映画『20歳よ、もう一度』の概要:韓国映画「怪しい彼女」の中国リメイク版。一番美しかった頃を思い返して写真を撮ってもらった口の悪い頑固な70歳は、その日を境に20歳の頃の美貌を取り戻した。子育てで過ぎ去った20代を謳歌する姿を描く。
映画『20歳よ、もう一度』の作品情報
上映時間:132分
ジャンル:ファンタジー、コメディ、ヒューマンドラマ
監督:レスト・チェン
キャスト:ヤン・ズーシャン、グア・アーレイ、チェン・ボーリン、ルハン etc
映画『20歳よ、もう一度』の登場人物(キャスト)
- テレサ / 20歳のモンジュン(ヤン・ズーシャン)
- 戦争に出た夫に先立たれ、当時1歳だった息子・グォビンを一人で育ててきた。70歳を迎え、突如20歳の美貌に戻ったことで、憧れていた「テレサ・テン」から取ってテレサと名乗る。
- モンジュン(グア・アーレイ)
- 大学教授として働く息子・グォビンが何よりの自慢。嫁・ヤンチンに気になることがあるとすぐに小言を並べてしまう。口の悪いのが仇となり同性に好かれないタイプ。
- プロデューサー(チェン・ボーリン)
- 新人発掘に熱を入れている音楽プロデューサー。なかなかいい人材を見つけられないなかで、偶然テレサが歌う姿を見かけ聞き惚れてしまう。
- チェンチン(ルハン)
- モンジュンの孫。バンドで大きなステージに立つのが夢で活動しているが、モンジュン以外家族で味方してくれる人はいない。ボーカルが抜けたときテレサを見かけ、声をかける。
映画『20歳よ、もう一度』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『20歳よ、もう一度』のあらすじ【起】
「30歳を過ぎたら自殺して老いを防ぐつもりだった」と昔話に花を咲かせるモンジュン。大学で老人問題を教えている息子・グォビンのおかげで、高齢者センターが維持されていると遊び仲間に誇らしげに語った。そのうちの一人であるリーは、昔モンジュンの屋敷で世話になった癖が抜けず、年をとっても「小姐(お嬢さん)」と呼んでしまう。
口の悪いモンジュンはグォビンの嫁・ヤンチンにも容赦なく言い寄る。ヤンチンは心臓病を患っており、無理はできないがモンジュンの言葉責めに限界を感じ始めていた。しかし、孫のチェンチンにはとびきり甘いモンジュン。言われるがままお小遣いを渡してしまうのだ。チェンチンはバンドでデビューを目指しているが、ボーカルと喧嘩してしまい練習場所も失ってしまった。
買い物から帰宅したモンジュンは、家が散らかっていることに気付く。ヤンチンをしつこく呼ぶが返事はなく、倒れているところを見つけてしまうのだった。病気は悪化してはいないものの、ストレスは厳禁だという医師。グォビンは仕方なく、モンジュンに老人ホームへ入ってもらうことにする。
入所前、家族で最後の食事を済ませたモンジュンは一人別れて帰ることにした。そこへチェンチンから連絡があり、一緒に夕食をおごる約束をするのだった。待ち合わせ場所までの道中「青春写真館」という店の前に立ち止まったモンジュン。遺影にすると記念撮影をお願いしたモンジュンは、「一番美しかった頃」を思い返して写真に写るのだった。
バスに乗ってチェンチンの元へ急ぐモンジュン。若者に絡まれ、いつも通り悪態をつくモンジュンだったが、窓に映った自分の姿はまさに20歳の時の自分であった。急いで写真館に戻るが、そこにはアダルトショップしかなく途方に暮れるのだった。
映画『20歳よ、もう一度』のあらすじ【承】
路上で目を覚ましたモンジュン。若い体と美貌を楽しもうと美容院に行き、下着から洋服まで買い漁る。そしてグォビンには心配しないようメモを残すのだった。住む場所がないモンジュンはテレサと名乗り、リーの家に間借りを願い出た。
行方不明になったモンジュンを心配するリー。そのモンジュンはテレサとして一緒に高齢者センターに出向き、思う存分若さを堪能していた。そして美声を披露したテレサだが、チェンチンの姿を見かけ逃げ出してしまう。その時、偶然通りかかった音楽プロデューサーがその美声に聞き惚れ声をかけようとしていたことにも気付かずに走り出してしまった。
テレサの美声に惚れこんだチェンチンもバンドのボーカルになってほしいと声をかける。唯一の味方だったモンジュンが行方不明になり不安だというチェンチンの姿に、手を貸さずには居られなかった。ロックが苦手なテレサは自分の好きな歌を提案し、服装もプロデュースする。路上ライブで人気が出始めたチェンチンバンドは自信を持ってオーディションに挑むことになる。
若さを堪能し始めたテレサ。市場で音楽プロデューサーに声をかけられるが、ナンパだと思いあしらってしまった。その足でチェンチンに招かれ、久しぶりに自宅へ戻るがつい癖でヤンチンの料理に文句を付けてしまうのだった。さらに帰りの遅いグォビンを心配し、つい口出しをしてしまった。
映画『20歳よ、もう一度』のあらすじ【転】
リーとグォビンは警察に捜査を依頼していた。誘拐事件だと言われたことで、リーはモンジュンの傘と同じものを持っているテレサを疑い始める。荷物を勝手に探り、モンジュンの身分証明書を見つけたリーはテレサを問い詰めるが、逆に縛り上げられ顔をよく見るように言われる。そこでようやく50年前のモンジュンだと気づいたリー。テレサの計画に協力するようになるのだった。
チェンチンバンドは、大きなフェスの出場を賭けたイベントに出場することになる。課題曲では上手くいかないテレサだったが、夫との想い出が詰まった曲を歌い会場を魅了した。その中継を見ていたグォビンは何か感じ取るのだった。
見事に大きなフェスの出場を掴んだチェンチンバンド。その時、注目を浴びたテレサに声をかけてきた若者がいた。リーに対して失礼な態度を取るので、喧嘩寸前で止めたテレサだったが、足に怪我をしてしまった。帰宅後、リーに見てもらうと傷口から皮膚が老化することが分かった。タイミング悪く脚を診てもらっているところをリーの娘に見られてしまい、家を追い出されてしまった。心配をして連絡をくれたプロデューサーの家に泊まることになったテレサ。暗闇が苦手だと分かると、子供をあやすようにプロデューサーを寝かしけてあげるのだった。
リーは事態を収めようとグォビンに説明するが、もちろん理解されるわけもなく逆に心配されてしまう。その頃、目が覚めプロデューサーに声をかけたテレサ。タイミング悪くアシスタントのシンディに見られ、関係を疑われてしまうのだった。
映画『20歳よ、もう一度』の結末・ラスト(ネタバレ)
どんな曲を作ってもプロデューサーに認めてもらえないチェンチンは苛立っていた。プロデューサーの恋人になったと勘違いされているテレサ。リーにも距離を置かれてしまい、居場所を見失い始めていた。その矢先、嫌味を言う間柄だった友人が亡くなってしまう。リーと共に病院で手続きを手伝うテレサは、大きな孤独を味わうのだった。
幼い頃のアルバムを見返していたグォビンは、モンジュンとテレサがそっくりなことに気付く。ようやくリーの言っていたことが理解できたのだった。
フェス当日。スタンバイをするテレサたちだったが、チェンチンが宿舎に忘れ物をして一人別行動をしていた。急いだチェンチンは事故に遭うが、テレサはチェンチンの努力を無駄にしない為にも出場したいと言い切った。チェンチンの作った曲で会場を沸かしたテレサ達。すぐに病院へ向かうと、AB型のRH-の血液が足りないと話しているところに鉢合わせた。家族で同じ血液型なのはモンジュンだけである。迷わず輸血を申し出るテレサだったが、リーはせっかく手に入れたものを全て捨てていいのか?と諭される。さらに全てを悟ったグォビンからも「自分の子供は自分で守る」と言われるが、テレサの決断は揺らがなかった。
テレサからモンジュンに戻ってしまったが、チェンチンの音楽活動は止まることなかった。家族揃ってテレビの前に座り、声援を送るのであった。
映画『20歳よ、もう一度』の感想・評価・レビュー
各国の設定の違いが非常に面白い「怪しい彼女」シリーズである。中国の場合は、家庭に重きを置きつつも、老人問題に目を背けない設定であった。戦争経験者を敬うシーンもあり、日本のリメイク版よりも現実とファンタジーの融合が強かったように思う。また、EXOの元メンバーのルハンが映画初主演という話題性も持ち合わせている今作。誰もが想像したこがある「あの頃に戻れたら」という夢を叶えてくれる一作であった。(MIHOシネマ編集部)
韓国映画『怪しい彼女』の中国版リメイク作品。韓国版はもちろんのこと日本版リメイクも見たが、どれも甲乙つけがたいほどおもしろかった。ストーリーが良いからなのか、主人公を演じた女優さん達が全員可愛いからなのかは分からないが、全ておすすめ。
中国の女優さんはあまり詳しくないが、主人公を演じたヤン・ズーシャンの素朴な感じが作品に合っていて良かった。どこかに居そうな雰囲気なのに、改めて見ると特別な美しさを持っている女優さんだなと思った。(女性 30代)
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