映画『バトル・インフェルノ』の概要:悪魔祓いのヤラセ番組をネット配信し、フォロワーを増やしているマックスとドリュー。ある夜、いつものように番組を始めていたが、被験者役に本物の悪魔が降臨してしまった。
映画『バトル・インフェルノ』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:デイミアン・レヴェック
キャスト:ライアン・グスマン、カイル・ガルナー etc
映画『バトル・インフェルノ』の登場人物(キャスト)
- マックス(ライアン・グスマン)
- 悪魔祓いのインチキ番組「除霊の時間」をネット配信し、主人公のマックス神父を演じている。相棒のドリューとは神学校時代からの親友。かつては真面目に聖職者を目指していたが、教会から追い出されたという苦い経験がある。フォロワーを増やすのが生き甲斐。
- ドリュー(カイル・ガルナー)
- マックスの幼馴染みで、番組制作を統括するプロデューサー。恋人のレーンとは結婚間近。番組内で使用する悪魔祓いの文言は、ネット上の「悪魔のデータベース」というサイトを参考にしている。
- レーン(アリックス・アンジェリス)
- ドリューの婚約者。「除霊の時間」に出演予定の俳優が来なかったため急遽代理で被験者役を演じることになり、本物の悪魔に取り憑かれてしまう。
映画『バトル・インフェルノ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『バトル・インフェルノ』のあらすじ【起】
悪魔祓いのヤラセ番組「除霊の時間」を生配信するマックスとドリュー。マックス神父が悪魔を退治するという臨場感溢れる演出でフォロワーは多く、バチカン公認オリジナルグッズ「聖なる布」も好調に売れていた。
ある夜、配信を終えたマックスは、ドリューとその恋人のレーンや番組スタッフとカラオケバーで盛り上がり、親しくなったファンの女性をお持ち帰りする。翌朝、マックスは女性の顔が老婆の姿に見えたため驚愕した。
一方、ドリューはレーンとの結婚式を間近に控えていた。番組制作プロデューサーである彼は、結婚資金を稼ぐためにもフォロワーを増やしたいと考えていた。そんな彼に、父親から時代遅れの眼鏡型の端末が届けられる。
夜の生配信の直前、音響スタッフのクリスは体に異変を感じていた。被験者役で出演予定のニューハーフ俳優がスタジオに向かおうとして、四つん這いの化け物に襲われてしまう。被験者の代役はレーンが代わりに務めることになった。
フォロワーたちは番組開始を心待ちにしていた。ワシントンDCの少年、マックスのファン、韓国の警察官など、世界中の25万人のフォロワーがスマホを見つめる中、予定通り配信がスタートする。
映画『バトル・インフェルノ』のあらすじ【承】
スタジオのセットの椅子に拘束されたレーンは、マックス神父から聖水をかけられると、異常な悲鳴を上げた。クリスは気分が悪くなってトイレに駆け込み、水道の蛇口から血が溢れる幻覚を見る。
レーンは台本にないセリフ「プスウスタイ」を呟いた。すると、照明係トミーの炎の模様のタトゥーが本物の炎と化し、全身が燃え上がり始める。ドリューは助けようとして駆け寄るが、結界が張られて近づけなかった。視聴者はトミーの炎上に目を覆いながらも怖いもの見たさで見続け、視聴者の数はぐんぐん伸びていった。
レーンに取り憑いた悪魔は白目をむいて番組を乗っ取ると宣言したため、マックスは本当の悪魔祓いを試みる。悪魔祓いの儀式には悪魔の名前を唱えることが必要であるため聞き出そうとするが、当然答えてくれず、フォロワーに救いを求めた。しかしフォロワーのコメントは、「ストリップをしろ」などふざけたものばかり。悪魔はマックスを全裸にして拷問に掛け、その姿を配信させた。その結果、視聴者は50万を超える。マックスは意識が朦朧となる中で、神学校時代に女教師からいびられた辛い経験を思い出した。
映画『バトル・インフェルノ』のあらすじ【転】
レーンは一瞬正気に戻るが、喉の異物で苦しみ始める。マックスが指を入れて取り出すと、それはオフィシャルグッズの聖なる布だった。バチカン公認グッズとして売っていたが、実は安物の中国製の布であったため、マックスはインチキ商売であることを告白した。すると一瞬、レーンの苦痛は和らいだ。
しかしレーンは再び苦しみ始める。マックスがレーンの口に指を入れるが、悪魔に戻った彼女に指を噛みちぎられてしまう。次はドリューが番組の儲けの分け前を多く取ったことを懺悔した。この異常な状況に耐えられなくなったアシスタントは逃げようとして、飛んできた陶器が頭部に直撃して死亡する。
衝撃的なシーンの連続で、フォロワーが90万を超えた。アクセスが集中したため回線が不安定となるが、ドリューが回線を増強させてサーバーダウンを回避する。クリスがスタジオに戻り、犬や鳥を掛け合わせた悪魔を見たとドリューに話した。その直後、その獣の悪魔がスタジオに侵入するが、その姿はクリスにしか見えなかった。彼は体にまとわりつく獣をナイフで刺しながら、実際は自分の体を切り裂いて出血死する。
悪魔は視聴者参加型のゲームを用意し、マックスを首吊り寸前の状態にし、視聴者に救出ボタンを連打させた。マックスは神学校時代に女教師の目を潰して殺したことを告白し、踏み台を外して自害しようとする。世界中の視聴者は1200万を超えた。
映画『バトル・インフェルノ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ドリューは配信を止めれば悪魔は攻撃を諦めるのではと考え配線を切った。すると予想通り、マックスの首の縄が解かれた。ドリューは悪魔の名前を「アモン」と推測。「悪魔のデータベース」で悪魔祓いの方法を見つけると、再び配信を復帰させた。
アモンはマックスとレーンの関係を暴く作戦に出た。レーンはマックスの元恋人で、今も関係が続いていたのだ。それを知ったドリューは怒り狂いそうになるが、仲間割れを目論むアモンの作戦だと気付き、冷静を取り戻す。ドリューはアモンの攻撃を受けながらも眼鏡型端末で悪魔退治の文言を見つけ出し、マックスに唱えさせた。するとようやくアモンはレーンの体から去っていった。
配信時間が残り3分となった時、焼死したはずのトミーが魔王に変貌する。大きな角を持ち目から炎を発する魔王は、「悪魔のデータベース」の制作者であった。魔王はカメラの前に立ち、1800万の視聴者に向けて魔術を送った。
悪魔の目を見た全世界の視聴者は、次々と殺戮を始める。これが悪魔の最終目的だったのだ。ワシントンDCの少年は大統領の息子であり、官邸で父を殺害。妻は夫を、警察官は同僚を殺し、旅客機テロなど世界各地で暴動が始まった。スタジオのマックスは指の手当てを受けながら、自分のSNSが400万人を突破して満足げな顔をした。
映画『バトル・インフェルノ』の感想・評価・レビュー
悪魔祓いのヤラセ生番組中に本物の悪魔が降臨し、ニセ神父が退治しようと奮闘する様子を描いた本作。この悪魔はインターネットやSNSに熟知し、「悪魔のデータベース」というサイトを作り、動画配信サイトを利用して魔術を送ってしまった。なんと多才な悪魔だろう。しかもとてもお喋りなので、話がテンポよく進む。ホラーでありながらコメディ要素もあるので、時折クスっと笑える。
マックスとドリューが主人公ではあるが、レーン役のアリックス・アンジェリスの悪魔に取り憑かれた演技が目を引いた。表情はもちろん指先まで悪魔と化し、B級映画を超える見事な演技力だった。(MIHOシネマ編集部)
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