チェコで、驚異の実験が行われた。12歳という設定でSNSに登録した童顔の成人女性達が、自分にコンタクトを取ってきた成人男性達とやり取りをする。世の中に蔓延る児童性的虐待に踏み込んだ、問題の一作。
映画『SNS 少女たちの10日間』の作品情報
- タイトル
- SNS 少女たちの10日間
- 原題
- V siti
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2021年4月23日(金)
- 上映時間
- 104分
- ジャンル
- ドキュメンタリー
- 監督
- バーラ・ハルポ
バービート・クルサーク - 脚本
- 不明
- 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- テレザ・チェジュカー
アネジュカ・ピタルトバー
サビナ・ドロウハー - 製作国
- チェコ
- 配給
- ハーク
映画『SNS 少女たちの10日間』の作品概要
ドキュメンタリー作品はそれほど見ない、という人は実は多い。ファンタジーやアクションなどといったジャンルに比べると、盛り上がりが少ないと感じるのだろうか。しかし、決してそんなことはない。事実は小説より奇なりという言葉があるように、時としてドキュメンタリー作品は、どんなフィクション作品よりもストーリー性があるのだ。成人女性が12歳の少女と偽りSNSをする。そんな12歳の少女に、多くの成人男性がコンタクトを取り、欲求を満たそうとする。これまでのドキュメンタリー作品のイメージを覆す、衝撃作品。
映画『SNS 少女たちの10日間』の予告動画
映画『SNS 少女たちの10日間』の登場人物(キャスト)
- テレザ・チェジュカー
- 本実験に参加した成人女性の一人。12歳としてSNSに登録する。
- アネジュカ・ピタルトバー
- 本実験に参加した成人女性の一人。12歳としてSNSに登録する。
- サビナ・ドロウハー
- 本実験に参加した成人女性の一人。12歳としてSNSに登録する。
映画『SNS 少女たちの10日間』のあらすじ(ネタバレなし)
3つの子供部屋と、その部屋の住人である12歳の少女達。しかし、それらは全てが嘘だった。ある時、チェコで恐るべき実験が行われた。童顔の成人女性達が12歳と偽り、SNSで友達募集の登録を行なった。すると、計2458人もの成人男性から連絡が送られてきたのだ。しかも、その内容は驚くべきものばかりだった。自身の性器やポルノ写真を送ってくる者、卑猥な言葉を投げかけてくる者、挙げ句の果てにはビデオ上での性行為を求めてくる者までいた。なぜ彼らは、12歳の少女達にそのようなことをするのだろうか。精神科医や弁護士など、あらゆるバックアップを準備して行われたこの実験。児童への性的虐待の現状を明らかにした問題作。
映画『SNS 少女たちの10日間』の感想・評価
児童愛
純粋無垢、天真爛漫な子供達。見ている者を自然と笑顔にする。そんな子供達は、愛を持って守られるべき大切な存在だ。しかし、残念ながら、この世には子供達を危険に晒す脅威も多く存在する。あらゆる愛の形は保証されるべきだ。それは確かにそうかもしれない。しかし、愛という理由で誰かを傷つけることは、決して許されるべきではない。まだ性というものをよく分かっていない子供にそれを良いように言って強要する、純粋無垢な子供達を手玉に取る。これらは断じて許されざる行為なのだ。それは最早、愛でも何でもない。実際にこの世に存在する恐るべき犯罪。見るに耐えない事実ではあるが、決して目を逸らしてはいけない。
SNSが抱える闇
誰もが当たり前のように使用しているSNS。友人らとのコンタクトや、自身のストレス発散、情報収集など、最早SNSは必要不可欠なツールとなっている。しかし、SNSは必ずしも安全とは言い切れない。基本的には誰がツイートしているかは分からない匿名性が、事件を引き起こすことがある。自分がやっているかは分からない、顔が相手にはバレない。それだけで、人は簡単に通常であれば絶対にやらないようなことをやってしまうのだ。SNSが発達した今、少年少女達が注意するべきは身近な周囲だけではない。各自が自覚を持って正しくSNSを使用すると共に、そういった許すまじ行為をもしも見かけたら、声を挙げて子供達を守ろう。
加速する欲望
今回の実験で、3人の『12歳』の女性にコンタクトを取ってきた成人男性の数は、2458名。勿論、全員が彼女たちに性的な要求をしてきたわけではない。本実験では、基本的には連絡してきた相手にはメッセージを返している。性的な欲求に対しても、合成を活用するなどして対応をしている。このようにやりとりが続く中で、恐ろしい事態が起こっていく。連絡を重ねていく内に、少女達への要求がエスカレートしていったのだ。最初は興味本位だった人もいるだろう。それが、意外にも返信が来た。もしかすると、若い子と楽しくやり取りができるかもしれない。ある程度会話が続いたから、もっと踏み込んだ話をしてみてもいいかもしれない。踏み込んだ話に答えてくれたから、性的な話も大丈夫かもしれない。人間の欲には果てがない。そんな、人間の底のない欲が垣間見える一作。
映画『SNS 少女たちの10日間』の公開前に見ておきたい映画
グレース・オブ・ゴッド 告発の時
本作で取り上げられている大きな社会的問題、児童への性的虐待。そんな性的虐待をテーマとして扱った問題作が本作。これは、実際にフランスで起きた虐待事件『プレナ神父事件』を映画化したもの。現在、妻子と幸せな日々を送るアレクサンドルには、誰にも話せない過去があった。実は彼は幼少期、プレナという神父から性的虐待を受けていたのだ。そして、ある日、そんなプレナ神父が彼が暮らすリヨンに戻ってきたのだ。今の子供達を守るため、アレクサンドルは同じくプレナの被害を受けた被害者達を集い、彼を告発することにしたのだが…?児童愛という衝撃的な事件だけではなく、その犯人が神に使える聖職者だったという、二重の驚きがより犯行を狂気的にした。実際にこの世を震撼させた、恐ろしい実話。
ザ・サークル
人々の生活を支えているSNS。誰もがSNSを通して情報を集め、他者とのコミュニケーションを楽しんでいる。しかし、最新作からも分かるように、SNSは人を恐るべき事態に陥れることがある。本作も、SNSによって主人公が恐怖のどん底に落とされてしまう。主役を務めたのは、今や大女優となったエマ・ワトソン。主人公のメイは、ザ・サークルというIT企業に就職した。このザ・サークルは、現在注目を集めているSNS企業。ザ・サークルでは何と、様々な場所に設置された監視カメラから、人々の私生活を中継していたのだ。メイはこの機能に心酔。自らの私生活を100%公開することにしたのだったが、しかし、この常軌を逸した行動が、後に大切な人の命を奪うまでに至ってしまう。
詳細 ザ・サークル
あまくない砂糖の話
最新作は、衝撃の実験をドキュメンタリー映画として放送したもの。このように、人の度肝を抜くような実験を映画として制作した例は、過去にいくつかある。本作もその中の一つ。本作の監督が行ったのは、毎日スプーン40杯分の砂糖を2ヶ月間とり続けるとどうなるのかという実験。ちなみにこの40杯というのは、当時のオーストラリア人の1日平均摂取量。しかし、それ以外は一切のジャンクフードは食べず、世間一般的に『健康にいい』とされる物を食べるというルールのもと行われた。しかし、この実験の結果、健康食品とは名ばかりで、実際には砂糖がふんだんに使用されているということが明らかになる。果たして、自ら実験を行なった監督の身体に何が起きてしまうのか…。
詳細 あまくない砂糖の話
映画『SNS 少女たちの10日間』の評判・口コミ・レビュー
『SNS 少女たちの10日間』試写で鑑賞。これは強烈だった。SNS上の性的児童虐待の実態を暴くため女優が12歳の少女に扮してSNSを始めるドキュメンタリー。少女に群がる男は2000人超。そして送られてくる卑猥な言葉とチンコ写真のオンパレード。超閲覧注意だけど絶対に目を背けてはいけない映画だった。 pic.twitter.com/91MfykjKov
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) April 22, 2021
「SNS 少女たちの10日間」観ました。チェコのドキュメンタリー。12歳に見える成人女性3人を使いfacebookとSkype登録させると変態オヤジたちが群がってくる。少女たちにSNSさせるとどんな目に遭うかという検証映画ですね。正直見ていてヘドが出そうになりますよ。日本も似たようなものかなあ?
— 梶尾真治@文庫「たゆたいエマノン」徳間文庫発売中 (@kajioshinji3223) April 21, 2021
『SNS 少女たちの10日間』感想にめっちゃおぞましいきついつらいって書いたけど、「児童への性加害を絶対に許すまじ」という共通認識を持つ人たちの作った映画だというだけで、すごく眩しくて心強く感じたので、鑑賞後は味方を得たような気持ちにもなったよ。
— たぬき (@tada11110) April 25, 2021
SNS 少女たちの10日間試写で鑑賞。成人女優達が12歳を演じてSNSをやったら卑猥な男が絡んできた…児童ポルノ違反者ホイホイドキュメンタリー!モザイク8割入ってたんじゃないか…とにかくヤバいにキモい!ホラー観るよりキツい!そこまで見せるの!?てとこまで児童ポルノ違反者のリアルを教えてくれた pic.twitter.com/nQu0eYmej0
— あんこ 映画 (@annko_movie) April 21, 2021
『SNS 少女たちの10日間』鑑賞
幼い容姿の成人女性が12歳の少女に化けSNSでアカウントを作った途端に…
10日間の変態狩りドキュメント気持ち悪いにも程がある
かわいい餌にまんまと食いつく大人の数に開いた口が塞がらない
12歳はダメで15歳ならOKとか、年齢で線引き出来ないような行為や→ pic.twitter.com/IkCz4ZWyES— yokito (@yogini_yokito) April 23, 2021
映画『SNS 少女たちの10日間』のまとめ
本作は、児童虐待の実態を調査するために行われた実験的ドキュメンタリー作品。全く、なんのやらせも細工もない。本作で描かれている内容は、実際にこの世のどこかで起きているやりとりなのだ。そして、本作を見た警察は、なんと刑事手続きのための資料として、本作の映像を要求したのだ。本作の公開に伴い、逮捕されるに至った人物が多くいるのかもしれない。本作をきっかけとして、より多くの少年少女達が守られることを祈るばかりである。警察をも動かした問題作が、とうとう日本上陸。
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