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映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の概要:頭の良いリンは金持ちが集まる進学校に転校した。ある時、友達のグレースにテストの答えを教えたことから、カンニングビジネスが始まっていく。仲間は点数を、リンは大金を得て喜ぶ。このまま順風満帆の日々が続くかに思えたが……。

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の作品情報

バッド・ジーニアス 危険な天才たち

製作年:2017年
上映時間:130分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ナタウット・プーンピリヤ
キャスト:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、チャーノン・サンティナトーンクン、イッサヤー・ホースワン、ティーラドン・スパパンピンヨー etc

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の登場人物(キャスト)

リン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)
数学が得意な少女で、その才能を見込まれて進学校に転校した。父親は教師で母親とは死別している。幼少期からピアノを嗜んでおり、その才能がカンニングに役に立つ。貧困層であることにコンプレックスを感じている。騙しても騙されてはいけないという考えの持ち主。
バンク(チャーノン・サンティナトーンクン)
リンと同じ特待奨学生で入学した少年。真面目で悪いことが嫌いな性格。母親はクリーニング店を営んでいるが苦労しており、早く楽をさせてあげたいと思っている。数学、特に暗記が得意。
グレース(イッサヤー・ホースワン)
リンが高校で知り合った一番の親友。金持ちの娘で裏口入学したため、頭は悪い。パットという恋人がいる。
パット(ティーラドン・スパパンピンヨー)
リンの同級生。グレースの恋人で金持ち。グレースからリンの頭の良さを聞き、自分にもテストの答えを教えてほしいとカンニングを持ちかける。

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のあらすじ【起】

数学が得意で大会で優勝した経験もあるリンは、父に連れられて進学校の面接にやってきた。しかし、実家はあまりお金持ちとは言えず、高額な学費を前にリンは入学をためらう。だが、リンのずば抜けた頭の良さを知った学園長が授業料と学食費を免除して入学を後押ししてくれた。こうしてリンは特待奨学生として転校していった。

優秀な者たちばかりの進学校は皆、金持ちばかりだった。しかし、ほとんどの生徒は学歴を得るために金で裏口入学したバカばかり。一番の友達になったグレースもその一人で、下がり続ける成績に困り果てていた。あるテストの時、友達を助けたいという思いからリンはグレースに問題の答えを教えてしまう。

グレースから恋人のパットを紹介されたリンは、彼から自分にも答えを教えてほしいとお願いされる。パット以外に五人の生徒がカンニングを希望しており、見返りとして金を払うと言う。自分の入学に大金がかかったことを知ったリンは、その提案を受けることにした。

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映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のあらすじ【承】

AからDまでのマークシートの答えをどのようにバレずに伝えるか。ピアノを嗜んでいたリンは鍵盤を叩く指を見ていて、ある方法を思いつく。それは四つの指のパターンを考え、テスト中に机を叩いて答えを教えるというものだった。その結果、パットやグレースたちの成績はみるみる良くなり、リンの口座には大金が舞い込んだ。カンニングを希望する生徒たちもどんどん増えていく。

特待奨学生はリンの他にもう一人いた。暗記が得意なバンクだ。二人はテレビの高校生数学番組に出場し、優勝する。喜ぶ学園長から、更に嬉しい知らせが。それは留学の話だった。奨学金が出るので費用を負担することなく海外で勉強できるという。二人は胸を躍らせたが、行けるのは一人だけだった。

バンクの実家はクリーニング屋だったがリン同様、お金に困っていた。母親に楽をさせてあげたいバンクは、どうしても留学したいと思う。

あるテストの前、同級生のバンジョンがバンクに声をかけ、カンニングさせてくれないかと囁いた。だが、真面目なバンクは拒否する。テストが始まり、リンはいつも通り答えを伝えようとしたが、テスト問題が2パターンあることを知らされて動揺する。考えたリンは、テスト1の問題を大急ぎで解いて皆に知らせると、隣り合ったバンジョンとテストを交換し、テスト2を大急ぎで解いていった。試験時間をぎりぎりまで使って、なんとかテスト2の答えも伝達することに成功する。

バンクの密告により、学園長から呼び出されたリンとバンジョン。リンの問題はテスト1だったが、解答を得るために使ったメモにテスト2の式も書かれていたため、リンの不正が発覚。父親が呼び出され、奨学金は取り消しとなり、挙句には海外留学の推薦もなくなってしまう。留学はリンではなくバンクに決定した。

高校三年になった頃、グレースはリンに相談を持ちかけた。パットの両親は彼の成績が上がったことを喜び、ロンドンの大学に留学させたいと考える。全てはリンのおかげだったが、両親はグレースのおかげだと思い込んでおり、一緒に留学してくれないかと頼まれた。そのために、STIC試験を受けて合格しなくてはならなくなったという。

リンはもう危ない橋を渡る気はなかったが、ある方法を思いつき考えを変えた。STIC試験は世界各所で行われていたが、どの国でも開始時間は現地時間の朝8時だ。シドニーで試験を受ければタイの8時まで4時間の時差がある。その間に試験の答えを暗記して皆に教えようというのだ。

試験会場に持ち込める物は限られていた。そこでリンたちは、鉛筆のバーコードを使ってそこに答えを隠すことにした。リンはバンクがチンピラに襲われ怪我をしたことを知る。彼はそのせいで試験に行けず、留学をふいにしていた。STICの問題は100問以上あるため、一人では憶えきれない。だが、暗記の得意なバンクがいてくれたら半分で済む。リンは彼にSTIC試験の話を持ちかけた。真面目なバンクは嫌な顔をしたが、大金を得られると知って悩んだ末に参加することにした。

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のあらすじ【転】

リンたちはSTICのための書類を準備し、細かく段取りを決めていった。計画に参加するメンバーたちから金も集まっていく。だが、シドニーに向かう前日、パットが口を滑らせてバンクを怒らせてしまう。実はバンクが襲われたのはパットの仕業で、この作戦に参加させるための手だったのだ。それを知ったバンクは計画から抜けると去って行く。パットのしたことにリンも腹を立て計画から手を引くことにしたが、そこにバンクが戻ってきた。せめて金だけでも手にしようと考えたのだ。二人はわだかまりを残しつつも、シドニーへと向かった。

シドニーに到着した二人。遂にSTIC試験が始まった。試験中には二回休憩があり、その時に答えを送ることになっていた。二人は大急ぎで問題を解くと必死に暗記を繰り返した。休憩時間となり、バンクとリンはトイレへ。個室のトイレタンクに隠しておいた携帯を使って四択の答えを送信。だが、欲を出したバンクが、報酬を倍にしなければ答えを送らないとごねだす。慌てたパットとグレースはしぶしぶ承知した。

リンとバンクから答えを受け取ったパットとグレースは、すぐさまバーコードシールを作り鉛筆に貼りつけていった。

試験は進み、二回目の休憩になった。二人はトイレへと直行するが女子トイレには長い列ができており、個室に入った時には時間が無くなっていた。試験官が呼びに来たため、仕方なく携帯を隠し持ってトイレを出た。一方、バンクはトイレで答えを送信することはできたが、試験官に怪しまれて尋問を受けていた。

リンは咄嗟にウォーターサーバーに携帯を隠すと試験会場へ。だが、試験が始まってもバンクは戻ってこない。この後の問題は全てリンが覚えなくてはならなくなる。リンは焦ってしまうが冷静さを取り戻して暗記し、具合が悪いふりをして試験会場を後にする。怪しんだ試験官に後を追われながら、答えを送信したリン。

全ての答えを受け取ったパットとグレースは、メンバーたちに鉛筆を渡した。彼らはバイクタクシーで会場へと向かって行った。

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

リンは試験官に捕まりはしたが、何もなければすぐに帰れると説明される。だが、不正を疑われたバンクの得点は無効となり、今後もSTIC試験は受けられなくなると説明される。リンは彼を助けたいと思ったが、自分も多くを失ってしまうのが怖くて何も言いだせなかった。

帰国したリンをパットとグレースが迎えに来ていた。だが、リンはもう彼らと一緒にいる気はなかった。迎えに来てくれた父に抱き着いたリンは、泣きながら全てを話した。パットたちは合格し、盛大なパーティを開いた。だが、リンとの友情は終わりを迎えてしまう。STICの不正が学校に告げられ、バンクは退学となった。

父親のような教師になりたいと思ったリンは教育学部を受験することを決める。そんな時、バンクから連絡があった。バンクはSTICの不正で得た金でクリーニング店を一新。リンは真面目なバンクのことを好いていたが、そこにいたのは以前のバンクとは違っていた。彼は別の試験でも不正をし、金を稼ごうとリンに話を持ちかける。

しかし、リンはその話に乗る気はなかった。バンクは、協力しないなら全てをバラすと脅迫する。だが、リンの心は決まっていた。それから数日後、彼女は父親に励まされながら弁護士事務所を訪れ、今回の事件の全貌を証言したのである。

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の感想・評価・レビュー

知的な映画だが表現が分かりやすく、エキサイティングにする演出や編集も良かった。『ラスベガスをぶっつぶせ』を意識したのか、オマージュ的な演出を見て取れる。ピアノの指の運び、鉛筆のバーコード、時差などカンニング方法がユニークで面白い。計画のお粗末な感じもよく、高校生っぽさが漂う。実際の事件を参考にしたらしいが、単純なトリックで騙せてしまうところがリアルでいい。(MIHOシネマ編集部)


カンニングをここまで壮大に、心臓が痛くなるような緊迫感をもって表現できることに驚愕しました。ただのカンニングなのに、サスペンスのように魅せます。テンポは全体的に早いですが、先生に見つかりそうなシーンではスローモーションを駆使したりして2時間強、飽きることがありません。リンがピアノを弾きながらカンニングの方法をひらめくシーンがクールで好きです。ピアノの指使いをカンニングに活かすとは正に天才でしょう。各家庭の格差が大きく、考えさせられる作品でもあります。(女性 30代)


たかがカンニングと思いきやスリリングでずっとドキドキしっぱなし、ひと時も目が離せず、とても良く出来た面白い作品でした。特にSTICの試験でのカンニングのシーンは手に汗握り、かなりハラハラしました。天才たちの考え出したカンニングの方法もスタイリッシュで鮮やか、頭がキレる天才はカッコ良くて憧れます。ただスリリングに展開されるストーリーだけでは無く、貧富の差による世の中の不公正もしっかり描かれ、メッセージ性も強くラストも理不尽なところが妙にリアルでした。(女性 30代)


頭脳明晰な天才少女が、友人のために試験の答案を教えたことをきっかけに、とんでもない規模のカンニングビジネスに発展してしまう。
カンニングの方法が高校生らしいが、流石にバレるだろ!と思う場面もあり、ツッコミながらもドキドキさせる演出でした。
能力は高いが家が貧しい、能力は低いが家が裕福な人たちの対比が切ないけどリアルでした。
勇気を出してカンニングを正直に話すリンは、この先後ろ指を指されるかもしれず、不正をして合格したパットやグレースは入学後苦労するだろうと思います。どんな人も人生のどこかで壁にぶつかり、それに向き合えるかどうかが大切だなと感じました。(女性 20代)


カンニングで報酬を得たリンの根底には、貧困の問題が大きく関係している。彼女はいけないことをしたのだが、最終的に罪の告白を決めたところを見ても、根っからの悪人ではないのだろうなと思った。
カンニングという行為によって、これからの人生が大きく左右されるかもしれないなんて考えたこともなかった。リン達は大人になっても、この頃の出来事を後悔し続けることになると思う。楽な道に進むと、その先に大きな落とし穴が待っているのだなと深く考えさせられた。(女性 30代)

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