映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』の概要:アフリカの紛争地帯にある村で家族と生活していた少年アグーは、村が戦争に巻き込まれたことをきっかけに少年兵として生きていくことを余儀なくされる。戦争の中で心が少しずつ壊れていく子供を描いた戦争映画。
映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』の作品情報
上映時間:137分
ジャンル:戦争
監督:キャリー・フクナガ
キャスト:エイブラハム・アッター、イドリス・エルバ、カート・エジアイアワン etc
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映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』の登場人物(キャスト)
- アグー(エイブラハム・アタ)
- アフリカの村で家族と仲睦まじく暮らしていた少年。反政府軍に捕らえられたことで少年兵として戦争に参加せざるを得なくなる。
- 指揮官(イドリス・エルバ)
- 反政府軍でアグーを捕らえた部隊の指揮を取っていた人物。最高司令官に降格を指示されたことをきっかけに軍を離れ、自滅の道をたどる。
- ストライカー(カート・エジアワン)
- アグーの部隊にいた少年兵。言葉が話せない障害を持っているものの、アグーと年が近いことから次第に心を通わせる。
- グッドブラッド(ジュード・アクウダイク)
- 反政府軍の最高司令官。口では指揮官に昇格の話を持ちかけていたものの、最終的に彼を更迭する。
映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のあらすじ【起】
アフリカの紛争地帯、平和維持軍に保護された村で、祖父、両親、兄弟たちと暮らしている少年アグーは、村の少年たちと共にリサクル品を売って小銭を稼いでいた。
村には多くの難民が押し寄せており、信心深いアグーの父は彼らに土地を貸していたのだった。
その後、政府が国内の支配力強化を図ったため、中立地帯であったアグーの村に政府の軍が派遣されることになる。
村長の意向で、先祖代々引き継いできた土地を守るために成人男性は村に残り、女性と子供は首都に逃すことが決定されるが、アグーは父、兄と共に村に残る。
ある日、村に反政府軍が押し寄せてくると政府軍と反政府軍の戦争に巻き込まれる。政府軍に見つかり、捕らえられてしまったアグーとその家族。尋問の末、反政府軍だと判断された彼らは一斉に処刑される。
アグーは何とかその場から逃げ出し、森に逃げ込むも、反乱軍の兵士たちに捕らえられてしまう。彼らを率いる指揮官はアグーを部隊に引き入れ、少年兵として鍛えることにするのだった。
映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のあらすじ【承】
半ば強制的に反政府軍の少年兵になったアグーは、反政府軍のキャンプに連れられ、新入りとして銃の手入れや雑務などをこなすようになる。
訓練を受けてしばらくたつと、彼らはキャンプから離れ、橋を通る政府軍車両を奇襲する作戦を立てる。弾薬運びとして初めての戦闘に参加したアグーは、あまりの悲惨さに言葉を失う。
その後、指揮官は戦闘で捉えた捕虜を殺すよう、アグーに命令を出す。丸腰で命乞いをする捕虜に同情したアグーは躊躇するも、鉈で頭部を切り裂いたのだった。
こうして正式に部隊に入隊したアグーは、同じ少年兵で発生障害を持っている少年ストラーカーと出会う。
彼と出会い、次第に部隊の生活に慣れてきたアグーは戦闘に身を投じていく中で、殺人、略奪、強姦などの罪を経験する。
薬物を与えられ、罪悪感や時間感覚が薄れてきたことで人を殺すことに躊躇いがなくなったアグーは既に一人前の少年兵になっていたのだ。
ある日、いつものように政府軍参加の村を侵略していると、反政府軍の上官からアグーが所属する部隊に命令が下る。
映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のあらすじ【転】
反乱軍の最高司令官グッドブラッドの命令で、反乱軍司令部に訪れたアグーたちは彼と面会する。
なかなか首都に攻め込まない最高司令官に痺れを切らした指揮官は、進行を提案するも、却下される。彼は指揮官を降格させ、副指揮官に部隊を引き継がせるつもりだったのだ。
この知らせを受けた指揮官は命令を拒否し、部下を引き連れ司令部を出て行ってしまう。
再び戦闘に身を投じるアグーたち。昼も夜も関係なく続く政府軍との戦いに憔悴した部隊は行く当てもなく彷徨い続ける。
戦いの中で、既に自分が子供には戻れないことを悟ったアグーは、戦闘での負傷が原因で死んでしまったストライカーの死体を背負いながら、この地獄から抜け出したいと神に祈り続ける。
その後、鉱物採掘場を占拠した部隊は篭城を始めるものの、飢餓や病気が蔓延し、弾薬もそこをついてしまう。
そんなある日、部隊の一人が指揮官に部隊を離れると告げると、兵士たちの不満が爆発し指揮官を残して国連軍に投降するのだった。
映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』の結末・ラスト(ネタバレ)
国連軍に保護されたアグーたちは、戦争によって傷ついた子供たちを集めた施設に送られる。施設では多くの子供たちが無邪気に遊びまわっている。
しかし、長きにわたる戦争の影響で平和に違和感を覚えたアグーは、施設の子供達に溶け込むことができず、悪夢に苦しむ。部隊にいた子供の中には、戦いこそが自分の存在価値だと考え、施設を逃げ出してしまう子供も出てきてしまうのだった。
衣食住が確保されていることを理解しているアグーは施設に残ったものの、ただ時だけが過ぎていく虚しさと、戻れない過去に思いを寄せる。そんな彼を心配した施設のカウンセラーに話を聞かれても、なかなか口を開こうとしない。
しばらくすると、粘り強く接するカウンセラーに心を開くようになったアグーは、自分が兵士になる前は家族にどれだけ愛されていたか、自分はただ幸せになりたかっただけなのだと語る。
その後、海で戯れる他の子供達を見つめ、彼らを追って海に入るのだった。
映画『ビースト・オブ・ノー・ネーション』の感想・評価・レビュー
主演の子役が紛争地帯で過酷な戦闘に身を投じる少年兵を見事に演じており、彼らの不安や葛藤、癒えることのない傷を抱えながら生きていく姿に、胸が張り裂けそうな思いだった。
また、味方であったはずの反政府軍からも裏切られ、部隊の仲間たちが次々死んでいく中で、神に赦しを乞い疑問を投げ続けるアグーが不憫で仕方なかった。
最後に無邪気に遊ぶ子供たちの輪の中に飛び込んでいくアグーを見て少しだけ希望が見えた。(MIHOシネマ編集部)
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