映画『Mank/マンク』の概要:オーソン・ウェルズの不朽の名作『市民ケーン』の脚本が完成するまでの舞台裏を描いたドラマ作品。デビッド・フィンチャー監督が実の父親の脚本を元にメガホンを握り、ゲイリー・オールドマンが主役を務めた。
映画『Mank/マンク』の作品情報
上映時間:132分
ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史、伝記
監督:デヴィッド・フィンチャー
キャスト:ゲイリー・オールドマン、アマンダ・セイフライド、チャールズ・ダンス、リリー・コリンズ etc
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映画『Mank/マンク』の登場人物(キャスト)
- ハーマン・マンキウィッツ(ゲイリー・オールドマン)
- 映画脚本家。オーソン・ウェルズの依頼で『市民ケーン』の脚本を執筆する。アルコール依存症で歯に衣着せぬ物言いが特徴。
- マリオン・デイヴィス(アマンダ・セイフライド)
- 映画女優で、ハーストの愛人。ヒット作に恵まれずMGMを解雇されてしまう。ハーマンとも親しい間柄。
- ウィリアム・R・ハースト(チャールズ・ダンス)
- 新聞王で、『市民ケーン』のモデルとなった。巨大な屋敷を建てて、マリオンを大女優にしようと大金をつぎ込む。
- ルイス・B・メイヤー(アーリス・ハワード)
- 映画スタジオMGMの重役。熱烈な共和党支持者で、州知事候補のシンクレアを陥れようとする。ハーストの意を汲んで行動している。
- リタ・アレクサンダー(リリー・コリンズ)
- ハーマンの脚本執筆を手伝う筆記係。夫はイギリス空軍の兵士だが、戦闘で行方不明となってしまう。
映画『Mank/マンク』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『Mank/マンク』のあらすじ【起】
1940年、牧場の宿泊施設にハーマンが到着する。ハーマンは数週間前に自動車事故に遭い、足を大怪我していた。その病室にオーソン・ウェルズが現れ、脚本執筆を依頼されたのだ、ハーマンは牧場で缶詰になって60日間で脚本を仕上げねばならなかった。ハーマンの口述をリタが筆記する。途中でリタはハーマンの脚本にはモデルがいると見抜く。
1930年、ハーマンは邸宅に招待され、映画の撮影中のメイヤーとマリオンと出会う。ハーマンはマリオンとタバコを吸い、親しくなる。更にハーマンはハーストに紹介される。ハーストはハーマンの辛辣なユーモアのセンスを気に入る。
リタの元に夫が乗っていた空母が行方不明になったとの手紙が届き、リタはショックを受ける。ハーマンは牧場にあった酒瓶を飲んで寝込んでしまう。実は中身が鎮静剤だったのだ。
1934年にハーマンの弟を連れてメイヤーと会い、弟はMGMスタジオに雇われる。メイヤーは大不況のために社員の給与を半減させる決定をし、巧みな交渉術で社員を納得させる。
ハーマンの元にその弟から電話が掛かってくる。弟はオーソンハーストに喧嘩を売るのにハーマンが手を貸しているとの噂を耳にして心配になって連絡してきたのだ。
映画『Mank/マンク』のあらすじ【承】
1933年、ハーストがメイヤーのために主催の誕生会にハーマンも参加する。メイヤーはハーストに感謝するが、酔ったハーマンは余計なことを口にしてしまう。更に会話はヒトラーや社会主義者の州知事候補シンクレアの話題になる。マリオンはシンクレアの話はタブーであることをハーマンに説明する。シンクレアはハーストが豪邸を建て、マリオンを愛人として囲っていると書いたために敵視されていたのだ。
ハーマンは仕事の進捗が遅れていることを咎められる。更にハーマンの元に木箱の荷物が届けられる。木箱の中身はお酒だった。ハーマンは仕事を捗らせるために必要だと主張し、鎮静剤が入った瓶と中身と入れ替えさせる。リタは怒るが、実はハーマンがドイツ人の集団がアメリカに移住するのを手助けしていたと知り、ハーマンをサポートすることにする。
1934年、ハーマンはMGMの重役から反シンクレア基金に寄付していないことを責められる。メイヤーが共和党の州トップなために圧力を掛けられたのだ。
ハーマンは見事に200ページの脚本を書き上げ、リタは傑作だと絶賛する。ハーマンはクレジットに名前を載せないという契約を見直した方が良いと助言される。
映画『Mank/マンク』のあらすじ【転】
1934年、ハーマンは女優が身分を偽ってシンクレアの対立相手である共和党の州知事候補に投票するという話をしているのをラジオで聞く。更に知人脚本家が共和党候補を応援するニュース映像を撮影したことを知る。ハーストがMGMに作らせたのだ。ハーマンはマリアンにハーストに止めさせるように説得しようとするが失敗する。
そして1934年の選挙当日、ハーマンは共和党のパーティーに渋々参加する。ハーマンはシンクレアが勝つかどうかの賭けをメイヤーに申し込む。そして賭けに負けてしまう。ニュース映像を作った知人脚本家は責任を感じてハーマンに電話してくる。
ハーマンの弟が牧場まで会いに来る。そしてハーストに対決を挑んでも潰されると警告する。それでも弟は脚本が最高傑作だと称賛する。
1934年の選挙当夜、ハーマンは知人脚本家に会いに行き、銃を取り上げる。知人脚本家はパーキンソン病にかかったことを打ち明ける。そしてハーマンが去った後に自殺してしまう。
牧場に今度はマリアンが尋ねて来る。マリアンはハーマンの脚本の内容が事実に即していると褒めつつも、ハーストのために映画化しないようにと訴える。それに対し、ハーマンは映画化が実現したら許してほしいと頼む。
映画『Mank/マンク』の結末・ラスト(ネタバレ)
オーソンもハーマンの脚本に満足するが、お蔵入りを狙っている人物がいることを説明する。更に妻がやって来るが、ハーマンを良く理解している妻はハーマンの意思を尊重する。
1937年、ハーマンはハーストの屋敷に開かれたパーティーに酔っ払って現れる。そして現代版ドン・キホーテを映画化すべきだとの演説を繰り広げる。それはドン・キホーテを金持ちの権力者に置き換えるというハーストへの当てつけの内容だった。居心地の悪くなったゲストは次々と退席してしまう。その場にいたメイヤーはハーマンを道化呼ばわりして怒る。そしてハーストがハーマンの給与の半分を払ってきたことを明かす。更にハーストはサルの道化の話を聞かせながら、ハーマンを追い出す。
ハーマンの元にオーソンがやって来る。ハーマンは脚本のクレジットを要求し、オーソンは怒り狂いながらもそれを認める。リタの元に夫が生きていたとの連絡があり、リタはハーマンと抱き合って喜ぶ。
1942年のアカデミー賞でハーマンとオーソンは最優秀脚本賞を受賞する。しかし、2人とも授賞式を欠席していた。それぞれ別途コメントを発表するが、ハーマンはオーソンと共同クレジットだったことへの嫌味を口にする。
映画『Mank/マンク』の感想・評価・レビュー
白黒映画で撮影され、『市民ケーン』へのオマージュを感じさせるシーンがふんだんに盛り込まれているなど、デビッド・フィンチャー監督のこだわりと職人芸を感じさせる作品。『市民ケーン』が好きな人には興味深い内容となっているが、単体で観た時に面白いかというと疑問が残る。物語の中心はハーマンとハーストやメイヤーとの関係性にあるのが、知事選のエピソードだけでは脚本執筆の動機としては弱く感じられた。(MIHOシネマ編集部)
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