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映画『レナードの朝』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『レナードの朝』の概要:全身が硬直する難病の治療法を発見した医師と、数十年振りに人生を取り戻した患者たちの実話をもとにした感動作。彼らの闘病の先に待っていたものとは……?ロバート・デ・ニーロ&ロビン・ウィリアムズ、名優2人のW主演にも注目。

映画『レナードの朝』の作品情報

レナードの朝

製作年:1990年
上映時間:120分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ペニー・マーシャル
キャスト:ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムズ、ジュリー・カヴナー、ルース・ネルソン etc

映画『レナードの朝』の登場人物(キャスト)

レナード・ロウ(ロバート・デ・ニーロ)
ベインブリッジ病院の患者。11歳の時に嗜眠性脳炎という難病を発症、けいれんで思うように体が動かなくなる。20歳から今までの30年間、体が硬直し抜け殻のような状態。
マルコム・セイヤー医師(ロビン・ウィリアムズ)
ベインブリッジ病院に赴任してきた医師。実験的な治療法を試し、嗜眠性脳炎を直そうと奮闘する。人間は好きだが人と接するのが苦手で、研究ばかりしてきた。
エレノア・コステロ(ジュリー・カブナー)
ベインブリッジ病院に勤めている看護師。嗜眠性脳炎患者の治療に熱心に取り組むセイヤー医師に共感し、サポートする。
ロウ夫人(ルース・ネルソン)
レナードの母親。30年間眠り続けるレナードを、かいがいしく世話してきた。
カウフマン医師(ジョン・ハード)
ベインブリッジ病院の医師。セイヤー医師の熱意に押され、レナードへの臨床実験を許可する。
ポーラ(ペネロープ・アン・ミラー)
父親がベインブリッジ病院に入院している。聞こえているのかもわからないまま、ひんぱんに見舞いに来て野球ニュースを読んであげている。

映画『レナードの朝』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『レナードの朝』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『レナードの朝』のあらすじ【起】

1969年アメリカのブロンクス。マルコム・セイヤー医師が、ベインブリッジ病院の神経科に職を求めてやってきた。研究職としてではなく医者としての採用だと知り、帰ろうとするセイヤー医師を、人手不足の病院側はなんとか採用する。ここは慢性神経症患者専門の病院で、治療の見込みのない者ばかりが入院していた。人が苦手なセイヤー医師に、看護師のエレノアはすぐに慣れると励ます。

ベインブリッジ病院に新しい患者がやってきた。何十年も動くことも反応を示すこともないままだったルーシーという女性だ。しかし、セイヤー医師がカルテを書いている間に、ルーシーが落ちた眼鏡をつかんでいた。驚いたセイヤー医師は、彼女が眼鏡やボールを受け取ることができることに気づく。セイヤー医師は、同じような症状の患者数名が、1920年代に嗜眠性脳炎という流行病にかかっていたことを知る。嗜眠性脳炎の患者たちはその後遺症で神経障害が現れ、動きも反応もない抜け殻のような状態になっていたのだ。専門家は患者の意識も死んでしまっていると言っていたが、セイヤー医師はそれに同意できなかった。事実、ルーシーと同じ症状のレナードという患者は、名前を呼ばれると脳波が跳ね上がったのだ。

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映画『レナードの朝』のあらすじ【承】

セイヤー医師は嗜眠性脳炎が原因と思われる患者15名を集め、調査を始める。彼らはそれぞれ、特定の音楽や他人とのふれあいに体が反応し、一時的に動くことができるとわかった。セイヤー医師はパーキンソン病の新薬「L-ドーパ」がこの病気にも有効なのではと思い付く。彼の必死の頼み込みにより、カウフマン医師は1人だけ臨床実験を許す。セイヤー医師はレナード・ロウの母親を説得し、臨床実験を開始した。

L-ドーパを投薬した夜、セイヤー医師が目覚めると、なんとレナードがベッドから起き上がり、自分の名前を書いていた。奇跡的な目覚めに、ロウ夫人も病院のスタッフたちも心から喜ぶ。レナードも時の流れにショックを受けながらも、30年振りに取り戻した人生を誰よりも喜んでいた。レナードはセイヤー医師の付き添いで街へ出かけ、外の世界を満喫する。「女性との接し方がわからない」と言うセイヤー医師に、レナードはエレノアがセイヤー医師の事を「人への愛にあふれている」とほめていたと教える。

映画『レナードの朝』のあらすじ【転】

スタッフたちの協力や支援者たちの寄付のもと、他の患者への投薬が始まり、15名の患者全員が目覚める。それは奇跡のような光景だった。一気ににぎやかになった病棟に、1人の女性が現れレナードは一目ぼれする。彼女はポーラ。ベインブリッジ病院に入院している父親の見舞いに来ていた。目覚めた患者たちを連れて、セイヤー医師らは街に出かけることにする。しかしポーラが気になるレナードは、1人病院に残り彼女に声をかける。2人は話がはずみ、仲良くなっていった。

ポーラに恋をしたレナードは、だんだん「自由に外に出たい」という願望を持つようになっていた。しかし安全面から病院にそれを拒否され、レナードは怒りを爆発させる。レナードの変わりようにロウ夫人は動揺する。彼女にとってレナードは、女性になど興味がなく、おとなしい少年だったのだ。レナードはストライキを始めたが、同時にけいれんの症状も再発し始めていた。薬が効かなくなってきていたのだ。心配するセイヤー医師に、レナードはついに助けを求める。

映画『レナードの朝』の結末・ラスト(ネタバレ)

レナードには薬の効果が出なくなっていた。レナードは他の患者に心がまえをさせ、薬の効果を研究させるために、自分を実験台にしてくれるよう申し出る。けいれんは日に日にひどくなっていき、突然動きが停止することもあった。日常生活や、趣味の読書も難しくなっていった。ロウ夫人はもうやめてくれと懇願する。だがセイヤー医師はレナードの意思を尊重して投薬を続行、彼の様子に心を痛めながら、逐一記録していく。病状が悪化し、ついにレナードはポーラに別れを告げる。最後に2人でダンスを踊り、ポーラは病院から去った。

ある日、レナードは自分の名前を書こうとした状態のまま、完全に動きを止めてしまう。“目覚め”の前の状態に戻ってしまったのだ。セイヤー医師は命を与えまた奪ってしまった自分の行動を責めるが、エレノアが彼を慰める。奇跡の夏が終わり、他の患者たちも同様に元の状態に戻ってしまった。レナードから人生の大切さを教えられたセイヤー医師は、一念発起、エレノアをお茶に誘う。

セイヤー医師たちは今でも新薬を試して治療を続けているが、1969年のような奇跡はいまだ起きていないという。

映画『レナードの朝』の感想・評価・レビュー

まさにロバート・デ・ニーロという役者の実力を魅せる作品である。

徹底した役作りをするデ・ニーロが研究して作り上げたレナードという人物は、演じているというよりは「本当にいる」感覚を与えてくれます。

なぜなら、レナードの行動はすべて説得力を持っていて、彼が目覚めた朝、そこから自由を楽しんでいく姿は微笑ましいモノがあります。

しかし、迫ってくるとタイムリミットに焦っていく彼の姿もまた痛々しかった。

その傍らにいるセイヤー医師を演じたロビン・ウィリアムズも素晴らしい。
あのデ・ニーロと共演しても引けを取らない存在感と良かれと思ってやった事が、結果的に患者たちを追い詰めていく状況に苦悩する姿もまた悲しくなります。

レナードが目覚めたのは彼にとって良かったのか、悪かったのか、考えさせる作品です。(男性 30代)


観た後に実話を基に制作された作品だと知ったのは、衝撃的でした。こんな奇跡が本当にあったと思うと、希望を持ち続ける事の大切さを思い知らされます。それと同時に、葛藤する医師の辛い心境も伝わってきます。
印象的なシーンは、ダンスのところです。
曲も相まって温かい気持ちになれました。
今思えば、ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズの共演というこれも奇跡のキャスティングと言えるでしょう。亡きロビン・ウィリアムズのあの優しい瞳はずっと忘れません。(女性 20代)


この作品にもっと早く出会うべきでした。レナードが目覚めた瞬間は希望に満ちていて、これだけでも感動的です。ですがここから…万能薬はそうそうあるものではありません。30年の眠りを経て目覚めた時間は瞬きほど。また眠りにつくことがどれだけの絶望か、恋に落ちてしまったことがどれだけ苦しかったか。そして優しさに包まれたダンスシーン、儚げな音楽と共に…泣きました。心に刻まれたシーンでした。

実話をもとにした傑作です。現代の医学の発展はこのような人々の努力と、真摯な思いによることを忘れてはいけません。(男性 20代)


何かと素晴らしい。
実話を基にしてはいつつも普遍的に訴えるものをいくつも持ち、長さも密度も程よい。そして何より演者達の熱演が心を打つ。医師役のロビン・ウィリアムスの医師として以外の部分の人としての揺らぎの表現や、それが演技であることを忘れさせてしまう患者役のロバート・デ・ニーロの症状の変化の表現を始め、あらためて役者さんってすごいなと思う。
色々な感情移入ポイントがあり、何十年にも渡って何度も見返しているが飽きることがない。(男性 40代)


ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズの共演というだけで観る価値はあると思う。特に、目が覚めたら突然30年もの年月が経っており、身体だけが大人になってしまったレナードという難しい役どころを、ロバート・デ・ニーロがしっかりと形にしていたのは流石だなと思った。
物語は決してハッピーエンドではないが、セイヤーとレナードの間に芽生えた絆や、絶望に面しながらも必死に生きようとするレナードの覚悟、そしてそんな二人をそっと見守るエレノアの存在など人間ドラマは非常に光っていた。セイヤーがエレノアをお茶に誘うラストシーンがとても良かった。(女性 30代)

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