映画『プレッピー・コネクション』の概要:奨学生として上流階級の生徒が集う名門校に入学した少年が、好きな同級生のために麻薬の手配に手を染める様子を描く。1980年代初頭、実話に基づいた日本未公開映画。
映画『プレッピー・コネクション』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:ジョセフ・カステロ
キャスト:トーマス・マン、ルーシー・フライ、ローガン・ハフマン、サム・ペイジ etc
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映画『プレッピー・コネクション』の登場人物(キャスト)
- トビアス・ハメル(トーマス・マン)
- 高校進学を機に、生活水準の違う同級生たちと同等に過ごすための手段として「麻薬」を扱い始めてしまった少年。大人しい性格が少しずつ変化していく。
- アレクシス・ヘイズ(ルーシー・フライ)
- 綺麗なブロンドヘアの少女。同級生のエリスと付き合っており、トビアスが麻薬売買に手を染めるきっかけを作った存在。変わりゆくトビアスを心配しながら見守っていた。
- フィデル(ギジェルモ・アリバス)
- 入学式で唯一トビアスに話しかけてくれた存在。大使の父を持ち、トビアスが初めてコロンビアに渡航する手助けをする。
- エリス・タインズ(ローガン・ハフマン)
- トビアスの同級生の中でリーダー格の存在。いじめの発案者であり、コカインの存在をトビアスに教えてしまった人物。
映画『プレッピー・コネクション』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『プレッピー・コネクション』のあらすじ【起】
ベルリンの壁崩壊と同時に全てを失った一家の生活は一変し、母親は空想の世界に閉じこもってしまった。17歳になったトビアスは母の希望で「セージ・ホール」という名門校へ入学した。もちろん金銭的に余裕がないため、奨学金を得て入学をするのである。生活水準が大きく異なる同級生たちからのいじめは壮絶で、暴力は精神を蝕んでいく。
唯一、支えてくれる存在のフィデルは富裕層の学生たちに溶け込む術を教えてくれた。目立たないように生活するトビアスにつけられたニックネームは「フリッパー」。さらに過去は変えられず、環境が異なる幼馴染のデニスと一緒に居るところを見られてしまった。そんなとき、同級生のアレクシスが話しかけてくる。トビアスがつけっぱなしにしていたシャツのタグを取ってくれたアレクシスに好意を抱くトビアスだったが、アレクシスの用事は「マリファナ」であった。そんなものを持っているはずもないトビアスだったが、上流階級の生徒たちに溶け込むための手段として、麻薬を入手することを決意したのである。
その夜、街中を車で走り回り麻薬の売人を探したトビアス。運よく手に入れられたトビアスは早速、アレクシスに渡し上流階級の生徒たちと共に過ごす日々を手に入れたのである。しかし、夢見がちな日々は続かない。トビアスの部屋でマリファナを回しながら楽しんでいるところを先生に見つかってしまったのである。アレクシスを守りたい一心で、自ら停学処分を受けたトビアス。せっかくの名門校に入学したというのに、息子が停学中である事実を受け止めきれない母親。罰として庭掃除をさせられていた。そこへ心配したアレクシスが自宅を訪ねてきたのである。嬉しさを隠せないトビアスは、これからもアレクシスが望むものを与えていくと決意するのであった。
映画『プレッピー・コネクション』のあらすじ【承】
復学したトビアスを待ち受けていたのは、麻薬を求める上流階級の同級生たち。彼らは夜な夜なゴルフ場に集まりパーティーを開いているのである。そんなとき、エリスが不意に「コロンビアにはマリファナよりも効き目の良いコカインがある」と言い出す。この頃から両親はトビアスの変化に気づき始めていた。
早速デニスの協力の元、コカインを入手したトビアス。エリスを見下すように、オークション形式で値段を吊り上げ、高値で買わせるのであった。
トビアスは大使の父を持つフィデルの協力の元、コロンビアへ向かった。護衛がついてくる厳重な環境の中、何とか一人になることに成功したトビアスは売人が取引に使う店へと潜入する。一度は地元の青年たちに襲われてしまうも、運よくコカインを入手することに成功した。税関では巧みに嘘をつき、無事に帰国するのである。
トビアスの帰国を待ち構えていたエリス達。想像を遥かに超えて上質なコカインを持ち帰ったトビアスに驚きを隠せずにいる。半分をエリスに売りさばき、残り半分は自分で他校の生徒に売りさばこうとトビアスは企んでいたのである。そこへ協力者のフィデルが訪ねてくる。トビアスの計画を知ったフィデルは激怒。友人を作るために始めた麻薬売買で、初めての友人を失くしてしまったのである。
映画『プレッピー・コネクション』のあらすじ【転】
良質な麻薬を扱うトビアスの噂はあっという間に広まった。同級生の一人の紹介で、大口の買い手も見つかり、売り上げは上々。落ち込んでいる母親を元気付けようと、トビアスはこの頃から母親の義弟を名乗り売り上げの一部を送金し始めた。
2度目の渡航では、アレクシスにアリバイ工作を頼み両親をだました。現地の売人たちと交流を深め、遊びの楽しみも覚え始めていた。そこで気が大きくなったトビアスは思わず彼女がいると嘘をついてしまう。ブロンドの色白な同級生だと嘘を重ね、アレクシスの存在を重ねていた。帰国したトビアスを待っていた同級生たち。思わずついた嘘からアレクシスを直視できずにいたトビアスだったが、その気持ちを知っているかのように、アレクシスはあえてエリスとイチャつく様子を見せつけるのであった。
トビアスが持ち帰ったコカインで気分を高めながらパーティーを開く学生たち。アレクシスとトビアスの距離はとても近くなり、親密な様子でベッドに横たわる様子をエリスが見てしまった。嫉妬に狂ったエリスは窓から家具を投げ落とし、車を破壊。「もし人がいたらどうするのか」と怒りを隠せないアレクシスはエリスに初めて掴みかかるのであった。ケンカ別れを期待したトビアスだったが、そう簡単に別れることはなかった。そうしてトビアスは、自分は金持ちたちの“召使い”でしかないと気づかされるのである。
映画『プレッピー・コネクション』の結末・ラスト(ネタバレ)
少しずつ売買から手を引こうとし始めたトビアス。しかし同級生たちはコカインに枯渇している。そこでアレクシスはトビアスを動かすために、自分も一緒にコロンビアへ渡航することにしたのである。
取引の前日、二人はバカンス気分でのんびりと過ごした。そして初めてキスをし、一線を越えるのである。翌朝、早々に売人から取引について連絡があった。船上のパーティーに招かれたトビアスたち。突然姿を消した売人に不安を抱き始めたトビアスは様子を伺いに行くと、案の定アレクシスを狙った作戦について話し合っていたところであった。何とか襲われる寸前で、コカインを盗み逃げることに成功した二人。アレクシスは飛行機でコカインを捨てるようにトビアスを説得する。トイレに駆け込み、アレクシスとの未来と目の前の大金を天秤にかけ悩むトビアス。手荷物検査を超え、無事に帰国したように見えた二人だったが、トビアスは空港を出る直前に捕まってしまった。コカインを捨てられずにいたのである。
トビアスが逮捕されたニュースはすぐに学校中に広まった。その話題を楽しそうに話すエリス。実は、アレクシスが無断でトビアスと渡航したことに激怒し、空港警察に密告していたのである。トビアスからコカインを買っていた女子生徒は、将来を不安がり失踪した末に自殺した。さらにトビアスの両親は別居。
トビアスの周囲は見事にバラバラになり、彼の学生生活は終止符を打った。しかし、トビアスは思う。エリスとの思い出ですら、学生生活が恋しいと。
映画『プレッピー・コネクション』の感想・評価・レビュー
たったひとりの人生を追う作品。実際に同様の罪を犯し、人生を台無しにした青年がいるというのだから背筋が凍る。静かに狂っていく少年。周囲はすでに狂いあがっていたのであろう。自分ならどうするんだろう、「多勢派」に紛れるかもしれない。もしもトビアスが、母の期待に添えることを選ばなかったら。まず名門校に光を見出した母親を恨んだら。環境は人を変え、共有することで生まれるコミュニティは人を惑わせる。日本でももっと観られるべき一作であった。(MIHOシネマ編集部)
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