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映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』の概要:フィンランドでヘヴィメタバンドを組んでいる幼馴染の4人は、結成から12年が経ったが一度もステージに立ったことはなかった。彼らはひょんなことから大規模フェスのプロデューサーと知り合い、ノルウェーでの初ライブを夢見るが…。

映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』の作品情報

ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!

製作年:2018年
上映時間:92分
ジャンル:音楽、コメディ
監督:ユッカ・ヴィドゥグレン、ユーソ・ラーティオ
キャスト:ヨハンネス・ホロパイネン、ミンカ・クーストネン、ヴィッレ・ティーホネン、マックス・オヴァスカ etc

映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』の登場人物(キャスト)

トゥロ(ヨハンネス・ホロパイネン)
地元の幼馴染とヘヴィメタバンドを組んでいる内気な男。フロントマン。非の打ち所がないデスヴォイスを有するが、極度の上がり症のため人前で歌うことができない。花屋の娘ミーアに恋心を抱いており、普段は介護施設で働いている。
ユンキ(アンティ・ヘイッキネン)
トゥロとバンドを組むドラマー。オープンハンドでドラムを叩き、ツインペダルを巧みに操る超絶ドラマーだが、過去に二度医者から死を宣告されており興奮すると失神してしまう。誰よりも明るく前向きなバンドのムードメーカー。
ロットヴォネン(サムリ・ヤスキーオ)
速弾きが得意なギタリスト。普段は両親が経営するトナカイの畜殺場で仕事を手伝っている。自宅の地下室をバンドの練習スタジオとして使い、ロットヴォネンの父は「騒音でトナカイが自殺してしまう」と呆れている。
パシ / クシュトラックス(マックス・オヴァスカ)
絶対音感を持つベーシスト。どんな曲も一度聞いただけで弾きこなす才能を持っているが、偏屈で寡黙な変人。バンドの初ライブに向けてクシュトラックスというステージネームを考案、KISSのような白塗りメイクを施しそのまま生活を送る。普段は北欧一メタルCDが豊富な図書館で働いている。
ミーア(ミンカ・クーストネン)
実家が営む花屋で働いている女性。幼馴染のトゥロとは両思いだが、どちらも言い出せないまま大人になった。父親は警察官で、バンドマンとの交流に否定的。ヨウニから猛アタックされるが相手にはしていない。
ヨウニ(ヴィッレ・ティーホネン)
中古車屋を経営する傍ら、バー“トナカイとピューマ”で演奏を行っているバンドマン。ちょっとした地元の有名人。しつこくミーアを口説くがいつもあしらわれる。

映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』のあらすじ【起】

何も無いノルウェーの田舎町を自転車で走るトゥロは、ヘヴィ・メタルバンドのフロントマンだった。彼はロットヴォネン宅の地下室へ向かい、メンバーと練習を始めた。一通り合わせ終わった頃、ロットヴォネンの母は彼らに昼食を振る舞った。

ユンキは練習の出来に満足し、オウルにある新人向けのライブハウスでライブをしようと提案した。「出てみようぜ。俺たちもう12年もやってる」と言うユンキに、パシはカバーではなくオリジナルを作るのが先だと言った。

介護施設へ出勤したトゥロは、入所者の一人が誕生日だったため花を買いに行った。花屋のミーアに花を選んでもらっていると、トゥロと同じく彼女へ想いを寄せる男・ヨウニが現れた。トゥロと正反対の性格である彼はミーアを口説いたが、当の彼女は相手にせず、ヨウニにトゥロがバンドマンであると紹介した。ライバル心を抱いたヨウニは店から出るや、「次からは花は別の店で買え。俺がずっと狙ってる女だ」とトゥロを牽制した。

練習に集まったメンバーは、ライブをするために曲を書こうと意気込んだ。ロットヴォネンは良いリフが浮かんだと言ってフレーズを弾くが、パシはそれらがパンテラやチルボドのリフだと見抜き曲名まで言い当てた。見かねたユンキは、先に歌詞を書くようトゥロにアドバイスした。

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映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』のあらすじ【承】

作曲がうまくいかず苛つきながら仕事をするロットヴォネンは、うっかり解体前のトナカイの下半身を機械に詰まらせてしまった。骨を砕き肉を裁つ不協和音を耳にしたロットヴォネンは、これこそバンドが求めていたサウンドだと閃き早速曲を書いた。

トゥロは完成した曲を“溢れ出る分泌液”と題し、バンドは歌詞を乗せて新曲を演奏した。メンバー全員が最高の出来に唖然とし、秘かにデモテープを作ったユンキはレコード会社やエージェントに送ろうと興奮した。そこへ、ノルウェーからトナカイの血を買いに来たという男が現れた。

男はフランク・マッセクラヴと名乗った。トゥロ達を見た彼が何のジャンルのバンドか尋ねると、パシは間髪入れず「終末シンフォニックトナカイ粉砕反キリスト戦争推進メタル」だと説明した。そこに、ロットヴォネンが倒してしまった大量のトナカイの血が降ってきて、全身に血を浴びたフランクは怒って帰ってしまった。

彼が乗るトラックには、ノルウェーで開催されるメタルフェス“ノーザン・ダムネーション”のロゴがあった。名刺を確認すると、彼の肩書はフェスティバル・プロモーターとあり、ユンキは慌ててトラックを追いかけトゥロの電話番号を書いたデモテープを渡した。ユンキはフェスに出られると興奮したが、トゥロは不安から嘔吐した。

出勤前にミーアと会ったトゥロは、ノルウェーのフェスに出られるかもしれないと漏らした。彼女は心底喜んでくれた。

映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』のあらすじ【転】

出勤したトゥロは上司から、隔離棟に危険な入所者が増えたと聞かされた。ラップランド人のオウラと名乗る彼は、リネンを運び込んだトゥロに突然襲い掛かった。トゥロは咄嗟に自分達の曲が流れているヘッドフォンを装着させ、メタルを聞いたオウラは落ち着きを取り戻した。

「フェスに出るかもしれない」と聞き舞い上がったミーアは、村中に「トゥロがフェスに出る」と言いふらしていた。その結果、彼らはヨウニの前座として演奏することになった。

4人は、ヨウニの車屋から遠征用のバンを買った。そして壊れたドラムを「音楽セラピー」と称してトゥロの務める施設へ寄付した。トゥロ達の曲をすっかり気に入ったオウラは、彼らの曲をドラムでコピーした。

パシは、メンバーに自分のステージ衣装とメイクをお披露目した。ステージネームをクシュトラックスと名乗ることにした彼は、バンド名を“インペイルド・レクタム(突き刺された直腸)”に決めたと言い、バンドロゴも作ってきた。彼らは次に、スピードメーターで宣材写真を撮影した。

“トナカイとピューマ”には、インペイルド・レクタムを一目見ようとする多くの村人達が集まった。しかし、本番直前のトゥロにフランクから連絡があり、彼は「デモは気に入ったが今年のフェスにはもう枠がない。その調子で頑張ってくれ」と言って電話を切った。

初ライブが始まりトゥロはステージに立ったが、彼は緊張や不安から盛大に嘔吐してしまった。ヨウニはすぐさま演奏を止めさせ、トゥロは遂に「フェスには出ない」と告白した。

映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』の結末・ラスト(ネタバレ)

無人となった会場に残ったメンバー達は、ミーアの父からバンの車検が切れていると言われ鍵を没収された。トゥロはバンドを抜けると言って飛び出したが、ユンキだけは「こんな初ライブ前代未聞だろ、ノルウェーでもかますぞ」と意気込み、警察署からバンとスピードメーターで撮った写真を盗んだ。その帰り道、ユンキは道端にいたトナカイを避けて急ハンドルを切り、湿地帯へ落下し死亡した。

ミーアは、音楽から離れようとするトゥロを叱責した。彼女が持って来てくれたスピードメーターの写真で在りし日のユンキを見たトゥロは遂に決意を固め、ヨウニのトラックを盗むと、パシとロットヴォネンの他に施設からオウラを連れ出し、更にはユンキの棺を掘り起こしてノルウェーを目指した。

ミーアの父は、ノルウェーの国境警備隊へ「悪魔崇拝集団が墓で掘り起こした遺体を載せて国境に向かってる」と通報、自身もミーアとヨウニを乗せ彼らを追跡した。しかし、国境警備隊は別のバンを制圧、トゥロ達は難なく国境を越えた。

フィヨルドの途中でミーアの父に追い詰められたトゥロ達は、対岸から聞こえるメタルに導かれるように海へ飛び込み、フェスの会場へと到着した。

彼らと再会したフランクは、「フィンランドのメタルバンドが異常者を誘拐、ドラマーの遺体を掘り起こして戦争を仕掛けたという話題で持ち切りだぞ。最高にメタルじゃねえか。君たちに出演してもらえるなんて光栄だ」と歓迎し、インペイルド・レクタムは遂にステージへ上がった。

ライブは大成功だったが、通報を受けた警察が会場まで乗り込んで来た。演奏を終え満足げなトゥロは、「また戻ってくるぜ」と晴れやかな気持ちで連行された。

映画『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!』の感想・評価・レビュー

テクはあるのに冴えないバンドマン達の珍道中、メタル好きでもそうじゃなくても大いに楽しめる映画だった。

12年もバンドをやっていてライブをしたことがないという設定がもう笑える上に、オリジナルが1曲もないというのが決定的に面白い。コピー楽しいもんね、と、結成したての若いバンドを応援している気持ちになった。

己の恐怖心を払拭するためクズリの檻に入るトゥロの場面が、ゴールデンカムイ樺太編の鯉登と杉本にしか見えなかった。もしやこの映画を参考にしたのでは?と思う程、本作と漫画の一連の流れが同じだった。(MIHOシネマ編集部)

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