映画『アルファ 帰還りし者たち』の概要:2万年前のヨーロッパ。冬越えの食糧を得るため、狩りの遠征へ初参加した主人公。ところが、狩りの途中で崖下へ転落してしまう。意識が戻った時にはすでに仲間の部族は去ったあと。たった1人、取り残された主人公は村を目指して旅に出る。
映画『アルファ 帰還りし者たち』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、アドベンチャー
監督:アルバート・ヒューズ
キャスト:コディ・スミット=マクフィー、ヨハンネス・ハウクル・ヨハネッソン、マルチン・コヴァルチク、イェンス・フルテン etc
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映画『アルファ 帰還りし者たち』の登場人物(キャスト)
- ケダ(コディ・スミット=マクフィー)
- 首長タウの息子。次期首長となるべく邁進中であったが、初狩りの場にて崖から転落してしまう。心優しく生き物の命を奪うことに恐れを抱いている。狼のアルファには厳しく上下関係を躾ける。タウから生き抜く術を教え込まれている。
- タウ(ヨハンネス・ハウクル・ヨハネッソン)
- 部族の首長で、ケダの父親。星空から方角を読み取る方法や、大自然の中で生き抜く術をよく知っている。一族を率いる優秀な首長。厳しくも愛情深く、次期首長として期待しケダに様々なことを教えて育てる。
- ロー(ナターシャ・マルテ)
- タウの妻。首長の妻でもあるが、ケダの母親として息子をとても案じている。優しい気性のケダには狩りは向いていないとも思っている。夫婦仲はとても良く、いつでも夫タウと共にいる。
映画『アルファ 帰還りし者たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アルファ 帰還りし者たち』のあらすじ【起】
ヨーロッパ、2万年前。高い崖の上へと獲物を追って狩りの一軍が迫っていた。一族の首長タウが率いる狩りの一軍には今回、初めて参加した若者が2人いる。その内の1人はタウの息子ケダ。首長は息子だからと言って特別扱いはせず、他と同じ扱いをした上で次期首長としての素質があるとケダが証明してくれることを期待していた。ところが、高い崖の上に獲物を追い詰めた矢先、寸前で臆したケダが獲物に反撃されて崖の上から転落してしまう。
そもそも、今回の遠征は一族にとって冬を越すための貴重な食糧を得る大事なものであり、タウにとっても首長として実力を証明するものでもあった。若者も自らの武器をまともに作れるようになってからではないと参加も許されず、その選出もかなり厳しい。タウの妻ローは優しい気性であるケダが狩りに出るには早すぎると心配していた。遠征中は火の熾し方や生きる術を習う。他部族との遭遇もあるし、夜には獣に襲われるなど常に危険と隣り合わせだった。
崖から転落した大事な息子を助けようとタウは自らを犠牲にしてまで崖下へ向かおうとしたが、一族の者達は優れた首長を失うわけにいかないと必死に引き止める。大量に獲物を狩ることはできたが、タウは大事な愛息子を失う結果となってしまう。
映画『アルファ 帰還りし者たち』のあらすじ【承】
獲物を運ぶ際、親交のある他部族が手助けに駆け付けてくれる。その部族の首長の息子も狩りにて命を落としていたため、首長はタウに死んだ息子がきっとケダを助けてくれると慰めてくれるのであった。
息子を思うタウの悲しみは深く、崖の上で弔いをした時も立ち上がれないほどであった。それでも彼らは泣く泣くその場を離れる。
それから数刻後、ハゲタカに突っつかれて意識を取り戻したケダ。父を呼んだが、応答があるはずもなく。体中はどこもかしこも痛む。夜には雷雨という悪天候の中、崖から脱出。
翌朝、ケダは右足の手当を自ら行い、崖上へ向かった。すると、そこには弔いの跡が残っている。父と一族はすでにこの地を去ったのだ。ケダはたった1人で歩を進め、枯れた木の上で休むことにした。
狼の群れに襲われ一匹に怪我を負わせる。翌日、武器を作り群れから見捨てられたその狼に止めを刺そうとしたが、どうしても命を奪うことができなかった。狼にはまだ息がある。ケダは狼の口を革紐で結わえ、怪我の手当を行うことにした。
夜になると獣に襲われる危険があるし、ケダの右脚も骨折により酷く腫れている。彼はほどよい洞窟を見つけ、ひとまずはそこを根城にすることにした。
映画『アルファ 帰還りし者たち』のあらすじ【転】
薬草を探して足の手当を行う。狼の傷も少しは癒えたようで、警戒しながらも与えた水を飲んだ。不思議なことに狼は警戒を解かないながらもケダの言うことを理解している様子で、手当も素直にさせてくれる。それからは小動物を狩って狼に上下関係を教えた。
数日後、足の腫れが引き火も熾すことができた。ケダは身支度を整え冬が来る前に一族の村へ帰る決意を固めた。ところが、狼はケダに慣れてしまい追い払っても逃げようとしない。仕方ないので狼を洞窟に置いて出発したが、一定の距離を置いて後を追って来る始末。
度々、追い払おうとしたが、狼は決してケダから離れようとしない。小動物を狩ることはできても大物を狩ることが未だにできないケダだったが、狼は次第に距離を縮め彼の手助けをしてくれるようになった。しかし、相手は野生の獣。ケダは狼を信用してはいたが、近くには寄せ付けなかった。ところがある朝、気付いたら狼がケダに寄り添って寝ていた。
信頼関係が完全に出来上がった証拠である。そこで、ケダは狼にアルファと名付け旅の友とすることした。やがて、辺り一面に雪が降る。
ある夜、アルファの元へ数頭の狼がやって来たため、ケダは群れへ帰るよう送り出した。
それから数日、ケダは一人で旅を続けたが、猛吹雪の日に群れと共にいるアルファを発見。ケダは寂しさから狼を呼んだが、足元が氷であったために走った際、割れて落ちてしまう。呼び声に気付いたアルファもケダを助けようと駆け付け、どうにか助かったが、ほとんどの荷物を失ってしまう。
映画『アルファ 帰還りし者たち』の結末・ラスト(ネタバレ)
極寒の中を薄着で歩を進め、テントを発見。助かったかと思ったが、持ち主は凍死していた。ケダも肺病を患い咳と共に吐血。テントの持ち主から武器を得て旅を続けた。
しかし、その途中でアルファの仲間と遭遇し追われてしまう。近くに洞窟を発見し逃げ込んだものの、群れのボスが追って来る。アルファは怪我を負いながらもボスを倒し、ケダを守った。
連日の吹雪により食料となる獲物が見つからない。ケダとアルファはそれでも歩を進め、一族の墓標を発見。それを見つけさえすれば、村への方角も定まる。ところが、食糧もなく極寒の猛吹雪を進む力がすでにケダとアルファには残されていない。彼らは残された力を使い切り、行き倒れてしまう。
先にアルファが歩けなくなり、次にケダが。それでも彼は両親の夢を見て息を吹き返し、アルファを抱いて村を目指した。
そうして、とうとう一族の村へと到達する。タウとローは驚愕しつつ、息子と狼をすぐさま助けた。
アルファにはまだ息がある。テントで手当てが施された後、なんとアルファが子供を5匹も出産。アルファはメスだったのである。ケダも驚いたが、これまで長い間、旅を共にしてきた絆は深く、アルファとその子供は村で養われることになった。
そうして、翌年。一族はまた冬を越すための食糧を得るため、狩りの遠征へと向かうのであった。
映画『アルファ 帰還りし者たち』の感想・評価・レビュー
2万年前のヨーロッパを舞台に、狼と人間の信頼関係が出来上がっていく様子を描いた作品。広大な景色と自然で生き抜く厳しさ、野生の生き物を旅の友とする過程の難しさが丁寧に描かれている。アルファ役を本物の狼が演じているが、これがまた表情豊かで非常に愛嬌がある。
生活状況などをかなり削ぎ落した印象があり情報が少ない。紀元前の話であるため、想像で補えということなのだろうが、リアリティを出すためにはもう少し詳細に描いても良かったのではないかと思う。一族の生活はそこそこ豊かに見えるが、恵まれた環境にあるとは思えないし、突っ込みどころは多い。主人公の成長と狼との信頼関係を築く様子に注目すれば、ほどよく感動を誘う作品だと思う。(MIHOシネマ編集部)
子供の頃おじいちゃんに読んでもらったシートン動物記の「狼王ロボ」のお話。狼って強くて賢くて人間と共生することも出来るすごい動物だということを学びました。
この作品で描かれるのは人間と狼の関係性。舞台は氷河期の地球。親と離れ離れになってしまった少年が、故郷を目指して相棒の狼と旅をします。
自然の怖さ、脅威をリアルに描く展開に、可哀想になりますが「相棒」がいてくれることの心強さを感じることが出来ました。(女性 30代)
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