映画『悪の教典』の概要:親切・丁寧・授業もわかりやすくて生徒の相談に親身になってくれる。蓮実は「ハスミン」の愛称で生徒から愛され、周囲からの評価も高い高校教員。しかしそれは表の顔であり、彼の頭の中には誰も想像だにできない恐ろしい計画が企てられていた。次第に豹変してく蓮実の姿は恐ろしく生徒達は恐怖で逃げ回るしかない・・・。
映画『悪の教典』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:129分
- ジャンル:サスペンス、ミステリー
- 監督:三池崇史
- キャスト:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都 etc
映画『悪の教典』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『悪の教典』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『悪の教典』のあらすじを紹介します。
蓮実は完璧な高校教師。授業が楽しい、わかりやすい、生徒とも仲良くしている。そして何よりもイケメンで優しい。
しかしその姿は表向きの姿でしかなかった。
授業が終わり学校から向かうのは、野原の中に建てられた掘建小屋。彼は裸体になり、ひたすらトレーニングを続けている。その彼の表情には何を考えているのかまったく読めとれない。しかし、彼の鍛え上げられた肉体は頭の中にある恐ろしい計画のために準備されているものなのであった。
その計画とは「理想郷」を作り上げること。自分の理想とするクラス、学校、社会を作りあげることが目的であったのだ。
そのためには、女子生徒を凌辱することも厭わない。また、蓮実の行動を怪しんだ生徒にも拷問を加え殺害する。
しかし、計画がバレることを恐れた彼は、文化祭という大イベントの前夜に担当クラスの全生徒を殺害することを決意する。
普段の表向きで築き上げてきた生徒との「信頼」を利用して、学校内の生徒を閉じ込めて次々に散弾銃で殺害する蓮実。
その顔には笑顔も悲しみも恐怖もなく、まるで獲物を狩るように生徒を打ち殺していく。
すべては彼の計画どおりであった。しかし、生徒全員が殺害されたわけではなく・・・。
映画『悪の教典』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『悪の教典』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
散弾銃による殺害シーンがひどい
ストーリーはとても面白いと思った。
成績優秀なエリート教員が企てる恐ろしい計画とそれに気づき始める生徒。
そして邪魔な生徒を殺害していく蓮実の綿密な計画と実行。
まるでミステリー小説を読んでいるかのように、話がリズムよく進み、見ていて気持ちが良い。
また、素晴らしい理想の教師から、残虐な恐ろしい教師への変貌ぶりもみごとに表現されており、伊藤英明の表現力の豊かさを感じさせられる。
演出としても、蓮実の変貌ぶりを、教室と野原にある掘建小屋の自宅との対比でも隠喩的に表現しており素晴らしい演出だと思った。
しかし、惜しいなと思ったのはメインとも言える学校内での散弾銃殺害のシーンである。
とにかく、印象としては生徒がうるさすぎる。
たしかに蓮実の変貌ぶりにおののくであろうし、理解ができず恐怖しかないであろうが、
あまりにも「きゃー」とか「わー」とか「なんなんだよハスミン!!」などなど叫びすぎである。
せっかく伊藤英明が狩猟のように息を偲んで銃を向けているのに、ちょっと興ざめするくらい騒ぎすぎているように思う。
また、この叫び方であるが、高校生役の役者がだいたい同じようなリアクションなので、途中から個性がなくなり誰が殺されたのかわからなくなってしまった。
肉体美ブーム?!
暑苦しい俳優としても人気の伊藤英明であるが、「海猿」出演あたりからメディアへの肉体美の露出が増えたように思う。
この「海猿」への出演によって彼は消防庁での訓練や海上保安庁への訓練を受けており、まさしく現場で使える肉体を手にいれたと言っても過言ではない。実際、雑誌「ターザン」の取材においても週に必ず体と向き合うトレーニングの時間を設けているという。
最近、伊藤英明だけでなく西島秀俊やダウンタウンの松本人志などなど数々の著名人が肉体づくりに励んでいる。また、ゴールドジムのような短期決戦で肉体改造を試みるジムがお茶の間を賑わせている。
いまはまさに肉体美ブームの真っただ中なのであろう。
原作を読んでいたので、映画化が決まった時は「あのハードな展開をどのように映像にするのだろう?」とすごく気になったのを覚えている。グロテスクというか、衝撃的なシーンが多いので苦手な人は気を付けたほうが良いと思う。
主人公の圧倒的な頭脳と狂った部分がだんだんと見えてくるのがおもしろい。爽やかで熱血なイメージのある伊藤英明がサイコパスを演じているギャップも良かった。前半はやや盛り上がりに欠ける印象があるが、後半の衝撃的な展開は目が離せなくなるだろう。(女性 20代)
日本のスリラー作品の中でも、群を抜く迫力、面白さの傑作スリラー作品だと思う。
物語がテンポよく進んでいき、容赦なく次々と殺していく様子や、どこか冷たく薄い空気を纏っている映像、なんとなく洋画ホラーの雰囲気に近いように感じる。
また、2012年に公開された作品だが、今見返すと生徒の中にはこの数年で知名度が上がり有名になっている俳優達が多く出演している。そういった点でも観ていて楽しめる作品になっていると思う。(女性 20代)
映画『悪の教典』 まとめ
ラストのシーンがとても気になる作品である。
「To be continued (続く)」と結末に表記されるあたりと、警察から逮捕される際に、蓮実が「クラス中が悪魔に取り憑かれていたんです」と言って精神障害者を装って実刑を軽くしようとしているあたりから、彼の理想郷計画はまだまだ続行していると思われる。
はたして、続編があるとしたらどういった姿で登場するのであろうか。今回は教師役で高校内での理想郷の創生を試みていたが、もしかすると次回作は別の場所で同じような理想郷を作るのかもしれない。
たとえば、何かの組織の内部だったり、もしかしたら逮捕されたのちの刑務所かもしれない。
いづれにしても続編が待ち遠しい作品である。
みんなの感想・レビュー
生徒からも同僚からも信頼される教師。その裏に潜む静かで残酷なサイコパスが、次々と生徒を襲っていきます。最初の穏やかな映像から、絶叫と恐怖の声が飛び交う、口元を覆ってしまうような映像にジワジワと変わっていく映画です。1人1人ショットガンで斬殺していく中で、映画の終盤がストーリー的にトントン拍子で進んでしまうので、尻すぼみな感覚がありましたが、1人ではとても見ていられないような、いい意味で胸の悪くなる映画だと思います。しかも、個人的な解釈ですが、最後にハスミン(サイコパス教師)が、精神疾患を警察の前で装うシーンがあります。その様子を表情を凍らせて眺める奇跡的に生還した生徒。もしや、続編!?と期待を膨らませられる映画となっています。
今まで正義っぽい役ばかりだった気がする伊藤英明の悪役が妙にマッチ!
あの好青年な雰囲気でサイコパスなのが良かったです。
映画の悪の教典も好きなんですがもう少し原作に忠実だともっと良かったです。
サイコパスな快楽殺人鬼ハスミンが(一応)恋人っぽくなった生徒を殺害する際
唯一、一瞬ためらうと言うか躊躇するシーンが原作にはあったりします。
ストーリーにあまり関係が無くとも
ハスミンという人物を探る点に関してはここ何気に重要なんですよね…。
映画では全く躊躇わずに殺害しておりますね。
あとは原作だと生徒の中でも(映画よりは)わりとハスミンに反撃してたりします。
映画では尺のせいなのか一部を除いて全員が一方的なヤラれ役ですね…。