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映画『ブラックホーク・ダウン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ブラックホーク・ダウン』の概要:1993年、実際にあったソマリア内戦「モガディシュの戦闘」を映画化。国際世論に圧されソマリアの民族紛争に介入し戦争に参加した米軍が、敵対する将軍捕縛の作戦を決行するも、悲惨な結果を招いてしまう様を描いている。

映画『ブラックホーク・ダウン』の作品情報

ブラックホーク・ダウン

製作年:2001年
上映時間:145分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、戦争
監督:リドリー・スコット
キャスト:ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、トム・サイズモア、サム・シェパード etc

映画『ブラックホーク・ダウン』の登場人物(キャスト)

マット・エヴァーズマン(ジョシュ・ハートネット)
レンジャー第4チョーク班長、二等軍曹。何かの役に立ちたいと理想を掲げ、軍人となった好青年。責任感が強く、仲間を守ろうと勇敢にも指揮を執りブラックホーク第1墜落地点を死守する。
ノーマン・ギブソン(エリック・バナ)
フート、デルタフォースの古参兵で一等軍曹。戦場を駆け回る優秀な兵士で、戦役も長い。班長となったマットを励まし、頼りになる存在。仲間のために戦うことを理念としている。
ウィリアム・F・ガリソン(サム・シェパード)
前線基地司令官で少将。敵対するアイディード将軍を捕縛するため、躍起となって作戦を決行する。兵士を守ろうとあらゆる手段を講じる。

映画『ブラックホーク・ダウン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ブラックホーク・ダウン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ブラックホーク・ダウン』のあらすじ【起】

1992年、東アフリカのソマリア。部族間での戦いが長年に及んだため、その年は30万もの民間人が餓死。最強部族を率いるアイディード将軍は首都であるモガディシオを制圧後、国際援助にて配給された食料を奪い、敵対部族に圧力をかけ飢えさせていた。

このことが国際世論へと発展し、米国は2万人の海兵隊を出動させ食料を配った。そのお陰で一旦は秩序が回復したかと思われたが、米兵撤退後にアイディード将軍は国連平和維持軍へ宣戦布告。6月には国連パキスタン兵24名を虐殺し、米兵も攻撃対象となる。
このことを受けた米国はデルタフォース特殊任務隊を投入したが、3週間の任務では解決せず6週間が経過。事態は一向に好転せず、焦りを隠せずにいた。

1993年10月2日。前線基地司令官であるウィリアム・F・ガリソン少将は、アイディード将軍の捕縛に躍起となっていたが、捕縛できずに歯噛みしていた。故に奴らへと通じる武器商人を捕捉し交渉。アイディード将軍の炙り出しにかかる。だが、成果は微妙だとしか言えないような状況であった。

10月3日。前夜にレンジャー第4チョークの班長である中尉がてんかんの発作で体調不良となり、急きょ帰国することになったため、二等軍曹であるマット・エヴァーズマンが班長を務めることになる。彼は理想を掲げ、軍人となった好青年であった。
その後、彼は作戦会議に参加。ソマリア政府の要人でもあり、アイディード将軍の副官2人を捕縛し、捕虜を解放するのが目的だった。

任務ではデルタフォース隊との連携が必要となる。デルタの連中は協調性に欠ける面があるも、ここぞという時には頼りになるだろう。レンジャー隊は入念に戦闘準備を整えた。
午後14時30分。アイディード将軍の支配地であるバカラ・マーケットへスパイが侵入し、会合場所を示す。いよいよ作戦決行である。

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映画『ブラックホーク・ダウン』のあらすじ【承】

作戦に参加する全隊が移動を開始。米軍の隊が移動を開始したことで、異変を察したソマリア兵も戦闘準備を開始。迎撃に備えている。

15時42分。ヘリ隊は目標地点へ到着。地上に降りた米兵は侵攻を開始。ブラックホークに乗っていたマットの班も降下。しかし、ソマリア民兵の強襲により、新兵が1人墜落してしまう。マットは応戦しつつも新兵を救助。その間にもデルタ隊が捕虜を確保し解放に成功した。激しい銃撃戦が展開する中、死傷者を出しつつも作戦は順調に進んだ。しかし、任務半ばまできて敵の攻撃に遭ったブラックホークが1台墜落。このことでソマリア兵の士気が上がり、戦況は一気に不利な状況となる。

ブラックホーク墜落地点の近くにいたマット達は、命令により生存者確認のため、墜落地点へ徒歩にて移動を開始。だが、その進行を大勢の民兵に阻まれてしまう。民兵の中には幼い少年までもが銃を持ち攻撃して来るのだ。

死傷者を乗せた一部の隊が銃撃戦をくぐり抜けて基地へ帰還。その頃、マット達は墜落地点へ到着。生存者は2名のみだった。ヘリにて1人を無事に救助した後、マットは自分の隊の怪我人を救助してもらうよう要請するも、激しい反撃のためにヘリが降下できないと断られてしまう。

ブラックホーク墜落地点へ民兵が続々と集中。奴らはヘリを狙って対戦車ロケットRPG-7にてブラックホークをもう1台狙撃。墜落させられてしまう。米兵各隊は泥沼と化した市街戦へ突入し、続々と湧き出て来る民兵に囲まれ窮地に追いやられてしまうのだった。戦況が不利だと判断したガリソン少将は、市街に残っている全隊に撤退命令を出すことにした。

映画『ブラックホーク・ダウン』のあらすじ【転】

残された隊の脱出を図るため、帰還したデルタ隊員のノーマン・ギブソンが隊を引き連れ再び出撃準備を行い、志願兵も乗せて出発。
今や民兵は数百人にも膨れ上がり、移動するにも激しい銃撃のために多数の死傷者が続出。同じ頃、2台目の墜落機にはパイロット2名が生存中で、民兵に囲まれていた。彼らを助けるために2名の兵が降下し合流。

16時45分。車両部隊が死傷者を乗せて基地へ帰還。同じ頃、マットの隊は第1墜落地点を死守していた。民兵の攻撃は止むことなく続けられる。結局のところ、副官2名も捕縛できず米兵は数百人の民兵に囲まれ、それぞれに孤立させられている。動くこともできず、疲弊していく一方である。戦況は最悪の状況だった。

ガリソン少将は移動もできない隊のために保持する全車両を投入し、安全なパキスタン地区へ避難させることを決定。作戦を変更することにした。第2墜落地点では何百人もの民兵が押し寄せ、抵抗も虚しく1人のパイロットが捕虜として捕縛されてしまう。

救助のために戦線へ戻ったデルタフォースのノーマンは第2墜落地点へ移動を開始。
17時50分。日が暮れようとしている。朝夕のお祈りのため、この時間帯だけは一気に攻撃が止み、一時的に静寂が訪れた。数人の隊員がマットの隊と合流することに成功したが、その際に気付かれて銃撃されてしまう。そのせいで重傷者が1名発生。救助を要請したが、対応できないと言われてしまう。

同じ頃、第2墜落地点へ到達したノーマンの隊だったが、生存者は見つからず。ノーマンは墜落ヘリを爆破し次の地点へ移動を開始した。
一方、国連パキスタン軍へ米兵の避難援助を要請に向かっていた部下から、ガリソン少将へ連絡が入る。作戦を事前に知らせていなかったため、準備に時間がかかると言う。だが、準備している間にも隊員達は危険に晒されている。少将はパキスタン軍の将軍を説得し、準備を急がせることにした。

映画『ブラックホーク・ダウン』の結末・ラスト(ネタバレ)

救助は難しいと言われたマット。衛生兵の判断で重傷者の処置を手伝った。直後、潜伏場所をロケットにて急襲されてしまう。直ちに反撃を開始。丁度、そこへノーマンの隊が到着し合流することに成功する。
銃撃戦が再開されたことを聞いたガリソン少将は、赤外線ストロボを使って目標をマークさせ空から機銃掃射を行い、民衆を遠ざけさせるよう命令した。

23時23分。ようやくパキスタン軍の準備が整い、何台もの車両が戦線へと投入される。だがその頃、マットの隊の重傷者が息を引き取ってしまう。班長としての責務に苛まれるマットだったが、ノーマンの励ましでどうにか気を取り直すことができた。

機銃掃射を行うヘリがポイントへ到着。再び銃撃戦が開始され、民兵が集まって来る。だが、敵味方入り乱れており、目標が判然としない。マットはヘリからの連絡を受け、仲間の援護を受けて民兵をマークすることに成功。一斉掃射が開始される。

同じ頃、車両の救出部隊が到着。残弾数は残り少なかったが、救出部隊到着の報により希望が見えてきた。
午前2時5分。マット達が潜伏する場所へ救出部隊が到着。負傷者を車両に乗せ込み、レンジャーが背後を守りつつ撤退することにする。第1墜落地点のヘリには負傷した隊員が1名残っていた。だが、両足が土砂に埋もれ救出には時間がかかりそうである。ガリソン少将はそれでも、誰1人として隊員を残すことなく連れ帰れと命令を下した。

10月4日、5時45分。激しい銃撃戦は止むことなく続いている。準備の整った車両から順次出発し、周囲をレンジャーが守り撤退開始。動ける者は装甲車の影に隠れつつ走ってついて行くも、後方から更に追撃され残された隊は殿を務めつつ戦線を離脱。
安全地帯であるパキスタン軍の領地へ入ると、民兵はそれ以上追って来なかった。

国連のパキスタン・スタジアムへ到着。疲弊しきったマット達は、ようやく安堵し一息つくことができたのだった。
だが、今回の作戦にて米軍が負った被害は相当数に上る。戦闘が米軍に残した爪痕は酷いものだった。その上、任務も失敗している。この戦闘にてソマリア人が1000人、米軍兵士が19人死亡した。

当時の首相であったクリントンはこの戦闘において2週間後、ソマリアから兵を完全撤退させた。ガリソン少将は今作戦の責任を全て負い、1996年8月にアイディード将軍が戦死した後に退役した。

映画『ブラックホーク・ダウン』の感想・評価・レビュー

世界でもっとも寿命が短い国ソマリア。そこは戦場とそれ以外の区別があいまいでどんな場所でも一瞬で生と死が交差する激戦地に変わりうる。この映画ではそんな混乱の極みのような国で生き延びる兵士たちをその混乱のまま描いている。非常にカメラと被写体が近く、しかし描いている範囲は広い。そのためにそこら中から攻撃を受けているような気分にさせられる。死ぬ間際に友情や後悔を語る間すらないのがとてもリアルだ。(男性 30代)


何よりこの映画はサントラが最高です。
特に「ザ・メスカレロス」のメンバーとして、今は亡きジョー・ストラマーが歌った「ミンストレル・ボーイ」。
しかも、このサントラだけに収録されている映画ヴァージョンが最高なのです。
人生に立ち止まった時、節目節目にこの曲に励まされています。
そんな人生の1曲に出逢えた映画、それだけでも映画を観る価値があります。

映画の内容は、アメリカから観たアメリカに偏った映画と言われています。
ソマリア内戦への介入は聖戦かもしれないけれど、やはり戦争です。
もっとその現実を感じたかった。(女性 40代)


戦争映画は背景を分かっていないと全く記憶に残らないです。軍隊や戦争が身近なものでないからか、ジョシュ・ハートネットが主演ということしか印象に残らないです。
アメリカ人の描いたアメリカよりの戦争映画ですが、けっこうリアルに描かれていたと思います。
ただ、戦争映画としてはこの後で見た『エネミー・ライン』やハートネットが出ている『パール・ハーバー』の方が良くできていたと思います。今作は人物よりも戦争描写に力を入れていた作品だと感じます。(女性 30代)


この作品を最初に観たのは映画館で当時は意味が良く分からず、戦争はいけないことだと思ったのだが、改めて観ると悲惨の一言に過ぎる。絶対に落ちないと言われていたブラックホークが落とされたことで兵士達の絶望感もさることながら、戦場の真っ只中に取り残され、仲間を失いながら必死に戦い続ける姿を苦々しく思った。そして、彼らを助けようとする上官の心意気が素晴らしく、仲間を信じて脱出を目指す様子に手に汗を握り、胸を痛め涙を浮かべながら鑑賞した。(女性 40代)


名作戦争映画のひとつに数えられる今作。

まずカメラワークが素晴らしい。手振れを含む兵士の一人称視点でまるで本当の戦場に降りてしまったような感覚に陥る。作戦が次々崩壊していって混乱に陥る様子に非常な緊迫感を交えた映像で描写されるが、実際の戦争(ソマリア)を下敷きにしているため圧倒的リアリティがあった。

この映画も戦争の虚しさを感じさせるものだが、ニュースだけでは想像できない実際の戦場を想像するのに一助となる。(男性 30代)


映画というよりは、おぞましい戦争の記録をひとつひとつ確認していく作業、という感覚だった。とにかくこれらが現実で起きた出来事であるということに終始言葉を失ってしまう。
一番心に残っているのはやはりデルタフォースのゴードンとシュガートのシーンだが、フィクションであれば手放しに感動出来たであろうそれも、ノンフィクションだと思うと急に心が重くなる。だがそれでも、彼らの勇敢で誇り高い行動に胸を打たれたのは事実であり、絶対に忘れてはならない歴史だと思う。(女性 30代)

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