと必死に努力する。
- アスター・フローレス(アレクシス・レミール)
- 裕福な家庭で生活する美少女。学校でも人気者だが、他の人にはわからない悩みや孤独を抱えている。エリーが代筆したラブレターに強く共感し、心の拠り所にしている。
映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』のあらすじ【起】
真面目で成績優秀な中国系アメリカ人のエリー・チュウは、アメリカの片田舎で父親と二人暮らし。少しシャイなエリーは、音楽の授業中に一人の女子生徒・アスターに目を奪われていた。普段会話をすることはないアスターとエリーだが、実は接点がある。週末、エリーは教会の日曜礼拝でオルガンの演奏を頼まれているが、そこはアスターの父親が牧師を務める教会なのだ。
多くの同級生から有料でレポートの代筆を受けているエリーに、いつもと違う依頼が入る。それはラブレターの代筆であった。なんと手紙の送り先はアスターである。エリーは色々な理由を付けて断った。しかし電気代の支払いに追われ、仕方なくポールの依頼を受けることにするのだった。
実際の恋愛を経験していないエリーは1通目の手紙に頭を抱える。日課である父親との映画鑑賞の中でヒントをもらい、ワンシーンのセリフを引用した。アスターからの返信は意外にも早く、映画についてすぐ気付いてくれていたのだった。感性の合うエリーとアスター。手紙のやり取りはリズミカルに続いていく。その分、レポートの代筆はストップしていた。
映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』のあらすじ【承】
美しい容姿から学校中で人気が高いアスター。しかし実は夢を諦めた挫折や真の友情を求める孤独感を抱えていると知った。町のはずれにある壁に絵を共作して、手紙の外にも交流は発展していく。しかし、ポールは勢い余ってメールしてしまった。なんとかエリーが誤魔化して、学校から離れたカフェで直接会うがポールはアスターと話など合わせることはできない。もう終わったと絶望するエリーだったが、なんとアスターからメールの返信が来た。「俺“たち”の試合は終わってない」と喜ぶポールを見て、エリーは協力を続ける決心をした。
3週間という期限を決めて、アスターと話を合わせる特訓を始めた二人。そのうちにお互いの好きなことや家族について話すほど距離を縮めていた。エリーは中国生まれ、5歳の時にスクアヘミッシュへやって来た。博士号を持っている父親が、英語が流暢ではないために外されたキャリア街道。意識的に人を避けてきたエリーは「同年代の理解者」という存在を初めて得た。複雑な自分の心境を明かすか悩み、ポールに「アスターのどこが好き?」と尋ねるのだった。
見た目ばかり挙げたポールに対し、エリーはやり取りする中で募らせた感情をこぼしてしまった。自分の感情の子供くささを卑下するポール。しかし努力の過程を見てきたエリーはポールの愛は本物であると認めるのだった。
映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』のあらすじ【転】
遂にデートの日を迎える。堅苦しい話をしようとするポールにアスターは「ただの友達だよね?」と確認をする。元から砕ける覚悟のポールであったが、話を聞いていたエリーの援護射撃で何とか場を繋いだ。しかし、突発的に気持ちを抑えられなくなったポールは自らの言葉で気持ちを伝える。良い空気の二人を見たエリーは、自分の必要のなさを感じ店の前から去るのだった。翌日、ポールとアスターは実はキスまで済ませたと知り、エリーは動揺を隠せなかった。
先生に強制で参加させられた学芸会で、エリーのピンチを救ってくれたポール。披露した弾き語りをきっかけに、エリーは初めて同級生から誘いを受けた。しかしはしゃぎすぎたエリーは酔いつぶれポールの家に泊めてもらうことになる。翌朝、エリーが目を覚ますと、ポールに本を届けようとアスターが来ていた。動揺するエリーだったが、アスターの声掛けで一緒に出掛けることになった。
父親の代わりに1日に数回、警笛をならすことがルーティンのエリー。同行したアスターは、お礼にお気に入りの場所に連れていってくれた。
映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』の結末・ラスト(ネタバレ)
アスターのお気に入りの場所は人目に触れない水場だった。そこで初めてアスターの悩みを直接聞いたエリー。アスターにとってポールとの手紙のやり取りは心の拠り所になっていたことを初めて知るのだった。その頃、ポールはエリーの家で父親と二人きりで過ごしていた。
毎日自転車で通学するエリーに合わせて走っていたことで、アメフト部の2軍だったポールは1軍へと上がっていた。アスターとエリーが見守る試合で、驚異的な脚力を発揮したポール。気付かぬうちにエリーを探していたポールは、不意にキスしようとしてしまった。その瞬間をアスターに見られてしまったエリーはショックを隠せずにいる。そしてポールは、エリーの本心を察するのだった。
一躍学校のヒーローとなったポール。一方で一度に大事な存在を手放したエリーは、覇気のない日々を送る。悲しそうなエリーの姿を心配した父親は、ポールに状況を尋ねた。エリーについて違う側面を知る二人だが、互いにエリーには笑っていて欲しいと願っていた。
日曜礼拝で家族の希望する相手からプロポーズを受けたアスター。驚いたエリーとポールは思わず声を上げてしまった。そして手紙を代筆していたこと告白したエリー。アスターは教会を飛び出してしまうのだった。
エリーの父親は自分のために地元の進学を希望していることに気付いていた。望む通りに生きるよう諭す父親。勇気をもらったエリーはアスターに会いに行き、改めてポールのフリをしていたことを謝った。あまりに絵文字を使わない文面から薄々勘づいていたと言うアスターもまた、親の反対を押し切って美大を受験することにしていたのである。互いに新たな一歩を掴んだ二人は「信じるもの」を見つけよう、と再会を誓うのだった。
エリーが家を出る日。ポールはエリーの父親と作った手土産を渡し、列車が見えなくなるまで走って見送るのだった。
映画『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』の感想・評価・レビュー
「これラブストーリーじゃない」そう言い切る主人公を追う104分である。
大都会とは言い難い廃れた町で、すでに人生に限界を決め始めている3人の少年少女。それは家庭環境が大いに影響する。その閉塞感は共感を生み、ぎこちなくも絆を育んでいく。手紙とメール、両方の強みを生かした演出はコンパクトではあるものの、3人のその先に希望を見いだせる展開である。巧妙に仕込まれた小ネタと、はっきりと役目を果たす登場人物の愛らしさに惹きつけられる作品であった。(MIHOシネマ編集部)
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