この記事では、映画『悪魔の椅子』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『悪魔の椅子』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『悪魔の椅子』 作品情報
- 製作年:2006年
- 上映時間:91分
- ジャンル:ミステリー、ホラー
- 監督:アダム・メイソン
- キャスト:アンドリュー・ハワード、マット・ベリー、エリーズ・デュ・トワ、ポリー・ブラウン etc
映画『悪魔の椅子』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★☆☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『悪魔の椅子』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『悪魔の椅子』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『悪魔の椅子』 あらすじ【起・承】
ニックは恋人であるサミーと一緒に、廃墟となっている閉鎖されたブラックウォーター精神科病院へともぐりこむ。そこで、アシッドドラックを使いハイテンションに。
病院の2階で、古そうな電気椅子が置かれているのを見付け、そこにサミーはノリもあり座ってしまう。
すると、椅子に突然身体の動きを拘束され、まるで体を何かに刺されたかのように血まみれになってしまう。恐怖でパニックとなったニックは、ドラッグのせいもあり混乱してしまう。
やがて気が付くと、ニックはヒルドン精神病院のベッドで目を覚ます。
ヒルドン精神病院の医師には、あの事件は記憶が混濁状態でよくわからない、自分は犯人ではないはずいだけど、と自信も無いまま話す。
模範的な患者としての生活を4年間送っていた事もあり、ニックは退院を許可してもらえる事になる。その上、精神的な理由もあり、殺人罪も免除してもらう事が出来たのだ。
精神病院としては、ニックの退院を快く思ってはいなかった。
しかしニックに興味を持ったケンブリッジ大学の心理学のウィラード博士が責任を負うという条件の元で退院する事が叶うのだった。
ニックは退院直後にそのままケンブリッジ大学のウィラード博士の元へと連れられて行く。
そこで博士に今回の出来事を本に書きたい旨を告げられる。
ニックはなかなか受け入れ難く、渋るが、退院を条件に軽い脅しの元、承諾する事になってしまった。
ブラックウォーター精神科病院でニックの行動観察が始まる事が決まってしまった。
5時間をかけて、ブラックウォーター精神科病院に到着。
メンバーは、レイチェルや、少々曲者のブレッド、メリッサ、ウィラード博士、ニックを合わせた5人である。
ニックは、事件の記憶がうっすら戻り気分が冴えない。
ブラックウォーター精神科病院は、元々は有名化学者であるブラックウォーターが1950年代に経営していたと言う個人病院だった。
心理の学会では当時彼の考えを中心にしていたのだが、ある時期を境に学会から追放されてしまう。
1963年に病院が閉鎖されるまで、重症の患者と一緒に篭ったまま研究を続けていた。
当時の研究については内容も公開されておらず、謎のままとされていた。
しかし、密かにウィラード博士はブラックウォーター博士の日記を手にした事で、その研究について知っていると言う事実をニックに告げる。
研究はと言うと、地下で非道な人体実験を行っていたらしい。
学会も、人の魂について語った事で追放されてしまったらしいと言う事を話す。
2階の電気椅子は、別の世界への扉であり人の魂と肉体を分裂させる物であると考えられていた。
映画『悪魔の椅子』 結末・ラスト(ネタバレ)
4年前の事件については、ニックは自分の妄想ですと言い張るが、ウィラード博士はそれを否定する。実は妄想と思えた事こそが真実かもしれないし、それを証明出来るかもしれないと語る博士。
就寝後、ニックはレイチェルに、あの悪魔の椅子の所に行ってみようと起こされてしまう。
彼女は「幽霊は存在しないので、それを理解して欲しいし大丈夫」と、椅子に座ってしまう。
ニックは止めるが、座った後に肘掛けの入り口部分に指を入れてみたら中に仕掛けがあったらしくレイチェルの指は血が溢れてしまった。
その血が原因で椅子が動き始め、首や手首を拘束されてしまった上に、首に管が差し込まれ血だらけになった矢先、レイチェルの姿が消えてしまう。
博士に知らせたニックだが、ブレッドとメリッサはニックを疑っていた。
一方レイチェルは、知らない場所に飛ばされておりそこで目を覚ます。
ニックは導かれる様にレイチェルの元へと向かおうとする。
博士は帰る方法が日記に書かれている可能性があると考えニックと部屋を出てしまった。
部屋に残されたメリッサとブレッドは、椅子から異音がする事に気が付く。
ブレッドは信じないが、メリッサに言われて座るとレイチェルと同じ場所へと飛ばされてしまった。
ブレッドが飛ばされた後に博士に話すと、ニックも座り彼らと同じ場所に飛ばされてしまう。それを見た博士とメリッサは笑い、博士は「悪魔が喜ぶ」と言いながらメリッサを刺してしまう。
一方飛ばされたニック達の建物には、悪魔の様な者が住んでおり襲い掛かってきていた。
目を潰されてしまったブレッドから話を聞いたニックは、レイチェルより悪魔について聞く。そして血をヒントに、血だらけの服を囮にして裸でレイチェルと息を潜めて身を固めていた。
その時に、同じ場所へと飛ばされてきたメリッサに悪魔が気を取られ、同じくそこに飛ばされて来た博士に悪魔は手なずけられてしまう。博士をどうにか倒し、悪魔を支配してレイチェルとキスを交わすニックだが、徐々にレイチェルの様子がおかしくなっていく。
気が付くと、レイチェルを暴行しながら傍らでは逃げろ、辞めろと瀕死の状態で呼ぶ博士がいた。
すべて暴走したニックの妄想だったのだ。
せめてと思い逃げるレイチェルだが、ニックに殺されてしまい、ニックは意気揚々と外に出てそのまま車に乗り込むのだった。
映画『悪魔の椅子』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『悪魔の椅子』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
精神世界の世界観
悪魔の椅子にメンバー全員が座り、飛ばされた先では、悪魔が現れるのだが、
悪魔と言うよりエイリアンの様な風貌をしていると感じるかもしれない。しかしそこが、真実の悪魔では無く、あくまでニックの創造上の悪魔なのだと言うオチを観ると納得がいく。
悪魔ともエイリアンとも言いかねない独特の風貌なので、新鮮な感じはする。
それが逆に得体の知れない不気味さをうまく出していると感じる。
ダークで陰鬱に話が流れていくので、途中でだれてしまう時があるかもしれないが、最後にオチが用意されているので最後までじっくり見る事をお勧めする。
メンバーの美貌のせいか、少し青春映画の様な雰囲気にもなってしまっているので、もう少しホラーとしての深みが欲しかったとは感じる作品である。
後味の悪さ
かなり好き嫌いは分かれる作品と言える。
何より、精神病院を舞台としている事で、最初にこの物語のオチが何となくつく人もいるとは思う。
しかしオチを含め後半は、後味や気分が悪くなる演出が多いかもしれない。
メンバーは悪気は無かったのに、結局狂ってしまった人間を精神的な檻から出してはいけないのだと言えるメッセージをひしひし感じた。
頭からほぼ全身血だらけで、狂気や凄惨な様子を全力で出して来ているのがすごく伝わりそれが気分を重くするのだと思う。
不気味さが残り、最後に妄想の中の彼女と一緒に車を走らせて行くニックの「その後」がとても気になってしまう。
見るからに薄気味悪い廃病院に怪しすぎる椅子。椅子に座ると別の世界へ飛ばされてしまうという設定に惹かれて鑑賞しましたが、正直オチが最悪です。狂ったサイコパスが作る殺しの仕掛けや武器が大好きなので、椅子のビジュアルはかなり好みでしたが、悪魔の真相はニックの妄想という最悪のオチ。精神を病んでしまった殺人鬼の残虐な犯行と言ったところでしょう。
あわよくば続編をと思っているであろうラストが余計に不快に感じました。(女性 30代)
本作は、廃墟となった精神病院を舞台に、ドラッグ中毒の男と悪魔の椅子が引き起こす事件を描いたパニックミステリーホラー作品。
説明的な描写が多いが、最後は不可解な点が明らかになる。
特に、悪魔の造形はもちろん、それがニックの想像上の造形であったという結末は、腑に落ちた気がする。
精神的に落ちてしまった主人公が犯行に及んだというサイコパスさや、終始漂う重くて憂鬱な雰囲気が独特な世界観を作り上げていた。
若干既視感のある終わり方だが、この世界観を味わいたい人にはおすすめしたい。(女性 20代)
まさかの展開に驚かされました。最初は典型的なオカルトホラーかと思ったら、実は主人公ニックの精神崩壊が原因だったというラストに鳥肌。あの椅子も、悪魔も、すべて彼の妄想だったとは…。グロテスクな描写と精神的ホラーがうまく混ざり合った作品で、後味の悪さがクセになります。(20代 男性)
狂気を描くホラーとして、とても面白かったです。ニックが事件を語るたびに感じる違和感が、ラストで一気に回収される構成が秀逸でした。単なる超常現象ではなく、心の闇に踏み込んだストーリーが見応えありました。グロテスク描写も強めですが、それが逆にリアリティを引き立てていました。(30代 女性)
最初はB級ホラーのノリかと思ったけど、意外と奥が深かった!精神崩壊と現実の境界線が曖昧になる恐怖がリアルで、ラストのニックの豹変ぶりは圧巻。椅子を悪魔の存在として信じ込んでしまう過程が不気味で、ホラー好きとしては満足できる一本でした。(40代 男性)
ニックが全てを語るシーンから、違和感をずっと感じていましたが、ラストの「実は犯人はニックだった」という真実が突きつけられた瞬間、鳥肌が立ちました。オカルトホラーと見せかけて、実は心理ホラーだったという仕掛けに感心しました。椅子の存在自体が虚構だったのも秀逸です。(20代 女性)
グロテスク描写が多いので人を選びますが、ストーリー自体は非常に練られていました。ニックの妄想と現実の境界がどんどん曖昧になっていく演出がうまい。ラスト、彼がすべてを破壊する狂気に飲まれるシーンは強烈でした。単なるホラー映画を超えた一作だと思います。(50代 男性)
オカルトと見せかけた精神崩壊サスペンス、というジャンル転換が面白かったです。ニックが椅子に取り憑かれているのではなく、最初から壊れていたという真実は、ホラーというより悲劇にも感じられました。血まみれのビジュアルと相まって、独特の不快感を残す良作です。(40代 女性)
物語序盤から漂う不穏な空気が、ラストに向かって爆発する展開が素晴らしかったです。ニックの妄想が生み出した悪魔という存在が、どれだけ彼自身の絶望を映し出しているかを考えると、ただのホラーではない深みがありました。グロいけど、見応えは十分でした。(30代 男性)
視覚的なインパクトも強かったですが、心理的な恐怖を掘り下げる演出が印象的でした。椅子が悪魔の媒介なのではなく、ニック自身が「悪魔」だったという結末はショックでした。見た目はB級でも、テーマは一級品。こういう裏切り方をしてくれる映画、大好きです。(50代 女性)
映画『悪魔の椅子』を見た人におすすめの映画5選
ジェイコブス・ラダー
この映画を一言で表すと?
現実と幻覚が交錯する、心理ホラーの金字塔!
どんな話?
戦争で負った心の傷に苦しむ退役軍人ジェイコブが、次第に現実と幻覚の境界を見失っていく物語。彼を取り巻く不気味な存在たちの正体と、衝撃的な真実が徐々に明らかになります。終盤のどんでん返しは必見。
ここがおすすめ!
『悪魔の椅子』のような、精神世界と現実の曖昧な恐怖が好きな人にぴったりです。静かに追い詰めてくる恐怖と、悲しみに満ちたストーリーが深い余韻を残してくれます。
セッション9
この映画を一言で表すと?
廃墟に潜む狂気と恐怖を描いた、緻密な心理ホラー。
どんな話?
閉鎖された精神病院の解体作業を進める男たちが、過去の記録と向き合う中で、次第に精神的に追い詰められていく物語。空間そのものに漂う不気味な雰囲気が、じわじわと観る者を圧倒します。
ここがおすすめ!
派手な演出に頼らず、心理的な恐怖だけで追い詰めてくる手腕が見事です。『悪魔の椅子』の、何が現実で何が狂気なのかわからない感覚をさらに深化させたような、ゾクゾクする一本です。
イット・フォローズ
この映画を一言で表すと?
見えない恐怖が忍び寄る、斬新な現代ホラー!
どんな話?
一度呪われた者を、誰であれ何であれ絶え間なく追い続ける「それ」。この恐怖から逃れるため、若者たちが逃走と対決を繰り広げる物語。不可視の恐怖の演出が新感覚のスリルを生み出しています。
ここがおすすめ!
常に背後に忍び寄る得体の知れない恐怖が、『悪魔の椅子』のような終わりのない不安感を好む人にぴったり。音楽や映像美も秀逸で、異様な空気感に引き込まれます。
サイレントヒル
この映画を一言で表すと?
幻想と悪夢が交錯する、ヴィジュアル系ホラーの決定版!
どんな話?
娘を救うために謎の霧に包まれた町「サイレントヒル」へ踏み込んだ母親が、異形の存在と対峙する物語。現実とは思えない悪夢のような世界観と、美しくも不気味な映像が特徴です。
ここがおすすめ!
『悪魔の椅子』のような精神的恐怖とビジュアルショックを融合させた世界観を求める方に最適。圧倒的な映像美と、じわじわくる絶望感に飲み込まれる体験ができます。
ヘルレイザー
この映画を一言で表すと?
快楽と苦痛の果てに待つ、異次元の地獄ホラー!
どんな話?
謎のパズルボックスを開いたことで異世界の拷問者「セノバイト」と契約してしまった男と、その家族に襲いかかる恐怖を描いた物語。肉体と精神を破壊する異形たちの存在感が圧巻です。
ここがおすすめ!
肉体的・精神的恐怖を極限まで描き切った、クラシックホラーの傑作。『悪魔の椅子』で感じた狂気やグロテスクな世界観を、さらに深く体験したい人に強くおすすめします。
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