これまでに語られることのなかった、シャーロック・ホームズの隠れた事件に着目した『シャーロック アントールドストーリーズ』。大ヒットを受け、このたび映画化。誉と若宮の新たな冒険が幕を開ける。
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』の作品情報
- タイトル
- バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版
- 原題
- なし
- 製作年
- 2022年
- 日本公開日
- 2022年6月17日(金)
- 上映時間
- 119分
- ジャンル
- サスペンス
- 監督
- 西谷弘
- 脚本
- 東山狭
- 製作
- 小川晋一
松岡宏泰
石塚絋太 - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- ディーン・フジオカ
岩田剛典
新木優子
広末涼子
村上虹郎
渋川清彦
西村まさ彦
山田真歩 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東宝
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』の作品概要
2019年に月9ドラマとして放送されていた、『シャーロック アントールドストーリーズ』。大ヒットの中放送を終えたが、この度念願の映画化が決定。ディーン・フジオカや岩田剛典、佐々木蔵之介といったオリジナルメンバーは勿論続投、さらには新木優子ら豪華新メンバーも投入される。今回のテーマは『バスカヴィル家の犬』。シャーロキアンであれば必ず知っている、『シャーロック』シリーズを代表する名作である。本シリーズは東京を舞台にしているだけあり、あまりに有名なこのバスカヴィル家の犬をどのようにアレンジしてくるか、期待が高まる。
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』の予告動画
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』の登場人物(キャスト)
- 誉獅子雄(ディーン・フジオカ)
- 幼い頃から非凡な発想力と推理力で、多くの難事件を解決してきたフリーの犯罪捜査コンサルタント。自身も犯罪者としての素質を持っている。
- 若宮潤一(岩田剛典)
- 誉の相棒で、精神科医。医師免許を不正に取得した過去がある。誉の行動に振り回されることが多い。
- 江藤礼二(佐々木蔵之介)
- 誉達と関わることの多い警部。自身を敏腕警部と思っているが、その実力には疑問が残る。
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』のあらすじ(ネタバレなし)
誉と若宮は、瀬戸内海にひっそりと存在するとある島を訪れた。勿論、依頼のためである。この島に暮らす大富豪が、突然謎の死を遂げたのだ。そして、その富豪は死の前に、かつて娘を襲った誘拐未遂事件の犯人を突き止めてほしい、と誉達に依頼していたのだ。島には古い大きな洋館が聳え立っており、その洋館には華麗なる一族らが暮らしていた。そして、彼らの周りには嘘を重ねる謎の関係者の姿が。さらに、島には謎の犬の遠吠えがこだましており…?そして、事件はいよいよ牙を剥く。一人、また一人と関係者が消えていく中、誉達が辿り着く真実とは。
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』の感想・評価
バスカヴィル家の犬とは
これまで、数多くの作家、作品に影響を与えてきた『シャーロック・ホームズ』シリーズ。しかし、実はその作品数はそれほど多くはないのだ。短編集であればそれなりに数はあるものの、長編シリーズとなると、公式から出版されているものはたったの4作品だけ。『バスカヴィル家の犬』は、その貴重な一つなのだ。さらに、特に本作はその設定やストーリーからファンが多く、『シャーロック』シリーズの中で最も映像化された回数が多いとも言われている。しかし、その分のしかかってくるのがプレッシャー。過去に多くの前例がある分、それらとどのようにして差異をつけるかが、映画の成功の鍵を握る。果たして、本作ではどのような趣向が凝らされているのだろうか。
2人の関係性
『シャーロック・ホームズ』シリーズを語る上で外すことができないのは、やはり2人の関係性だろう。天才とは紙一重とはよく言ったもの。主人公のシャーロックは、天才的頭脳を持ちながらも、自身も犯罪者としての素質を持ち、常にギリギリのラインを揺蕩っている。一方のワトソンは、シャーロックの相棒で医学に明るく、人当たりの良い性格。何かと問題を起こしがちなシャーロックの保護者的役割も担っている。数多くあるシャーロックシリーズではあるが、この設定に関してはどの作品においても基本的に共通している。つまり、この基本設定を踏襲しつつ、いかに関係性を深めるかが腕の見せ所。ドラマでのストーリー。経た2人が新たに見せる掛け合いに注目。
アントールドストーリーズ
『アントールドストーリーズ』、これは月9時代に放送されていた際の、本シャーロックシリーズの副題である。英語に直すと『Untold Stories』。シャーロックシリーズには、過去にシャーロック達が解決した、事件のタイトルだけは分かるが、その詳細は分からないという事件が多く存在する。まさに、『語られなかった物語』。本作は、それらの事件に焦点を置いた、他に類を見ないシリーズである。そんな唯一無二の設定が功を奏し、本シリーズは映画化されるほどの大ヒットとなった。しかし、映画版ではこの副題は外され、『バスカヴィル家の犬』という既存のストーリーを使用することとなった。何故方針を変えたのか、その方針転換に見合う結果は出せるのか。試される1本となる。
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』の公開前に見ておきたい映画
オリエント急行殺人事件(2017)
長年人々から親しみ続けられ、中には崇拝のような感情を向けている人もいるほどのミステリー作品。『シャーロック・ホームズ』シリーズもそうであるし、本作もそう。『ミステリーの女王』と称されたアガサ・クリスティが遺した作品達の中でも、トップレベルの知名度を誇るのが本タイトル。これまでに幾度となく映像化されてきたが、2017年に改めて映画化が実現。ケネス・ブラナーを始めとして、ウィレム・デフォーやジュディ・デンチといった超実力派俳優陣を揃えた、超豪華作品に仕上がっている。ヨーロッパを走る寝台列車、オリエント急行で殺人事件が起こった。しかし、乗客には全員アリバイがある。果たして、列車で何が起きたのか。
容疑者xの献身
最新作の監督を務める西谷弘は、人の感情の機微を捉える名手。過去に『昼顔』などのドロドロの感情が渦巻き交差する作品を世に送り出してきた。そんな彼のもう一つの代表作が本作。元々は東野圭吾による小説で、ドラマ化もされた『ガリレオ』シリーズの1タイトル。本格ミステリ大賞や直木三十五賞を獲得するなど、非常に高く評価された。ドラマ版に引き続き、福山雅治や柴咲コウらが出演しているが、中でも注目は新たに起用された堤真一。2枚目から3枚目まで、幅広く演じることができる堤真一ではあるが、本作における存在感はまさに圧巻。彼の慟哭は、見ている者を涙させる。
詳細 容疑者xの献身
SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁
これまでに、国内外問わず『シャーロック・ホームズ』を題材としたドラマ作品は数多く発表されている。その中でも、近年、もしかすると史上最も有名になり、一大ブームを引き起こしたのは、この『SHERLOCK』シリーズではないだろうか。イギリスのBBCが発表した本シリーズは、まさにシャーロキアンによるシャーロキアンのための作品。原作にリスペクトを払い、細部まで忠実に再現しながらも、『もしシャーロック達が現代を生きていたら』と、これまでにはない新しい角度から作品を作り上げた名シリーズである。本作は、そんなSHERLOCKシリーズ唯一の映画版。ベネディクト・カンバーバッチやマーティン・フリーマンにとっての出世作でもある。
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』の評判・口コミ・レビュー
バスカヴィル家の犬を鑑賞
同名の原作を元にしたシャーロック劇場版。
今作は原作とカンバーバッチ版に横溝ミステリーを足して割った様な物語。
容疑者たちの物語は濃く面白かった分誉と若宮の活躍は少なかった印象。
しかし劇場でディーンフジオカのホームズ語りが観れて満足です。#jazzの映画 pic.twitter.com/d5VzL3ARcn
— ディーン・”ジャズ”オカ (@jazzroom66) June 20, 2022
『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』
TVシリーズ未履修だったがレギュラーキャラの関係性が一目瞭然なので問題なく楽しめた。獅子雄と若宮のバディ描写、キャラ萌えは極めて強力な推進剤である一方、それが故に二人が事実上不在となる真相パート、泣けるミステリ要素が浮いてしまうのが惜しい。 pic.twitter.com/Q3a17xwYHE— エンバ (@enba_mitsuyoshi) June 19, 2022
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』のまとめ
前述したように、『バスカヴィル家の犬』は、シャーロックシリーズにおける大人気タイトルであり、これまでに何度も実写化がされてきた。しかし、非常に意外なことに、日本での実写化には未だ至っていないのである。日本にもシャーロキアンは多く、なぜ本作が依然として日の目を浴びていないかは謎ではあるが、それもこれまで。本作が初の『日本版バスカヴィル家の犬』として人々を魅了するのだ。そして、本作はディーン・フジオカにとって特別な作品。朝ドラで脚光を浴びた彼にとって、本作は初となる月9主演。本作のヒットをもって、益々シリーズを拡げていきたいところ。
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