映画『ボディカメラ』の概要:ヒップホップ・ソウルの女王、メアリー・J・ブライジ主演のホラー映画。ロス市警の警察官が変死する事件が発生。主人公の女性警察官だけが見た事故の瞬間の映像には、得体の知れない黒い人影が映っていた。
映画『ボディカメラ』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:ホラー
監督:マリク・ヴィタル
キャスト:メアリー・J・ブライジ、ナット・ウルフ、デヴィッド・ザヤス、アニカ・ノニ・ローズ etc
映画『ボディカメラ』の登場人物(キャスト)
- レネ・ロミート=スミス(メアリー・J・ブライジ)
- ロス市警のベテラン黒人女性警察官。息子が不慮の事故で死に、その後民間人とトラブルを起こして8カ月間の休職処分を受ける。復帰初日のパトロールでギャニング巡査の変死事件に遭遇。自分だけが見た車載カメラの映像を元に、独自で捜査を始める。
- ダニー・ホリッジ(ナット・ウルフ)
- 教育係のレネに同行する新人白人警察官。パトロールでギャニングの死体を見つける。酒は飲まず、どこか暗い影がある。
- タニーシャ・ブランズ(アニカ・ノニ・ローズ)
- 緑のバンを運転する女。スウィントン病院の看護師。聴覚障がいのある息子デマルコは、ギャングの抗争に巻き込まれて死んだとされている。
映画『ボディカメラ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ボディカメラ』のあらすじ【起】
カリフォルニア市警の警察官ギャニングは、夜間のパトロール中にナンバープレートのない不審な緑のバンを発見する。運転手の女性に職務質問をしようと銃を向けると、不気味な黒い影が現れ、ギャニングの体を宙に投げ飛ばした。
事件の12時間前。レネ巡査は8か月の休職処分を終えて、現場に復帰したばかりだった。彼女は復帰早々、新人警察官ダニーの教育係を任される。夜のパトロールに出掛けた2人は、夜中にひとりで遊ぶ少年に声をかけた。すると周辺の住民が、警察官が勝手なことをするなと騒ぎ始める。警察に対する不信から、目の敵にされているのだ。
そこに、ギャニングのパトカーから応答がないとの無線が入る。現場に向かうと、ボンネットに大量の血と歯がこびりついている無人のパトカーを発見。レネはドライブレコーダーを再生し、ギャニングが上空から叩き落とされ、遠くに飛ばされる映像を見た。彼女が見終えた瞬間、なぜか再生不能に。レネは映像が示す場所で、宙吊りになったギャニングの惨殺死体を発見する。
映画『ボディカメラ』のあらすじ【承】
レネはダニーと飲みに行き、プールで溺死した息子の話をする。夫が待つ自宅に帰り、車載カメラの映像を思い返してみた。緑のバンに乗っていた女が着ていたのは、スウィントン病院の手術着だったことが分かる。それはレネが息子を産んだ病院だった。
次の日の夜。レネはスウィントン病院の看護師、タニーシャ・ブランズの自宅を捜査し、デマルコという息子の写真を見つけた。
コンビニの前では、タニーシャが緑のバンから降りて中に入ろうとしていた。背後からガラの悪い2人組の男も入店する。男たちは奇妙な雰囲気のタニーシャに嫌がらせをしようと、スマホで撮影を始める。
巡回中のロバーツ警官が緑のバンを発見し、コンビニに入った。すぐに2人組と撃ち合いとなり、相棒警官が殺される。2人組のひとりがタニーシャを人質に取ると、突然店内の照明が点滅して黒い影が現れた。その影は2人組とロバーツを、あっという間に惨殺。ロバーツの死体はギャニングの時と同様に、歯が抜けた状態だった。レネは2人組のスマホを現場から持ち去り、独自で捜査を始める。
映画『ボディカメラ』のあらすじ【転】
レネは死体安置所に入り、2人組の死体の指を使って指紋認証を解除する。動画を再生すると、ギャニングの時と同じ黒い影が映っていた。
ロバーツの葬儀に多くの警察官が弔問に訪れた。ダニーは警官が立て続けに3人も死んだことで心が病み、飲めない酒で酔っぱらっていた。レネは悪夢にうなされながらも、黒い影が自分にしか見えないのには理由があると思い、真実を突き止めようと心に決めるのだった。
レネは緑のバンの本当の持ち主である牧師を訪ねた。牧師によると、タニーシャの息子デマルコは聴覚に障がいがあるにも関わらず、熱心にボランティア活動をしていたと言う。真面目な子だったのに、14歳で無残に殺されて可哀そうだったと嘆いた。
レネは牧師からタニーシャの居場所を聞き、工場に向かった。そこにはタニーシャの私物が置かれており、その中に警察官の写真を切り張りしたスクラップを見つける。ダニーを呼ぼうと電話をするレネだったが、ダニーは電話を切った直後、USBメモリを残して自殺した。
映画『ボディカメラ』の結末・ラスト(ネタバレ)
レネはダニーが遺書と共に残した、USBメモリの映像を見る。それはデマルコがギャングと間違われて警察官に撃たれる瞬間を映した、ボディカメラの映像だった。現場にいたのはギャニング、ロバーツ、ペンダ、そしてダニー。動画は続き、ペンダ巡査が偽装工作を図るため、倒れた衝撃で歯がボロボロになったデマルコにビニール袋を被せ、窒息死させていた。ダニーは共犯であることに耐えられず自殺を図ったのだ。
レネはケスパー巡査部長に事件を報告。するとケスパーはペンダと現れ、団結が必要だと言いながらレネに銃を向ける。抵抗したレネが防弾チョッキの上に撃たれると照明が点滅し、タニーシャが「息子を殺したわね」と言いながら現れる。ケスパーが彼女を突き飛ばすと黒い影が現れ、見えない力でケスパーを襲った。
タニーシャはレネに、息子は自分を制御できないのだと話した。ペンダは黒い影のデマルコに追われ、惨殺される。レネは味方だと分かったようで、無事であった。こうして事件は終了。レネがふと顔を上げると、デマルコとレネの息子が、仲良く並んでいる姿が見えた。後日、生き残ったケスパー巡査部長は、デマルコ殺害の共謀容疑で有罪判決が下されるのだった。
映画『ボディカメラ』の感想・評価・レビュー
メアリー・J・ブライジ主演のホラー映画。「マッドバウンド 哀しき友情」で数々の賞を受賞した実力派女優でありながら、本業はヒップホップ・ソウルの女王と言われる偉大なシンガーだ。最近では、カマラ・ハリス副大統領が大統領選のキャンペーン中に、メアリーの曲「Work That」を入場曲に使用したことで注目された。
さて本作は、ストーリー的には説明不足で、訳が分からない部分は確かに多い。しかし、彼女の物憂げな表情とかすれた低い声が映画の雰囲気に合っていて、不思議と引き込まれる映画だ。彼女が歌うエンディング曲も素晴らしかった。(MIHOシネマ編集部)
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