映画『ボーイ・ミッシング 消えた少年』の概要:優秀な弁護士の一人息子が誘拐事件に巻き込まれてしまった。息子の証言により前科のある男が捜査線上にあがるが、事件は別の物へと形を変えていく。シングルマザーが愛する息子といるために奮闘する様を追う。
映画『ボーイ・ミッシング 消えた少年』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:マル・タルガローナ
キャスト:ブランカ・ポルティージョ、ホセ・コロナド、マカレナ・ゴメス、パウリーナ・ガルベス etc
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映画『ボーイ・ミッシング 消えた少年』の登場人物(キャスト)
- パトリシア・デ・ルカス(ブランカ・ポルティージョ)
- シングルマザーの弁護士。勝訴率の高さから、クライアントの信用が厚く世間的に注目されている。息子・ビクトルを何より大事にしており、発言を鵜呑みにしたことから別の事件に巻き込まれてしまう。
- ラウル・ロサダ(ホセ・コロナド)
- パトリシアが10年前に弁護した事件の被疑者。ビクトルの父親であるが、パトリシアと疎遠になっていたため知らずにいた。ある依頼を受け、事件に巻き込まれていく。
- チャーリー・コロナス(アンドレス・エレーラ)
- 数多くの犯罪歴がある男。更生を誓ったが、仕事が見つからないまま妻が妊娠8か月を迎えてしまった。ビクトルの証言を機に事件に巻き込まれてしまう。
- ビクトル(マルク・ドメネク)
- パトリシアの一人息子。耳が悪く補聴器が欠かせない。身体も小さく同級生から酷いいじめに遭っている。
映画『ボーイ・ミッシング 消えた少年』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ボーイ・ミッシング 消えた少年』のあらすじ【起】
おぼつかない足取りで歩く少年。一台の車が横を通り過ぎようとしたが、頭から血を流した少年・ビクトルの姿を見た運転手は声をかけずにはいられなかった。病院に運ばれたが、何も話そうとしないビクトル。当日着ていた制服から名前と学年はわかったが、しばらく病欠していたというビクトルの足取りは全く掴むことができなかった。
世間の注目を集める事件で勝訴した弁護士のパトリシア。勝ちにこだわるパトリシアは女性弁護士の中でも有名であった。息子との関係は円満であるつもりだが、実際の素行は全く把握できていないのだった。警察から連絡を受け病院に駆けつけたパトリシア。ビクトルは話さないのではなく、話せないという事情を伝えた。実はビクトルは耳が聞こえないのである。早く家に帰りたいと訴えるビクトルだが、傷跡を誰に付けられたかは話せないという。
パトリシアがマスコミに誘拐事件だと情報を流したおかげで、この親子の行く先々にはマスコミが待ち構えている。パトリシアが警察で話している中、署内で独りにされたビクトルは周りに溢れる事件の資料を眺めていた。早く家に帰りたいビクトル。パトリシアは校門まで送り届けたが、その後先生のような男が近づいてきて気絶させられたとビクトルは話しだした。山奥の家に車で運ばれたビクトルは、一心不乱に逃げ出したというのだ。
ビクトルの証言の元、モンタージュを作成すると前科持ちのチャーリー・コロナスにそっくりな似顔絵が完成した。
映画『ボーイ・ミッシング 消えた少年』のあらすじ【承】
仕事で手を怪我したチャーリーは妊娠8か月の妻に手当てをしてもらっていた。突如訪ねてきた警察に任意同行を求められ、夫婦ともに連行されてしまった。犯行時刻は妻と一緒にいたが、アリバイにはならなかった。手を怪我していることもあり、チャーリーへの疑いは深くなっていく。妻も信用しきれない中、ビクトルの証言だけが独り歩きし始めていた。
一向に事件について話したがらないビクトル。同級生が励まそうと連絡をするが、拒絶するのだった。一方でチャーリーの容疑は証拠もないまま確定に近づいていた。無断で家宅捜索され、妻はどうすべきかフォローに悩んでいる。そんな中、チャーリーは妻に隠れて何かを遂行しようとしていた。子供部屋に大金を隠し、人には言えない仕事を請け負っていたのだ。
真相を掴もうと釈放されたチャーリーはパトリシア親子を尾行し始めた。すぐに気付いたパトリシアは、二度と釈放しないよう警察に願い出るが証拠がない以上拘束は難しかった。その夜、大雨の中何者かが家の庭にいることにビクトルは気付く。叫び声で目が覚めたパトリシアはチャーリーの仕業だと思い込むのだった。
証拠にこだわる警察に頼ることを止めたパトリシア。認知はしていないがビクトルの父親であるラウルに「ある男を脅して欲しい」と頼みに行った。金で全てを動かそうとするパトリシアの態度に一度は断ろうとするが、息子の存在を初めて知らされたラウルは断る理由を見失うのだった。
映画『ボーイ・ミッシング 消えた少年』のあらすじ【転】
実はチャーリーは事件の夜、違法な闘犬場で賭け事をしていたという。妻の証言から防犯カメラを洗い直すと、チャーリーのアリバイは証明されてしまった。捜査は振り出しに戻り、警察は再びビクトルに証言を求めた。証言に近い男の写真を見せる中で、ビクトルが次に犯人だと指した男は、すでに刑務所で自殺をしていた。曖昧な証言が続き不穏な空気が漂うと、ビクトルは誘拐自体が虚偽だったと告白するのだった。
焦ったパトリシアはラウルに依頼を撤回しようと留守番電話にメッセージを残した。その頃、最後の仕事だと言われ闘犬場に出向いていたチャーリーはガタイのいい男二人に襲われて必死にあがいていた。殺し屋は「弁護士に聞け」と言い残し、チャーリーを銃殺した。ラウルから折り返しがあった時にはすでに遅く、パトリシアの「間違い」は取り返しがつかないことになっていた。
ビクトルから全て聞いたパトリシア。補聴器をバカにされ、ずっといじめられていたビクトル。その日も登校時に追いかけまわされ、ようやく逃げ出したビクトルは迷子になったあげく大怪我をしてしまったのだ。素直に話そうとしたときにはすでに世間の注目が集まり、引き返せなかったのだ。大雨の日、家に押し掛けてきたのもチャーリーではなくいじめの当事者であった。全てを警察に伝えたパトリシアだったが、ラウルが依頼した殺し屋から連絡があり、チャーリーの死体を処理する代わりに金を用意するよう要求された。
すぐにラウルに助けを求めるパトリシアだったが手を貸してはもらえず、ビクトルを家政婦に託し身を隠すよう指示するのだった。いじめの当事者の証言と証拠となる動画を確認し、警察は事件が片付いたと安堵する。しかし、チャーリーが帰らないと妻から訴えがあり操作が始まった。闘犬場の監視カメラから、殺し屋の存在がすぐに明らかになった。携帯の履歴でラウルとパトリシアの繋がりもすぐに判明する。すぐに警察はラウルの元を訪ねるが、見事にあしらわれ逃走されてしまうのだった。
映画『ボーイ・ミッシング 消えた少年』の結末・ラスト(ネタバレ)
パトリシアの元には「チャーリー」と書かれた箱が届いていた。その中には切断された指が入っていた。怯えるパトリシアは警察に連行され自白を迫られた。冷静を装い切り抜けたパトリシアは自宅の庭に指を埋め、人脈を使って警察よりも先にチャーリーを見つけようと抗い始める。
一度警察から逃げたラウルが、殺し屋のアジトに同行し証拠隠滅に手を貸すよう脅しに来た。パトリシアは言われるがままアジトに向かうが、そこにはビクトルの靴と一台のパソコンが残されていた。殺し屋からすぐに連絡があり、金さえ用意すればビクトルと家政婦を解放すると脅迫を受けたパトリシア。迷わず受け渡し場所に向かうパトリシアだったが、警察もパトリシアの動きを常に追っていたのだった。
警察の尾行に気付いたパトリシアは、なんとか逃げ切ろうとする。殺し屋からの指示に従い、身代金を車内に残して車を乗り換え、山奥の小屋へ向かった。ビクトルの無事を確認したパトリシアは、「次は嘘をつかずに助けを求めて」と伝え警察の前に自ら姿を現した。殺し屋の言葉を信じトランクにチャーリーの死体が入っていると思っているパトリシアは、自首するつもりだったのだ。
しかし、トランクにはマネキンしか入っておらず、遠くから着信音が鳴り響いた。音の元を辿ると、近くのトレーラーに横たわるチャーリーの姿が見つかる。ラウルに騙され大金を持ち逃げられたことに気付いたパトリシア。ビクトルが戻った喜びと、騙された悔しさから大声を荒げるのだった。
映画『ボーイ・ミッシング 消えた少年』の感想・評価・レビュー
構えすぎずに見ることをお勧めしたい。幼い子供の証言に翻弄された弁護士と警察。弁護士として優秀すぎて、母親として役目を果たそうとした時に業務的になってしまうのだろう。
前科があることで先入観から事件に巻き込まれた男が哀れに映るが、現実を正直に映し出しているようにも見えた。一度力を実感した者は、思い通りにならないのは納得がいかないのだろうか。仕事で成功した女と、家族を手にした男の奮闘劇を見せつけられた。(MIHOシネマ編集部)
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