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映画『愛する人』あらすじネタバレ結末と感想

映画『愛する人』の概要:2009年アメリカとスペインの合作ヒューマン映画。51歳になるカレンは14歳で出産し、若さゆえ母に反対され娘を児童院へ。いつまでも娘を思うカレンはついに娘を探し、人生の転機を迎えることになる。

映画『愛する人』 作品情報

愛する人

  • 製作年:2009年
  • 上映時間:126分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ロドリゴ・ガルシア
  • キャスト:ナオミ・ワッツ、アネット・ベニング、ケリー・ワシントン、ジミー・スミッツ etc

映画『愛する人』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『愛する人』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『愛する人』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『愛する人』 あらすじ【起・承】

51歳のカレンは現在リハビリ療法士として働く。
介護が必要な母を抱え、昼間は家政婦に来てもらい1人で頑張っていた。
気むずかしい性格で、中々同僚とも打ち解けない。
最近は家政婦が自分の許可無く娘を同伴させることも気に入らない。

そんな彼女には1つだけ後悔していることがある。
14歳という若さで妊娠、出産をするも母親に反対され、産まれた子供を乳児院に預けてしまったことだ。
今でもまだその子がどうなったか気がかりで、届くはず無い彼女宛の日記を綴っている。

エリザベスは37歳。
容姿端麗で切れ者。
若くしてキャリアを積んだ弁護士である。
彼女には両親はいず、養父母に育てられた。
その後は自活し、今では優秀な人材として弁護士事務所で働く。

そんな時、母親の容態が急変。
カレンは突然母親を亡くした。
落ち着いた後、家政婦の娘・クリスティが祖母の形見のネックレスを付けていることに気がつく。
泥棒扱いしたカレンだったが、家政婦から「お母様に頂いた」と言われる。
そんなはずは無いと怒るが、家政婦の話はどうやら嘘では無かった。

生前自分のことを話したか聞いてみたカレン。
家政婦は「娘の人生を台無しにした。申し訳ない」と後悔していたと聞かされる。
それを聞いて泣き崩れるカレンだった。

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映画『愛する人』 結末・ラスト(ネタバレ)

カレンは職場の同僚のパコと再婚する。
パコには娘がおり、その子に「別れた娘を探したらどうか」と提案された。
そしてパコに付き添われ娘を預けた乳児院に行ってみる。
そこではシスターに現在の居場所は教えられないが、方法の1つに手紙を残すという選択肢があると言われる。娘が乳児院で母を探せばその手紙渡されると言うのだ。
後日、カレンは手紙をシスターに渡した。

弁護士事務所の上司と付き合っているエリザベス。
彼女は優秀でいながら、どこか影がある。
深みにはまりたくないというポールは彼女と距離を置いた。
そんな矢先エリザベスは妊娠に気がつく。
出産することを決め、ポールの前から消えようとこっそり引っ越した。

エリザベスは自分の出産を前に、母親を思うようになる。
会ってみたいと。
そして自分の写真を撮り、手紙を書いて乳児院に預けた。
しかし妊娠の状態が悪く、分娩時に息を引き取ってしまった。

1年後、カレンは乳児院から呼び出される。
何と保管ミスで娘から預かっている手紙を渡していなかったというのだ。
しかも出産時に亡くなっていると言う。
娘とは会えないが、彼女には娘がいて養母が育てていると聞く。
しかもカレンのすぐ近くに暮らしていた。

土曜の午後、カレンは会ったことは無いが愛して病まない娘の子供に会いに行った。

映画『愛する人』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『愛する人』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

不思議な時間を体感する映画

本作品は良質な作品である。
人の心の動きを丁寧に描きながらも、流れはスピーディ。
無駄が全くなく、自分の時間が映画と同調される不思議な映画である。
まるで自分の体験を映画にしているような、絶妙な作り方が魅力的だ。

作りとしてはオムニバス形式のような手法。
最初に描かれるのが母親で、彼女の人生と平行して娘の人生が描かれる。
この切り替えが上手で、鑑賞者を全く飽きさせること無く進んで行く。
このような上品な映画を久しぶりに見た。

カレンの演技がやばすぎる

カレンを演じるのはアネット・ベニングだ。
アメリカン・ビューティーでもその存在感を見せつけ、見事その年の主演女優賞を獲っている。
彼女の演技はとにかく上手い。
物語の前半は気むずかしくムカツク役柄を見せてくれた。
これに関しては見ているだけで全く腹が立つ。
顔も憎らしいのだ。

しかしパコと結婚してからはどうだろう。
穏やかで満ち足りた表情が美しい。
今までは憎らしいおばちゃんという印象の顔立ちも、美しく品のある女性の顔になるから不思議だ。
彼女の魅力は変幻自在で魅せることにある。
これだけの演技力を見せてくれる作品は中々出会えない。

あらゆるリアルな問題

この映画はなんと言っても物語がリアル。
若くして妊娠する女性の苦悩や、出産の苦しみ、離れる悲しみ、後悔、そんなものを上手くまとめて描いている。
女性のための女性の映画。
そう言っても過言では無いだろう。

今の世界の問題をよりリアリティーを求め描いた社会問題作ともとれるヒューマンストーリー。
その中で真剣に愛を描いた素晴らしい作品である。


娘を捨てた母親と、自分が子供を授かり母を頼ろうとした娘。お互いが探しあっていながらも交わることの無かった2人の人生はとても切なくて、悲しくて、愛に溢れていました。
自分が産んだ娘を捨てたことに対してずっと罪悪感を感じてきた母の気持ちを考えると、可哀想に感じてしまいましたが、色々なきっかけが重ならなければ娘を探すことなどせずに、娘が無くなったことも、孫がいることも知らずに別の人生を歩んで行ったのだろうと思ってしまいました。
愛と運命を感じさせてくれる素敵な作品です。(女性 30代)

映画『愛する人』 まとめ

見終わった後、悲しいのか、寂しいのか、愛しいのか、嬉しいのか。
よくわからない感情に浸れる映画だ。
全てが感じられるし、どれも違うような気もする。
自分の事のようで、全く関係無い感じもする。
本当に不思議な気持ちにさせられる映画である。

俳優も脚本も演出も、どれをとっても素晴らしい。
しかしもう一度見たくは無い。
こんなに複雑な感情を持つ映画は疲れてしまうからだ。
だがしかし、上品で質の高い作品であることは間違い無い。
多くの人、特に女性に見て欲しい。

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    この映画好きです。何回も泣きました。

    登場人物の女性すべてが心の痛みを抱えながら生きている。
    そして、一人でも生きていくという自立した女性像を描いています。

    排他的な考えが多い日本にとって、こういった映画は賛否両論あると思いますが、私は素晴らしく思います。

    強くなりたい女性に是非オススメの作品です。
    背中を押してくれるでしょう。