映画『虚栄のかがり火』の概要:ウォール街で成功を収めた白人エリートが、愛人と共に道に迷ってひき逃げ事件を起こしたことを契機に転落していく姿を描いたドラマ。トム・ウルフの同名小説の映画化したブライアン・デ・パルマ監督作。
映画『虚栄のかがり火』の作品情報
上映時間:125分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ブライアン・デ・パルマ
キャスト:トム・ハンクス、ブルース・ウィリス、メラニー・グリフィス、キム・キャトラル etc
映画『虚栄のかがり火』の登場人物(キャスト)
- シャーマン・マッコイ(トム・ハンクス)
- ウォール街で働く債権トレーダー。妻子がいる身にも関わらず、マリアと不倫している。ひき逃げ事件をきっかけに、手にした全てを失っていく。
- マリア・ラスキン(メラニー・グリフィス)
- シャーマンの愛人で、年長の夫がいる。ひき逃げ事件の時に車を運転していたが、警察に通報することを拒む。友人からアパートを間借りしている。
- ピーター・ファロー(ブルース・ウィリス)
- 酒ばかり飲んでいる落ちぶれたジャーナリスト。ひき逃げ事件について粘り強く取材し、真実に迫る。事件の本を執筆し、ピューリッツァー賞を受賞する。
- レオナルド・ホワイト(モーガン・フリーマン)
- ひき逃げ事件を担当する判事。事件を巡る関係者が私利私欲に走る中、唯一良識を持ち合わせた行動をする。
映画『虚栄のかがり火』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『虚栄のかがり火』のあらすじ【起】
シャーマンは公衆電話からマリアに電話しようとして、誤って自宅に掛けてしまう。妻に浮気がばれてしまうが、シャーマンは白を切る。翌日、シャーマンはマリアを空港に迎えに行く。2人は途中で道を誤ってブロンクスに迷い込んでしまう。シャーマンは道を塞いでいたタイヤを動かそうとして、強盗に遭いそうになる。マリアは慌ててハンドルを握り、シャーマンを車に乗せて逃げようとするが、その際に相手を跳ねてしまう。
マリアが間借りしているアパートに戻ったシャーマンは警察に届け出ようと申し出るが、マリアは反対する。地方検事補は警察からひき逃げ事件について聞きつける。そして、事件が起きたブロンクスの黒人牧師からも事件を捜査するように圧力を掛けられる。
バーで酔っ払ってばかりのピーターは、上司や同僚たちからも相手にされない落ちこぼれた生活を送っていた。そのピーターの元にひき逃げ事件のネタが持ち込まれる。通りを歩いていた将来ある若者がひき逃げされたという話で、ピーターは被害者がどんな人物だったのか調べ始める。
映画『虚栄のかがり火』のあらすじ【承】
シャーマンはピーターの書いた新聞記事を読み、ビックリする。そして慌ててマリアの元に相談しに行く。シャーマンは弁護士を雇って警察に行こうと頼むが、マリアは運転していた自分が決めると言い張って、警察に届け出ることを拒否する。一方、黒人牧師はひき逃げ事件が注目されるために運動を始め、ピーターもその様子を取材する。
黒人牧師に名指しで批判された地方検事は直ちにひき逃げ事件の捜査を命じる。車のナンバープレートの情報からシャーマンの元に警察が事情を聞きにやって来る。そしてシャーマンの挙動が不自然だったために警察はシャーマンに疑いの目を向ける。地方検事補はシャーマンが犯人だと確信し、地方検事に逮捕を進言する。
シャーマンは弁護士に相談に行くが、弁護士から逮捕されそうだと忠告される。シャーマンはオペラを鑑賞し、そこでマリアと行き会う。シャーマンは逮捕の件を説明するが、マリアは取り合おうとしない。翌日、シャーマンは弁護士からマリアが海外に逃げたことを知らされる。そしてシャーマンはマスコミの前で逮捕されてしまう。
映画『虚栄のかがり火』のあらすじ【転】
シャーマンは、レオナルド判事の前に出廷する。弁護士は無罪を主張し、レオナルド判事は1万ドルの保釈金を命じる。法廷の前で待っていたピーターは偶然にも裏口から出て来たシャーマンと遭遇し、シャーマンと一緒に地下鉄に乗ることになる。シャーマンはそこで自分が運転していた訳ではないと口にし、ピーターは驚く。
シャーマンが自宅マンションに戻ると、妻がホームパーティーを開いていた。シャーマンはそこに会社の代表としてきていた同僚から解雇を宣告される。更に妻から別れを告げられ、マンションの住民代表からは出て行ってほしいと頼まれる。怒ったシャーマンは銃を持ち出して招待客を全員追い出してしまう。
ピーターは同僚からマリアのアパートに盗聴器が仕掛けられていたことを教えられる。市当局がアパートの間貸しを調査するために設置していたのだ。ピーターは早速、マリアの夫に会うが、夫は取材中に突然死してしまう。ピーターは葬式のために帰国したマリアにも取材を試み、マリアを巡る疑惑について報じる。
映画『虚栄のかがり火』の結末・ラスト(ネタバレ)
ピーターは盗聴テープも入手し、それをシャーマンの弁護士の元に送る。そこにはマリアが自分で運転していたと言っているところが録音されていた。しかし、弁護士はシャーマンが自分で録音したものでなければ証拠にならないと説明する。
シャーマンはマリアの夫の葬式に向かい、自分でマリアの証言を録音しようとする。しかし、マリアに録音マイクが見付かってしまう。そこに地方検事補も姿を見せたため、シャーマンはその場から逃げる。地方検事補はマリアに自分達のために証言するように頼む。シャーマンの元に父親が励ましに現れる。シャーマンは嘘をつく覚悟を打ち明け、父親はそれを受け入れる。
法廷でマリアはシャーマンが運転していたと証言する。しかし、シャーマンはそこで盗聴テープを再生してみせ、法廷は騒然となる。シャーマンはレオナルド判事にテープを録音したのは自分だと主張する。レオナルド判事は裁判を却下し、それぞれの欲に走って行動した人々を批判し、節度ある人間となるように説く。ピーターは本を出版してピュリツァー賞を受賞し、名声を得る。
映画『虚栄のかがり火』の感想・評価・レビュー
コメディ俳優として知られたトム・ハンクスが初めてシリアス路線に挑んだ作品だが、批評家受けが悪く、興行的にも失敗に終わった。本作を実際に見ると、その理由も納得ができる。愛人がいるなど身勝手なシャーマンが善人な被害者として描かれていたり、レオナルド判事が法廷で大説教をしたりと、首をかしげたくなる場面が盛り沢山だ。このような作品に主役を張れる豪華キャストが顔を揃えていることにビックリさせられる。(MIHOシネマ編集部)
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