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映画『アメリカの影』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アメリカの影』の概要:人種差別に悩む三兄弟が選ぶそれぞれの道。そしてそれを取り巻く様々な人間模様。ジョン・カサベテス監督が無名俳優を起用し、台本なしの即興演出で挑んだドキュメンタリータッチの映画。

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映画『アメリカの影』の作品情報

アメリカの影

製作年:1959年
上映時間:81分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:ジョン・カサヴェテス
キャスト:レリア・ゴルドーニ、ヒュー・ハード、ベン・カルーザス、アンソニー・レイ etc

映画『アメリカの影』の登場人物(キャスト)

レリア(レリア・ゴルドーニ)
黒人の血を引く三兄弟の中で一番年下の女。黒人の血を引いているが見た目は白人であり、その事で引き起こる人種差別などの悩みを抱える。知的であり、立派な一人の大人の女性だという自信を持っている。
ヒュー(ヒュー・ハード)
黒人の血を引く三兄弟の長男。兄弟の中で唯一見た目が黒人である。かつては有名な歌手だったが、仕事は激減してしまう。兄弟思いで、いつもレリアとベンのことを心配している。自分の歌には絶対の自信を持っている。
ベン(ベン・カラザース)
黒人の血を引く三兄弟の次男。人種差別に悩み、非行に走る。自堕落な生活を送るが、やがてそれに飽きてしまう。兄弟の中で一番荒れた性格。
トニー(アンソニー・レイ)
レリアの元恋人。レリアと結ばれるが、黒人の血が流れている事を知って態度を急変させる。その後、間違っていたと謝るも許してもらえなかった。ロマンチシスト。
ループ(ルパート・クロス)
ヒューのマネージャー。ヒューの才能を信じているが、仕事が無い現状を嘆く。

映画『アメリカの影』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アメリカの影』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アメリカの影』のあらすじ【起】

ニューヨークはマンハッタン。ここにある三人の兄弟が暮らしている。兄弟は皆黒人の血を引いているが、長男のヒューの見た目が完全に黒人であるのに対し、次男のベンと長女のレリアは白人の血が強く、見た目は白人だった。

ベンはニューヨークの街を闊歩し女を口説いていた。自分はジャズのトランンペッターだと言うベンは今日も白人の綺麗な女を口説いている。一方兄のヒューは、かつて腕を鳴らしたナイトクラブの歌手だったが、今はお金の為に三流のストリップ劇場からの仕事を受けている。そんな兄にベンはお金をせがむ。兄弟思いのヒューは彼らの為に嫌々ながらにもストリップ劇場の歌手兼司会という仕事を受けるのだった。

ヒューの心配を軽くあしらうレリアは、自分がもう一人前の大人なのだと認められたい年頃にいた。

ヒューはストリップ劇場での仕事に不満を漏らしていた。自分はアーティストだという自覚が強いのだ。それでも周りからなだめられながらどうにか仕事に向かう。しかし、そこで歌声を披露するもお客は一切振り向かない。そしてすぐさま客受けの良い女の子達のショーに切り替わってしまうのだった。

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映画『アメリカの影』のあらすじ【承】

ベンはいつもの仲間と一緒にいる。カフェにはベン達とレリアの姿もあった。何か新しいことをやれとレリアの連れに言われるベン達。ならばと言ってベンは仲間達と一緒に美術館へと向かう。美術館でベン達は芸術を馬鹿にするのだった。レリアはそんなベン達をヤクザ者だと言って呆れている。

文学や哲学を語るグループに参加しているレリア。そこでレリアは友人に、小説を書くべきだと勧められる。レリアはそれを断り、友人の語ることに耳をかさない。そこへトニーという男が現れると、会ったこともないトニーにレリアは突然キスをする。それを見た友人は黙ってその場を去って行く。

トニーに、自分は幸せじゃないと語るレリア。トニーはレリアに美しいと言う。そしてトニーはレリアを自室へと誘い、二人は結ばれるのだった。

レリアにとってそれは初めての体験だった。怖かったと言うレリアはベッドの上でトニーを慰める。そして、一緒に暮らしたいとレリアは言い出すのだった。レリアはどこか悲しそうな様子でいるのだった。

映画『アメリカの影』のあらすじ【転】

家までレリアを送るトニー。タクシーを降りようとしないレリアにトニーは、家の中まで行くと言う。すぐに帰るのであればと言う条件でレリアはトニーを家に上げるのだった。家の中にはベンとその仲間達がいた。彼らはまた悪巧みをしていた。彼らが去った後、レリアとトニーは仲良く踊るが、そこに兄のヒューが帰ってくる。トニーに兄を紹介するレリア。すると突然トニーは態度を変え、出て行くと言う。黒人の血を引いていると知った途端に態度を変えたのだった。レリアは動揺する。それを見たヒューは、妹を傷つけるなと言ってトニーを追い出すのだった。

トニーがレリアに電話をかける。しかし、レリアはそれを無視するのだった。ヒューはレリアを心配する。ベンがレリアに話しかけると、突然レリアは怒り出す。何があったのだとヒューに聞くベンに、ちょっとした人種問題があったのだと答える。

ヒューに誘われたパーティーへと参加するレリア。そこで、友人に黒人の男を紹介される。そこへ別の友人がやってくる。彼はトニーのことで話があるとレリアに言う。しかし、レリアは何も聞きたくないと追い払う。

ベンはそのパーティーで何か悲しい様子を見せている。それを励まそうとした黒人の女にいきなり殴りかかる。そしてその場を逃げ去って行く。弟の愚行に、ヒューの機嫌も悪くなるのだった。

映画『アメリカの影』の結末・ラスト(ネタバレ)

パーティーでレリアに紹介された男がデートの為にレリアの部屋を訪れる。すると、レリア本人を含め兄弟揃ってその男に意地悪をする。レリアが家を出ると、入れ違いでトニーが家に入ってくる。レリアは無視して家を出て行く。部屋に入ったトニーはヒュー達に、レリアに謝りたいと申し出る。しかし、ヒューもベンもそれにかまわずトニーを追い返すのだった。

ヒューのマネージャーのループは、また仕事がキャンセルされたと嘆く。これ以上場末のストリップ小屋で仕事をするのは嫌だと興奮するループは、アメリカを出ようと言い出す。俺を信用しろと言うヒューの言葉に落ち着きを取り戻したループ。二人は仕事のために汽車へ乗り込むのだった。

ベンがいつものように仲間達とニューヨークの街を闊歩し、女を引っ掛けようとしている。しかし、女達には男がいた。その男達と口論になったベン達は、店の外へ出ると殴り合いの喧嘩を始める。ボコボコにされたベン達。ベンは仲間達に、こんな生活はもう飽きたと告げる。そしてベンは、ニューヨークの夜に消えて行くのだった。

映画『アメリカの影』の感想・評価・レビュー

ジャズの雰囲気と、白黒の世界がとても魅力的な作品。「人種問題」主人公は、黒人と白人の血を引く三兄妹。長男は黒人的な見た目。次男はちょうど中間くらいの見た目。一番下の妹は白人的な見た目。この3人を通して描かれる「人種」についてのお話。
日本人である私は「人種」というものについてそれほど意識したことがありません。歴史について無知なだけかもしれませんが、「差別」という問題が起こることについても違和感がありました。
この作品を見て分かったのは当事者たちにも「潜在的」な認識があり、それが「差別」を生むということ。難しい問題だと感じました。(女性 30代)

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