映画『スパイダーマン3』の概要：長年根強い人気を誇ってきた『スパイダーマン』シリーズの最終章にして第三弾。ピーターのスパイダーマンとしての最後の戦いがここに始まる。ピーターとハリーの友情の行方は如何に。
映画『スパイダーマン3』の作品情報
上映時間：139分
ジャンル：アクション、アドベンチャー
監督：サム・ライミ
キャスト：トビー・マグワイア、キルステン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、トーマス・ヘイデン・チャーチ etc
映画『スパイダーマン3』の登場人物（キャスト）
- ピーター・パーカー / スパイダーマン（トビー・マグワイア）
- 遺伝子組み換えをした蜘蛛に刺されてからというものの、特殊な力を手にした青年。スーパーヒーローとして活躍している。
- メリー・ジェーン・ワトソン（キルスティン・ダンスト）
- 長年ピーターが想いを寄せている女性。女優として活動している。
- ハリー・オズボーン（ジェームズ・フランコ）
- ピーターの親友。父親をスパイダーマンに殺されたと考え憎しみを抱いている。
- フリント・マルコ（トーマス・ヘイデン・チャーチ）
- ピーターの叔父を殺した張本人。
- エディ・ブロック / ヴェノム（トファー・グレイス）
- ピーターに憎しみを抱いているカメラマン。
映画『スパイダーマン3』のネタバレあらすじ（ストーリー解説）
映画『スパイダーマン3』のあらすじ【起】
平凡な学生であったピーターの人生は、ある日遺伝子組み換えをした特殊な蜘蛛に刺されたことで一変する。彼は体から糸を出すといった、さながら蜘蛛のような能力を手に入れたのだ。それからというもの、彼は日夜正義のヒーロースパイダーマンとして町の平和を守り続けてきた。
特殊なスーツに身を包み正体を隠してきたピーターだったが、前作でのドック・オクとの戦いの中、民衆に自分の正体がバレてしまう。しかし、今まで自分達を守ってきたピーターのことを、民衆は受け入れた。そして、ピーターが長年想いを寄せ続きてきたメリーもまた、側でピーターを支えてくれるようになったのだ。
しかし、一方でピーターのスパイダーマンとしての力が弱まり始めていた。ピーターはこれを機にスパイダーマンの活動から足を洗おうと考えていた、その時だった。ピーターはある日突然何者かに襲撃を受けた。その敵の名前はニュー・ゴブリン。そしてその正体はピーターの長年の親友、ハリーだったのだ。
映画『スパイダーマン3』のあらすじ【承】
ハリーの父親は、以前グリーンゴブリンとしてスパイダーマンと対峙したヴィランだった。その戦いの最中、ハリーの父親は命を落とすのだが、ハリーはその死がスパイダーマンのせいだと思い込んでいたのだった。ピーターは迷いながらもニュー・ゴブリンと戦い、そして辛くも勝利を収めた。
すると何と、その戦いの最中でハリーが頭を強打し、記憶喪失になってしまったのだった。父親が亡くなる直前からの記憶を失ったハリーには、最早ピーターに対する憎しみの記憶も消え去っていた。ピーターはハリーを心配しながらも、心の何処かで安堵するのだった。
一方その頃、刑務所からマルコという男が脱走した。砂を自在に操るその男は、かつてピーターの叔父を殺した張本人だった。そのことを知ったピーターは怒りに震える。すると何と、ピーターの体がシンビオートという謎の物質に包まれ、ブラック・スパイダーマンとして生まれ変わったのだ。今まで以上の力を手に入れたピーターは、その力で見事マルコを下すのであった。
映画『スパイダーマン3』のあらすじ【転】
一度は力を失いつつあったピーターだが、そのシンビオートのお陰で再びスパイダーマンとして世間の注目を浴びるようになる。しかし一方で、ピーターの恋人で女優をしているメリーは順風満帆とはいかなかった。彼女は以前出演した舞台でいい結果を残せず、役を降ろされてしまったのだ。注目を浴びるピーターと停滞気味のメリーの間には、次第に溝が出来始める。
そして、ハリーも全ての記憶を取り戻した。記憶と共にピーターへの憎しみを思い出したハリーは、メリーに言い寄りピーターとメリーを破局に追いやるのだった。また、ピーターも自らの変化に気がついていた。実は最近ピーターが身にまとっているシンビオートは、宿主を攻撃的にさせる副作用があったのだ。
それを自覚したピーターはスパイダーマンを辞める決意を固め、シンビオートがまとわりつくスーツを破り捨てた。しかし、シンビオートは諦めず次の宿主を探し始めた。そして目をつけたのが、ピーターに恨みを持っているカメラマン、エディだった。
映画『スパイダーマン3』の結末・ラスト（ネタバレ）
エディはシンビオートに飲み込まれ、ヴィラン”ヴェノム”へと姿を変えた。以前スパイダーマンに取りついていたシンビオートには、スパイダーマンの能力がインプットされていた。つまり、ヴェノムはスパイダーマンの弱点を含む全てを知ったのである。そしてヴェノムはスパイダーマンに復讐を誓ったマルコと手を組んだ。
スパイダーマンの弱点、それは彼の最愛の存在メリーだった。メリーを人質にとられ、また全ての能力が露見しているスパイダーマンは圧倒的不利の状況だった。しかし、そんな時スパイダーマンを助ける存在が現れた。ニュー・ゴブリンである。ハリーは父親の死の真相を知り、ピーターに対する憎しみから解き放たれたのだ。
そして強力な敵相手に、ピーターとハリーは協力して立ち向かう。最後、ハリーは何と自らの命を犠牲にしてピーターを助けたのだった。そして敵に打ち勝ったスパイダーマンは、ハリーの葬式を開き永遠の友情を彼に誓う。そして、再びメリーに想いを伝えるのであった。
映画『スパイダーマン3』の感想・評価・レビュー
1から続いてきた人間関係も、この作品で完結していく。
そして、本作品ではヴィランとして、サンドマンが登場する他、大人気ヴィランのベノムも遂に登場する。
ベノムは、シンビオートという宇宙生物が宿主にとりつき生まれるのだが、ピーターもその力に一時飲み込まれてしまい、黒い姿のスパイダーマンへと変貌してしまう。
しかし、シンビオートは宿主に力を与える代わりに、性格を凶暴に変えてしまうという諸刃の剣でもある。結局、その力をピーターが捨てた後、エディというカメラマンが正式な宿主となっていく。
ベノムとサンドマンのタッグは相当手強く、スパイダーマンもかなりの窮地に追いやられてしまうのだが、そこでまさかのハリー(ニューゴブリン)が手助けに来るのだ。
この2対2の構図はとても手に汗握る展開であった。
しかしながら、皮肉にもハリーは父親の仇として憎んでいたピーターを庇って命を落としてしまう。
決してハッピーエンドとは言えないのだが、こういった悲壮感も含めて、マーベルのヒーロー像を表していると言えよう。（男性 30代）
本作はサム・ライミ版スパイダーマン三部作の完結となり、人気の高い悪役が登場します。
ただ、サム・ライミ監督自身はヴェノムに愛着がなく、扱いがぞんざいになってしまったのは少し残念である。
一方でサンドマンはかなり恵まれた待遇であり、エピソードがしっかりと描かれ、本来は悪人ではなく、たまたま運が悪かっただけの男の悲しいストーリーも納得ができた。
そして、仲違いをしてしまった親友のハリーがピーターのピンチに駆けつけ、共闘する姿には感動せずいられません。
シリーズの主要人物であるピーター、ハリー、MJが同じ画面に映った時のシーンはシリーズの終わりを告げる意味でも非常に感慨深いモノがあります。（男性 30代）
人気アメリカンコミックのヒーロー映画の第三弾。三部作の最終章、これまでのスパイダーマンの活躍の影に落とされた闇と対峙する姿を描く。
本作ではスパイダーマン＝ピーター・パーカーの過去にまつわる敵、過ちから生まれた敵と対峙する。特に親友、ハリーが父の敵としてピーターの前に現れるのは衝撃を受ける。しかし最後にはスパイダーマンと共闘し最後には和解し命を落としてしまう姿に心を打たれる。（男性 20代）
全3作にわたる「スパイダーマン」シリーズの最終章。
このシリーズで最も心に残ったのは、主人公を取り巻く人間関係である。
親友ハリーが父の仇としてスパイダーマンを恨み、敵対する姿は何とも言えない。最終的には和解し、共闘し、命を落とすという展開はとても切なく、感動する。
想いを寄せるMJとの関係性も見逃せない部分だ。1作目から3作目にかけて、恋愛映画としても成り立っている点が素敵である。
スパイダーマンはただのヒーロー映画というだけでなく、人間としての悩みや葛藤、そして成長を丁寧に描いている点が最大の魅力だと思う。（男性 20代）
シリーズ完結話。ノーマンとスパーダーマンの戦いの事実を知らず、スパイダーマンを襲うハリー。親友同士だったはずの2人の争いは無駄であり、決着も含め非常に切ない。ベンおじさんの死の真相を知り、復讐心にかられるピーター。ヴェノムの影響で性格も変わり、危険な香りが漂うスパーダーマンも個人的にはかっこよく感じました。
サンドマンを許すシーンは、この物語3作品の最後にふさわしいです。ヒーローとしてのスパイダーマンが完成した瞬間だと思います。（男性 20代）
サム･ライミ監督によるスパイダーマンシリーズの第3弾。
マーベル作品らしく、今度はヴェノム、サンドマン、ニューゴブリンという新しいキャラクターが敵として登場し、スパイダーマンの前に立ちはだかる。そして、MJやハリーとの関係もさらに悪化した主人公･ピーターはさらに追い詰められ、観ている方はハラハラさせられるのだ。
最終的には誤解の解けたハリーがニューゴブリンとしてスパイダーマンに加勢。敵を撃破するもハリーが死んでしまう。パート1からのハリーの誤解だらけの人生を考えると、とても悲しい気持ちになる。
そうした人間ドラマが主人公を引き立て、魅力を倍増させている。（男性 40代）
MJとの結婚を決意したピーター。それも順調にはいかず、悪の手が近づいてくるのをひしひしと感じる。復讐の念に駆られた人々の重い執着と、許せないという気持ちが巻き起こす問題。どんどん悪の側に引きずり込まれていく感覚があり、不安な気持ちに駆られる。執念に駆られ、悪の道に進んでしまうのか。今までの作品よりも、とてもダークなイメージがある作品だが、最後には正義が勝つというのが、スーパーヒーロー映画の定番であり、楽しんで観ることができるだろう。（女性 30代）
サム・ライミ監督の『スパイダーマン』シリーズ最終作。今作の見所はなんと言ってもヴェノムの登場でしょう。のちに単独で映画化されることになる『ヴェノム』ですが、今作での登場シーンは意外とあっさりで、シンビオートの詳しいことや、ヴェノムのキャラクターについてはあまり深く描かれていません。
しかし、今までのスパイダーマンのイメージを大きく変える「黒い」スパイダーマンには本当に驚きました。
ハッピーエンドとは言えない終わり方も、トビー・マグワイアのピーターらしくてすごく良かったです。（女性 30代）
関連作品
前作 スパイダーマン2
みんなの感想・レビュー
結果として3部作になったシリーズだが、3本ともストレートに楽しめるのは素晴らしい。各作品にメインの敵役がいることでそれぞれとしてもしっかり完結し、恋人や親友との関係が3作かけてしっかり進展していくので連続ものとしても楽しめた。今回登場する敵役達もそれぞれに敵役になる過程があり、単なる悪者としていないので見ごたえが増している。わだかまりのあった親友と最後には共闘するシーンは単純にかっこいい上に胸を打つ。もっとこのメンバーのシリーズを観てみたかった気もするが、見事な完結編と言えるだろう。
初代スパイダーマンの最終作品。沢山の悪役が出てきて、スパイダーマン自身も危うい存在となるド派手な展開。映画が公開されたばかりのPR映像で、黒いスパイダーマンが出てきた時のワクワク感が今でも思い出される。
強力な敵を前に、以前は誤解のせいで敵として戦っていたハリーと共闘することになるという展開は、実のところ簡単に読めた。愛する女性が敵に攫われ助けねば、となるところも結局ヒーローものの定番中の定番。最後ハリーが身を挺してピーターを庇い、命を落としたのはヒーローものとしては意外だった。
今作でこの三人の関係も終焉を迎えるわけですが、スパイダーマンというストーリーがドロドロしている中、ピーターは頑張ったと思う。ハリーとの友情関係も最終的には修復するが、スパイダーマンという超能力が人間関係をドロドロさせていった中でピーターは良い事も悪い事も踏まえて、正義の重さを知っていった。結局、強い力を持つ事は周囲の人間を巻き込むという事も作品は伝えていたのだと思う。
毎作、ハッピーエンドでは済んでいない分、今作もハッピーエンドを崩して先への伏線を張るのも期待していたがその点に欠けていたのが残念。
「サンドマン」という存在。べノムやニューゴブリンの存在だけで事は足りそうであったが、ピーターの私怨が絡んでいる重要な存在。スパイダーマンとしての力が人間としてのピーターに及ぼす力は大きいという事が三部作に渡って伝わる立ち位置にいる。
そこから、「べノム」の生誕に繋がる以上、スパイダーマンの力自体は大きいという事を示している。
スパイダーマンの三部作として、率直な感想は、スパイダーマン２が一番面白いと思いました。今作は、ピーター、MJ、ハリーの関係の終焉ですが、人間関係なんていくらでも続きが描けますしね。２の状態で終わらせても良かったと思いますが。
今作の良かった点はやはり、「べノム」の登場だと思います。キャラクターのインパクトも濃いですし、登場理由も前作とリンクしていて非常に楽しめました。しかし、個人的に思い入れがないとそこまで実際に「べノム」に対して感動できるかと言われるとそうとも言えません。
私自身、「スパイダーマン３」を見るまで、べノムという存在を知りませんでしたし、マーベルコミック自体に詳しいというわけでもないですしね。
べノムという存在は人気キャラクターであるが、今作のべノムの使い方が俊逸であった。このスパイダーマンという映画を通して、スパイダーマンは自分自身の心の持ち用で能力のみならず何でも変化をもたらすというテーマが今作のようなおもしろさを生んだのだと思う。