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映画『愛と誠(2012)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『愛と誠(2012)』の概要:1973年に発表された有名漫画『愛と誠』の実写版で、不良少年と純粋な少女が、一途に想い合いつつ困難を乗り越えていく。昭和の歌謡曲を多用し、劇場ミュージカル風に仕上がった青春ラブストーリー。

映画『愛と誠』の作品情報

愛と誠

製作年:2012年
上映時間:134分
ジャンル:ラブストーリー、ミュージカル、青春
監督:三池崇史
キャスト:妻夫木聡、武井咲、斎藤工、大野いと etc

映画『愛と誠』の登場人物(キャスト)

太賀誠(妻夫木聡)
粗野で短気。喧嘩上等。11年前、愛を助けたことにより、額に大きな傷跡がある。その傷を罵られると激変し、狂犬のように手がつけられなくなる。
早乙女愛(武井咲)
早乙女財閥のお嬢様。純粋で天然。何事も優秀。11年前、自分を助けてくれた少年に恋をしている。
岩清水弘(斎藤工)
青葉台学園の生徒会長。愛の同級生で、インテリ眼鏡。愛に恋をしているが、彼女の幸せを願いずっと傍にいて見守り続ける。
高原由紀(大野いと)
花園実業高校にて唯一、まともと思われる女子。実は花園実業高校の実質的な裏番長。やくざの養女で凄惨な過去を持っている。
ガムコ(安藤サクラ)
花園実業高校のスケ番。いつもガムを噛んでいることからガムコと呼ばれている。誠に挑み、負けたことにより彼に恋をする。
座王権太(井原剛志)
おじさんに見える容貌を非常に気にしており、由紀の用心棒で彼女に片思いしている。化け物じみた強さを誇り、関西弁を話す。

映画『愛と誠』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『愛と誠(2012)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『愛と誠』のあらすじ【起】

早乙女財閥のお嬢様である早乙女愛は11年前、雪山の別荘でスキーを楽しんでいる際、危ないところを地元の少年に助けてもらったことがある。少年は愛を助けたせいで、額に大きな傷を負った。以来、愛は少年を白馬の騎士と呼び、一途に片思いしていた。

1972年、青葉台学園高等部3年生となった愛。彼女は街角での乱闘騒ぎの中に、額に傷痕がある少年を発見する。もしかして彼なのではないかと、果敢にも喧嘩を止めようと少年の前へ立ち塞がるも、相手にはしてもらえず。少年は突撃して来た警官隊に逮捕されてしまう。

愛は財閥の力を利用し、少年院に収監されるはずだった少年を、自分が通う学校へと編入させる。少年は太賀誠という名前だった。だが、誠は大変粗暴が悪く、短気で喧嘩っ早い。
ブルジョワ系の校風には明らかに馴染めそうになかった。

愛は誠を更生させようと、先生や生徒会長の岩清水に止められても必死に説得。彼女は誠への愛を自覚し、彼のために何でもすると誓うが、誠は彼女を受け入れようとしないのであった。

誠に金を要求された愛。両親にわがままを言って誠を編入させてもらった挙句に、金まで無心することなどできず、怪しげな純喫茶でアルバイトを始める。
誠は誠で、夜の街に繰り出した折、チンピラ共に絡まれて再び乱闘騒ぎを起こし、学校でも問題となる。更に、岩清水から愛が誠のためにアルバイトをしていると知らされた誠は、愛の両親にその事実を明かし、100万円を脅し取ろうとするのだった。

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映画『愛と誠』のあらすじ【承】

アルバイトから帰った愛。両親から誠が退学処分となったことを知らされる。しかも、次の編入先は花園実業高校だという話だった。

花園実業高校は、不良の溜まり場と噂される危険な学校である。そこは弱肉強食の世界。弱き者は淘汰され、強き者のみが生き残る世界なのであった。
編入した誠は早速、スケ番のガムコに絡まれる。しかし、彼女を簡単に倒してしまったことで、花園実業高校を牛耳る裏番が動き出すことになる。

誠は番長、蔵王権太の手下に囲まれ、多勢に無勢の戦いを挑まれるも奮闘。そこへ、心配した愛が姿を現し、誠を止めようとする。しかし、彼女の言葉に耳を貸さない誠。そして、とうとう番長が登場。

蔵王権太は化け物のような強さであった。誠は絡んでくる愛を守りつつ、権太と対決するも容易に負けてしまう。
権太は同じ高校の高原由紀に片思いをしており、彼女に良いところを見せるつもりだったようだが、由紀は誠に気があるようで権太には振り向きもしないのだった。

映画『愛と誠』のあらすじ【転】

病院に担ぎ込まれた誠だったが、裏番の手下に追い込みをかけられる。病院内で乱闘。彼はふらふらになりつつも勝利を収め、病院を抜け出して行く。

その頃、どうしても誠のことが気になって仕方ない愛は、とうとう花園実業高校へ単独で編入を決心。影ながら彼女のことを見守る岩清水も、愛を守るために編入して来るのだった。

誠は自分を不幸にした者に復讐をするため、東京に来たようだ。彼は歌舞伎町をうろつき、1人の女性を発見する。女性は酒を飲み暴れ出したら手が付けられないと、近所の店でも迷惑がられていた。誠は女性を睨みつけた後、無言で立ち去る。

花園実業高校の実質的な裏番長は、高原由紀であった。由紀はガムコに愛を捕縛させ、歌舞伎町の女の調査を命令。これにより、誠を誘き寄せようと画策。
愛が攫われたため、岩清水は誠に助けを求めた。渋る誠をどうにか説得。誠は愛を助けに向かうことになった。

高原由紀は悲惨な人生を送ってきた悲しい女だった。彼女は自分がバカにされることを非常に嫌い、バカにした者を決して許さない。故に、由紀を悲しい女だと称した誠に、制裁を与えようとしていた。

映画『愛と誠』の結末・ラスト(ネタバレ)

誠は捕まった愛を見捨てることができず、スケ番達との乱闘を開始。そこへ権太が登場。奴と対峙するも、力の差は一目瞭然。捕縛から逃れた愛は誠を庇い、命乞いをするも由紀は許さない。再び権太と対決に至った誠だったが、額の傷を罵られると激情に駆られ、形勢逆転へと持ち越す。権太が不利と見た由紀は、隠し持っていたナイフを投下。それに気付いた愛が誠を庇い、ナイフを受ける。

激闘の末、誠は権太に打ち勝つ。由紀が再びナイフを投下して抵抗するも、今度は誠が愛を庇った。ナイフによって傷を受けつつ、満身創痍となった誠だったが、由紀へと飛び掛かりとどめを刺そうとする。しかし、愛がそれを制止した。

駆けつけた岩清水に傷だらけの愛を託し、誠は本当の目的を遂げに向かう。彼は歌舞伎町の女の元へ向かったのだ。廃れた様子の壮年の女は、誠の実の母親だった。その昔、彼女は最愛の夫を亡くし、生きる気力を失った。そのせいで酒浸りとなり、息子の存在すら自分の中から追い出してしまったのだ。
そんな母親に復讐しようとしていた誠。見つけた母親は線路の半ばで蹲り、自殺を図ろうとしていた。

誠は母親を抱き締めて一緒に死のうとするも、彼女は間際になって息子の名を叫び、死にたくないと泣く。寸前で命からがら助かった2人。誠は母親に自分の存在を明かし、別れを告げる。そうして、愛が待つ病院へと向かった。
しかしその途中、背後から襲われてしまう誠。犯人は青葉台学園の教師だった。逃げ去る教師をそのままに、誠はただひたすらに愛の元へ向かう。

愛は病室で誠を待っていた。口では否定していたが、愛に惹かれていた誠。彼は彼女を胸に抱き、そのまま息を引き取るのだった。

映画『愛と誠』の感想・評価・レビュー

今回私は初めて「愛と誠」を知り、今作品をミュージカル映画としてとらえて鑑賞した。
冒頭、誠(妻夫木聡)のコメディ調の語り口から始まった「やめろと言われても」やヒロインの愛(武井咲)へとラブコール送るキレるめがねの生徒会長、石清水(斎藤工)の「愛のために」など現代風にアレンジされた昭和の名曲とともにコメディチックに物語がすいすいとテンポよく進んでいく。物語中盤からは、ミュージカル調であるにも関わらずシリアスな場面描写が増えていき退屈だったたが、総合的にはよかった。(女性 20代)


原作の漫画を知らなかったので、もっとポップな青春ストーリーなのかと勝手に想像していた。だが、予想よりも遥かに重たい物語で、愛の元で息を引き取った誠が悲しかった。誠の生き様があまりにも不器用で、もどかしく感じた。斎藤工さんが演じた岩清水弘もある意味不器用というか、愛を愛しながらも影から見守るところがいじらしい性格だなと思う。妻夫木聡さんの髪形が合っていないのが気になった。逆に、武井咲さんのお嬢様役が嵌まっていたのが良かった。(女性 30代)


三池崇史ワールド全開です。不良とミュージカルのミスマッチさに笑ってしまいます。しかしそのミスマッチさが、1970年代のエネルギッシュな世界や学生時代の「青春」をとても盛り上げていました。
武井咲に妻夫木聡、斎藤工や大野いと。豪華なキャストに懐かしの音楽。最初は笑ってしまいますが、世界観に慣れてくると結構楽しめると思います。
白馬の王子様を信じている純粋な女性は、ぜひ観て欲しい作品です。いい意味でいろんな王子様の形を発見できると思います。(女性 30代)


殴る蹴るの暴力シーンが非常に多いです。そして、空に太陽がある限り、夢は夜ひらくなど主に70年代くらいの昭和歌謡曲やアニソンを使って、ミュージカルなテイストに仕上がっています。不良が懐メロを歌ったり踊ったりすることが、映像として大変コミカルであり、さらには斬新です。照明や美術のセットについても、個性的というか挑戦していることが伝わりました。斎藤工のパフォーマンスの本気度に感動し、思わず画面に向かい拍手喝采していました。(女性 30代)


ヤンキー映画と思って観始めたら、有名な俳優さんたちが歌って踊るミュージカルで驚きました。曲も昭和歌謡がほとんどで、定番のミュージカルとはイメージが異なり、コメディー風で楽しめました。
ミュージカル作品は、ストーリーや感情に入り込めず苦手意識があるのですが、この作品は漫画原作らしく、全くあり得ないストーリーなので、ぶっとんだ作品として見やすいと感じました。
コメディーのテンションになってしまっていたので、後半のシーンがやや重く感じましたが、こんな作品いつやっていたの?という驚きも込みで面白い作品でした。(女性 20代)

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