映画『アルゼンチンババア』の概要:よしもとばななの同名小説を映画化。家族を亡った父と娘が、その悲しみを乗り越え、再生していく姿をファンタジックに描く。母が逝ってしまった日から、みつこの父は姿を消してしまった。父は、アルゼンチンババアの屋敷にいるのだった。
映画『アルゼンチンババア』の作品情報
上映時間:112分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ
監督:長尾直樹
キャスト:役所広司、堀北真希、鈴木京香、森下愛子 etc
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映画『アルゼンチンババア』の登場人物(キャスト)
- 涌井みつこ(堀北真希)
- 悟の娘。母の臨終の場に立ち会うことになり、その時、心の片隅に感じたことが母を殺してしまったのではないかと不安に思っている。
- 涌井悟(役所広司)
- 暮石掘りの職人。みつこの母、自分にとっては妻に当たる良子の死を受け止められずにいる。自暴自棄になっていたところをユリに助けられる。
- ユリ(鈴木京香)
- アルゼンチンババアと呼ばれ、古い洋館にすむ女性。庭でミツバチを飼っており、ハチミツを採っている。悟の子どもを宿し、出産後他界してしまう。
- 滝本早苗(森下愛子)
- 悟の妹。町でバーを経営している。バーの常連客でもある町の人たちと一緒に、ユリの屋敷にいる悟を何とかして連れ戻そうと画策する。
- 向井守(田中直樹)
- 町にあるマッサージ院回生堂の見習い施術師。足が悪く、少し引きずりながら歩いている。閉店後に入ってきたみつこの身体をほぐす。
映画『アルゼンチンババア』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アルゼンチンババア』のあらすじ【起】
涌井みつこの母、良子は入院していた。その日、毎日欠かさず見舞いに行っていた父、悟が、その日に限って一緒には行かないと言いだし、みつこは一人で母の病院へ向かう。母の病室に着き、ベッドのカーテンを開け、寝ている母を見るみつこ。母は目を閉じたまま苦しそうに歯を食いしばり、鼻から血を流しているのだった。突然のことに何もできなくなるみつこ。異変を察知した看護師が駆け寄り、処置を施すが、その日の夜、母は亡くなってしまうのだった。そして、その日から父が行方不明になる。
通夜の日、通夜ぶるまいの寿司を取りに行ったみつこは、帰りにすし桶を抱えたまま回生堂と言うマッサージ院へ入る。営業は終わっていたのだが、見習いの向井守が、みつこにマッサージを施すのだった。それ以降、回生堂でバイトをするようになるみつこ。
半年が経ち、やっと父の車がアルゼンチンババアと呼ばれる女性が住む屋敷で、見つかったとの連絡がある。高校の帰りに、屋敷へ向かうみつこ。呼び鈴を鳴らすと、出てきたアルゼンチンババアに抱きしめられるのだった。しかし、その場で倒れてしまい、介抱される。目を覚ますと石を割る音が聞こえてくる。その音を辿ったみつこは、屋上で父と再会する。父は屋敷の屋上で、曼荼羅を作っていた。アルゼンチンババアはユリという女性で、みつこは、ユリからお茶を一杯頂いて、屋敷を立ち去るのだった。
映画『アルゼンチンババア』のあらすじ【承】
父は、そのうちに帰ってくると、放っておくことにするみつこ。みつこは、夜、向井に缶コーヒーを差し入れようと回生堂へ行く。しかし、向井と女が話しているのを目撃してしまい、こっそり帰るのだった。
涌井悟の妹の早苗とその息子は、悟に会いにユリの屋敷へ行く。曼荼羅を作っている悟は、真ん中にユリを入れると言うのだった。早苗は、みつこにはこのことは報告できないと思う。しかし、早苗は事の顛末を自分のバーで、町の人たち話すのだった。それを立ち聞きしてしまうみつこ。バーの入り口にカバンを忘れて家に帰り、パン生地をこね、パンを焼く。みつこは、今度こそ負けずに、父を引き取りに行くとユリの屋敷へ向かう。しかし、抱き合う二人を見てしまい、やはり逃げ帰るのだった。
早苗は、悟に仕事をさせれば帰ってくるだろうと策略する。良子の墓石を掘ったら、きっと帰ってくると御影石をユリの屋敷へ運び込む。みつこは、ふと父は母の戒名を知らないはずだと気づき、母の位牌を持って屋敷へ向かう。着くと、父は運び込まれた御影石を埋めようとしているところだった。呆然とするみつこに、ユリは悟が母の死を受け入れられずにいると話す。「待ってあげて」とみつこにユリは言う。みつこは、御影石を台車に乗せて、自宅に帰るのだった。
映画『アルゼンチンババア』のあらすじ【転】
翌朝、みつこの所に、早苗が訪ねてくる。みつこの家に御影石があるのを見た早苗は、ユリの屋敷へ向かう。屋敷では、近所の子のいたずらで、小火が起こっていた。何とか火を消し止め、みんなで話し合っていると、ユリが体調を悪くし、倒れてしまう。病院に担ぎ込まれたユリは、妊娠4ヶ月だった。悟は、自分も育てるとユリに言うが、みつこの父親にもなれていないあなたが新しい命の父にはなれない、だから家に帰れと言われてしまうのだった。
悟は、家に帰ってくる。しかし、良子の骨壷とみつこが消えていた。悟は、みつこが持って帰ってきた御影石を使って暮石を掘り始める。そして、掘りあげたものを車に積んで、走り出すのだった。
みつこは、かつて家族で訪れた海沿いの宿で働いていた。そこに現れる父、悟。みつこに謝罪し、ユリとの関係について話す。ユリに助けられたこと、逃げてばっかりだったことをみつこに伝える。母は父に「私のお墓作ってね」と言っていた。しかし、悟にとっては、そんなものを作ったら、本当に良子が死んでしまうようで作れなかったのだ。また、みつこも母の臨終に立ち会った際に、もういいと思ってしまったことを父に話す。自分が母と殺したように感じていて、辛かったと告白するのだった。
映画『アルゼンチンババア』の結末・ラスト(ネタバレ)
悟は良子のためにイルカの墓石を掘っていた。その墓石を積んで、ボートで海に出る悟とみつこ。海上に本物のイルカを見つけて、みつこは立ち上がる。その瞬間、ボートはバランスを崩し、二人は墓石ごと海に落ちてしまう。海中で暮石を掴んでいた二人だったが、母に「さよなら」を言い、墓石を海の底に沈めるのだった。
ユリの入院している病院に行く、みつこと悟、そして早苗と信一。ユリは、危険を承知で出産をしようとしていた。みつこは、ユリに今度蜂蜜の取り方を教えて欲しいと伝える。「良いわ」とユリは優しく答える。そして、ユリは男の子を出産する。しかし、ユリは帰らぬ人となってしまうのだった。
みつこと悟、そして産まれた子は、ユリの住んでいた屋敷で暮らすようになる。町の人は、父のことをアルゼンチンジジイと呼んでいる。みつこは、ユリの言葉を思い出す。「人と人とが愛し合うことはキラキラ輝いて、神様だって魅了してしまう。空の上からちゃんと見ててあげる」そして、空を見上げるみつこ。いつしかみつこは、思い出のユリとタンゴを踊るのだった。そして、ユリと母のことを、空に向かって呼びかけるのだった。
映画『アルゼンチンババア』の感想・評価・レビュー
原作はよしもとばななの小説。ストーリーは全く知りませんが『アルゼンチンババア』というタイトルに惹かれて鑑賞です。アルゼンチンタンゴが好きな女性だから「アルゼンチンババア」。安易な呼び方に聞こえますが、見た目にも性格にも「ババア」と付けられてしまうような理由がありました。
妻を亡くした男とその娘。妻を亡くしたショックで逃げ出してしまう父をよそに、気丈に葬儀を執り行う娘。こういう時本当に男の人って頼りにならないというか…私の父もきっとこうなってしまうのでは無いかと、妙に親近感を感じてしまいました。(女性 30代)
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