映画『アフター・アワーズ』の概要:名匠マーティン・スコセッシ監督の珍しいブラックコメディ作品。真面目な会社員である主人公がちょっとした下心を持ったせいで、悪夢のような一晩を過ごすことになってしまう。次々と襲うトラブルから主人公は逃れることができるのか。
映画『アフター・アワーズ』の作品情報
上映時間:97分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:マーティン・スコセッシ
キャスト:グリフィン・ダン、ロザンナ・アークエット、テリー・ガー、ヴァーナ・ブルーム etc
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映画『アフター・アワーズ』の登場人物(キャスト)
- ポール・ハケット(グリフィン・ダン)
- ワープロ技師として働いている。独身で真面目。女性経験が少なく会話中に無神経な言葉を使っては怒らせている。
- マーシー・フランクリン(ロザンナ・アークエット)
- 清楚な印象を持つ女性だが、どこか排他的。既婚者であるものの、現在は別居中。ポールと良い関係になるも肉体関係は避けている様子。
- ジュリー(テリー・ガー)
- トムのバーでウェイトレスをしている。昼は印刷会社にてアルバイトをしており、若干ヒステリック。65年代の髪型を好んでいる。
- キキ(リンダ・フィオレンティーノ)
- マーシーの友人でルームメイト。石膏細工の職人。黒髪の女性で少々、ブラックな印象だが、根は良い。
- トム(ジョン・ハード)
- バーの経営者であり、バーテンでもある。マーシーの恋人で少々、短気。
映画『アフター・アワーズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アフター・アワーズ』のあらすじ【起】
ニューヨークに住むポール・ハケットは、ワープロ技師として働いているが、独身で良い出会いもなく淡々と日々を過ごしていた。
そんなある日、仕事帰りにカフェで本を読んでいるとマーシー・フランクリンという金髪女性から話しかけられる。話すきっかけは本の著者だったが、マーシーは食事後に友人宅へ向かう用事があるとのことで、デートはできなかった。しかし、マーシーは友人宅の電話番号を教えてくれたため、帰宅後に電話してみることに。
すると、マーシーは友人のキキと喧嘩してしまったので、こちらに来ないかと誘いかける。時刻はすでに夜11時35分。ポールは刹那、逡巡したが、マーシーの誘いに乗ることにした。ところが、飛び乗ったタクシーはスピード狂で、なけなしの所持金が風で飛ばされてしまう。どうにか運転手には許してもらい、キキの部屋へ。
キキは女性石膏細工職人だった。マーシーは深夜営業のドラックストアに出かけていると言うため、戻るまでしばらく制作の手伝いをした。どうやらマーシーはキキと部屋をシェアしているらしい。ようやくマーシーが帰宅。時刻は深夜1時を過ぎている。彼女がシャワーを浴びている間、ポールは咄嗟にマーシーのバックを覗き見た。マーシーは火傷の薬を使っているらしい。そこで、彼女が男友達からレイプされたという話を聞く。
映画『アフター・アワーズ』のあらすじ【承】
その後、2人は深夜のダイナーへ。コーヒーを飲みながら、マーシーの話を聞く。出会った時、彼女はフランクリンと名乗らなかったため、誰の名前か聞くと家主である夫の名前だと言う。だが、今は一緒に住んでいない様子。時刻は深夜2時20分。帰宅してマーシーにモーションをかけたポールだったが、彼女が急に泣き出してしまう。その後もマーシーは理由をつけて関係には至らない。イラついた彼は彼女を詰って部屋から出て行くことにした。
外は土砂降りの雨。地下鉄で帰ろうとしたが、深夜料金で割増になっているため、所持金が足りない。仕方ないので近くのバーへ。飲み物を頼む金もないので、ただ座らせて欲しいとウェイトレスのジュリーに頼んだ。すると、ジュリーは密かに仕事を辞めたいから助けて欲しいとポールに頼む。そこで店主のバーテン、トムと会話。トムは少々、短気らしくレジが開かないと言って叩き壊す勢いである。そこで、ポールは自分の部屋の鍵を預け、代わりにトムの部屋にあるレジのキーを取りに行くことに。
レジのキーを入手したが、帰り際にアパートの住人から泥棒と間違われる。事情を説明しどうにか難を逃れた。ところが、店へ戻る途中、キキの石膏像とテレビが男2人によって運び出されているのを目撃。声をかけると、男達は石膏像とテレビを置いてそそくさと逃げてしまう。
石膏像を背負って部屋へ。するとキキ曰く、2人の男は友達らしい。そこへ、見知らぬ男が現れマーシーに謝れと言ってくる。確かに酷い言葉を投げつけてしまったため、ポールはマーシーに謝罪。しかし、彼女は睡眠薬を服用し既に息絶えていた。慌てたポールだったが、キキと男はクラブ・ベルリンという店へ飲みに行くというメモを残し、出かけた後だった。
警察へ通報し、遺体の場所を示すメモを壁に貼り付けると部屋を出る。レジのキーを渡すため、バーへ戻るとトムは外出中。ジュリーが待っていたので彼女の家へ向かう。トムから自分の部屋の鍵を返してもらわなければ、帰ることもできない。
映画『アフター・アワーズ』のあらすじ【転】
ひとまず、トムが戻るまでジュリーの部屋で待たせてもらうことにした。しばらく後、トムが戻って来たため、バーへ。ようやく帰れると思ったポールだったが、部屋の鍵を返してもらう前にトムへと電話が入る。恋人の訃報だったらしいが、どうやら彼の恋人というのが、あのマーシーだった様子。ポールは理由をつけて、一旦ジュリーの元へ戻った。
どうにかジュリーを説得し、再びバーへ戻ったが、またもトムは外出中。仕方ないので彼の部屋を訪ねたものの、直前に泥棒が入っていたため、アパートの住人から再びポールが泥棒扱いされてしまう。慌てて逃げ出しクラブ・ベルリンへ。
だが、店は最高潮の盛り上がりを見せており、キキに助けを求めようにも話しかけることもできなかった。
マーシーの部屋へ戻り、石膏像に紙幣が練り込まれているのを発見して入手。たまたま、タクシーが停車したため、乗せてもらおうと思ったが、来る時に乗せてもらったタクシーだったため、運転手はピーターから金だけ奪って去って行った。
タクシーから降車した女性の好意により、車で送ってもらえることになったが、電信柱の張り紙を見た彼女が急変。張り紙にはポールが泥棒で探していると記載されている様子。ポールは慌てて逃げ出した。
映画『アフター・アワーズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
どうして、こんなことになってしまったのか。町角に立つ男性に助けを求め、彼の自宅へ。男性はゲイで娼夫だったが、電話を貸してくれる。今夜あったことを全て彼へと明かしたポール。その時、窓の外でジュリーが張り紙をしているのを発見。ポールは外へ飛び出し、チラシを剥がして回りダイナーにトムがいるのを見つける。彼ならば、自分が泥棒ではないことを説明できる。ポールは彼に縋り、自分を追いかけ回す自警団に説明を求めた。だが、それすらも功を成さず、またも追いかけられる羽目に。
ポールは再び、クラブ・ベルリンへ。ダイナーで貰ったチラシで中に入れた。ところが、店は打って変わって静けさに満ちている。じきに閉店らしいが、今は貸し切りとなっているらしい。そこには、1人の女性が静かに酒を飲んでいる。いつもいるのに気付かれない気の毒な女性らしい。そこで、ポールは彼女に話しかけ、しばしの平穏を得る。
女性はクラブ・ベルリンの地下に住んでいるらしく、石膏細工の職人でもあった。自警団の連中が店へ押し入って来る。ポールは女性の機転により、石膏となることで追跡を逃れた。すぐに石膏を外して欲しいと言ったポールだったが、女性は警戒して店を見てくると言い一旦、その場から離れる。だが、そこへ泥棒が登場。
奴らはポールを石膏像だと思い込み、盗み出してしまう。夜も明けた朝、泥棒が車を走らせる。だが、カーブを曲がる際、ポールが車の後部ドアから飛び出し落っこちてしまう。お陰で石膏も壊れ、ようやく外へ出ることができた。奇しくもそこは会社の前。ポールはそのままの姿で、会社へ出社し疲れ切って茫然と自分のデスクに腰を下ろすのだった。
映画『アフター・アワーズ』の感想・評価・レビュー
深夜のカフェで出会った女性と、一夜の関係を結ぼうとした主人公が次々にトラブルへと巻き込まれるという内容。非常にテンポが良く、登場するキャラクターも独特な人物が多い。主人公は冴えない青年で恋にも奥手な性格だが、滅多にないチャンスをものにしようと考える。ところが、そのせいで酷い目に遭う。
きっかけとなる女性は既婚者だが、夫とは別居しておりしかも、バーテンの恋人がいる。それなのに主人公を誘う。作中ではことあるごとに石膏がポイントとして出てくる。それに伴い細工職人も現れるが、そこに何らかの拘りを感じる。名匠マーティン・スコセッシ監督による珍しいコメディ作品には、皮肉の利いた独特な面白みがある。(MIHOシネマ編集部)
この作品の舞台は大都会、ニューヨーク。夢を持った人達が憧れるキラキラした世界をイメージしますが、この作品の主人公はこのニューヨークで悪夢のような不思議な一夜を体験します。
監督はマーティン・スコセッシ。彼の作品にしては珍しいコメディ作品ですが、ただ笑えるだけではない「ブラック・コメディ」でした。
どんどんと不運に巻き込まれていく主人公が、ユーモアたっぷりにそして独特の世界観で描かれています。不思議な感覚に陥る面白い作品。さすがマーティン・スコセッシと言えるでしょう。(女性 30代)
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