映画『バーフバリ 王の凱旋』の概要:『バーフバリ 伝説誕生』の続編。古代インドを舞台に王位継承権を巡る争いを描いた作品。亡命した王族の王子であることを知った主人公が、横暴な現王へと戦いを挑む。インド映画らしく煌びやかな衣装とダンスや歌を交え、神がかった演出とアクションが魅力。
映画『バーフバリ 王の凱旋』の作品情報
上映時間:141分
ジャンル:アクション、アドベンチャー
監督:S・S・ラージャマウリ
キャスト:プラバース、ラーナー・ダッグバーティ、アヌシュカ・シェッティ、ラムヤ・クリシュナ etc
映画『バーフバリ 王の凱旋』の登場人物(キャスト)
- マヘンドラ・バーフバリ / アマレンドラ・バーフバリ(プラバース)
- 全てにおいて王としての資質を兼ね備えたアマレンドラを父親に持つ。国の下流にある村で拾われ育てられるが、滝の上の国へ旅に出て恋人と共に囚われの王妃を助けるも、実は王妃が実母であり自分がマヒシュマティ王国の王族であることを知る。
- バラーラデーヴァ(ラーナー・ダッグバーティ)
- シヴァガミの息子。次期王としてアマレンドラと競い合うも負けてしまう。非情で冷酷。アマレンドラとは義理の兄弟で兄だが、全てにおいてアマレンドラに負けているため、憎んでいる。
- デーヴァセーナ(アヌシュカ・シェッティ)
- アマレンドラ・バーフバリの妻であり、マヘンドラの実母。美しく勇ましい女性で気が強く賢い。弓矢が得意でクンタラ王国の王女。
- カッタッパ(サティヤラージ)
- アマレンドラの父親の時代から王国に仕える忠実な戦士であり、アマレンドラを鍛えた人物で将軍。アマレンドラの父親のような存在。
- シヴァガミ(ラムヤ・クリシュナ)
- マヒシュマティ王国の実質支配者で国母。全てにおいて秀でており情の深いバーフバリを次期王として指名する。深い愛情を持ちつつも、国の施政者として非情な面も持つ。
映画『バーフバリ 王の凱旋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『バーフバリ 王の凱旋』のあらすじ【起】
古代インド。マヒシュマティ王国の王子であるアマレンドラ・バーフバリとバラーラデーヴァは次期王の座を賭け、東の蛮族との戦に勝利。国母シヴァガミは慈悲深く勇猛な戦士であるアマレンドラ・バーフバリを次期王へと指名した。
国難が去った後、シヴァガミは悪魔祓いの火の儀式を行う。火鉢を頭に乗せ、裸足でシヴァ寺院へと参詣するのである。これは王家の妻が行うものであり、歩みを止めてはならない決まりであった。バーフバリの機転によりトラブルは回避され、シヴァガミは無事に儀式を終えことができる。バーフバリは国民からも英雄として慕われ、次期王としても望まれる存在であった。
そんな折、シヴァガミはバーフバリに諸国への旅を勧める。王子は忠臣のカッタッパと共に北のクンタラ王国へ行くことにした。
クンタラ王国の村へと差し掛かると、そこで賊に襲われる貴族の一団を発見。バーフバリは輿に乗っていたクンタラ王国の王女デーヴァセーナに一目惚れしてしまう。身分を隠して手助けに入ったバーフバリは、彼女の従兄に下働きとして雇ってもらうことに成功。
デーヴァセーナは美しく勇猛果敢な王女であった。彼女に対し巧みにモーションをかけるバーフバリ。
同じ頃、バーフバリの動向を探っていたバラーラデーヴァは、デーヴァセーナの姿絵に一目惚れし妻に欲しいとシヴァガミに頼み込む。国母は実の息子が次期王になれず、気の毒に思っていたので要望を飲むことにした。しかし、デーヴァセーナは貢物だけを寄越し、妻に来いというシヴァガミのやり方に反感を覚える。王女の拒否に腹を立てた国母は、バーフバリへ彼女を連行しろと命を出すのだった。
その頃、クンタラ王国の王宮に賊が侵入。窮地を救ったのはバーフバリである。彼は英雄と称えられデーヴァセーナに認められるも、国からの命令にて身分を明かすことになり、妻として彼女を国へ連れて帰ることにした。
映画『バーフバリ 王の凱旋』のあらすじ【承】
しかし、帰国後にデーヴァセーナを国母の前へ連れて来るも、実はバラーラデーヴァの妻として王女を連行して来いという意味だったことが判明。
バーフバリはデーヴァセーナに対しすでに一生の誓いを立てていたため、シヴァガミの教えには従うことをせず王座を捨てて妻との誓いを守ることにする。
腹を立てたシヴァガミはその場でバラーラデーヴァに王座を与えることにし、バーフバリを国軍最高司令官の座へ就かせることを宣言。
ほどなくして即位式が行われたが、王よりもバーフバリの方がより国民からの歓声が高く、国を揺るがすほどであった。王として即位したはずのバラーラデーヴァは、更に義弟へと憎悪を募らせる。
その後、時を置かずにバーフバリはデーヴァセーナと結婚。しばらくの後に懐妊の知らせが王宮に広がる。孫ができればシヴァガミも許してくれると思っていたバーフバリ。しかし、祝いの席にてバラーラデーヴァから国軍最高司令官の任を下りるよう命令が下されてしまう。それに黙っていないのは妻のデーヴァセーナである。彼女は国母を罵った上、王座を取り戻せとバーフバリに告げるのであった。
後日、出産の祈りを捧げるため、シヴァ寺院を参詣したデーヴァセーナ。寺院の入り口でバーフバリの代わりに最高司令官へと就いた男が女性の身体を撫でまわすのを目にし、男の指をナイフで切り取ってしまう。そのせいで彼女は捕らえられることになり、詳細に調査することもなく裁こうとするバラーラデーヴァに強く反論。そこへ姿を現したバーフバリ。彼は妻に事の次第を聞き、最高司令官の男の首を一刀両断。正義がどこにあるかを示した。
映画『バーフバリ 王の凱旋』のあらすじ【転】
そのためにシヴァガミの怒りは沸点へと達し、バーフバリ夫妻は謀反の疑いにて、国外追放を課せられてしまう。バーフバリはシヴァガミから与えられた宝剣を返還し、国外の村へ平民として移住することになる。
平民として村人たちと過ごす夫妻だったが、バーフバリはどこにいてもバーフバリである。彼がいる場所には自然と人が集まり村は次第に栄えていく。
その姿を逐一、監視していたバラーラデーヴァは、やはり義弟を生かしてはおけないと危機感を募らせ、策を講じることにした。
村祭りの夜、誘き出されたデーヴァセーナの従兄は、バラーラデーヴァの父親の甘言に乗せられ王の暗殺を引き受ける。父親の手引きでバラーラデーヴァの寝室へ侵入した従兄だったが、寝台に王の姿はなく大勢の兵に囲まれてしまう。奴らは純粋な従兄を騙し討ちにし、バーフバリが国王暗殺を企んだとシヴァガミへ吹き込んだ。それを聞いたシヴァガミは、とうとうバーフバリの暗殺を決心。しかも、その命令をカッタッパに下すのである。
奇しくもデーヴァセーナが出産の時を迎えようとしていた。バーフバリの元へカッタッパが謀反の罪で死刑にされるという知らせが届く。彼は妻へ必ずカッタッパを助けると誓い、処刑場へと向かった。
腹心はすぐに見つかり助けることができたが、無数の矢がバーフバリへと降り注ぎカッタッパを庇った彼は背中に無数の傷を負ってしまう。襲撃者は東の蛮族であった。恐らく、バラーラデーヴァが手はずを整えたに違いない。バーフバリは満身創痍になりながらも、必死に腹心を助けようとする。
映画『バーフバリ 王の凱旋』の結末・ラスト(ネタバレ)
東の蛮族と戦うバーフバリ。そこへ天から雷が落ち、辺りへと炎が舞い上がる。カッタッパは加勢しつつも血塗られた剣を見つめ、バーフバリを背後から突き刺すのだった。
王家に忠誠を誓う奴隷でもあるカッタッパは、命に背くことができない。王子は死の淵で母を頼むと言葉を残し、まるで王者のように座し息を引き取るのである。カッタッパは頭を垂れ、その姿を看取るのだった。
その後、老兵はバーフバリの血に濡れた両手をシヴァガミへ見せ、彼女の罪を指摘。彼がバーフバリの遺言を告げると、シヴァガミはようやく自分の罪を認めて涙を流した。そこへ、デーヴァセーナが赤子を連れて王宮へやって来る。彼女は夫の死に脱力。シヴァガミはデーヴァセーナへ深く謝罪し、赤子を新たな王としてマヘンドラ・バーフバリと名付けるのであった。だが、それを認めないバラーラデーヴァが兵を招集し、マヘンドラを殺そうとする。シヴァガミは赤子を抱いて王宮から逃亡。
その後、デーヴァセーナは王宮へ囚われの身となり、シヴァガミは国の遥か下流まで逃亡し命を懸けて赤子を助けた。マヘンドラは下流の村で拾われ育てられる。
それから25年後、マヘンドラ・バーフバリは実母を助け、英雄であった父親の話をカッタッパから聞かされたのであった。
真の王として立ち上がったマヘンドラは、無数の民から力を得て現王バラーラデーヴァへと戦いを挑んだ。王国対反乱軍の戦闘開始である。しかし戦闘の最中、バラーラデーヴァに実母を攫われてしまう。城門の橋が上げられてしまったため、バーフバリは策を弄して上空から中へ突入し、跳ね橋を破壊して味方を中へ引き入れた。
デーヴァセーナは助けられた後、火の願掛けを行いバラーラデーヴァの死を祈願。進行を開始する。その間、マヘンドラはバラーラデーヴァと対峙し、激しい戦いを展開した。
火鉢を頭に乗せたデーヴァセーナは歩みを止めることなく、進み続ける。そんな彼女のためにマヘンドラは叔父の巨大な黄金像を倒して道を造った。母は無事に川を渡り祈願を続ける。
怒りに燃えた叔父は甥を追い詰めることに成功するも、バーフバリは気持ちを新たにし、闘争本能を掻き立てる。彼は両手に鎖を巻き付け叔父と再び対峙。空には次第に暗雲が立ち込め、自在に鎖を操るマヘンドラが叔父を投げつけた。そこは25年間、デーヴァセーナが恨みを込めて奴の墓とするため、小枝を集めた場所である。そこへ火鉢を乗せた母が到着。祈願は成就しバラーラデーヴァは炎に巻かれ苦悶の悲鳴を上げながら、息絶えるのであった。
その後、マヘンドラ・バーフバリはマヒシュマティ王国の王へと即位。デーヴァセーナは国母シヴァガミとなるのであった。
映画『バーフバリ 王の凱旋』の感想・評価・レビュー
本編中かなりの尺が回想シーンに割かれているが、次々と解き明かされていく前作での謎、物語冒頭へと繋がってゆく王家崩壊の真実は非常に面白く、見応えがあった。特に、前作冒頭、命懸けで赤ん坊を守ったあの女性こそが、シヴァガミ本人だったと気付いた瞬間は、もの凄く感動した。
個人的にはバーフバリの弟に少し同情してしまう部分もあったので、最後の最後まで兄弟が和解出来なかったのは少し残念だったが、物語自体はとても面白かった。(女性 30代)
ラストまで観終えてすぐ、始めからもう一度観たいと強く思いました。前編からの面白さに加え、衝撃の真実が次々と明らかになる後編、作品冒頭のシーンの意味が理解できた時、劇場で声が漏れそうになりました。
ストーリーとしては勧善懲悪もので良くあるものに感じるが、俳優さんはじめ、脚本や演出など様々な奇跡が重なって、定番が爆発的におもしろくなっています。予告で”映画の神”という言葉が使われているが、その特大ハードルを軽々超えてきました。
「王を称えよ!」と誰もが叫びたくなる、観た人の心が文字通りひとつに、やみつきになってしまう強烈な作品でした。(女性 20代)
見終わって、最初に思ったことは「また1を見なきゃ」だ。それくらいこのバーフバリの世界に浸りきっていた。
確かに、攻城戦で投石器の岩と一緒に人間が飛び込んでいくところなど、物理法則を無視したアクションシーンがあるが、それは些末な問題だ。何故なら大体のシーンであり得ない動きをしているからだ。これはそういう映画で、浸りきらなければ損。
その一方で、バーフバリの父とカッタッパとの関係に意外なほどしんみりさせられるなど、人間ドラマでも魅せてくれる一本で何度でも美味しい娯楽映画だ。(男性 30代)
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前作 バーフバリ 伝説誕生
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