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映画『バッド・ルーテナント』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『バッド・ルーテナント』の概要:刑事のテレンスは水没した留置所から容疑者を救出した功績が称えられ、警部補へと昇進した。だがその裏では、腰痛を誤魔化すため、麻薬を常習するようになっていた。そんな時、テレンスはとある殺人事件の捜査を指揮することになる。

映画『バッド・ルーテナント』の作品情報

バッド・ルーテナント

製作年:2009年
上映時間:122分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、ミステリー
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
キャスト:ニコラス・ケイジ、エヴァ・メンデス、ヴァル・キルマー、アルヴィン・“イグジビット”・ジョイナー etc

映画『バッド・ルーテナント』の登場人物(キャスト)

テレンス・マクドノー(ニコラス・ケイジ)
刑事。水没した留置所から囚人を助けたことが評価され、警部補に昇進する。腰を痛めてから麻薬を常習するようになる。
フランキー・ドネンフィールド(エヴァ・メンデス)
テレンスの恋人。娼婦として働いている。テレンスと共に麻薬を常習している。
スティーヴィ・プルイト(ヴァル・キルマー)
テレンスの同僚であり、悪友でもある。人を見捨てることも厭わない、テレンスよりも非情な性格。
D・ゴッドショー(アルヴィン・“イグジビット”・ジョイナー)
通称ビッグ・フェイト。レイプや加重暴行、麻薬所持などあらゆる犯罪に手を染めている。セネガルからの不法移民者であるンデーレ一家の殺害を含めて、3件の殺人容疑がかかっている。
ジェネヴィエヴ(ジェニファー・クーリッジ)
テレンスの義母。アルコール依存症。テレンスの父親もアルコール依存症だが、断酒会に通い立ち直ろうとしている。
ジェームズ・ブラッサー(ヴォンディ・カーティス=ホール)
テレンスの上司。テレンスが麻薬を常習していることを知らず、純粋に腰痛の心配をしている。
チャベス(ニック・ゴメス)
テレンスが留置所から助けた容疑者。その後、更生施設に行き、ホテルで働くようになる。
Gジェンキンス(ティム・ペロウ)
通称G。ビッグ・フェイトの手下。仲間内で一番始めに捕まり取り調べを受けるが、飄々とした様子で何も話そうとはしなかった。
アルマン・ブノワ(ショーン・ハトシー)
テレンスの部下。テレンスと共に、ンデーレ一家殺害の捜査を行う。真面目な性格。
D・ハケット(ルーシャス・バストン)
通称ミジェット。ビッグ・フェイトの手下。恋人と暮らしており、子供が1人いる。
ダリル(デンゼル・ウィテカー)
15歳の少年。配達の仕事をしているときに、偶然ンデーレ一家の殺害現場に居合わせてしまう。
ビニー・ロジャース(イルマ・P・ホール)
ダリルの祖母。オークンホルト介護付き住宅で介護の仕事をしている。
ジャスティン(シア・ウィグハム)
フランキーの客。父親は開発業者で、犯罪者とも交友がある。フランキーをセックス中に殴ったため、テレンスと揉める。

映画『バッド・ルーテナント』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『バッド・ルーテナント』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『バッド・ルーテナント』のあらすじ【起】

ニューオリンズ、ハリケーン・カトリーナ直撃後。テレンス刑事は同僚からロッカーの中身を保管してくれと頼まれ、同僚のスティーヴィとロッカー室に向かった。ロッカーの中からは、エロ写真と調書が出てきた。テレンスは調書を見て、容疑者のチャベスが移送されていないことに気づく。スティーヴィと共に留置所に向かった。

チャベスは助けを求めるが、テレンス達は何時に死ぬか賭けようと呑気に話し合っていた。チャベスの首のところまで水位が上がってきており、傍には蛇までいた。チャベスが神に向かって祈り始めたため、テレンスは仕方なく助けに向かった。テレンスは囚人を助けた功績により警部補に昇格し、殊勲十字賞が贈られることになった。

テレンスは腰を痛めて、病院で診察を受けた。刑事を続けることは可能だが、一生痛みが続くと言われる。薬で痛みを誤魔化すことしかできず、テレンスは表情を曇らせた。半年後。テレンスは麻薬を常習するようになっていた。

テレンスはセネガルからの不法移民者、ンデーレ一家の殺人事件を捜査指揮することになった。被害者のダウダは、ポン引きだったが麻薬の販売も行っていた。まずは半径10キロ圏内の売人や麻薬中毒者から情報を聞き出し、元締めを調べることになった。捜査責任者のジェームズはテレンスの腰痛を心配しており、仕事を行えるか確認した。テレンスは病院の薬を飲んでいるので問題ないと答えた。

スティーヴィは麻薬常習者のダブの取り調べを行っていたが、脅したり手を上げたりしていたため、やり方が荒すぎるとテレンスに止められる。スティーヴィが腹を立てながら出ていったので、代わりにテレンスが取り調べを行った。ダブはビッグ・フェイトが元締めであることを話した。

警官のマントは、麻薬が調達できなくなったことをテレンスに告げた。内部調査室が保管記録を調べているため、証拠として保管されている麻薬を運び出せなくなったのだ。テレンスは記録ごと隠せばいいと諭すが、監視カメラが取り付けてあるので無理だと、マントは謝罪しながら断った。

テレンスはクラブから出てきた若いカップルを追跡し、麻薬を出せと脅した。2人とも所持を否定していたが、調べるとポケットと鞄から出てきた。テレンスは鞄から出てきたコカインを、女と共に使用した。そして、そのまま女とセックスしているのを、男に見せつけた。男は自分の彼女が娼婦のように扱われる姿を見て絶望した。その後、テレンスは愛人のフランキーに元に行き、コカインを分けてもらった。先程、女と共に使用した麻薬はヘロインで、腰痛の痛みが緩和されなかったのだ。

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映画『バッド・ルーテナント』のあらすじ【承】

テレンスは事件当日にンデーレの家に食料品が配達されたとの情報を得て、食料品“セントラル・マーケット”に向かった。店主に話を聞き、最近店に来ていない配達人の名前を尋ねた。その後、部下のアルマンと共に“オークンホルト介護付き住宅”に行き、配達人(ダリル)の祖母のビニーに会いに行った。だが、ビニーはダリルの居場所を話そうとはしなかった。テレンス達が揉めていると、窓からダリル本人が現れる。ダリルは事件のとき、戸棚に隠れており犯人を見ていなかった。テレンスが何度尋ねても、怯えたような表情で首を横に振るだけだった。

ビッグ・フェイトが犯人とみて、行方を捜索することになった。ビッグ・フェイトはンデーレ家の殺人を含めて3件の事件に関与しており、事件の目撃者も殺されていた。ミジェットとGの2人の手下を従えていることが分かっていたので、まずはGを連行して取り調べた。だが、Gはビッグ・フェイトなんて知らないと口を噤んだ。

スティーヴィ達はミジェットの恋人の家を張り込んでいた。テレンスは張り込み場所にイグアナがいることに驚くが、スティーヴィにそんな生き物はいないと否定される。テレンスは知らず知らずの内に、幻覚を見るようになっていた。テレンスはスティーヴィ達を連れて、ミジェットの家を訪ねた。ミジェットの恋人は子供が危険な目に遭うのを嫌がり、衣装ダンスの中に隠れていることをこっそり教えた。テレンスはスティーヴィ達を部屋から追い出し、麻薬を吸いながらミジェットに事件のことを質問した。だが、ミジェットはラリっている警官に話したくないと、何も話そうとはしなかった。

テレンスが家に帰ると、父親と義母のジェネヴィエヴが犬の世話のことで揉めていた。テレンスは犬を預かり、フランキーに世話を頼んだ。

映画『バッド・ルーテナント』のあらすじ【転】

ビッグ・フェイトが弁護士を連れて警察署に現れた。弁護士が証人の開示を求めていたため、ダリルの名前を明かさなければならなくなる。ダリルの命を狙ってくるのは明白だったので、警護をする必要があった。そんな時、テレンスの元にフランキーが泊まっているホテルから、犬を預かっているので引き取って欲しいと電話が掛かってくる。テレンスは犬を引き取ると、ダリルと一緒にフランキーの元まで向かった。ダリルは運転席で麻薬を吸っているテレンスを見て、不安を抱く。

娼婦として働いているフランキーは、客から顔を殴られて痣を作っていた。テレンスは客のジャスティンに銃を突きつけ、二度とテレンスの前に現れるなと脅した。ジャスティンは自分が権力者の息子であることを話し、後悔するぞと捨て台詞を吐いて去っていった。その後、テレンスが目を離した隙に、ダリルが行方不明になる。テレンスはビニーに会いに行き、ダリルの居場所を尋ねた。ビニーが話そうとしないため、テレンスは銃を突きつけて脅した。

ダリルはビニーの手配でイギリスに飛んでしまっていた。検事補はクレンスに、容疑者の釈放を命じた。テレンスは腹を立てて、くそったれと悪態を吐いてしまう。ジェームズはそんなクレンスを窘めながら車に乗り込んだ。ビニーから脅されたと苦情が来ていたため、クレンスは取り調べを受けることになる。クレンスは脅していないと否定した。

テレンスはジャスティンの友人のデイヴから、金を払えと脅される。2日後に払うことを約束して、帰ってもらった。テレンスはフランキーを父の家に連れて行き匿ってもらおうとするが、父に嫌だと断られる。しかも、ジェネヴィエヴとフランキーが麻薬のことで揉め始めた。テレンスが場を収めようとしていると、警官がやって来て拳銃を没収される。ジャスティンの父親が警察に圧力をかけてきたのだ。

テレンスは証拠保管室の管理をすることになった。刑事達がヘロインを持ってくるが、テレンスは秤が壊れているのですぐには計測できないと言って預かった。刑事達を追い返した後、ビッグ・フェイトに会いに行き、仕事の話を持ち掛けた。おとり捜査がある日時をこっそり教えるのだ。ビッグ・フェイトはテレンスの話を信じなかったが、テレンスの言う通りに捜査があったため、仲間に加えることにした。

映画『バッド・ルーテナント』の結末・ラスト(ネタバレ)

テレンスはアメリカンフットボールのレナウド選手が、麻薬を購入している姿を見かける。現行犯で捕まえると、5点差以下で負けろと脅した。テレンスはスポーツ賭博で負け続け、莫大な借金を背負っていたのだ。その後、テレンスはビッグ・フェイトから受け取った報酬で借金を返済し、賭博を行った。そして、浮かれながらビッグ・フェイトから貰った麻薬を持ってフランキーの元へと帰った。だが、フランキーはテレンスの父に諭され、麻薬を止めようとしていた。フランキーは落ち込みながら、殊勲十字賞を貰ったときの写真を眺めた。

テレンスがビッグ・フェイトと麻薬を吸いながら話していると、テレンスを尾行したデイヴが現れる。デイヴがその場にあった全ての麻薬を持って行こうとしたため、怒ったビッグ・フェイト達に射殺される。テレンスは警察署に戻るとアルマンに、もう一度現場を確認すれば、ビッグ・フェイトのDNAが付いたパイプが見つかるかもしれないと話した。アルマンは幻覚を見ているのだと相手にしなかったが、ほっとくこともできず現場へと向かった。

テレンスが家に帰ると、フランキーは更生施設に入院していなくなっていた。何だか疲れた気持ちでテレビを見ると、レナウドが怪我で試合を棄権していた。テレンスとの約束を反故したのだ。テレンスはテレビに向かって、殺すと呟いた。

テレンスが警察署に行くとジャスティンが来ており、今回の件は完全に忘れようと宣言してきた。デイヴが殺されたことを知り、ジャスティンの父親が今回の件から手を引くことを決めたのだ。テレンスはもちろん異論がなかったため、その提案を受け入れた。次に、賭博を取り仕切っている男が大金を持って現れる。テレンスは最後まで試合を見ていなかったのだが、3点差でレナウドのチームが負けており、テレンスが賭けに勝っていたのだ。その次に、ジェームズが笑顔で現れる。アルマンが現場から、ビッグ・フェイトのDNAが付いたパイプを見つけていたのだ。だが、そのパイプを見てテレンスは表情を曇らせた。テレンスがビッグ・フェイトと一緒に麻薬を吸ったときに使っていたパイプだったからだ。

テレンス達はビッグ・フェイトを捕まえに行くが、スティーヴィはビッグ・フェイトを殺して麻薬をくすねようとした。それをテレンスが止め、手錠をかけるよう怒鳴りつけた。

1年後。テレンスはビッグ・フェイト逮捕の功績を称えられ、警部に昇格することになった。テレンスの制服姿を、妊婦姿のフランキーと父、ジェネヴィエヴが誇らしげに見ていた。テレンスは夜勤だと言って家を出た後、クラブに行き若いカップルから麻薬を奪った。ホテルで麻薬を吸っていると、従業員がルームサービスを間違って持ってきた。その従業員は、更生したチャベスだった。チャベスはテレンスに恩を感じており、自分にできることはないか尋ねた。テレンスはチャベスと水族館に行き、大きな水槽の前で座り込んだ。

映画『バッド・ルーテナント』の感想・評価・レビュー

テレンスは警部補になって権力の悪用、ドラッグの乱用、スポーツ賭博と悪事をやりたい放題。尋問した相手がドラッグを持っていたら取り上げてその場で使ってみたり、賭博に勝つために選手を脅迫してみたり、と言った感じでとにかくやりたい放題で、こんな警官はいない方が世のためだと、感じてしまう展開でした。
地域の権力者に命を狙われ始めた時には、きっとこのまま殺されて終わるのだろうと確信に近いものを感じただけに、予想外の展開で良い意味で裏切られる作品でした。(男性 40代)

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