映画『ロンドン・リバー』の概要:2005年にロンドンで起きた同時爆破テロ事件を題材に、事件後に消息不明となった子供達の捜す英国人女性とアフリカ移民の男性の交流を描く人間ドラマ。主演のソティギ・クヤテがベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した。
映画『ロンドン・リバー』の作品情報
上映時間:88分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ラシッド・ブシャール
キャスト:ブレンダ・ブレシン、ソティギ・クヤテ、フランシス・マギー、サミ・ブアジラ etc
映画『ロンドン・リバー』をフルで無料視聴できる動画配信一覧
U-NEXT | × |
---|---|
Hulu | × |
Amazonビデオ | ◯ |
dTV | × |
TELASA | × |
TSUTAYA DISCAS | × |
ビデオマーケット | × |
Netflix | × |
※動画の配信情報は2022年5月時点のものです。配信状況により無料ではない場合があります。最新の配信状況は各動画配信サービス(VOD)の公式サイトでご確認ください。
映画『ロンドン・リバー』の登場人物(キャスト)
- エリザベス・ソマーズ(ブレンダ・プレシン)
- イギリスの孤島で暮らすキリスト教との女性。娘のジェーンがロンドンで生活している。テロ後に娘を捜しに行き、娘の生活実態について初めて知ることになる。
- ウスマン(ソティギ・クヤテ)
- フランスで暮らすアフリカ移民の男性。イスラム教徒。息子のアリとは6歳の時から会っていない。テロ後に連絡が途絶えたために、ロンドンまで捜しに来る。
映画『ロンドン・リバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ロンドン・リバー』のあらすじ【起】
イギリスの離島で暮らすエリザベスは、教会に通う敬虔なキリスト教徒だった。エリザベスは亡き夫の墓参りに行き、墓の前で近況を報告する。2005年7月7日にロンドンで同時テロ事件が起きる。そのニュースを見たエリザベスはジェーンに電話するが、留守電になってしまう。エリザベスは農作業をして再び電話をしてみるが、やはりつながらなかった。意を決したエリザベスはロンドンに向かうことにする。エリザベスはフェリー乗り場に急ぎ、島を後にする。
ロンドンに着いたエリザベスはジェーンのアパートに向かう。そこはイスラム教徒の多い地域だった。ジェーンはアパートにもおらず、エリザベスは大家に鍵を開けてもらい中に入る。エリザベスはそこで民族楽器を発見して戸惑う。エリザベスは携帯電話を購入し、ジェーンと連絡を取ろうとする。エリザベスは、歩道橋でテロ事件の行方不明者を捜す貼り紙を見付け、悲観的な気持ちになる。そして警察に行き、ジェーンの行方不明を届け出る。警察は負傷者が搬入された病院のリストを手渡す。
映画『ロンドン・リバー』のあらすじ【承】
ウスマンが列車でフランスからロンドンにやって来る。そして新聞を読んでテロ事件についての情報を得ようとする。新聞ではテロの死者が50人以上に上ることが報じられていた。ウスマンはモスクに向かい、イスラム教のイマームに息子のアリを捜していることを相談する。テロ後、アリから母親への連絡が途絶えていたのだ。イマームは病院のリストを渡す。エリザベスは病院で負傷者の情報を確認する。そこにはウスマンも来ていた。
エリザベスはジェーンの写真を貼って行方不明の貼り紙を用意する。イマームがアリの住処を突き止め、ウスマンにアリの最近の写真を渡す。2人は住処を訪ねるが、アリはずっと戻っていなかった。ウスマンはアリがロンドンでどんな生活をしていたのか気にする。ウスマンはジェーンの貼り紙を見て、イマームからもらった写真にジェーンが写っていることに気付く。ウスマンから連絡を受けたエリザベスはホテルで落ち合う。エリザベスは写真を見て驚き、ウスマンはジェーンがアリと共にアラビア語を習っていたことを説明する。
映画『ロンドン・リバー』のあらすじ【転】
エリザベスはウスマンを怪しいと思い、警察に通報する。ウスマンは警察の事情聴取を受け、警察はエリザベスとウスマンをジェーンのアパートに連れて来る、警察はアパートを調べ、民族楽器はウスマンがアリに贈ったものであることが判明する。ウスマンは大家にアリの写真を見せ、ジェーンと同居していたことを確認する。エリザベスはジェーンがアラビア語を勉強していた事実に動揺する。
エリザベスは病院巡りを再開し、身元不明の負傷者を確認する。そこには同じ目的でウスマンも来ていた。ウスマンは近所で写真を見せながら聞き込みをする。エリザベスはアラビア語教室に行き、再びウスマンに遭遇する、アラビア語教師はジェーンとアリが同じクラスで勉強していたと説明する。エリザベスはアリのことも知っているから心配しないで良いとジェーンの留守電にメッセージを残す。エリザベスは遺体安置所に行く。そこには大勢の遺族がおり、ウスマンの姿もあった。2人は一緒に遺体を確認する。その後、テロ事件の捜査進捗を報じたニュースを見る。
映画『ロンドン・リバー』の結末・ラスト(ネタバレ)
テロ事件の犠牲者を追悼する鐘が鳴り、エリザベスとウスマンは一緒に黙祷を捧げる。エリザベスはアリがジェーンを操っていたと疑っていたと話し、ウスマンもアリがテロの一味だと疑っていたと打ち明ける。2人は共に子供達が無事であることを願う。エリザベスはお金がなくて困っているウスマンにジェーンの部屋に一緒に泊まることを申し出る。大家がアリとエリザベスが旅行の準備をしていたとの情報を寄せる。エリザベスとウスマンは旅行代理店に向かい、子供達が事件当日のパリ行きの切符を買っていたことを把握する。
子供達がパリで無事だとの考えたエリザベスとウスマンはそれぞれ家に帰ることを決める。翌朝、警察がアパートにやって来て、2人は警察署に呼ばれる。そしてDNA鑑定の結果、ジェーンとアリが爆破されたバスに乗っていたことを告げられる。エリザベスはその場で号泣する。ウスマンは妻に連絡し、アリが死んだことを伝える。エリザベスとウスマンは慰め合うようにして別れを告げる。2人は悲しみを胸に抱えたままそれぞれの生活に戻る。
映画『ロンドン・リバー』の感想・評価・レビュー
『ワールド・トレード・センター』や『ユナイテッド93』のようにテロ事件を正面から捉えた作品は多いが、今作は行方不明となった子供達の親の目線から描いている点が目新しい。テロ事件が身近でないとしても、行方不明の子を捜す親の心の痛みは共感しやすいのではないだろうか。イスラム社会に嫌悪感を示すエリザベスは現代の欧米人の姿を見事に映している。また、言葉少なに感情を伝えるソティギ・クヤテの演技が光っている。(MIHOシネマ編集部)
みんなの感想・レビュー