映画『ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる』の概要:母親を事故で亡くし伯母の家へ行くことになった姉妹。伯母はとても厳格な人物で、邸の地下室には恐るべき秘密が隠されていた。邸に住み着く邪悪なものに幼い妹が憑りつかれ、姉は伯母と共に恐ろしいものと対峙する。
映画『ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる』の作品情報
上映時間:86分
ジャンル:サスペンス、ミステリー、ホラー
監督:アンドリュー・メカム、 マシュー・ウェドン
キャスト:エリザベス・ビルクネル、アディ・ミラー、ジャン・ブロバーグ、フィリップ・ブロディ etc
映画『ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる』の登場人物(キャスト)
- クレア(エリザベス・ビルクネル)
- 妹。幼いが故に亡き母親を求め、塞ぎ込んでいる。そのため、ウサギのぬいぐるみを手放さず、知らない人とは口が利けない。邸に住む邪悪なものから標的にされる。
- オリビア(アディ・ミラー)
- 姉。塞ぎ込んでいる妹を思いやるしっかり者。聡明で妹を守ろうとする意思がある。ベスとチャールズに疑惑を持っていたが、後に和解する。妹を救うために奮闘する。
- ベス(ジャン・ブロバーグ)
- 姉妹の伯母。非常に厳格な女性だが、過去の事件で妹を殺害したとして刑務所に入っていたことがある。邸に住み着く邪悪なものを封じるために長い時間をかけて、研究している。
- チャールズ(フィリップ・ブロディ)
- ベスの家の隣人。ベスとは幼馴染で互いに好意を寄せ合っていた。過去にあった事件によって罪を犯したが、ベスに庇われたことで一生の恩義を感じている。とても誠実で優しい人物。
映画『ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる』のあらすじ【起】
シングルマザーであった母親を亡くした姉オリビアと妹のクレア。亡くなった母の同僚が何かと姉妹の世話を行い、2人に伯母がいることを突き止めた。母親の同僚は遠くへ引っ越すため、姉妹の面倒を見ることができない。別れた父親は海外にいて連絡が取れない。困った同僚は伯母のベスを頼った。
ところが、ベスは家に姉妹を引き取ることはできないと言う。母親の同僚は父親と連絡が取れるまでの間だけでもいいからとどうにか説得。ベスと親しいのか、隣人のチャールズが同席していた。とても感じの良い男性だった。
ベスはかつて妹の部屋だった部屋に姉妹を案内。そっけない態度でしかも、はっきりと姉妹に向かって迎えたくはなかったと言うベス。家には厳格なルールがあり、食事は食堂だけで行い夜10時には部屋に入り、消灯は11時。朝まで部屋から出ないようにと強く言い聞かせた。
1階にあるベスの書斎には決して入らないこと。地下室に通じる扉には常に鍵がかけられており、入ることはできない。台所と食堂を案内され、夜中に物音がしても無視しろと言う。夢遊病のベスが徘徊して物にぶつかったりするからと説明された。
更にベスは決められた時間外に外へ出たら罰を与えると言う。このルールにオリビアはすぐに了承したが、クレアは事故による心的ストレスで他人とは会話することができなくなっていた。ベスは心が弱いのは良くないと指摘するのだった。
夕食は隣人のチャールズが作ってくれ、食卓を囲んだ。彼は何かとベスの世話をしている様子。ところが食事中、クレアにアレルギー反応が発生。妹はピーナツアレルギーを持っており、オリビアが冷静に対処したお陰で事なきを得た。
その後、バスルームを使っていたオリビアは洗面台の鏡が壁紙で覆われているのを発見。彼女は興味本位で壁紙を剥がし、そこに映っていた様子が実際の様子と違うこと、鏡に何かが映り込むのを目にする。
映画『ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる』のあらすじ【承】
その深夜、クレアは何かの気配に目覚め、自分に語り掛ける声を聞く。いつも抱えているウサギのぬいぐるみが、邸の地下室にいる母親を助けて欲しいと言う。幼い妹は声の指示に従ってベスの書斎から地下室の鍵を入手。少女は地下室へ降り、古い鏡を見つける。そして、クレアは促されるまま、浮かんだ言葉を3回唱えてしまうのだった。
翌朝、隣にクレアがいないことに気付いたオリビアは、邸内を探し回り押し入れに隠れている妹を発見する。少女はベスに叱られると怯えていた。更に妹はベスの書斎へ堂々と入り、引き出しに隠されていた新聞の切り抜きを取り出す。天才バイオリニストが両親と妹を殺害したと報じたものだ。クレアはこれを鏡の中にいる母親から見せてもらったと言う。
オリビアは切り抜きをポケットに隠し、書斎から出た。オリビアは母親の同僚へすぐさま連絡し、迎えに来て欲しいと頼んだ。
その頃、ベスは引き出しにしまっていたはずの地下室の鍵を入れた箱に鍵が入っていないことに気付く。
夕食時、クレアは恐るべき食欲を発揮。ベスは姉妹のどちらかが地下室へ入ったと見て、邸に滞在したいのではないかと優しく聞いた。すると、昨日とは一変してクレアが明確な意思表示をする。明らかに別人だった。
翌朝、目が覚めたオリビアはクレアが何かを腹から出したいと呟きながら、腹部を血が出るほど掻きむしっている姿を目にする。行為を止めようとすると、少女とは思えないほどの力でオリビアの首を絞める。異変を察したベスが部屋に来てくれたため、助かった。
ベスはクレアを病院へ連れて行くと言う。ベスとチャールズは何かを隠している様子。先に車へ乗り込んだオリビアは、後部座席の座布団の下に隠されていた包丁と銃に気付き邸へと踵を返した。すると、ベスが謎の水を用意して待っており、チャールズが逃げ道を塞ぐ。
押さえ込まれたオリビアは、クレアが地下室へ入ったことを指摘し、オリビアに謎の水を飲ませた。
気が付くとすでに夜も更けている。母親の同僚が姉妹を迎えに来ていたが、チャールズが追い返してしまう。だが、オリビアは窓の外で必死に訴えかける母親の同僚を発見。彼女協力してもらいチャールズを人質にし、姉妹を解放するよう促した。
映画『ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる』のあらすじ【転】
地下室に閉じ込められていたクレアを回収したオリビアと母親の同僚。しかし、クレアは酷く抵抗し母親が現世に戻って来るなど、おかしな言動をする。妹のウサギを取りに戻ったオリビアは邸のどこかから呼びかける声が聞いたが、無視して車へ。ところが、車に戻ると母親の同僚は無残にも殺されており、クレアの姿が消えていた。
邸に戻りベスとチャールズを解放したオリビア。彼女はベスから邸に関しての真実を聞くことになった。ベスが邸の秘密を知ったのは、今のオリビアと同じくらいの年頃だった。邸には邪悪な何かが住み着いていて、クレアの身体を使ってこちらの世界へ来ようとしている。その扉は3つあり、最初の扉は鏡。鏡は心に通じており心は2つ目の扉となる。そして、3つ目の扉は体だ。3つの扉は世界に通じており、開いてしまうと世界に破滅が招かれると言う。邪悪な何かはクレアの中で具現化しようとしている。それはベスが妹を殺した時と同じ現象だった。
故にベスは両親を殺した妹を殺すことで災厄を防いだのだ。ベスは釈放後に元の邸へ戻り、邪悪な何かを封じようと策を練ってきた。恐らくクレアは邸のどこかに身を隠している。クレアの身を守るために邪悪なものがそうさせているのだ。
チャールズは当時、現場に直面していたが、ベスの妹を殺したのは彼だった。だが、ベスは全ての罪を被りチャールズを守ったと言う。彼は庇ってくれたベスに一生の恩義を感じ今も傍にいるのだった。
大人2人が外の捜索へ出てしまい、邸内にはオリビアが残っていた。姉はオルゴールの音を聞きつけ部屋へ向かったが、そこでクレアから襲われてしまう。姉は故障中だと言われていたエレベーターに身を隠したが、エレベーターはなぜか地下室へ到達。
オリビアは手近にあった棒を手にしたが、背後にクレアが迫っていることに気付く。そこへ、ベスとチャールズが現れ、妹を拘束した。2人はオリビアだけを外に出し、地下室の扉を閉めてしまう。扉の向こうから何かの気配がして、慄いたオリビア。地下室の鍵が勝手に開いたので、銃を手に中へ入った。
中ではベスとチャールズが着々と準備を進めていたが、封じるには乗っ取られた体を殺すしか方法がない。チャールズはオリビアの説得に負け、ベスを拘束してしまった。
そこで、ふと別の方法に気付いたオリビア。クレアはピーナツアレルギーなので、口にすればアレルギー反応が起こる。もしもの時は薬を注射すれば助かるかもしれない。
そこで、2人はクレアにピーナツバターを含ませた。すると、少女は酷くもがき苦しんだ末、口から黒い霧のようなものを吐き出す。すかさず、注射を立て続けに3本打ったが、息を吹き返す様子はない。諦めかけたその時、薬が効いてクレアが意識を取り戻した。
映画『ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる』の結末・ラスト(ネタバレ)
ほっとしたチャールズとオリビア。ベスは相変わらず自分が正しいと言い張っているようだが、姉妹は父親の元へ引っ越しが決まった。荷造りを済ませて外へ出ようとしたその時、玄関のドアが勝手に閉まる。息を飲んだ一行は逃げようとしたが、クレアだけが地下室へ連れ去られてしまう。
騒ぎを聞きつけたベスも加わりクレアを助けに向かう。彼らを妨害しようと邪悪なものは3人を弾き飛ばした。そこで、オリビアは割れた鏡に姿が映ったのを目にする。彼女は欠片を拾って背後へと攻撃。すると、悲鳴が聞こえて拘束が解かれた。その隙にクレアを回収し、書斎へ避難。ベスが資料を漁って解決法を探す。
オリビアが鏡に映った状態のところを鏡の欠片で攻撃すれば倒せるかもしれないと話すと、ベスは罠を張って奴を倒す計画を立てた。邸にある鏡を全て出して欠片を用意。クレアを囮にして待ち構えたが、邸の明かりが全て消されてしまう。明かりを探している間にクレアが攫われてしまい、一行は慌てて邸中を走り回った。
その頃、クレアは母親の部屋に閉じ込められ、再び扉を開く呪文を3回唱えろと促される。だが、クレアは言うことを聞かず鏡に映った奴へと攻撃。そこへチャールズが駆け付け加勢してくれたが、彼は邪悪なものの恐るべき力に負け、殺されてしまうのだった。
その頃、オリビアはベスと共に地下室に閉じ込められていた。だが、オリビアは頭部に鉄球がヒットし、一瞬意識が遠のく。その間、ベスが攻撃を受ける羽目に。クレアは地下室の扉前で2人の窮地を察し、助けるために3回呪文を唱えようとしたが、そこでベスがすかさず呪文を3回唱える。彼女は自らに邪悪なものを招き入れ、オリビアに始末を頼んだ。
オリビアは決死の覚悟でベスを殺害。邪悪なものはベスの命と共に消滅した。姉妹は泣きながら抱き締め合い、そうして邸から外へ出ることが叶う。何台ものパトカーが通報で駆け付け、中の状況を確認した警官は、ベスとチャールズの心中として事件を終結させることに。姉妹は邸であったことを2人だけの秘密として、口外しないことにしたのだった。
映画『ビハインド・ユー その「何か」は、鏡の中にいる』の感想・評価・レビュー
母親を亡くした姉妹が伯母の家に厄介になったことで、恐ろしいものと対峙することになるという内容。
伯母の家には邪悪なものが住み着いている。悪魔かと思うのだが、作中では魔女のような容貌をしている。序盤で事件が発生するのだが、それこそ伯母が体験した事件の始まりだったと中盤辺りで分かる。それまではとにかく伯母と隣人が怪しすぎで不気味。主人公は恐らく姉妹の姉で、姉は妹が変貌しても尚、頑なな態度を崩さない。そのせいで関係のない母親の同僚が殺されてしまうので、やってしまったなという感じになる。結局、邪悪なものを封じるには憑依された者を殺すしかないという結論に至り、伯母を殺す羽目になる。本当にこれで解決したのかも分からないという終わり方に、どこか釈然としない感じが残った。(MIHOシネマ編集部)
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