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映画『アメリカン・アニマルズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アメリカン・アニマルズ』の概要:退屈な毎日を送る大学生が、人生に特別な変化を求めて決行した強盗事件。2014年にトランシルヴァニア大学で起きた実話をもとに、犯行計画の一部始終と、実際の犯人たちの語るドキュメンタリーを追体験する。

映画『アメリカン・アニマルズ』の作品情報

アメリカン・アニマルズ

製作年:2018年
上映時間:116分
ジャンル:ドキュメンタリー、青春
監督:バート・レイトン
キャスト:エヴァン・ピーターズ、バリー・キオガン、ブレイク・ジェナー、ジャレッド・アブラハムソン etc

映画『アメリカン・アニマルズ』の登場人物(キャスト)

ウォーレン・リプカ(エヴァン・ピーターズ)
強盗事件の首謀者。日常のなかでくすぶっており、世間から注目される特別な人間になりたいと思っている。行動力とカリスマ性がある。
スペンサー・ラインハード(バリー・コーガン)
芸術家を目指すおとなしい大学生。変化や刺激を求めているが、自分から大きな行動を起こし、やり遂げる勇気はない。
エリック・ボーサク(ジャレッド・アブラハムソン)
経理学専攻で、FBIを目指す秀才。強盗計画のブレーンとして具体的な作戦を練っていく。
チャールズ・T・アレン2世(ブレイク・ジェナー)
通称チャズ。学生ながら実業家として活躍しており、金を必要としている。車を用意できるため、逃走の際の運転手として計画に参加。
ベティ・ジーン・グーチ(アン・ダウド)
大学図書館の司書をしている女性。展示室の見学希望者がいれば、同行して展示品の説明をしてくれる。

映画『アメリカン・アニマルズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アメリカン・アニマルズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アメリカン・アニマルズ』のあらすじ【起】

2004年、アメリカのケンタッキー州・トランシルヴァニア大学に通う芸術家を目指すスペンサーは、退屈で平凡な自分の人生に特別なことが起きてほしいと思っていた。偉大な芸術家の人生には、特別な何かが起きるものだからだ。

暮らしに困るような家庭ではないものの、刺激を求めて、友人のウォーレンとバイト先の廃棄の食べ物を盗む日々。ある日、スペンサーは大学のレクリエーションで、図書館の展示室に時価1200万ドル(およそ12億円)の巨大な画集、ジョン・ジェームズ・オーデュボンの「アメリカの鳥類」が保管されていることを知る。閲覧には事前の展示室の予約と、司書による同行が必要だった。

スペンサーから話を聞いたウォーレンは画集を盗み出す計画を立てるため、パソコンで完全犯罪の方法を調べ始めた。「世界に爪痕を残したい」と意気込むウォーレンに比べるとあまり気乗りのしないスペンサーだったが、熱意に説得されて図書館の図面や模型を作り、一緒になって警備体制の調査をしていく。

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映画『アメリカン・アニマルズ』のあらすじ【承】

盗んだ画集を買い取ってもらうため、ウォーレンは盗品のバイヤーとコンタクトを取った。面会のためだけに500ドルを支払い、ニューヨークで男と会うが、会った男はバイヤーへの取次人だった。最終的にアムステルダムまで足を伸ばしたものの、買い取りには証明書が必要だと言われて帰国。

計画を進めるためには人数が足りないと判断した2人は、FBI志望の学生・エリックと、逃走用の車の運転手としてチャズをメンバーに加える。エリックは「退屈な生活から自由になりたい」と考えており、チャズはただ金が必要だった。

参考のために『オーシャンズ11』や『スナッチ』などの犯罪映画を見た。『レザボア・ドッグス』にならって、自分たちに「ミスター・グリーン」「ミスター・ブラック」「ミスター・イエロー」「ミスター・ピンク」とコードネームを付け、決行に向けて入念に準備をしていく。グーチ司書をスタンガンで気絶させる部分は全員が拒否。役目はウォーレンにまわることになる。

映画『アメリカン・アニマルズ』のあらすじ【転】

決行当日。特殊メイクで老人の姿に扮した4人は準備万端で図書館に向かうが、その日は司書が複数人展示室の前におり計画を断念。大それた犯罪計画が中止になったことで内心ホッとするスペンサー。残りの3人が再び決行の日を決めてしまうものの、今回の失敗で怖気づいたスペンサーが外で見張りをすることになった。

2度目の決行当日。展示室に入ったウォーレンから連絡を受けたエリックが向かったが、ウォーレンはまだスタンガンを使っておらず、グーチ司書は気絶していなかった。2人がかりでドタバタと彼女を縛り上げて画集を奪い逃走するが、予定していた逃走経路は行き止まりになっており、外に繋がっていなかった。

パニックになった2人はエレベーターのボタンを押し間違って大勢の図書館利用者に姿を見られる。そのうえ画集を落として非常階段に置いてきてしまった。小さな本2冊だけを持ち出して車に乗り、全員その場からなんとか逃げ切った。

映画『アメリカン・アニマルズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ウォーレンとスペンサーはやっとの思いで盗んだ本を売りに行くが、バイヤーに挙動を怪しまれて「上司に相談してからでないと証明書が渡せない。明日連絡する」と伝えられる。バイヤーにスペンサーの連絡先を渡して帰ってきたと聞いて、チャズは激怒。なんとスペンサーは犯行の際、図書館の展示室を予約するときも自分の連絡先を使っていた。あっという間に足がつき、4人とも逮捕となった。

4人はこの件で懲役7年の判決を受け、服役済み。現在はそれぞれの道を歩んでいる。スペンサーは芸術家、ウォーレンは映画製作に携わり、エリックは作家、チャズはフィットネスインストラクターとして活躍中。

実際の事件の当事者たちが登場して、犯行について話してくれる。何度もスタンガンを当てられて縛り上げられたグーチ司書は、彼らの非人道的な行為について苦言を呈す。当時ウォーレンと一緒にいたはずのスペンサーは、自分が取次人を見たことを覚えていなかった。また、ウォーレンが一人でアムステルダムまで行ったことの真偽を皆は疑問に思っているが、本人はこれについて真実を語らずにいる。

映画『アメリカン・アニマルズ』の感想・評価・レビュー

実話の再現は「自分の視点から見た内容を話す」という過程を経るため、当事者の数だけフィルターを通過し、ときにフィクションより謎が多くなってしまうのが面白い。

本当にやる人はいないが、1200万ドルの画集を見たとき「盗み出したら人生が変わるだろうな」と思う人ならたくさんいるはずだ。犯人たちがごく普通の人間であること、実話であることを強く意識させる描き方に「自分の人生にももし4人が揃っていたら、こんな愚かな過去が存在したのだろうか?」ということを、ふと考えさせる。(MIHOシネマ編集部)


本作は、2004年に田舎に暮らす平凡な大学生4人が1200万ドルのヴィンテージ本を奪った窃盗事件を映画化した青春ドキュメンタリー作品。
犯行計画な詰めの甘さや、犯行に及ぶ際のグダグダ感が大変愛おしく、全員の意見が食い違っていて事件の真相が謎めいているところも面白かった。
また、本人が登場して当時を振り返るシーンも挟まれておりドキュメンタリーとして興味深かった。
カメラワークや音響、色彩といった細部まで作り込まれているけれど、「実話」であるというところに感銘を受けた。(女性 20代)


若い頃って「悪いこと」をするのがかっこいいって感じちゃうことありませんでしたか?親や先生に怒られることをわかっていながらも、バレないかもとか「スリル」が欲しくてやってしまうイタズラ。
この作品では普通の大学生が「普通」から抜け出すために起こしてしまった実際の「事件」を元に、本人のインタビューなどを混じえて構成されている作品です。
すごくリアリティがあって面白かったです。だめだよって思いながらもハラハラドキドキして一緒に悪いことをしているような感覚がとても楽しかったです。(女性 30代)


1200万ドルの本の窃盗事件で、実際の犯人たちを出演させ当時のことを語りながら進んでいくストーリー。
内容はわかりやすく、日常の退屈な日々を脱却しようと大学生4人がスリルを求めたい心情が痛いほど理解できた。途中で何かアクシデントが起きて中止になってほしいと思う自分とスリルを求める自分の葛藤があるというのは、話に乗っかってしまった以上避けられない不安。しかし、実行し失敗してしまった4人は犯罪者となったが、現在は退屈な日常も経験から噛みしめて生きていく大事さを学んだ結果、本人として出演し、リアルな心情を織り交ぜる深い作品になったと思う。(男性 20代)

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