映画『幕末高校生』の概要:江戸時代にタイムスリップしてきた高校教師の川辺は、憧れの勝海舟と出会う。川辺は未来から来たことにより歴史が変わっていると気付き、戦争を止めようとしている勝海舟を側で見守る。教師としての役割を考え直した川辺は、真正面から生徒たちと向き合っていく。
映画『幕末高校生』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:時代劇、ヒューマンドラマ
監督:李闘士男
キャスト:玉木宏、石原さとみ、柄本時生、川口春奈 etc
映画『幕末高校生』の登場人物(キャスト)
- 川辺未香子(石原さとみ)
- 沼田、高瀬、森野の担任の教師。歴史が好きで熱心に授業を行うが、生徒たちは真面目に取り組まず話しを聞いていない。タイムスリップし勝海舟との出会いを喜ぶが、特に何もしていない勝海舟にがっかりする。沼田の夢である獣医を進めることができず、沼田や高瀬から何もしていない教師と言われてしまう。
- 勝海舟(玉木宏)
- 日本人が争うことに反対しており、西郷との和平交渉を待っていた。身内の裏工作により手紙が届いていなく、戦争を構えていた柳田の命令で攻撃を受ける。未来からきた川辺たちの面倒を見ることになり、歴史が変わっていることを知る。
- 沼田慎太郎(千葉雄大)
- 川辺の生徒で獣医の夢を持つが、親から医師になれと強制されていた。川辺と母親との三者面談で、背中を押してくれなかった川辺に落胆する。誰よりも早く江戸時代にタイムスリップしており、勝海舟を殺害しろと命令されていた。
- 高瀬雅也(柄本時生)
- 川辺の生徒で沼田、森野と幼馴染。テスト中に携帯アプリを開きカンニングを行い、川辺、沼田、森野が集まったときに光っているアプリを押してタイムスリップしてしまった。天然でふらふらしており、森野のことが好き。
- 森野恵理(川口春奈)
- 川辺の生徒で化粧の濃いギャル。川辺と高瀬より半年前にタイムスリップしており、柳田の屋敷に入った。江戸時代で再会した高瀬とキスをするが、未来に帰ると思い上がっていただけだと言う。
- 西郷隆盛(佐藤浩市)
- 勝海舟と和平交渉を行おうとしていたが、手紙が届かないため江戸を攻撃しようとしていた。勝海舟がいつも寄っている蕎麦屋に入る。江戸を攻撃した場合、勝海舟が心中しようと考えていたことに笑い合う。
- 柳田龍三(柄本明)
- 西郷と密会していた勝海舟を殺害しようと企む。タイムスリップしてきた森野を屋敷に入れる。徳川に戦争を構えるべきだと意見し、新しい武器を揃える。
映画『幕末高校生』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『幕末高校生』のあらすじ【起】
高校教師の川辺は授業を聞かない生徒たちとは違い、歴史の授業で熱を帯びながら説明していた。放課後、川辺は沼田と母親を交えた三者面談を行なっており、獣医になりたい沼田の夢を無視して、母親が進むべき道だと言った医学部のある大学を勧めてしまっていた。
テスト中、高瀬はカンニングをしようと携帯で江戸時代体感ヒストリーというアプリを立ち上げていた。車で帰宅していた川辺の目の前に沼田、高瀬、森野が飛び込んできた。急停止し車から降りた川辺は生徒たちに注意を促すが、高瀬は携帯アプリが光っていることに目が行きその場でアプリを押した。すると4人を囲む光が差し込み、4人はその場からいなくなってしまった。
慶応4年、タイムスリップした川辺と高瀬は、沼田と森野とはぐれてしまい、江戸の人々に捕まってしまった。その頃江戸城では攻撃してくる薩摩藩に対して、勝海舟は戦争を起こしたくないと主張していた。だが周りの家来たちは猛反対していた。
勝海舟は川辺と高瀬が両腕を縛られ、質問攻めを受けている状況を眺めていた。勝海舟を見かけた川辺は、すぐさま勝海舟に助けてくれと願い出た。気分を良くした勝海舟は川辺と高瀬を助け出し、行きつけの蕎麦屋に連れて行った。
映画『幕末高校生』のあらすじ【承】
勝海舟は川辺と高瀬が再び捕まえられてしまうことを予想し、今の服から着替えるよう妻に頼んだ。勝海舟と川辺、高瀬はタイムスリップしてきた場所に向かい、高瀬のスマホを見つけることができた。スマホには4日後に帰れることが書かれており、後ろから川辺が乗っていた車が突然現れた。帰ろうとした勝海舟、川辺、高瀬は何者かに囲まれてしまい、その中に沼田が紛れ込んでいることに気付いた。
勝海舟の屋敷に帰宅した川辺と高瀬は、歴史とタイムスリップした世界が変わっていることに気付き、未来からきた人によって歴史が変わっているのだと感じていた。勝海舟は薩摩藩の西郷隆盛に手紙を送っていたのだが、身内の裏工作により手紙は破られていた。
半年前、柳田の屋敷に森野がタイムスリップしてきた。柳田は森野を屋敷に入れ、お世話することにした。
川辺と高瀬は沼田と森野の顔を書いた紙を貼り、探し続けていた。西郷軍と徳川軍が戦いの体制をとっていたとき、柳田は徳川に新しい武器で立ち向かうべきだと伝え、勝海舟は日本人同士が争うべきではないと伝えた。だが勝海舟は徳川に、何もしていないのではないかと注意を受けてしまった。
映画『幕末高校生』のあらすじ【転】
勝海舟の妻と川辺と高瀬は何者かに襲われそうになったが、勝海舟がいないことを知った男たちは部屋を荒らして帰っていった。帰宅した勝海舟は呑気に片付けを行なっており、それを見た川辺は勝海舟に怒りを露わにした。川辺は歴史上の勝海舟とは正反対の勝海舟にがっかりしていた。
川辺と高瀬は沼田の居場所を突き止め、再会することができた。沼田は1年前にタイムスリップしており、未来には帰りたくないと言った。また沼田と高瀬は、川辺が教師として何もしていないことを指摘した。
柳田は最新の武器を目の前にして喜んでおり、遠くから眺めていた勝海舟は悲しそうな顔をしていた。雨の降る日、江戸の人々は薩摩出身の人を追い出そうとし、助けた勝海舟は江戸の人々に裏切り者だと罵られていた。
薩摩藩が江戸に到着した。柳田と勝海舟は2人で会い、薩摩藩の攻撃について話していた。勝海舟は柳田が家来と話しているとき、「ガチ」という言葉に聞き覚えがあった。思い出した勝海舟はすぐさま高瀬の元へ行き、柳田の元に友達がいるかもしれないと地図を渡した。地図を受け取った高瀬は柳田の屋敷に行くが、追い返されてしまい火事を引き起こした。屋敷から出てきた森野と再会し、二人はキスをした。
映画『幕末高校生』の結末・ラスト(ネタバレ)
偶然西郷と会った川辺は、勝海舟が送った手紙を西郷が読んでいないことを知った。勝海舟にそのことを伝えた川辺は、勝海舟と共に西郷がいる馴染みの蕎麦屋に出向いた。屋敷に戻った勝海舟と川辺は、勝海舟の妻から西郷が明日薩摩藩邸で待っていると書かれた電報を受け取った。一方、戦争を構えている柳田は、西郷と密会していた勝海舟を殺害しようと企んでいた。
寝支度をしていた川辺の元に、沼田がやってきた。みんなが眠りについたころ、沼田は外に出て男から刀を受け取った。刀を手に取り勝海舟と妻が寝ている寝室に行った沼田は、刀を振りかざして勝海舟を殺害しようとした。だが間一髪のところで勝海舟に避けられ、沼田は逃げていった。
翌朝、勝海舟は西郷の元へ行き、見送った川辺は沼田を探しにいった。勝海舟は身内の攻撃を避けながら馬を走らせ、川辺は沼田を見つけ出しもう一度三者面談をしようと言い、強引に手を取り車で待っている高瀬と森野の居場所へと走っていった。勝海舟は邪魔をする者を殺すことなく倒していき、川辺と沼田は時間に間に合うことができ未来に帰っていった。
ボロボロになりながらも西郷と会うことができた勝海舟は、西郷から江戸の攻撃を中止することを伝えられた。勝海舟は西郷が江戸を攻撃した場合、江戸と共に心中しようとしていたのだ。そのことを聞いた西郷は、勝海舟と笑い合っていた。
いつも通り電車で学校に向かった高瀬、沼田、森野は川辺の授業を真面目に聞いていた。高瀬がコソコソと携帯を見ており、それに気づいた川辺は後ろから高瀬を叩いた。すると高瀬の携帯に明治時代と書かれたアプリが光り出し、光に包まれてしまった。
映画『幕末高校生』の感想・評価・レビュー
戦争をしたくない勝海舟と、教師としてプライドを持って仕事をしてきた川辺の、似ているようで全く似ていない二人が心境を話し合うシーンが見所であった。勝海舟の男らしく誠実な性格に惹かれていき、生徒たちからダメ出しされた川辺が徐々に変わっていく姿も感動的であった。歴史が変わってしまうかもしれないというハラハラした内容であったため、最後はどうなるのかとわくわくしながら見れた。(MIHOシネマ編集部)
タイムスリップしたことにより、登場人物達の問題や悩みが浮き彫りになったところが非常に興味深かった。生徒から教師として何もしていないと指摘されるのは、なかなかきついなと思った。自分だったら心が折れてしまうかもしれない。だからこそ、川辺未香子が沼田慎太郎とぶつかり合い、一緒に現代に戻ったことは胸が熱くなるほど感動した。過去に行くというSF要素はあるが、人間ドラマが非常に魅力的な作品だなと思った。
明治時代にタイムスリップしてそうなところで物語が終わっており、続編が制作されれば見てみたいなと思った。(女性 30代)
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