映画『マッドバウンド 哀しき友情』の概要:黒人への人種差別が根強い米国ミシシッピ州の農園を舞台に第2次世界大戦から帰還した黒人と白人の友情を描いたドラマ作品。同名小説の映画化で、第90回アカデミー賞で助演女優賞など4部門にノミネートされた。
映画『マッドバウンド 哀しき友情』の作品情報
上映時間:134分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ディー・リース
キャスト:キャリー・マリガン、ジェイソン・クラーク、ジェイソン・ミッチェル、メアリー・J・ブライジ etc
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映画『マッドバウンド 哀しき友情』の登場人物(キャスト)
- ローラ・マッカラン(キャリー・マリガン)
- 従順な性格をしており、ヘンリーの妻となる。農園生活を通じて生活の術を身に付けて行く。密かにジェイミーに想いを寄せる。
- ジェイミー・マッカラン(ギャレット・ヘドランド)
- 戦闘機の操縦士として第2次世界大戦に従軍していた。帰還後は酒に溺れてしまう。黒人への差別意識がなくロンゼルと友達になる。
- ヘンリー・マッカラン(ジェイソン・クラーク)
- 農家になることに憧れており、農園を購入して地主になる。同居することにした父親は根っからの黒人嫌いの人種差別者でもある。
- フローレンス・ジャクソン(メアリー・J・ブライジ)
- ローラのために家事手伝いをする黒人の主婦。夫もヘンリーの農園で小作人として働いている。
- ロンゼル・ジャクソン(ジェイソン・ミッチェル)
- フローレンスの息子。戦時中に駐留していたドイツで白人のドイツ人女性と恋愛をする。戦争を体験したために人種差別への抵抗意識が強まる。
映画『マッドバウンド 哀しき友情』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『マッドバウンド 哀しき友情』のあらすじ【起】
ジェイミーとヘンリーは交代で墓穴を掘る。しかし、嵐がやって来て作業を中断する。翌日、ジェイミーとヘンリーは父の棺を運んで埋葬しようとするが、2人だけではバランスを崩してしまう。そこにフローレンスの夫が家族を連れて馬車で通りかかり、ヘンリーは助けを求める。
時は遡って1939年。ローラは自宅での夕食会でヘンリーと出会う。ローラとヘンリーはデートを重ねるようになり、ヘンリーはローラにジェイミーを紹介する。3人は飲みに行き、ジェイミーはローラをダンスに誘う。ヘンリーとローラは結婚し、ローラは従順な妻になる。
第2次世界大戦が始まり、ロンゼルは家族に見送られて出征する。フローレンスはロンゼルが無事に帰還できるように祈る。フローレンスの夫は小作人として働いており、自分の土地を所有することを夢見ていた。
ヘンリーはある夜、唐突にミシシッピに農園を買ったとローラに告げる。父親を呼んで家族全員で移住したいと言い出し、ローラは戸惑いながらも従う。しかし、ヘンリーが借りる予定だった民家には既に住人がいた。ヘンリーは前金を騙し取られていたのだ。仕方なく一家は農園にある空き家に住むことにする。
映画『マッドバウンド 哀しき友情』のあらすじ【承】
ジェイミーは爆撃機の操縦士になっていた。ある日、出撃したジェイミーは敵機の激しい攻撃にさらされる。副操縦士や砲手を撃ち殺され、絶体絶命の危機に陥る。一方、戦車の操縦士となったロンゼルは戦地から家族宛てに手紙を書く。欧州の人々は黒人を差別することがなく、ロンゼルは白人のドイツ人女性と交際するようになる。
娘2人が百日咳にかかり、ヘンリーは医者を呼ぼうとするが川が氾濫して身動きが取れなくなる。そこで助産師をしていたフローレンスに助けを頼む。フローレンスの看病で娘達が回復し、ローラはフローレンスを家事手伝いとして雇うことにする。
屋根で作業をしていたフローレンスの夫はハシゴから転落して足を怪我する。フローレンスや子供達が代わりに畑仕事をするも作業が遅れてしまう。事情を知ったローラはヘンリーに無断で貯金を使って医者を手配してあげる。
終戦を迎え、ジェイミーはヘンリーの農園に帰って来る。ロンゼルもがバスで帰還する。論セルは雑貨屋で家族への手土産を買う。しかし、表玄関から出ようとした時に、ちょうど店に入ってきたヘンリーの父親に絡まれる。ヘンリーの父親は裏口を使うように命じ、ロンゼルは反抗しながらも従う。
映画『マッドバウンド 哀しき友情』のあらすじ【転】
家族で夕食を取ろうとしていたところにロンゼルが帰宅し、フローレンス達は大喜びする。ロンゼルが両親とくつろいでいたところにヘンリーが雑貨屋での一件について警告しに来る。フローレンスの夫はロンゼルに謝罪をさせる。
ジェイミーは雑貨屋からの帰りにロンゼルと行き会う。2人は親しくなり、頻繁に酒を飲むようになる。なぜ親切なのかとロンゼルに尋ねられたジェイミーは絶体絶命になった時のことを話し出す。諦めた瞬間に味方の飛行機の援軍で助かったのだ、そのうちの一機を飛ばしていたのが黒人だった。一方。ロンゼルはドイツ人女性と恋愛をしていたことを話す。ロンゼルの元にそのドイツ人女性からの手紙が届く。
ヘンリーは酔っ払ってばかりのジェイミーに愛想を尽かし、農園から出て行くように命じる。ジェイミーは別れを告げるためロンゼルに会う。ロンゼルはドイツ人女性が自分の子を産み、写真を送ってきたことを話す。しかし、2人が車で同乗していたところをヘンリーの父親に目撃される。
農園を去るためにジェイミーは荷造りを始める。そこにローラが現れてジェイミーのことを引き留める。ローラがジェイミーにキスをし、2人は情熱に身を任せて関係を持ってしまう。
映画『マッドバウンド 哀しき友情』の結末・ラスト(ネタバレ)
雨の中を歩いていたロンゼルは、突然ヘンリーの父親らKKKの連中に襲撃を受ける。ヘンリーの父親はジェイミーを起こして納屋に連れて来る。そこにはロンゼルが拘束されていた。ジェイミーはロンゼルを助けようとするが多勢に無勢で、逆に殴られてしまう。さらにKKKは白人と関係を持ったロンゼルへの罰として目か舌か睾丸のどれを切るかをジェイミーに無理やり選ばせる。ジェイミーは舌を選び、KKKはロンゼルの舌を切り取ってしまう。
フローレンスは傷付いたロンゼルを見つけ懸命に看病する。一方、怒り狂ったジェイミーは寝ていた父親を襲い、枕で顔を覆い被せて殺してしまう。ジェイミーは一部始終をローラにも打ち明ける。遠出していたヘンリーが帰って来るが、ローラは父親が就寝中に亡くなったとだけ説明する。
ヘンリーに声を掛けられたフローレンスの夫はヘンリーの父親の埋葬を手伝う。そして一家を連れて馬車で農場を後にしていく。ジェイミーもヘンリーやローラを残して一人で農場を去って行く。フローレンスの一家は自分達の土地を持ち、幸せな暮らしを始める。そして、回復したロンゼルは欧州まで行く。ロンゼルはドイツ人女性との再会を果たし、自分の子供を抱きしめる。
映画『マッドバウンド 哀しき友情』の感想・評価・レビュー
米国の暗部を見せつけられる非常に重厚な作品で。登場人物たちのナレーションを通じて重層的に物語が語られており、まるで小説を読んでいるようだ。劇中には非常に様々なドラマが展開されるのだが、それら一つ一つが抑制された演出で描かれており見る側に非情な現実を突き付けてくる。そして最後の最後になってようやく希望が見えてくることで、こちらも救われた気分になる。感情を抑え込んだ役者達の演技も非情に素晴らしかった。(MIHOシネマ編集部)
国のために命懸けの戦いをした帰還兵に対し、待っているのは白人至上主義の差別社会。勿論、肌の色を問わず優しく接する人はいるでしょう。ですがそれ以上に、露骨に黒人ヘイトを掲げる人間の態度に心が痛んでしまいます。田舎であるが故に、明暗の差が大きくなるのでしょうか。更にショッキングなのはPTSDという障害。平和な日常も帰還兵にとっては地獄だなんて辛すぎます。戦争がある限り、この負の連鎖は消えないのだろうと思います。(男性 20代)
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