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映画『人生、ここにあり!』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『人生、ここにあり!』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『人生、ここにあり!』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『人生、ここにあり!』の結末までのストーリー
  • 『人生、ここにあり!』を見た感想・レビュー
  • 『人生、ここにあり!』を見た人におすすめの映画5選

映画『人生、ここにあり!』の作品情報

人生、ここにあり!

製作年:2008年
上映時間:111分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ジュリオ・マンフレドニア
キャスト:クラウディオ・ビシオ、アニタ・カプリオーリ、ジュゼッペ・バッティストン、ジョルジョ・コランジェリ etc

映画『人生、ここにあり!』の登場人物(キャスト)

ネッロ(クラウディオ・ビジオ)
革新的な考えが強く、労働組合から精神病患者の組合に左遷された男性。精神病への理解が薄いなか、個性を活かした采配で新たな事業を展開していく。
サラ(アニタ・カプリオーリ)
ネッロの恋人。仕事のことで頭がいっぱいのネッロに飽き飽きしているが、別れずに手を貸し続ける存在。ファッションデザイナーをしている。
フルラン医師(ジュゼッペ・バッティストン)
ネッロが新たに立ち上げた組合のよき理解者。薬の過剰摂取を良しとせず、人間らしい生活を送れるように組合員をサポートしている。
ジージョ(アンドレア・ボスカ)
組合員の中で際立って芸術センスの高い男性。父親から受けた心の傷が深く、パニックに陥りやすい。人の作った食事には毒が入っていると思い込んでいる。
ルカ(ジョヴァンニ・カルカーニョ)
ジージョと一番仲がいい組合員。ネッロが来た当初は拒絶していたが、次第に打ち解けていく。リーダー気質があり、モザイクアートを先導する存在。

映画『人生、ここにあり!』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『人生、ここにあり!』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『人生、ここにあり!』のあらすじ【起】

自分の思考が強く労働組合を追い出されてしまったネッロ。「協同組合180」という新たな職場を紹介されたネッロだったが、そこは行き場を失った精神病患者が集うために立ち上げられた場所であった。

家族にも見放された150人近い患者たちは、軽作業をしながら過ごしている。ネッロはまず患者たちのことを知ろうと、全員に自己紹介をしてもらった。患者たちは思い思いに自分の症状や過去の恋愛について語り出すのだった。

ネッロは作業の生産性をあげようと会議を開いた。唯一何も話をしてくれなかったルカに向き合おうとしたネッロだったが、盛大に殴られてしまう。理事長はルッカの行動を無謀だと言うが、ネッロは諦めなかった。

しばらくネッロを観察していたルカは、ある日自らネッロの荷物を持ち歩み寄った。ルカと行動を共にすることの多いジージョも一緒に寄り添うようになり、独創的なデザインで切手を貼った封筒をネッロに披露するのだった。

ネッロは患者たちの個性を活かし新たな取り組みができないかと模索し始める。もう一度会議を開きアイデアを求めた。ファビオがアイデアを出し始めると、次々と発言が続き活き活きとした討論となる。多数決の結果、保安組合を作り寄木張りの仕事に取り組むこととなった。

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映画『人生、ここにあり!』のあらすじ【承】

ネッロは恋人のサラと友人に頼み、仕事内容を患者たちに教え始めた。しかし理事長は一般的な仕事を与えてしまうと、患者たちは責任感に追われ耐え切れなくなると断言する。ネッロはすでに現場が決まっていると大口を叩き、それを盗み聞きしていた患者たちは大喜びするのだった。

サラの後押しもあり、クライアントを見つけたネッロ。初めての仕事であったが、ネッロは葬式に参列する予定がありファビオに任せ現場を離れた。役割分担をして取り組み始めた患者たちだが、板が無くなってしまい作業が止まってしまう。それまでさぼっていたロビーが捨てられていた廃材を見つけ、組み合わせて代わりに使おうと提案した。

ネッロが戻ると、そこには赤い旅団のシンボルである星がモザイクアートで描かれていた。ネッロは焦ってディレクターに弁解したが、予想外に高評価を受け他の仕事も請け負こととなった。

活き活きとし始めた患者たちを組合員と呼び、個性に見合った役割を与えたネッロ。しかしある日からルカの調子が悪くなってしまう。理事長から与えられている過剰な量の薬の副作用が出始めたのである。

映画『人生、ここにあり!』のあらすじ【転】

ネッロは理事長の元を離れ新たな拠点を設けようと組合員に提案した。最初は戸惑っていた組合員だが、ひとりずつ署名し賛同していく。ネッロの姿勢に共感したフルラン医師も同行することとなった。

ネッロが用意した新たな拠点は、作業場の上にアパートがあり住めるようになっていた。自由のなかった組合員は人間らしい生活を思う存分楽しみ始める。男性たちは次第に性にも興味を持ち始める。

フルラン医師と相談し、ネッロは娼婦を買うことにした。情操教育の一環として男性たちを連れだしたネッロとフルラン医師。最初は緊張していた男性たちだが、娼婦の家を出ることには生まれ変わったような表情をしていた。

組合員のことで頭がいっぱいになっているネッロは、サラとギクシャクしてしまう。しかし二人の関係に憧れていたジージョは、仕事先の家主・カテリーナに一目惚れする。他の組合員からアドバイスを受け、徐々にカテリーナと距離を縮めるジージョ。しかしジージョの母親は恋に浮かれているのは薬を減らしたせいだと戸惑い、引き取りにやって来た。ジージョは必死に抵抗し、声を荒げるのだった。

ジージョとルカ以外にも、寄木でモザイクアートをできる者を探そうと精神病院へスカウトに出向いたネッロ。精神病院に閉じ込められた患者たちの悲痛な叫びを目の当たりにしたネッロは、事業を拡大することを提案するが患者たちは給料が下がることを危惧し反対する。

映画『人生、ここにあり!』の結末・ラスト(ネタバレ)

ジージョはついにカテリーナと初めてのデートにこぎ着けた。自分の病気を明かしたジージョに対して、キスをして返答するカテリーナ。後日、カテリーナはホームパーティーにジージョとルカを招待するが、うまく馴染めずにいた。せめてもプレゼントだけ渡そうとしたジージョだが、他の男性にバカにされてしまう。その様子を見ていたルカは、我慢ならず手を上げてしまうのだった。

警察を巻き込んでの大騒動となってしまったが、カテリーナは自分がジージョを勘違いさせてしまったと証言し起訴を避けた。カテリーナの言葉を聞いたジージョは、ショックから翌日首をつって命を絶った。

組合員は理事長の元に戻り生気を失い、ネッロも自分を責め続けていた。そんな様子のネッロを見守っていたサラは、別れる気はないと伝え目を覚まさせる。ネッロの行いは組合員にいい傾向をもたらした有益なものだと理事長も認めたが、ネッロは、組合員の元に戻る勇気が出せなかった。しかし、再びネッロと働きたい組合員を集ったルカはネッロの元を訪ねるのだった。

6か月後、新たな組合員を迎え入れ、幅広い雇用を実現したネッロの姿があった。

映画『人生、ここにあり!』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

この作品に触れるまで、1980年代のイタリアで精神病院の撤廃が法律で進められていたという事実を知らなかった。とてもシリアスな問題を軸に置きつつ、人間らしい生き方を見直すきっかけとなってくれる一作であったように思う。結果的に、現在では3万人近い組合員が仕事を手にしているという事実も伝えてくれた今作は、ネッロ同様精神病への知識がない人間にも多くの実りをもたらしてくれる展開であった。(MIHOシネマ編集部)


実話ベースということで興味本位で観ましたが、完全に心を持っていかれました。精神疾患を持つ人たちが「仕事」を通じて社会と繋がり、自尊心を取り戻していく過程が温かく描かれています。主人公ネッロの熱意と、時に反発しながらも変わっていく利用者たちの姿に涙。特に床職人としての技術が認められる瞬間は本当に感動的で、社会の一員として誇りを持てるとはこういうことだと感じました。(40代 男性)


福祉とビジネスが交差するテーマに惹かれました。ネッロのやり方は理想主義に見えて、実際はとても現実的で「人間らしく働くこと」の尊さを教えてくれます。精神障害者が労働を通じて変わっていく姿は感動的であり、笑って泣けるシーンの連続。最後に企業との契約を断るシーンでは、金よりも誇りを選ぶ生き方に胸を打たれました。社会の見方が変わる作品です。(50代 女性)


タイトルから想像できないくらい骨太な作品でした。障害者たちが「社会の一部」として対等に扱われることの意味、彼らが自分たちで仕事を選び、誇りを持って働く姿に心を揺さぶられました。ネッロの情熱と行動力に感動しつつ、支援とは“与える”だけじゃなく“信じる”ことなのだと教えてくれます。とてもポジティブな映画です。(30代 男性)


何気なく観た映画でしたが、思わず涙してしまいました。精神障がい者の人たちが、ただ“守られる存在”から、“価値を生み出す存在”へと変わっていく過程が本当に素晴らしいです。ネッロの型破りな改革が、最初は周囲に反発されながらも、徐々に理解されていく過程がリアル。感動的でありながら、コミカルな演出もあってバランスがとても良い映画です。(20代 女性)


作中の登場人物たちが、本当に“そこにいる”かのようなリアルさで描かれていて、気づいたら感情移入していました。誰一人として「かわいそう」ではなく、「かっこいい」と思える描写に溢れていて感動。特に、作品後半で一人ひとりが自分の仕事に誇りを持って話すシーンは涙腺が崩壊。観終わった後、何かを始めたくなる力をもらいました。(30代 女性)


障害者の可能性を信じ、社会の側が変わっていこうとする姿勢に深く共感しました。作業所という閉じられた場所を、“働く場”に変えたネッロの信念は、現代の日本にも通じるテーマ。障がいの有無ではなく、「人として」どう扱うかが大切だと改めて感じました。ラストの選択は涙なしには見られません。ぜひ多くの人に観てほしい作品です。(60代 男性)


最初はコメディ調で軽く見ていたのに、後半は涙が止まりませんでした。ネッロの型破りなリーダーシップと、それに触発されて変わっていく仲間たちの姿に勇気をもらいました。精神的に不安定だった登場人物が、仕事を通じて自信を取り戻していく様子は、どこか自分自身にも重なって、人生を考え直すきっかけになりました。(20代 男性)


「働くとは何か?」という問いに、ここまでシンプルで力強く答えた映画は他にないと思います。ネッロのような人が、社会を変える原動力になるんだと実感しました。障がいのある人たちがどんどんプロフェッショナルになっていく様子が痛快であり感動的。エンタメ性も高く、最後まで笑顔と涙が同居する傑作でした。(40代 女性)


実話をベースにしていることに驚きました。こんなに希望に満ちた話が実際にあったなんて。精神障害者という枠に閉じ込められていた人たちが、“できること”に目を向けられたことで変わっていく過程は本当に感動的。ラストの選択には切なさもありますが、それ以上に彼らの誇りが伝わってきて、胸が熱くなりました。(50代 男性)

映画『人生、ここにあり!』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『人生、ここにあり!』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

最強のふたり

この映画を一言で表すと?

出会うはずのなかったふたりが、人生を変え合う奇跡の実話。

どんな話?

頸髄損傷で全身麻痺となった富豪と、スラム出身の介護人。立場も価値観も違うふたりが心を通わせていく物語。笑いと感動に包まれた、人間の温かさと尊厳を描いたフランス映画の名作。

ここがおすすめ!

障害を“障害”として描かず、ユーモアと人間関係の中で自然に受け入れていく姿勢が『人生、ここにあり!』と共通。前向きになれる実話ベースのヒューマンドラマとして、見終えた後に希望が残る1本です。

マイ・インターン

この映画を一言で表すと?

人生に遅すぎることなんてない、と背中を押してくれる物語。

どんな話?

若き女性社長の会社にやって来たシニア・インターン、ベン。時代錯誤な存在かと思いきや、彼の温かさと経験が、職場と人々に大きな変化をもたらしていく、世代を超えた成長物語。

ここがおすすめ!

「人は年齢や属性で判断できない」というテーマが『人生、ここにあり!』に通じます。仕事を通して自己肯定感や社会とのつながりを取り戻す過程が感動的で、心が温かくなること間違いなし。

グリーンブック

この映画を一言で表すと?

偏見を超えた友情が世界を照らす、実話に基づく感動作。

どんな話?

1960年代、人種差別が色濃く残るアメリカ南部を巡る黒人ピアニストとイタリア系運転手の旅。最初は互いに偏見を抱いていた二人が、少しずつ心を開き、信頼を築いていく過程が描かれる。

ここがおすすめ!

他者を信じること、人との関係性の中で成長していく姿勢は、『人生、ここにあり!』と深く共鳴します。軽妙なテンポの中に社会的テーマも盛り込まれていて、エンタメ性も高い傑作です。

コーラス

この映画を一言で表すと?

音楽が心をつなぐ、希望のハーモニーに満ちた物語。

どんな話?

問題児ばかりが集まる寄宿舎にやってきた音楽教師が、子どもたちの声と心に向き合い、合唱団を結成。厳しい環境の中で育った少年たちが音楽によって変化していくフランス映画。

ここがおすすめ!

社会的に“居場所がない”とされた人たちが、指導者との出会いを通じて自信と仲間を得ていくプロセスが、『人生、ここにあり!』と重なります。心が澄み渡るような音楽と感動に包まれます。

陽のあたる教室

この映画を一言で表すと?

人生を変えるのは、いつだって「出会い」と「信じる力」。

どんな話?

落ちこぼれ扱いの生徒たちと向き合う、実在した音楽教師ホランド先生の実話を基にした物語。最初はただの仕事だった教職が、やがて彼自身の生きがいへと変わっていく。

ここがおすすめ!

「信じること」で人は変われる。『人生、ここにあり!』で描かれたような、“社会から外れた存在”へのまなざしが、この作品にも通じます。教える側の成長にも感動があり、心に残る名作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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