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映画『ベイビーブラザー』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『ベイビーブラザー』の概要:父親が異なる腹違いの3兄弟が安住の地を求めて旅に出る物語。道中立ちはだかる壁で、「家族」と過ごす難しさを描く。映画『メイズ・ランナー』シリーズで脚光を浴びたトーマス・サングスターが主演。静かながら兄弟愛に溢れた一作。

映画『ベイビーブラザー』の作品情報

ベイビーブラザー

製作年:2010年
上映時間:85分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:マーク・ミュンデン
キャスト:トーマス・ブローディ・サングスター、アーロン・テイラー、ミシェル・アサンテ、マンディープ・ディロン etc

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映画『ベイビーブラザー』の登場人物(キャスト)

ケイシー(トーマス・ブローディ・サングスター)
三人兄弟の次男。母からの遺産を受け取る権利を唯一与えられていた。父親の存在を頼りに、「家族」で暮らすことを夢見て行動に出る。
兄(アーロン・テイラー)
母に見捨てられ、「家族」に対して夢など抱かず厳しい現実と一人で闘ってきた。母の死後、弟が相続した遺産目当てで、父探しの旅に同行する。

映画『ベイビーブラザー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ベイビーブラザー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ベイビーブラザー』のあらすじ【起】

寂びれた工場の前に置き去りにされた赤ん坊。今にも泣きだしそうなその赤ん坊を抱きかかえ、段ボールを敷いてあげる一人の少年がいた。その少年はロッカーに詰め込んだ大金を見つめていた。

警察に尋問される青年。先ほどの少年が実は生後10か月の弟を里親の元から誘拐したと聞かされていた。青年は列車で向かいに座った男性の身の上話を聞いていた。迷彩服を着たその男性は、祖父が残してくれた小屋があるが誰も使っていないため、困ったら使っていいと住所を教えてくれた。

そんな中少年はテントで弟と夜を明かそうとしていた。野犬の影に怯える少年の元へやってきたのは、先ほどまで列車に乗っていた青年だった。彼は少年・ケイシーの腹違いの兄であった。亡くなった母親の遺産目当てで弟のケイシーを探していたが、金に釣られ共にケイシーの父親がいるであろうインバネスに向かうことにした。こうして、3人兄弟の逃避行が始まった。

愛嬌溢れる赤ん坊に興味を持ち始める長男。3兄弟が乗っている電車に大声で話す女性の2人組が乗り合わせた。嫌でも聞こえてくる話から、2人も何かから逃げているということが分かった。会話の流れから、彼女たちがこれからしようとしている「仕事」を手伝うことになった3兄弟。当初兄は一人で参加しようとしたが、せっかく再会した家族と離れたくないケイシーはついていくのだった。

映画『ベイビーブラザー』のあらすじ【承】

仕事先はとある一軒家。そこは薬物の売人をする男の家であり、あきらかに危険な雰囲気が漂っている。嫌な予感がした兄は、家主が帰宅する寸前に、窓から脱走を図った。何とか全員で逃げ切った3兄弟と2人の女性。教会へと逃げ込み成功報酬を分け合うのだった。

翌朝、女性たちとは駅で別れることにした。3兄弟は即座にバスに乗り込むが、外には警察が張り込んでいた。すでにケイシーが誘拐したという事実は事件として知れ渡っていたのである。別のバスに乗り込んでいた女性は兄弟の異変に気付く。すぐさま救いの手を差し伸べるべく、自分が乗っているバスへ呼び寄せ警察の目を逸らさせるのであった。何とか逃げ切った3兄弟だったが追われている身であることには変わりはない。助けてくれた女性・ヴェニーシャの助言もあり、携帯を捨て新たな住処を探しに向かうことにした。

早速資金作りのため、見知らぬ家に盗みに入り売りさばいた3兄弟とヴェニーシャ。ケイシーの強い希望で少しでも早く兄弟揃って生活できる環境へ向かうべく、兄が列車で教えてもらった小屋へ向かうことにした。広大な自然の中を抜け、森の奥にぽつんと立つ小屋。決してきれいな空間ではないものの、住むには充分であった。

実はクモが苦手な兄。ヴェニーシャも同じくクモが苦手で、二人は小さな共通点から少しずつ距離を近づけ始めていた。無口な兄に趣味のネイルケアを施してあげるヴェニーシャ。その頃ケイシーは弟を背負いながら、森の中を散策していた。その夜、ビールを飲みながら談笑していると、列車で小屋のことを教えてくれた男性がやってくる。自分が小屋を使っていいと話したことは忘れているようで、泥棒だと思い襲いかかってきたのである。兄と男性が取っ組み合いになる物音で、泣きだしてしまった弟。男性は赤ん坊の存在に気づき小屋を出ていった。

ヴェニーシャは気を紛らわせようとケイシーにチョコレートを食べさせた。「ケンカをしたときは、チョコレートを食べて仲直りするの」と言葉を添えて。男性のあとを追った兄は、事情をすべて話した。実は男性は妻に逃げられ、愛する娘を連れていかれてしまったのだという。自棄になっていた男性だったが、弟の姿を見て3兄弟に小屋を提供してくれることに心変わるのであった。

ひと段落ついた夜、ヴェニーシャは、守ってくれたお礼を兄に伝えた。素直ではない兄は、お金のために兄弟を守っていると強がるが、ヴェニーシャの前では素直に気持ちを話すようになっていたのである。ケイシーが幼いころの思い出話をヴェニーシャに聞かせ、目が合ったときに思わず二人はキスをするのであった。

映画『ベイビーブラザー』のあらすじ【転】

朝、目が覚めた兄は外で眠っているはずの男性の元へ向かう。彼は3兄弟とヴェニーシャを気にかけ関わらずにいてくれたのである。男性に感謝を伝えるため、探しに行くと川で顔を洗っていた。二人はおもむろに歩き始め、男性はこれからの生活について楽しそうに話すのである。娘の話をしながら足取り軽く山道から道路に向かった男性だったが、運悪くトラックに惹かれてしまう。一瞬の出来事に動揺を隠せない兄は、ケイシーたちを呼び、どうすべきか相談した。警察に通報されると、自分達が捕まってしまう恐怖から小屋を提供してくれた男性を見殺しにすることしかできない兄。兄弟が置かれている環境を察したヴェニーシャは離れる決意をし、古い携帯を兄に与え小屋を離れた。

ケイシーは呆気なく人が死ぬことを受け止めきれずにその場にたたずんでいた。せめて男性を埋めようと提案するケイシーを止める兄。母親の葬儀に兄が出席しなかったことを実は気にしていたケイシーは、兄が「死」に対して興味がないのだと呆れ、感情をぶつけてしまう。すると、兄は母親から「二度と顔を見せるな」と金で解決する提案をされていたことを、ケイシーに告白した。自分の知らない母の一面に冷静さを取り戻したケイシー。二人は、おもむろに男性を埋めに山へと登っていくのであった。

二人は小屋へ戻り、互いに髪の毛を剃りあった。見た目を変え逃げ切る決意が固まった瞬間である。小屋を離れ、改めて父のいる街を目指す3兄弟。道中寄った商店で、ケイシーが殺処分前の羊を拾ってきてしまった。ヒッチハイクして父の元を目指すのに邪魔になると、ケイシーを見放す兄だったが、通りかかった牧場主の男性が羊連れのヒッチハイクに興味を持ち途中まで乗せていってくれることになった。男性と別れ、山の中で羊の群れを見つけたケイシーは喜び、羊を自然へと還した。

映画『ベイビーブラザー』の結末・ラスト(ネタバレ)

街へ出た二人。食事をしていると現れたのはヴェニーシャである。母が残した遺産を銀行から引き出した兄弟たち。そして兄は、ケイシーが探し求めていた父親の元へと向かった。ケイシーを引き取る気などない父親は金で解決しようとするが、兄は「あなたは死んだことにする」とだけ伝えその場を離れた。

ケイシーに「父親は死んでいた」と嘘を伝えた兄。ケイシーはただひたすらに「家族で暮らしたい」と願いを繰り返すのであった。その真っすぐな気持ちに心打たれ、自分が弟2人を引き取ろうと思い始めた兄。そんな揺れる気持ちを察したヴェニーシャは現実を突きつけるのである。

その夜、3兄弟とヴェニーシャは遊園地へと向かった。ヴェニーシャの提案で、その遊園地にケイシーと弟を置き去る予定であった。しかし、完全に兄弟へ情が移った兄はヴェニーシャの気持ちを断りケイシーたちの元へと戻るのである。兄の裏切りを許せないヴェニーシャはベッドに隠していた母の遺産をすべて盗んでしまった。落ち込む二人をさらに弟の異変が襲いかかる。実はコーヒーカップから降りるときに、頭をぶつけていたのである。呼吸がおかしい弟の様子を心配し病院へ連れて行った兄とケイシーだったが、警察に誘拐した赤ん坊であると密告されてしまい引き離されてしまった。

その頃、ヴェニーシャは盗んだ遺産を両替しようとしていた。しかし、そのお金は正規の物ではなくただの紙切れであった。愛する男に裏切られ、お金にも裏切られたヴェニーシャ。
紙切れと化したお金を、橋の上から、まき散らすのであった。

ケイシーと弟と引き離された兄は、なんとか仕事を探すからケイシーを引き取りたいと申し出るが、行政の判断はそう甘く無かった。必ず迎えに来ると誓い、兄はケイシーの元を離れた。

映画『ベイビーブラザー』の感想・評価・レビュー

静かながら、現実問題に対して相当な熱量でぶつかっている作品であった。エンドロールの短さがまた物語の余韻を深めてくれたように感じる。言葉数は多くないうえに、登場人物も大変少ない。一度見えかけた希望の光は、まるで夢だったかのように瞬時にして消えた。
「チョコレート」を使って緩和する人間関係のギクシャクしたズレは、現実に溢れているような小さなことである。決してきれいな物語に留まらない、ほろ苦さは考えたいときにいい刺激であった。(MIHOシネマ編集部)


里親の下から赤ん坊(弟)を誘拐し、親探しをする兄弟の記録です。金目当ての親探しから、兄弟に絆が芽生え深まっていく展開に思わず感情移入して観てしまいました。その為、淡々と押し寄せるリアルが辛かったです。父親に暮らすことを断られ、ケイシーには父が亡くなったと嘘をつく場面には心が締め付けられました。最後はまさかの未成年の壁。この子たちの未来は…と考えている内に暗転しエンドロール。この余韻をどう処理したら良いのか分かりません。(男性 20代)

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